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松岡康史のワールドミュージック短信

ノンジャンルな我的音楽記録

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ヒガシノリュウイチロウ
ヒガシノリュウイチロウ / Samba 03 (09/21)
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Maria Rita / Elo
mariaritaelo.jpgマリア・リタの新譜です。これも去年の発売です。秋ぐらいだったでしょうか?もう発売時は各所でプッシュされていたのでっていうか日本でもすでに人気の高い彼女なのでみなさん聴いてますよね?

僕は未だに前作にあたる「Samba Meu」しか実は聴いたことがありません。あのアルバムでサンバに目覚め、曲を提供していたアルリンド・クルズを知ったわけです。今でもけっこう聴く大好きなアルバムです。その前の2枚はなんだか変にオシャレな方向で流行っていたのでちょっと買うのをためらっていたのです。

で、今作。僕が望んでいたのはもちろん前作「Samba Meu」路線なのですが、そうではありませんでした。事前情報で知ってはいたので聴いても違和感はないと思っていたのですが僕が思っていた音楽よりももっとシャープで大人なカッコいい音に仕上がっております。

基本的にはバンドがトリオ編成でピアノを中心としたキーボードとアコースティック・ベース、それにドラム&パーカッションです。いわゆるピアノトリオですね。ジャズですな。基本僕的には苦手な編成なのですがここでのバンドはなかなか聴かせます。音がなんだか固くてドラムもリズム的に派手だし好きです。まあ、なんといってももう存在感バツグンのマリア・ヒタの歌がそれに乗るわけですから全体的には余裕というか貫禄がある感じです。

選曲的には知らない曲がほとんどですが、知ってる曲も数曲ありうれしいところ。知ってる曲の1曲はカエターノですが、これがまたなかなかしっとりしたアレンジで聴かせますねー。マルセロ・カメロやヒタ・リー、ジャヴァン、そしてもう一人のマリア(ガドゥ)も歌っていたエドゥ・ロボ&シコ・ブアルキの曲も…。

一聴は僕的には二枚目っていうか大人過ぎて少々入り込めない感じがしていたのですが、聴くうちにいつものようにアルバムの全体像が把握出来るようになりました。去年のベストテンアルバムに選出されてらっしゃる方が多いのも頷けます。でもね…。ラストにボーナストラック扱いでサンバな曲が1曲入っています。本当は僕的にはその曲が一番好きだったりしてしまうんですけどね。

アルバム的には4作目だと思いますが最早ブラジル音楽界をリードするような存在。もしかしたらこのアルバムをきっかけにちょっと大人なピアノトリオをバックに歌う女性歌手が出てきたりするんでしょうかね?

で、1曲はやっぱりカエターノの「Menino Do Rio」にしておきます。たぶんアルバム的にはハイライトではないと思います。他もいい曲ばかりなのですがやっぱりよく知っている曲なんでねちょっと贔屓が入るものです。また、サンバなアルバム出して欲しいな〜。
2012年2月7日(火) 12:34 [ 南米音楽 A〜N ]
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Feist / Metals
feistmetals.jpg待ちに待ったファイストの新譜がようやくリリースです。去年の11月くらいですかね。僕が買ったのも去年ですが2011年の我的ベストテンには入れませんでした。ベスト20なら入ったかも。やっぱりカッコいいですよ、このアルバムも。

「リマインダー」は衝撃的な傑作アルバムでした。CMで使われた「1234」ももちろん良かったのですがその他の曲もバツグンにカッコよくそしてアルバムとしても非常にまとまりのあるものでした。その後、想定外のヒットにより想定外の観客数の世界ツアーを行いほとほと疲れ果ててしまった…。そう、真っ白に燃え尽きてしまったんでしょう…。せっかくのヒットアルバムの後、普通にレコード会社的に言えばたたみかけるようにアルバムリリースと行きたいと思うのですが、4年ですよ4年!間にリマインダーツアーの様子を収めたDVDをメインにした作品が発表されたものの新譜にこの4年はレコード会社の人間じゃなくてもやっぱりじらされました。

