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松岡康史のワールドミュージック短信

ノンジャンルな我的音楽記録

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Carlos Aguirre / Orillania
carlosaguirreorillania.jpg先日の来日公演に先んじて日本盤も発売されておったカルロス・アギーレの新譜です。こんなに早く新譜がリリースされるなんてなぜか考えてもみなかったのでちょっと驚きました。来日公演前には買っておったのですがまだまだ今でも聴きこんでおりませんがご紹介。

グルーポ名義の白・赤・紫の3枚はやっぱり今でも気に入っていてけっこう聴くアルバムです。ソロ名義のピアノアルバムの方が聞いてるかなー。というのもあの伝説の初来日公演はアギーレさんのほぼピアノソロだったので聞いているとあのステージが蘇るものですからね。なんだかあの来日公演をハイライトに僕の中での「アギーレ祭り」は一旦終了していた感があるのでここへ来てのこの新譜をどう捉えて聞けばいいのか接し方がよくわからないまま購入。そんでボヤーっと聞いておったのです…。うーん…、ちょっと豪華になったなー…、みたいな漠然とした印象で…。

モノ・フォンタナ、フアン・キンテーロ、ホルヘ・ファンデルモーレ、今回共に来日したキケ・シネシ、そしてウーゴ・ファットルーソといった僕が知っているだけでもかなり豪華なゲストが参加されています。ウーゴやモノ・フォンタナなんてけっこう意外ですよね。ソロ名義のアルバムですが前のピアノソロアルバムとは違います。

正直、白、赤、紫、3枚のあの素朴で壮大ながらも知的で繊細な雰囲気の漂うシャープな音響が好きだったものとしては、この新譜はややおとなしいというか真っ当というかマジメというか大人というか…。なんですよねー。悪くはないんですけど耳に残らない…。こりゃーまた時間をおいて聴くしかないですかね。白、赤、紫も初め聞いた時はピンとこなかったしね。ってなわけで、先日の来日公演でもこのアルバムからどの曲を演奏したのかさっぱりわからない始末です。キケ・シネシの参加している2曲や11曲目のピアノとピッコロのシンプルな曲は演奏したと思いますが…、他の曲は…。記憶に自信がありません。

ウーゴさんの参加している曲は噂通りウーゴさんで、アギーレの曲としてはかなり異質ですがコレはコレで盛り上がるしけっこう好きです。フアン・キンテーロとホルヘ・ファンデルモーレ、そしてアギーレさんの歌声が絡む静かな5曲目も静かな美しさで素敵。モノ・フォンタナのピアノもハマってる…。全体的にはけっこうハイライトもありメリハリのあるアルバムなのです。今までのアルバムの中でもたぶん一番派手ですし。なんだろうなー、ちょっと僕には長過ぎるのかなー。ボーナストラック含め14曲76分ですからね。ウーゴの曲あたりで終っていたら印象がまた派手さを増してよかったのかもな、なーんてね。

で、1曲は1曲目の「El hombre que mira el mar」です。後半のモノ・フォンタナさんのピアノとバックに流れる効果音みたいなのがなんとも美しいじゃありませんか!しかし、この曲はこの前演奏したのかな??あぁ…思い出せない…。
2012年5月24日(木) 16:12 [ 南米音楽 A〜N ]
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sense of Quiet - 青葉市子 / Carlos Aguirre with Quique Sinesi @ 赤坂草月ホール 2012.05.15
senceofquiet.jpg“sense of Quiet”と題されたイベントでカルロス・アギーレが再び来日するって言うんで行ってまいりました。そして今回はキケ・シネシさんというギタリストを従えてのピアノとギターのデュオ形式です。僕が選んだのはカルロス・アギーレさんがメインの5月15日。この日のステージには他に青葉市子さんという最近話題は聞く日本人女性も登場されました。

赤坂草月ホールは僕の会社から歩いて行ける距離にありまして大変便利なホールです。前回はアントニー&ザ・オオノズに行ったのでそれ以来です。けっこう遅めにチケットを手配したのでちょっと端っこのほうでしたが小さなホールなので全く問題なしです。コンサートが開始されても少し席は空いておりました。

