みなさん、こんにちわ。

ジーコJAPAN

は昨日キャンプを打ち上げ、明日の出発まで、今日は暫しの休息です。

・・・と、言っても選手、監督たちには多くの取材が殺到しており、ゆっくり休む暇などないかもしれませんが・・・。
「ガンバレ!ニッポン
」とか言いながら、選手に休息の暇も与えず取材攻勢をかけ続けるメディア達。お互い仕事と言ってしまえばそれまでですが、本当に
「ガンバレ!」という気持ちをもっているのなら、選手や監督のコンディションの事を考え、ちょっとは自粛するのも必要かもしれません。自戒の念も込めて、今日のコラムスタートです。
●揺らぐW杯の価値
「W杯が危ない!」・・・と、言っても現地でのテロの話でもなければ、開催が危ぶまれている訳でもない。大会直前にして各代表に怪我人が続出しているのだ。

相手の主力選手が怪我で出られなければ日本代表にとって有利に働くなんて言って喜んでいる場合ではない。大会開催側だけではなく、全世界のサッカーファンにとってもW杯で世界最高のプレーが見られないのは深刻な問題だ。
4年前の日韓W杯の際、大会直前にジダンやベッカムが怪我を負ってしまい、世界最高の祭典でありながら、世界最高のプレーは見ることが出来ず、日韓両国が頑張ったものの大会全体としては決して成功したものではなかった。
そして今回のドイツ大会、ここ数日の報道によると、アルゼンチンのメッシが大会に間に合わないかもというニュースが飛び込んできた。イングランドのルーニーの怪我に加え、メッシが怪我で出られないとなると大会は大きな若手注目株2本柱を失うことになる。
これに加え、今世界でアンリ、ロナウジーニョらと肩を並べるストライカー、ウクライナのシェフチェンコも怪我を負っており本調子で大会に挑めるかは定かではない。
90年代までW杯は4年に1度、サッカー世界一を決める大会だった。ところが2000年以降、欧州サッカー協会(UEFA)を筆頭に世界中の各サッカーリーグは国内のリーグ戦だけでなく、国内のカップ戦、欧州戦(欧州各国のリーグが国を超えてクラブチーム同士で対戦を行うリーグ及びカップ戦:欧州チャンピオンズリーグ、UEFAカップなど・・・)など複数のリーグ、トーナメントを同時期に開催することにより、超過密な試合スケジュールが発生。
選手にとっては2〜3日に1度試合を行う計算になってしまったのだ。こうなってしまうと選手にとってはコンディショニングの維持や疲労を解消出来る時間的猶予など与えられるべくもなく、次々に試合をこなすうちに疲労からくる骨折や捻挫など様々な怪我を負うリスクも高まり、そのうちに怪我を負ってしまうという悪循環に陥っている。
こういった過密な試合のスケジュールから選手たちは各リーグ戦やトーナメント戦が終わる頃には既に疲労困憊の状態に陥っており、W杯が開催される6月には体力も気力も失せてしまっているというのが現実である。
これは一重にサッカービジネスの発展という事象が皮肉な結果を招いていると言ってよかろう。各国のサッカー協会にとって新たなリーグ、カップ戦を開催するという事は新たな収益モデルを作り出すという事を意味する。試合を行う事で得られる見込み収益は、スポンサー費、放映権料、入場料収入、グッズ売上など数億に及ぶ莫大なものだ。
しかしこの事態に今真摯に目を向けなければ発展を続けてきたサッカービジネスがこの先、大きな問題を抱える事になると危惧しているのは私だけではあるまい。
超過密日程の中、スタジアムなどの施設は維持出来ても、実際にプレーをして観客に感動を与えるのは選手という生身の人間である以上、その労働には限界があるはずなのである。
今一度、W杯を前にしてFIFAにはこの事を考えてもらいたい。
「W杯が世界一の大会としてあるために・・・」