そしてじらされた後ようやくのリリースとなったこのアルバム。多くの人が期待していたであろう「リマインダー2」的なものではありませんでした。「地味」とか「暗い」とかいろんな所で語られていますが一聴はまさにその通り。でもね、よく聴くと決して地味な作品ではありません。骨太な部分はありますがそれもまたいままでの彼女の延長線上。

リマインダーツアーの様子を収めた「Look At What The Light Did Now」。ファイストファンならご覧いただきたい素敵な映像作品です。ほとんどは裏舞台的な内容なのですが数曲ライブの様子も収められています。そのステージに立ちギターをかき鳴らす彼女の佇まいはなんというかブルース・シンガーのようなオーラがありました。アルバム「リマインダー」や「1234」の華やかなPVなどから来るきらびやかなポップ・シンガーといったイメージとはちょっと違っていて意外でした。そしてこのアルバム。そのライブでの彼女の佇まいが強調されたというかそのライブの雰囲気がそのままアルバムになったと思うと非常に違和感なく聴こえてきます。ライブ感を大切にしたかったと語っていられるようにほぼ一発録音らしいです。そんなことがこんなアルバムに繋がったってことなのでしょうね。

「あえて期待を裏切る」なんて事はあまり彼女は考えてないんじゃなかろうか?ライブでやれば今までの曲も今作の曲もたぶんすんなりとけ込みます。相変わらずいい曲ばかりですし。ゴンザレス色よりもファイスト色が色濃いアルバムと言う事もできるかもしれませんね。ゴンザレスバージョンでポップなリミックス盤とかリリースするとまた違っていいかもしれません。もしかしたらそっちの方が売れたりして…なんてね。

話しは変わって、ボーナストラック。僕はこのボーナストラックというサービスがあまり好きではありません。今回も歌詞を読みたさに日本盤を買いました。アルバム本編的には「Get It Wrong, Get It Right」という美しい曲で終るのですがこの日本盤にはその後に3曲もボーナスがついています。アルバムの余韻がやはり台無しなんですよね。まあ、一度そこでストップすればいいじゃないか!という意見もわかりますがなかなか状況によってはそうもいかず…。贅沢なボヤキでしょうか?

で、1曲は「The Circle Married The Line」です。ファイストの歌うバラードはやっぱりいつもグッと来るのです。いい声だ…。また誰かがカヴァーしそうな名曲です。
2012年1月30日(月) 14:04 [ フランス音楽 ]
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逸品探訪、その9 渋谷「麗郷」
麗郷.jpg逸品探訪その9、渋谷に映画やライブに行ってご飯を食べるとなるとかなりの確立で行くことになる老舗台湾料理屋さん「麗郷」。その名前はもはや全国区か?客層も幅広くいつ行っても大変混雑しております。そして行くと必ず注文するのがこの「腸詰め」。卓上にある辛い味噌をつけて香菜と白髪ネギとともに食べます。そんなにいろんなところで「腸詰め」を食べてはいませんが、ここの「腸詰め」が一番美味しいんじゃないか?と思っています。

他にも必ず注文する品として「しじみ」と「空芯菜炒め」あとはやっぱり「焼きビーフン」ですかね。その他「肉の天ぷら」や「イカ団子」たまに「ちまき」ってな感じですかね。もはやいつ行っても不動の注文になってしまっています。メニュー的にはものすごくいっぱいあるのですが、迷って何が何だかわからない、失敗するのがコワい、めんどくさい…、等いろんな理由がありますが、上記5、6品を注文しておけば味的にも量的にも大満足です。

大抵の常連さんはその「腸詰め」「しじみ」「空芯菜炒め」の3点セットを必ずと言っていいほど注文されていますのでその3点を注文しておけば常連っぽさを醸し出せます。

忙しさもあってホールの方達はけっこう愛想なくされていますが、別に機嫌が悪いとかではないようです。いつもレジにいらっしゃるいおカッパの女将さんも一見迫力がありますが機嫌のいい時は話しかけてくれたりします。ある日「しじみ」の器に残ったニンニク風味の美味しい汁をご飯にかけて食べると美味しいよ!と教えていただきました。たしかに美味しくてそれ以来僕はその食べ方です。