ほぼ時間通りに開演。最初は青葉市子さんの登場です。ギター1本抱えて静かにステージに現れました。「ちょっと不思議ちゃんな感じ…」と一緒に行った仲間からは聞いていたものの僕は初体験です。クラシカルというんですか?プログレッシブというんですか?ちょっと南米系のそれとは違うギターの調べにのせ、清楚というんですか?素朴というんですか?つぶやくように歌うかと思えば意外とパワーを感じる瞬間もあったりするようなその歌声はなかなか独自。歌詞の世界に入り込めるかどうかでこの方の音楽に入り込めるかどうかが決まるような感じかな。独自な世界観が僕的には好感が持てました。けっこう長めの組曲のようなスタイルの曲が多く演奏時間もけっこう長かった。途中のMCもなかなか不思議キャラで和みました。

で、休憩をはさみいよいよカルロス・アギーレとキケ・シネシ登場!あのやさしい笑顔の彼が再び日本に帰ってきた!なんだか登場するだけで嬉しさがこみ上げます。キケ・シネシさんのダンディーなお姿も風格ありますねー。前回のカルロス・アギーレの来日はソロだったため彼のピアノソロが中心でしたが今回はギターとのデュオってこともあって、最初からアンサンブル重視の長めの演奏スタイル。新譜からの曲をメインに過去の名曲も演奏されていきます。途中、アギーレピアノソロタイムも挟みながら前回とは違った新たなアギーレの魅力。うん、どっちも素晴らしいね。ただ、僕の席が端っこだったからかもしれませんがキケ・シネシさんのギターの音がけっこう大きめのヴォリュームに聴こえ、ピアノとのアンサンブルという点では少々バランス悪い感じの瞬間もありました。が、概ね問題なしですね。

今回の公演は通訳の方がステージには上がらず残念でした。前回はその通訳さんのおかげで観客とアギーレさんの距離が縮まった感じがしたのでちょっと残念でしたね。アギーレさんはもっと話したかったんじゃなかろうか?

とはいえキケ・シネシさんも初来日という記念すべきステージ。ある種の素朴さを醸し出す心温まるステージは、やっぱり彼らのお人柄が感じられて素晴らしい時間でございました。アンコールは1回。2回目のスタンディング・オベーションに再度、青葉市子さんと3人で現れ何度も微笑みを観客に返すアギーレさん。また来日して下さいね!待ってます。前回行った山形のステージもそれはそれは素晴らしかったので今度はまたどこか東京じゃないところで見たいな…。
2012年5月21日(月) 13:06 [ 南米音楽 A〜N ]
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良元優作 / 優作
良元優作優作.jpg良元優作さんの何枚目かわからないけど2006年発表のアルバム。僕は最新作「へたくそな唄」で初めて優作さんを知ったので、それに比べるとなんだかジャケットとかもちゃんとしてる感じ。発売当時はけっこう売れたりしたのでしょうか?

このアルバムの1曲目「きっかけ」でこの前の小田原はジーズキャフェでのライブは始まりました。ライブではギター1本演奏でちょっとアップテンポにやられていたのですが、このアルバムではなんだかバンド演奏です。スチールギターなども入っていて豪華に聴こえます。コーラスなんかも入っていたりしてね。だが、しかし…、「へたくそな唄」のほぼ弾き語りスタイルで好きになった身としては最初はこのバンドサウンドが少々違和感ありましたね。とくにコーラス。あの優作さんの声にコーラスはなかなか違和感がありますよね〜。けっこう難しいんじゃないかな〜、ってな感じでね。まあ、もはやライブを体験してしまったのでグッとこの曲も好きになっていますがね。

その「きっかけ」を含め、「キムおじさん」「満月の手紙」「コンビニ」「ネギネギブギウギ」「ペプシドライブ」「ケツに火がついた」といったこの前のライブでも演奏された曲はこのアルバムに収録されています。ということは「こんにちは」という曲意外、このアルバムの曲は演奏されたということか!もしかして「こんにちは」もやったのかな?やってないと思うんですけどね…。自信が無いです…。

