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松岡康史のワールドミュージック短信

ノンジャンルな我的音楽記録

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Uma Viagem Com Caetano Veloso Coracao Vagabundo
caetanovelosocoracaovagabundo.jpgカエターノの映画がブラジルで上映されているという情報は以前にあり、僕もその映画の日本上陸を心待ちにしておったのですがDVDでリリースされてしまいました。輸入盤ですが。ということは劇場での上映はなしって事かな?ホントにブラジルでは劇場で上映されたんでしょうか?

リリース自体は去年の年末みたいです。DVDがリリースされたって情報は知っていましたがCD屋でこの前やっとみかけて即座に購入です。日本語字幕もちゃんと付いてましたよ。

まずはジャケット写真。このビジュアル、映画のポスターにもなっていたものでそのポスターはもうちょっと周りが見えておりました。んっ?この「麺」って看板どこかで見た覚えが…。なんとこの場所、職場近く、僕の通勤経路、赤坂は一ツ木通りのラーメン屋「揚州商人」の看板じゃありませんか!さっそく現地調査。やはり確かにそこでした。ここをカエターノがお通りになったのか!! なんということだ!!!

そしてこの写真、実は映画のワンシーン。映画を見るとなんとその一ツ木通りやみすじ通りといった赤坂周辺をカエターノがうろうろしているじゃありませんか!!!いつもの通勤経路をカエターノが歩いてらっしゃる!!!別にそれだけなんですが興奮してしまいました。いや、今でも興奮しています…。

2枚組のDVDです。1枚はその映画であろうもの。映像的には「フォーリン・サウンド」ツアー時のものですが、ライブ映像などはあまりなく、サンパウロ、ニューヨーク、そして大阪、東京、京都とツアー時のオフショットというか舞台裏というか、行く先々での人々との出会いや体験シーンと彼のモノローグで構成されています。いわゆる「情熱大陸」的密着ドキュメント。

サンパウロでの「フォーリン・サウンド」お披露目ライブに始まり、ニューヨークではカーネギーホールの楽屋でデヴィッド・バーンとご対面!とかありますが、なんといっても僕たち日本人的にはその後の日本での映像が興味を引くところ。日本でのシーンが半分以上もあります。僕もそのツアーは東京国際フォーラムで体験しましたが、ライブの映像はほとんど出てきません。でも、いいんです。あのカエターノ様が赤坂を練り歩かれたり、新幹線に普通に乗られたり、大阪城に行ったり、道頓堀周辺を歩いたり、京都の祇園を練り歩いたり、京都の寺でカエターノ好きのお坊さんと話したり、和菓子は嫌いと言ってみたり…。これはもうまるで「ベルリン天使の詩」のよう。日本に舞い降りた天使ですよ!

そしてもう1枚は映画でも出てくるサンパウロでの「ポケット・ショー」のライブ映像。「フォーリン・サウンド」からの演目ですが、小さな会場でのプレミアム・ライブらしいです。羨ましいですね(チケット代が高価だったらしいですが)。バンドが凄くてペドロ・サー、モレーノ・ヴェローゾ、ドメニコ、あと知らないベースの人というブラジル新時代の若いメンツ。ツアーで来日の時のメンツとは違っていて貴重です。あとは友人であるペドロ・アルモドバルやミケランジェロ・アントニオーニ夫妻などのインタビューなども入っていて見所満載。

いやー、やっぱり凄かった。楽しかった。出来れば劇場で日本のカエターノファンたちと一緒に見てその興奮を共有したかったですがね。

余談ですが、ちょっとリリースのタイミングとしてそのツアーよりかなりの期間がかかったなーという印象でしたがどうやらカエターノの離婚が関係しているみたいです。
2010年3月18日(木) 12:47 [ 南米音楽 ]
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Dirty Projectors Japn Live 2010 @渋谷Club Quattro 2010.03.16
dirtyprojectorsquattro.jpgついに行ってきましたダーティー・プロジェクターズ!いやー、凄かった!凄かったですよ!