あまりに注文が固定されているのを反省し、近頃はまだ注文していないものを極力注文するようにして知見を増やしていますが「腸詰め」はマストです!「腸詰め」を注文しないなんてありえない事ですので行かれる際はお気をつけ下さい。ちなみに「腸詰め」は揚げる前の生の状態のもテイクアウト出来ます。一度皆で集まった時にテイクアウトして食べましたがやっぱり美味しかった!贅沢ですね。
2012年1月27日(金) 16:00 [ 逸品探訪 ]
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Laurie Anderson / Homeland
laurieandersonhomeland.jpgルー・リードのお次はローリー・アンダーソンのご紹介。2010年のリリースと記載があります。全く知らなかったな。僕が買ったのは去年の秋頃。まだ活動していたんですね、懐かしい感じ。たぶん今のところの最新作でしょうね。

いつ頃でしょう?ローリー・アンダーソンはルー・リードの奥様になりました。なんという夫婦。意外なようで意外じゃないようで…。まったくお二人の生活が想像出来ませんがお二人ともマイペースなのでゆったり暮らしていらっしゃるんでしょうか?ローリーのこの最新アルバムは前作より8年?9年?10年?いろんなところでバラバラな記述がされていますがけっこう前ってことですね。前作ってなんだったっけ…?懐かしさのあまり復習してみました。

・Big Science (1982) :アナログで購入
・Mister Heartbreak (1984): アナログで購入
・United States Live (1984) :アナログで購入(4枚組!)
・Home of the Brave(1986) :CDで購入
・Strange Angels (1989) :CDで購入
・Bright Red (1994):未聴
・The Ugly One with the Jewels(1995):未聴
・Talk Normal: The Laurie Anderson Anthology (2000):未聴
・Life on a String (2001):CDで購入
・Live in New York (2002):未聴
・Homeland (2010):今作

彼女のデビューアルバムがリリースされたのは1982年。日本はいわゆるバブル時代です。音楽を聴いただけではおおよそ理解出来ないであろう彼女のようなアーティストも時代の勢いか日本でも普通のロックアーティスト的にけっこう人気がありました。僕もその勢いで「Big Science」や「Mister Heartbreak」を喜々として買い、よく聴いていましたし好きでした。彼女の映画も見ましたし、パソコン用のソフトも買いました。でもね、結局はパフォーマー&批評家なので言葉がよくわからない極東に暮らしておる僕なんぞにはとやっぱりよくわからないのですよ。「Mister Heartbreak」あたりはゲストも派手で音楽的にも楽しかったのですが…。やっぱりちょっと無理があったのかもな…。

このアルバムでも「アメリカ批評」や「政治批評」をユーモアを交え繰り広げられておるようですが…。僕的にはただ聴くしかなく…。えーっと、ね、やっぱりただただ音楽のみを聴いていいだの悪いだのって話しじゃないですよねこの方は。マルチメディア・アーティストなんて言われて日本でもてはやされていたのも今は昔。アメリカでは芸術分野でもはや重鎮の扱いらしい彼女です。評価も高いらしいです。それでいいんです。僕はなんとなく彼女のポジションが好きだっただけなのかもしれません。

音的にはトゥバ共和国(ロシアの南あたり)のアーティストの喉歌 (ホーメイ) と伝統楽器を取り入れて、なんというか現代社会批判的なムードが漂います。旦那のギターが炸裂するラップな曲があったり、声をいじって「 Fenway Bergamot」という男性キャラを演じる曲など聞き所もあるのです。アントニーも2曲に参加してますし…。でも、やっぱりこのパフォーマンスを見ないと何とも言えませんね。しかも日本語字幕付きでね。