特に僕が好きな歌は「キムおじさん」と「満月の手紙」です。優作さんファンにも人気の高い曲らしく、やっぱり素晴らしいバラード。泣けますしボーっとしてしまいます。この声とギターの作り出す空気にただただひたすらボーっとしてしまうのです。「満月の手紙」はやはりライブでも一つのハイライトでしたもんね。そしてその「満月の手紙」には有山じゅんじさんがフルートで参加されています。これがまたなかなか良くってねー。さすが、グッと来ました。CDの帯には「あの中島らもが晩年に子守唄がわりにしていた…」と書かれています。なかなか優作さん支持層のディープさがうかがい知れて恐ろしいです。

最初はそんなことでちょっと違和感のあったアルバムですが今では大好きなアルバムになっております。もしかしたら「へたくそな唄」よりいいんじゃないかと。他のアルバムをまだ聴いた事がないですが、バンドな感じの優作さんもけっこういいんじゃないかと思えてきました。そんなアルバムも今後期待しています。

優作さんの歌を聴いて僕が思い浮かべる風景はやっぱり生まれ故郷の京都の空気、町並み。観光地じゃない普通の京都の雑多な風景。大阪生まれの優作さんの歌なのでイメージ的にはもうかなりしっくり来るのですが、これが東京や東北、ましてや北海道や沖縄出身の方が聴いてもそれぞれの生まれ故郷の空気をイメージし、違和感はないのでしょうか?とりあえず秋田出身のサトちゃんは好きだと言っているので問題ないのかな?

で、1曲は「満月の手紙」です。最近僕は会社でも家でも電車の中でもこの歌を口ずさんでしまいます。
2012年5月2日(水) 13:20 [ 日本音楽 ]
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良元優作 @ 小田原 ジーズキャフェ 2012.04.29
ジーズキャフェ.jpg盟友のサトちゃんに教えていただき、橋本師匠もたいそうご推薦されているという良元優作さんが小田原におこしになられるというので行ってまいりました。小田原といっても駅は鴨宮。巡礼街道沿いの「ジーズキャフェ」というお店です。

まずはその「ジーズキャフェ」。いつも車で買い物に行く道にその店はあります。見かけはアメリカンなバーといった佇まいなのですがある日店に前に出ている看板に「鈴木常吉」という名前を見かけました。「えっ?こんなところで常吉さんがライブをやるのか!」と度肝を抜かれ認識はしておりました。そして今回の良元優作さんのライブが行われるということも知り、これは行かねば!と初めて行ってみたのです。マスターはジョージさんとおっしゃられるらしく、初めて見る僕にも気さくに話しかけていただきました。店は外観からの想像と同じくアメリカンなバーといった感じですが、壁一面にここでライブを行ったであろうミュージシャンの方々のサインがあります。雰囲気的にはライブハウスですね。こんな店がこんな近くにあるなんて!また今後も通ってしまいそうな予感…。

で良元優作さん。「へたくそな唄」という最新アルバムをサトちゃんに借り始めて聴きました。大阪出身、いわゆる関西ブルースという範疇で語られてしまいそうなブルースなのですが、とんでもない!誰にも似ていない(橋本師匠評)その独自の詩の世界、声の魅力…。僕の心にグサグサ、あるいはじんわり突き刺さりました。

この日にそなえ「優作」ってアルバムと「へたくそな唄」は購入していたので、けっこう演奏された歌は知ってました。1曲目は「きっかけ」。7時過ぎにふらっと店に現れ「適当にやりますんで…」的なMCで始まりました。ギター1本の弾き語り。足でリズムを刻みながら…。常連のお客さんとの息もぴったりで「ねぎねぎブギウギ」大合唱!途中休憩をはさんでの2部構成。といっても1部と2部の違いはありませんけどね。「キムおじさん」「満月の手紙」「ペプシドライブ」「月と金星」「風につらつら」などなどの名曲の数々はもちろん演奏していただきました。そしてアンコールで僕が「へたくそな唄」をリクエストすると「ゆうれい」という新曲に似てるから嫌だといいながらやってくれました。

橋本師匠の名前を出し少し話す事も出来たし、売っていた新作DVDにサインももらっったりでもう大興奮。最初は常連さんばかりの会場で緊張したのでひどく酒を飲んでしまいましたがまあそれはそれ。憂歌団や有山じゅんじさんなど関西ブルースにそんなに詳しくはないしあんまり聴いたことありませんが、この良元優作さんの作る音楽はもっと聞き手を選ばない可能性を秘めていると思うのです。より多くの人の心に届くといいますか…、より文学的といいますか…。

この日の何日か前も小田原のなんと「鯵壱北條」というラーメン屋さんでライブをやったようでした。そこは僕の家からも歩いていける場所。「お客は少なかった…」とおっしゃっていましたが僕も行けばよかったなー。また、東京でも小田原でも必ずライブに行かせていただきます。ご本人がライブでよくやる曲が入っているのは「かえり道」というアルバムだとおっしゃってられました。今、アマゾンで買おうとしたら品切れだって…。がっかり。
2012年5月1日(火) 12:39 [ 日本音楽 ]
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Lo Borges / Nuvem Cigana
loborgesnuvemcigana.jpgロー・ボルジェス、1982年リリースのソロ名義としてはサードアルバムがこれです。これも一部では熱狂的に人気があるらしくジャケットはどこかで見た覚えがありました。なのでロー・ボルジェスを僕が最初に買ったのは「Clube Da Esquina」以外ではこのアルバムです。

名作「A Via Lactea」以降、1980年に「Os Borges」というボルジェス・ファミリーでのアルバムをはさんで発売された、いわゆる絶好調を印象づける、そんなアルバムでやはりコレも傑作です。「A Via Lactea」の続編的なサウンドで2 in 1で発売されていたという事もあるらしいです。なんと贅沢な2 in 1でしょうか!

1982年発売?もしくは1981年?いろんなところでこの2年の年号が飛び交ってますがまあ80年代に入ってからという事です。音楽愛好家の一部では忌み嫌われるあの80年代なのです。一般的に80年代に作られた欧米の音楽というのは録音技術や楽器のデジタル化が急速に進んだ時期です。そんでもってその頃作られたサウンドはこれはもう一聴してわかるくらい独特の雰囲気があります。当時は普通に聴いていてなんの違和感も感じないどころか新しいとさえ思ったあのサウンド…。しかし今やダサさの象徴として古くさく聴こえてしまいます。そんな80年代制作のなかにあってこのアルバムは…、全くというとウソになりますがほぼ全く気にならないのですよ。よかった!

「A Via Lactea」と比べても遜色のない傑作!ちょっとアップテンポで元気っていうかドラムが立ったアレンジが多いですがこれがまた絶好調感を印象づけているんですね。メンツもあまり詳しく調べてませんがほぼ変わらないミナスの仲間達。このミナスの仲間達の仲のよさもこういった傑作を作り上げた大きな理由なのでしょうね。結局音楽もチームワークなのでチームの一体感はやっぱり大事でしょうね。

このアルバムにも「Clube Da Esquina」に収録されていた曲が入っています。タイトルトラック「Nuvem Cigana」がそれです。原曲ではこれまた素朴な雰囲気を醸し出す壮大なアレンジでしたが、このアルバムのヴァージョンはまさにポップ!こんなに生まれ変わるとは!原曲はミルトンが歌っていました。が、もちろんこのアルバムではローさんがあのいつもの声で歌っているので全く印象が違います。まあ、テンポもアレンジもポップ方向ですけど。

トニーニョ・オルタのギターが炸裂する美しいインスト曲などもあったりなかなかバラエティー感もありますし、これまた全ての曲が魅力的。なかなか鼻歌では歌えそうもない曲もありますがそこがやっぱり好きなんですよねー。1、2、3曲目の流れなどはまさにエレガント!新譜の「Horizonte Vertical」と「A Via Lactea」とこの「Nuvem Cigana」しか聴いてませんしなんとも言えませんがやっぱりロー・ボルジェスはこの2枚なんでしょうね。