で、1曲は「Transitory Life」です。オープニング曲。うーん、もはや耳に馴染んだ彼女の声は変わらずやっぱり魅力的に響きますよねー。あっ、そういえばこのCDにはDVDがついています。本人や関係者のインタビューです。旦那も登場します。日本語字幕はもちろんついておりません。
2012年1月24日(火) 15:02 [ アメリカ音楽 H〜N ]
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Lou Reed & Metallica / Lulu
loureed&metallica.jpgルー様の新譜だ!と思ったらなんとあのメタリカとのコラボ!えっ?なにそれ?こ、これは…、なにか凄いことになってるのかも???と思い膝をガクガクさせながら購入。発売は去年です。10月か11月くらいだったかな?

2枚組です。なんだか豪華なアートパッケージな品やらいろんなフォーマットで販売しておりましたが僕は普通に普及版の輸入盤を買ってしまいました。19世紀末の前衛オペラ「Lulu」が題材ということらしいですが僕はそんなものは全く知りませんし、知ったところで到底感心の範疇にないでしょう。ってことは、純粋にこのルー様とメタリカの異色コラボを楽しむ他ありません。ジャケを飾る退廃的なアートの雰囲気だけはなんとなく感じることが出来ますが…。

まずはメタリカ。僕はこの46年の人生でメタルとされる音楽に感心をもった事がありません。これはもうどうしようもなく感心がないのです。周りにはメタルフリークな知り合いもいて、話すこともあるんですが大抵の場合僕の趣味が「女々しい」という事で笑われてしまいます。どうもメタル好きな人たちとは仲良くなれた試しがありません。なので僕でも名前は知ってるメタリカにしてもほとんど何も知りませんし真剣に聴いたこともありません。1曲も知りません。

で、ルー・リード。この方はもう僕のヒーローです。彼の指向する文学的な側面は僕には理解出来ませんが、彼の生み出す異形のロックンロールはいつも僕の心を震わせてくれます。もちろんヴェルヴェッツも好きですし、リアルタイムで聴いた「レジェンダリー・ハーツ」周辺から現代に至るまで、たまにちょっと…とおもうアルバムもありながら、やっぱり好きなんですよね。

で、この驚愕のアルバム!結果から言えばたいして驚愕ではなかった…。ってことですかね。わりとすんなりとルー・リードのアルバムとしては聴けます。ロックンロールな曲は少なくほとんどはメタリカのノイジーながらキャッチーで引き締まった演奏とルー・リードのつぶやき…。しかも10分を超える曲も3曲(ラストは20分弱!)、しかも2枚組…。こりゃー、やはり英語を理解しない僕みたいなヒトにはちょっと辛いかなー。たぶん英語が理解出来たとしてもその中身までは理解しがたいもなんじゃないかなって気配はありますけどね。

ルー・リードとメタリカのタッグ!という情報、ルー・リードをセンターにイカついメタリカの人たちと睨みをきかすモノクロの宣材写真、退廃的なジャケットアート…。聴く前の情報があまりにも刺激的すぎて中身がそれを超えられない…。でもね、僕はもはや中身などどうでも良くなってきていましてね、この事実だけで興奮出来るんですよ。これもルー様の起伏の激しい歴史の1ページ。はたしてルー様は本気なのか?もしくは自らのパロディなのか…?

アホみたいにノイジーで激しく前衛的で退廃的なムードの作品です。ルー・リードファンの僕ですら一度聴いたらもうお腹いっぱい。あんまり聴き返すことはないかなーと今のところ思います。結局は聴く前、この事実を知った時からすでにお腹いっぱいだったかも。

で、1曲は「Iced Honey」です。このアルバムの中では一番普通で短いルー・リードのロックンロールですが…。でも、メタリカファンには評判悪いみたい。アルバム全体評判悪いみたいですけど。
2012年1月23日(月) 16:40 [ アメリカ音楽 H〜N ]
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Tom Waits / Bad As Me
tomwaitsbadasme.jpgトム・ウェイツの新譜です。オリジナル・アルバムとしては何年ぶり…、みたいなことがいろいろ書かれていますが、僕的にはどれがオリジナルでどれが企画でとかいった印象はあんまりなく…、でなもんでそんなに久しぶりな感じはしません。キース・リチャーズが参加しているのは久しぶりですね。このアルバムは本国でも日本でも去年の10月末ごろ発売されております。

みなさんおっしゃるとおりこのアルバムはなかなかいいです。しかし、彼はコレくらいのアルバムを作ろうと思えばいつだって作れただろうに…とも思います。ようやくそのタイミングが来たってことですね。

目立つギタリストが3人。キース・リチャーズにマーク・リボー、そして意外なことにデヴィッド・イダルコさんが参加しています。しかもデヴィッド・イダルコさんが地味ながらけっこう全編に参加されており、地味ながらこのアルバムを支えているような印象があります。とはいえマーク・リボーさんもけっこう全編でギターをかき鳴らしておられます。キースは4曲参加。僕はあまりキース・リチャーズのギターなど知らない不埒な輩ですが、この4曲ではさすがの存在感でカッコいいです。このギター対決はこのアルバムの聴きどころのひとつでもあります。

バンドの一体感がなによりもいい。最近のトムさんの作品はどちらかというとトムさんの歌と詩と演劇的要素とやりたいサウンドが前面に出てバンドというよりはやっぱりソロの作品といった印象だったと思います。それはそれで僕は好きだったのですがこのかっこいいバンドサウンドに乗っかった方が彼の歌声がよりわかりやすく入ってくるように思います。いまさら「Rain Dogs」を引き合いに出したくもありませんが誰しもあの頃のトム・ウェイツが帰ってきた!と叫んでしまうのも納得のいくところです。

元々はあのころ妻に教えてもらって好きになったトム・ウェイツ。ジャームッシュの映画などでそのイメージは膨張し、ずーっと好きではあるのですがやっぱりこの人は変わらない。別にもっと新しいことをやってくれと望んでいるわけではありませんし、このアルバムも非常にカッコいいと思います。今後もトム・ウェイツのアルバムは買って聴くと思います。久しぶりに奇妙に踊る彼の姿が目に浮かびますしね。今回は必殺バラードもけっこう入っているし、あのころ「Rain Dogs」を何度も繰り返し聴いたようにこのアルバムも…と思うのですが、今のところたぶんそんなに聴き返さないような気がします。なぜかはわかりませんが…。

で1曲。なかなか難しいですがやっぱりグッと来るのは本編ラストの「New Year's Eve」です。日本では「蛍の光」として超有名な曲です。もともとはスコットランド民謡なんですって。知りませんでした。パチンコ屋の閉店の音楽として(今でもかな?)陳腐化している曲ですが、そんな出自の曲だとは知りませんでした。この人が歌うとなんでもサマになりますね。日本盤にはこの後にボーナス・トラックが1曲入っているのですがアルバムとしては邪魔ですね。エンディングのムードが台無しです。
2012年1月16日(月) 14:31 [ アメリカ音楽 O〜Z ]
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Bon Iver / Bon Iver
boniverboniver.jpgボン・イヴェールことジャスティン・バーノンの去年リリースの新譜です。夏ごろだったっけかな?リリース時は大層盛り上がっておった記憶があります。僕も買って聴いてはいたのですが、ご紹介が遅くなりました。

いやー、すっかり巷は寒くなりましたねーっと再びこのアルバムを聴くとやっぱり彼は冬が似合うねーと思ってしいました。あつい頃に聴くといまいちしっくり来なかったのが寒い時に聴くとなんだかジーンっと来るのです。彼のクリーンなギターの音色とファルセットな歌声がね。なんだかボーっと車窓を眺めたりしてね。

話しは変わって、僕も毎年楽しみにしているミュージック・マガジン誌の年間ベストアルバム号。皆さん買われましたか?毎年ですが年末に発売されておりました。そしてその2011年のアメリカ・ロックの第1位に輝いていたのがこのアルバムです。もしかして…、とは思っておりましたがまさか本当にこのアルバムが1位か!と驚いたと同時に少々残念な気もしました。なにをかくそう、僕はこのアルバムにそんなに心を奪われませんでした。