で、1曲は「A Força Do Vento」です。2曲目です。この曲はローさんの作ではないみたいですが有名曲でしょうか?後半優雅に盛り上げるストリングスをアレンジしているのはなんとトニーニョ・オルタらしいです。
2012年4月11日(水) 14:31 [ 南米音楽 A〜N ]
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Lo Borges / A Via Lactea
loborgesavialactea.jpgロー・ボルジェス屈指の名盤とされる1979年のアルバムが去年再発されておったので購入しました。ソロ名義ではセカンドアルバムなのかな?これは確かに名盤ですね。ジャケットからして名盤の臭いがします。

ジャケットの実物を見る前は壁の奥からホースか何かで水をかけられうつむくローさんの図と勘違いしておったのですがこの水しぶきのように見えるものは実は宇宙に広がる星雲でして…。壁の前に佇むローさんのバックの闇に星雲が浮かび上がるというなんとも壮大でロマンチックな図なのでした。実物を見てコレを知った時は素敵すぎて腰を抜かしましたね。

で中身。もうなんといっても「Clube Da Esquina」に収められていた2曲の再演がやっぱりハイライトでしょう。いや、他の曲も素晴らしく、アルバムとしてもかなり充実した傑作アルバムなのですが…。「Clube Da Esquina」ではほぼインスト(ミルトンの声は入っていますが)で収められていた、世界で最も美しい曲の1つ(僕認定)の「Clube Da Esquina No.2」がなんと歌詞がついて歌ものとして収録されておるのです!これがなんともまた美しくてねー。原曲もとてつもない美しさなのですがこの歌ものヴァージョンも甲乙つけがたいですねー。そしてもう1曲は「Clube Da Esquina」ではオープニングを飾っておった曲「Tudo Que Voce Podia Ser」のエレガントなアレンジ!これも最高です。

このローさんは特にそうですがミナスの人たち(ってそんなに知りませんが)の作る音楽ってこうなんていうかコードの取り方っていうか転調具合も含めかなり高度に複雑な感じが楽器素人目にもわかるのですがパッと聴いた感じそんな複雑さを感じさせない見事に優雅でポップなアレンジがやっぱりグッと来るんでしょうねー。僕ももうなんていうか…、好きなんですねー。そしてこのローさんのあどけないというか青さの残る声&歌唱!高度なものと青さの融合といいますか…。世界を見渡してもコレが表現出来てしまう人はそういないんじゃないでしょうか?たいていは演奏力なりアレンジ能力の高い人は歌唱も高みを目指すものですしね。その点で言えばこの歌唱はやっぱり欧米ロック文脈の影響が強いのかもね?

音楽一家であるというボルジェスファミリーの面々はもちろん、トニーニョ・オルタ、ヴァギネル・チソなどなど参加メンツ(他の方はあまり認識がなくてすみません)もミナスサウンドを支える達人たちだと聞きますし、やはりココに録音された名曲の数々はもはや伝説。ブラジル音楽の歴史に名を刻む傑作、名作と言われるだけありますね。素晴らしいです。

で、1曲は「Clube Da Esquina No.2」です。素朴さを感じさせる「Clube Da Esquina」収録の原曲も是非お聞きいただきたいですがこのアルバムのヴァージョンも洗練を感じさせる素晴らしいもの。両アレンジ含めミナスのサウンドの象徴ですね。こんな曲、他の国の人、いや、ミルトン&ロー以外には作れんでしょうね。

余談ですがこの前改装しレコード棚が増えた渋谷は「Bar Blen Blen Blen」でこのアルバムのアナログ盤を発見しました。以上です。
2012年4月10日(火) 14:54 [ 南米音楽 A〜N ]
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Lo Borges / Horizonte Vertical
loborgeshorizonte.jpgロー・ボルジェスの新譜です。僕はこの方の存在を最近知ったのです。ミルトンの「Clube Da Esquina」で知りました。そして過去の名盤とされるソロ2枚も買いました。かなり好きになりました。そんなところにこの新作。てっきりもうあんまり活動されていないのかと思いきやこの新作で11作目らしいです。地味に活動されているんですね。僕が知らなかっただけか…。