2010年のミュージック・マガジン誌上、アメリカ・ロック部門第1位はあのスフィアン・スティーブンス「 The Age of Adz」だったように記憶しています。僕もあのアルバムは大好きだったので嬉しかったです。で、今年、何が選ばれるか正直予想が出来ないくらい今のロックの新譜を聞かなかったのでなんとも言えませんがこれ、そんなにいいんでしょうか?時代を象徴するような1枚なのでしょうか?おっさんには響かないだけなのか?若者にはグサッと刺さっているのか?

「for emma, forever ago」という前作にあたるんでしょうか?のアルバムはけっこう好きでした。あとヴォルケーノ・クワイアもなかなか気に入っていました(来日公演は行きませんでしたが)。総じてけっこう好きだったのです。そしてこのアルバムもかなり期待しておったのです。で、悪くはありません。けっして悪くはありません。が、なんだかいろんな音が入りすぎて彼の声とギターとエコーといったそもそもの重要な個性が少々わかりにくいような気がするのです。1曲目が始まったときは「おぉーっ」と思い、そのロックなアレンジに「こう来たか!」と思いました。しかし、聴き進むうちに…。ラストの曲のなんだか80年代的なキーボードの音が…、ねー…。中盤のシンプルな曲とか、控えめにインサートされる「冬」を音にしたような効果音など、グッと来る要素は多々あるもののアルバムトータルとしては疑問が残ってしまうのです。

ちょっと気合いが入りすぎましたかね?もっとシンプルで骨の太い歌もので良かったんじゃないでしょうかね?みなさんどうですかね?僕が期待していたのは少なくともこのアルバムではありませんでした。いや、けっして悪くはないんですけどね…。

今後も彼のアルバムは買うと思います。アメリカでも日本でもかなり売れてると聞きますし、成功しているんでしょうけど、あんまり時代の寵児的な扱いはこの方には似合わない気がします。

で、1曲。「Towers」です。この曲は普通にグッときますね。タワーレコードで買うと当時はおまけのCD(2曲入り)がついていました。その1曲がなんとピーター・ガブリエルの「Come Talk To Me」のカヴァーでした。バンジョーが印象的なアレンジでコレが一番良かったかも。そういえばジャスティン・バーノンさんの声はピーター・ガブリエルに似ていると思う瞬間もありますね。
2012年1月11日(水) 09:23 [ アメリカ音楽 A〜G ]
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Marisa Monte / O Que Voce Quer Saber de Verdade
marisamonteoquevocequersaber.jpgマリーザ・モンチ5年ぶりの新譜です。いやー、これこそまさに待望!と呼ぶのに相応しいリリースです。去年、日本盤は12月7日発売でしたね。現地リリースとそう時差のないタイミングでの日本盤リリース!人気の高さがうかがえますね。

僕がマリーザ・モンチを聴き始めたのは「マイス」だったように思います。当時岡山で共に働いていた先輩に教えてもらったのがきっかけです。その後、デビューライブ盤も聴き、そして「ローズ・アンド・チャコール」で虜になりました。彼女のキャリアは23年に及ぶそうですが今作を入れて、そして「トリバリスタス」も入れても9作しかアルバムをリリースされていません。もちろん全部聴いています。そしてそのどれもが素晴らしいアルバムです。今月号のラティーナに新作のインタビューとともにその全容が掲載されていてこちらもうれしいかぎり。映像作品は見てないものも多数あります。いまさら手に入らないものもあるんだろうなー。

そして新作。もはやあまり書くこともないくらいの、もちろんの、貫禄の、傑作アルバムです。この完成され円熟したモンチの歌世界は何の違和感もなく誰の心にも入っていくことでしょう。メディア等ではそのあまりの完成度の高さゆえ「引っかかりがない」とか「流れてしまう」といったややネガティブな評価もたまに見かけますが、そんな次元の音楽じゃない感じがするんですよね。すべてが完璧。総合点が高いというだけではなく、それぞれの細部がことごとく高次元。しかも誰もが楽しめる…。確かに短い曲が多かったり、あまりに親しみやすかったりで、初めは少々喰い足りない感じもあったのですがまあ問題なしですよそんなの!まあ音楽好きってヤツな音楽にある種「毒」みたいなものを求めがちだというのはわかりますがね…。

グスタボ・サンタオラージャやナサォン・ズンビの3人、ホドリコ・アマランチ!にバニー・ウォーレルやマニー・マーク、それにドメニコなどが参加されていたり、ジョルジ・ベンジォールのカヴァーやタンゴをやったり、プロデュースは彼女とダヂだったりと話題もわりと豊富なのですが、すべてはマリーザ・モンチの美意識ためにあるようなもの。やっぱり彼女の存在感は巨大です。

新たなステージの始まりを告げるようなアルバムでもあると思うのですよ。二人目の子どもの産休あけの第一弾。彼女の人生的にもまた今までとは違ったいわゆるターニング・ポイント的な時期にあるんじゃなかろうか?もう既に次回作、そしてこれから来るであろうマリーザ・モンチの新時代を期待してしまうような希望に満ちあふれたアルバム。このアルバムのツアーも開始されるようなのでまた是非日本でそのお姿を拝見したいですね。

で、1曲はPVも話題の「Ainda Bem」です。フラメンコ(よく聴くとマリアッチ)ちっくな哀愁漂う名曲。ロス・エルマーノスのホドリコ・アマランチとの共作曲「O Que Se Quer」もなにげに素敵!日本で一番CDが売れるブラジルのアーティストという話しもあります。老若男女、世界中の誰もが楽しめるであろう最高にポップなアルバム。今、世界を見渡してもそうないですよ!是非!
2012年1月10日(火) 14:18 [ 南米音楽 A〜N ]
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2011年ベストテン発表!
「松岡康史のワールドミュージック短信」をご覧頂いている皆様、新年あけましておめでとうございます。今年は心機一転と毎年思っていますがなかなかコンスタントに更新が出来なくて…。まあ今年も出来るだけ更新し皆様によい音楽その他を勝手にご紹介したいと思う所存です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2012年第1回は「2011年ベストテン発表!」です。今年も1位から10位まで順番も考えてみました。

01. Adriana Calcanhotto / O Microbio do Samba
02. Caetano Veloso / MTV Ao Vivo Zii e Zie
03. Marisa Monte / O Que Voce Quer Saber De Verdade
04. Liliana Herrero / Este Tiempo
05. Red Hot + Rio 2 Nova Tropicalia
06. Thais Gulin / oOOooOoO
07. Seu Jorge / Musicas Para Churrasco - Vol. 1
08. Aziz Sahmaoui & University of Gnawa
09. Domenico / Cine Prive
10. Kassin / Sonhando Devagar

今年は3月にあの大地震が発生してしまったため、なにか数ヶ月は世間も僕も時間が止まってしまったように感じていましたがこうしてリリースされる音源を振り返るといつになく素晴らしいアルバムに多く出会えた年でもありました。年初は「これはベストテン間違いなしっ!」と思っていたアルバムも後半の怒濤の傑作リリースによりベストテンに残らなかったってのも多数ありますね。

1位にあげさせていただいたアドリアーナ!まだまだ来日公演の余韻もさめない状況で我が家でも未だにヘビーローテーションです。聞けば聞くほどいいアルバム。そしてライブを体験していれば尚楽しめるというその手(?)の代表的なアルバム。カエターノのライブは数多く傑作も多いですがこのライブはバンドが凄すぎます!是非 DVD も見て頂きたい。そして滑り込みで3位にはマリーザ・モンチの新譜。12月7日に日本盤発売ってことで聞き込みがまだ少々足らない感じもしますが入れずにはおれませんでした。来年も入れるかも。で、気付いてみれば10作中8作はブラジルです。そういえば今年はロックの印象があまりありません。ボン・イヴェールとかも僕的には今ひとつでした。近年の経済状況を反映してか、ブラジル音楽界は活況を呈しています。この状況はたぶん今後も続くのでしょう。そして僕も…、ですかね、やはり。