「Clube Da Esquina」はてっきりミルトン・ナシメントのソロ作品と思っておったのですが、クレジットはミルトン&このロー・ボルジェスなんですね。そんな事で気になり色々調べているとミルトン同様ミナスを代表する御大なんですね。ミルトンはもう世界的な知名度を誇っておりますがこのローさん、みなさん知ってました?ブラジル音楽ファンならご存知の方も多いんでしょうけど僕レベルではまったく知らなかったですよ。そんなところにこの新譜。てっきり久々、ファン待望の新譜!みたいなモノかと思っておったのですが普通に2年ぶりぐらいなんですって。

で、この新譜。「A Via Lactea」と「Nuvem Cigana」を体験してしまった今、どうしてもそんな過去の名盤と比べてしまうのですが、音がね、これはやっぱりしかたがない事ですが現代的な音になっております。試聴した時はそんな事がやや気になって一度は買うのをためらってしまいました。しかし、こうして買って聴いてみると音色に関してそこまで気になるところはなかったです。過去の名盤のような優雅なアレンジはココにはありませんが曲の骨格は、コレはもうどうしようもなく(いい意味で)ロー・ボルジェスのそれそのものです。天性のメロディー・メーカーですね。歌は決してうまいっていう部類じゃないですがどこか若さというか少年のような雰囲気を醸しだす声はこの新譜でもあいかわらず胸にグッときます。

ゲストに僕はまだ聴いたことがないパト・フーのフェルナンダ・タカイさん、僕は知らないサミュエル・ホーザさん、そして1曲ではミルトン御大も参加されています。ミルトンさんと競演はなんだか久しぶりらしくファンの間では涙ものってことらしいですが、僕的にはフェルナンダ・タカイさんにグッと来ました。どこか我がアイドル、トレーシー・ソーンを彷彿とさせる歌声じゃありませんか!なかなかいいですねー。気になります、そして気に入りました。

英語の曲など交えながらアルバム全体的にまるであのころのネオ・アコを思い出させる青春サウンド。まだまだ衰えないメロディー・メーカーぶり。裏ジャケに映るなんだか優しそうなその表情とあいまって、この方の音楽は信用出来る感じがします。来日もしているという事ですが、また来てくれないかな…。

で、1曲はそのフェルナンダ・タカイさんとデュエットを繰り広げる「Antes do Sol」です。このお二人のデュエットはかなり好相性じゃないでしょうか?アルバム1枚このお二人でもいいくらいかもです。
2012年4月9日(月) 16:54 [ 南米音楽 A〜N ]
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Gal Costa / Recanto
galrecanto.jpg衝撃のガル・コスタの新譜です。全曲カエターノの曲(ほぼ書き下ろし)、プロデュースもカエターノ&モレーノ。この事前情報だけでも誰しも興奮しますよね!日本盤もめでたく最近リリースされましたが待ちきれずに輸入盤を買ってしまいました。

標本チックに表情のないジャケット写真、度肝を抜かれる間の多いエレクトロ・サウンド、まるでサンプリングで編集したようなあまり抑揚のないガルの歌声、オートチューン…。初め聴いた時は衝撃でした。ガルを最近熱心に聞いていなかったのですが熱心なガルファンならずともこりゃもうビックリでしょう!何度も聴きました、何度も…。そしてようやく最近このアルバムを受け止められるようになりました。