さて、2012年。ライブの予定としては年初の鈴木常吉さん、そして3月には鎌倉で細野さんを見る予定でおります。あっという間に終わってしまった2011年。2012年の計画なんてまったくない状況ですが今年もいろんな音楽に出会えたらいいですね。

では、本年もよろしくお願いします。
2012年1月3日(火) 21:39 [ 年間ベストテン ]
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Bjorn Torske / Kokning
bjorntorskekokning.jpgビョーン・トシュケさんノルウエーの方です。ノルウエー、ダンス・ミュージック界の重要人物らしいです。僕はこの方のアルバムを聴くのは2枚目です。日本盤はたぶん今年の発売だったと思ったのですが、CD盤には2010のクレジットがありますので本国では2010年のリリースですねたぶん。

最近ではコズミック・ディスコなる言葉で一躍世界的にも最先端に躍り出ているらしいノルウェーのダンス・ミュージックシーン。僕はそんなシーンもほぼ知らないですし、聴いたこともありません。僕がこの方に興味を持ったきっかけは、元を辿ればキム・ヨーソイっていうお方。六本木の青山ブックセンターである日買った画集っていうかデザイン集がありまして、大層僕はそれが好きでした。名前も知らないし読めない。国もわからないんですけどすごく気に入っていました。そしてまたある日、キム・ヨーソイって言う方のCDを知り合いが貸してくれました。「Hei」っていうアルバム。これも大層かっこよくて気に入っていました。で、気付いたのです。あの画集の人とこのCDの人は同一人物だ!!!で、後はリリース元であるSmalltown Supersoudというノルウエーのレーベルを知り、そのほとんどのアートワークをキム・ヨーソイさんが手がけているということを知り、そのレーベルのオムニバスや他のアーティストを聴き…、という中で突如出会ったのがこのビョーン・トシュケさんでした、ということになります。

僕が今まで聴いたことのある彼のアルバムは前作の「Feil Knapp」というアルバムだけです。これも素晴らしいアルバムでした。なにかとらえどころのない不思議な魅力。そんなことで少なからず気になっていたのでこの新譜も購入してみたのです。アートワークももちろんキム・ヨーソイさんですしね。

いやーねー、おおよそダンス・ミュージック的ではないのですよ。でもね、ダンス・ミュージック的でもあるのですよ!なんなんでしょうかね?この人の音楽の魅力はなかなか言葉では伝えられないものがあります。ダンス・ミュージックを期待する人には少々肩すかしでしょうし、とはいえ小難しいアンビエントなエレクトリック・ミュージックともまた違う…。ユニークです。さらっと作ってるのか?と思わせておいて非常に緻密に練り上げられた音楽だと思います。

なんにせよ、僕は彼の選ぶ音質がたまらなく好きなんだと思います。前回のアルバムもそうでしたが今回も同様にその部分だけでもそわそわします。なぜなんだろう?いろんなタイプの曲が入っています。長いのも短いのも…、アンビエントなものもダブな感じのものもフロアでも使えそうなものも…。でも、もうすべての曲が彼のその独自の美学に貫かれています。わりとメロディーのない(感じない)トラックもありますがなぜか響きはポップ。やっぱりいいですねー。これからも楽しみにリリースを待っていますがどうも神出鬼没で変名によるリリースも多く、またダンス・トラック・メイカーなので12インチのみってのもあるみたい。僕みたいなずぼらにはその辺まではフォロー出来ませんけどね。

で、1曲はラストの「Furu」です。12分強もある曲ですがポップです。踊れます。あと日本盤にはボーナストラックが5曲も入っています。これがね、また侮れない内容でしてね…。ビョーンさんっていったい…。ますます虜です。
2011年12月14日(水) 14:20 [ その他ヨーロッパ音楽 ]
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