メンツはKassin、 Pedro Sa、 Donatinho、Davi Moraes、Jaques Morelenbaumなどなど現代ブラジル音楽界の一角を担うメンツ勢揃い。Kassinの操るエレクトロ・サウンドをベースにPedro Saの鋭角ギターが時折鳴り響く…。ガルの歌声はなにか死後の世界から発せられているような生気のなさ…、どこまでも想像を遥かに超えてます。もはやこのサウンドが新しいのか古いのかさえわからない。傑作なのか問題作なのか…?もう、訳が分からない…。もし、このサウンドをこのメンツで名も知れぬ新人歌手が歌っていたらどうだろう?まあ、また新たな才能誕生的に捉えていたかもしれない…。しかし、このアルバムはあのガル・コスタのアルバムでもちろんここで歌っているのはガル本人…。やっぱりガルは盟友カエターノ同様、いつまでも革新を求める人なんだろうか。近作は大人なライブ盤が中心だったように記憶しているので年を重ねて落ち着いたんだなーと思ってたんですがね…。

プロデュースはカエターノとモレーノなんですが、サウンド的な鍵はやっぱりKassinが握っていたんじゃないかなーと思うのです。このレトロでフューチャーな音はKassinの趣味全開って感じですものね。

初めはね、「あ〜あ、Kassin…、ちょっとやり過ぎじゃないの…」と思っておったのです。が、今ではかなり気に入っております。今のブラジル音楽の重要な1ページ、傑作アルバムだと思います。カエターノの「Zii e Zie」共々我が家の愛聴盤になることでしょう。こんな凄いアルバムを作ってしまったからにはガルの今後がまた楽しみになってきました。YouTubeにブラジルのテレビ番組でカエターノがギターを弾き、ガルが「Recanto Escuro」を歌うという動画がありました。そこに映る久々に見たガルのお姿。化粧っけもなくグレーな衣装をまとい座って歌っているそのお姿…。裏ジャケットに映る若かりし頃の微笑むカエターノとガルと比べるのも野暮ですが、やっぱり老けたなーって…。もう芸歴のエンディングに向かっているであろう彼女、この儚くエレガントなサウンドとあいまって何だか泣けてきます、って僕だけですかね。

で、1曲は「Mansidao」です。この曲はこのアルバム中、最も心落ち着く名曲だと思います。Jaques MorelenbaumのチェロとDaniel Jobimのピアノが美しすぎます。あ〜、また泣けてきた…。まあ、衝撃作なのは間違いないですのでみなさま覚悟してお聞き下さい。
2012年4月5日(木) 17:26 [ 南米音楽 A〜N ]
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Maria Gadu / Mais uma Pagina
mariagadumaisumapagina.jpgマリア・ガドゥの新譜です。これは今年買ったはずですがクレジットには2011とありますので本国リリースは去年なのか?オリジナルスタジオ盤としてはセカンドアルバムです。まだセカンドですよ!いったいどうなってるんだこの人気、この貫禄…!

デビューアルバムを聴いたときは(2009年)なんだかあか抜けていてソフトで耳あたりのいいサウンドがどうも流れてしまってあまり印象に残らなかったってのが正直なところでした。しかし!次にリリースされたライブ!!これがねー、凄かったのですよ!そんでもって僕も一気にファンになったマリア・ガドゥ。そしてそうこうしているうちに今度はなんとカエターノとのライブ!!ホンと、この人はどうなっているんだ!凄い勢いだねーと驚いておりました。そしてそんなところにこれまたセカンドアルバム!!むむっ、たたみかけますねー。これは期待しますよねー誰しも。パッケージもデビューアルバム同様豪華だし…。

ノラ・ジョーンズとの仕事で有名なジェシー・ハリスが2曲の英語曲を提供していたり、レニーニが1曲で競演、アナ・カロリーナとの共作曲、カエターノやベト・ゲヂスのカヴァー…などなど自作の曲とともに収録され、中身的にはデビューよりもさらにパワーアップし、もはや新人とは思えない貫禄十分な内容です。

でもね…、僕的にはやはりこの充実のセカンドアルバムもちょっと物足りないのですよ…。音も演奏ももはや非の打ち所もないような完成度なのですがやっぱりあのライブ盤の彼女の歌の凄みを体験してしまうとね…、歌の立ち方がちょっとものたりないのかなー?ダニ・ブラッキって人のクレジットのある2曲は比較的ファンキーでなかなか盛り上がりますし、英語で歌われるジェシー・ハリスの曲も華麗なオーケストラが印象的なんですけどね…。もともと見た目からもっとストリートなライブっぽい音を僕は期待しているのかもしれません。これはこれで非常に良く出来た完成度の高いアルバムである事は確かですし、もう何度も繰り返して聴いてますが飽きません。でもね…、やっぱりちょっと物足りない…。贅沢ですかね。

マリーザ・モンチの最新作のように、今、世界的に見ても最高に高度なポップミュージックであろうとも思いますが、マリーザのような凄みにはまだまだ達していないかなー。まあ、なんといってもまだ2作目。これからどうなっていくんだろうという期待感とともに聴き続ける事になるであろうアーティストなのは間違いなしですけどね。

で、1曲は「Axe Acappella」ですね。この曲はなかなか強靭です。ライブで演奏されたりするとかなり盛り上がるんだろうなー。日本盤はカエターノとのライブ盤しかリリースされていないのが不思議ですが、この際来日でもしてくれてこのアルバムの曲をライブで体験出来たりするとまたこのアルバムの印象がグッと良くなるんでしょうけどね。日本でもたぶん人気は出そうなのに日本盤がリリースされないのはなぜ?
2012年4月3日(火) 11:10 [ 南米音楽 A〜N ]
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Beth Carvalho / Nosso Samba Ta Na Rua
bethcarvalhonossosambatanarua.jpgベッチ・カルヴァーリョの新譜です。これも去年の年末、新宿ディスクユニオンで手に入れたんだっけかな?

マリア・リタのサンバアルバムに始まり、アルリンドに熱狂はしているもののまだまだ全くのサンバ初心者です。このサンバ界の巨星ベッチ・カルヴァーリョも名前は知っているもののアルバムは聴いた事がありませんでした。なのでこの最新作がベッチ初体験といった始末であります。でもね、そんな僕でもこのアルバムの素晴らしさは伝わるんですよ!素晴らしいアルバムですよ!これは!!僕的にはもう大興奮なのですが、熱心なベッチファンにとってはどうなんでしょうか?

CDサイズに折りたたまれたジャケット。広げるとその写真の全貌が…!実は海辺のオープンな感じのレストランで、このアルバムを一緒に作り上げた大勢の仲間がベッチを取り囲んで盛り上がっている大迫力の写真なのです。この写真だけでもグッと来ますね!僕は全く詳しくないので誰が誰だか数人しかわかりませんが、熱心なサンバファンの方ならこの写真の話題だけでもけっこう飲めるんじゃなかろうか?(僕がわかるのはゼカとアルリンドだけです…。)中身はもう最初から最後まで大興奮!オープニングのタイトル曲からもう楽しくメロウで卒倒しそうになりました。昔に比べれば声はやや年をとった感があるらしいのですが、聴いていない僕には全くわからないので問題なし。そしてラストは僕もつい最近初めて聴いたシコ・ブアルキの「Minha Historia」。凄い!凄いです!!

さて、1965年にデビューされたという彼女。50年近い芸歴でリリースされたアルバムも数知れず…。そんな彼女をどの辺りから聴き始めればいいのか途方に暮れます。しかももはや手に入りにくいものがほとんどですのでとりあえずは売っているものを買って聴くしかありませんね。そういやいつの時代のものかよく理解していませんが渋谷のタワーにボックスセットが売ってたな!お金がある時にそれを買うとしますかね。今までサンバな気分なときはアルリンドの「Batuques e Romances」「Sambista Perfeito」を好んで聴いていましたがこの「Nosso Samba Ta Na Rua」もそんなサンバのヘビーローテーションに仲間入りです。この3枚があれば僕的にはもうご機嫌なのですが、もっともっと好きなアルバムが増えると楽しいなー。

で、1曲はオープニングの「Nosso Samba Ta Na Rua」です。このせつなくも情熱的な曲にもうメロメロです。他にも素晴らしい曲だらけですよ。ベッチの最近のアルバムでは一番いいという噂みたいですので是非おススメです。
2012年4月2日(月) 15:56 [ 南米音楽 A〜N ]
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