渋谷のクワトロ、久しぶりに行きましたがやっぱりいいサイズですよねー。場所もいいし大好きなライブハウスです。しかし残念なことにそのクワトロの入っているビルは今やブックオフに占拠されてしまっています。昔はここにWAVEがありよく行っていたものですが…。ブックオフ、どうにかならんものですかねー。存在自体がけっこう嫌いです。

まあそれはさておきダーティー・プロジェクターズ!今回のJapan Liveは東京、クワトロの1日だけということもあって混雑するだろうとは予想していましたが結局ソールドアウト。超満員です。やっぱりさすがに1日だけじゃキツいでしょうね。

まずは7時頃オープニング・アクト登場。まったく知らない外人の男性。ギター1本弾き語りです。けっこう長くやったなー。誰なんでしょう?特にインパクトもなく終了。

で、セットチェンジ。なんとその間、楽器の音だしなんかを本人たちがステージに出てきてやってました!そしていよいよ始まり始まり!1曲目、知りません。新曲なのかなー?けっこう知らない曲も何曲かありました。しかし大半は「Bitte Orca」と「Rise Above」からの曲でした。「Knotty Pine」もちゃんとやってくれました。

Dave LongstrethをセンターにAngel Deradoorian、Amber Coffman、Haley Dekleという奇跡の女性3人とが並列にならび、後ろにベース男子、そして一段高いところにドラムという構成。途中、Dave Longstrethがアコギに持ち替えAngel Deradoorianと二人きりのアコースティックコーナなんてのもありました。

Dave Longstrethって左ききなんでしょうか?ギターを逆に構えた姿がなんとも奇妙。背も高いし首も長い。鳥のような動きを終始見せるその姿はデヴィッド・バーン直系!うーん、かっこいい。歌もギターをかき鳴らす姿もアコギをつま弾く姿も…、思っていたよりも迫力があり完璧なインディーロックヒーロー。女性3人の素敵なコーラスもCDで聞くよりも断然迫力があり圧倒されました。そしてDave Longstrethのギターと呼応する、っていうかこのバンドの推進力はなんといってもドラム!一心不乱に変則的なリズムを叩きだすその姿は超人的!ロックバンドってやっぱりこうじゃなくっちゃね!というような要素が全て詰まった素晴らしいバンド。即興的な部分も含め現在進行形のバンドの勢いが感じられました。

CDではけっこう複雑に聴こえる曲ばかりなのでライブで再現可能なのかなーという不安も多少ありましたが全くオッケー。ライブバンドとしても素晴らしいものです。バンドアンサンブルの雰囲気は「Bitte Orca」よりは「Rise Above」に近いものを感じました。CDもあんまりオーバーダビングしてないのかもしれませんね。

クワトロという小さな会場ということもあってかまるでブルックリンのどこかの会場がそのままやってきたような雰囲気もあり非常に素晴らしい体験でした。

アンコールは「Cannibal Resource」と「Rise Above」。なるほどーこれでしめるのかーと思っていたらもう1曲。これってカヴァー?これってもしかしてボブ・ディラン?そう「I Dreamed I Saw St. Augustine」でした。ちょっとモノマネ入ってましたよねー。来週のボブ公演につながったねー。

Angel Deradoorianの「こんばんは、飲みましょ」という覚えたての日本語発言!「おーっ、飲もうよ!飲みたいよ!」と返したいところをグッとこらえました。以上、レポ終了。
2010年3月17日(水) 15:10 [ アメリカ音楽 ]
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Carlos Aguirre Grupo / Rojo
carlosaguirrerojo.jpgカルロス・アギーレというアルゼンチンはコンテンポラリー・フォルクローレの重要人物と言われる人のアルバムを買ってみました。こちらもまたまた渋谷HMVの山ブラさんのコーナーから。カルロス・アギーレのアルバムは4種類ありましたが1枚はソロ名義、他3枚はカルロス・アギーレ・グループ名義のアルバムです。入手困難という情報もあったのであわててグループ名義の3枚をまとめて買ってしまいました。聞いてもいないのに…。好きかどうかもわからないのに…。

で、まずは通称「Rojo」といわれる2004年のアルバムです。これがグループ名義のセカンドアルバムらしいです。それぞれのアルバムに正式タイトルはついておらず、ジャケの色でそれぞれの呼び名が流通しているみたいです。

まずは1曲目。アカ・セカ・トリオも取り上げていた「la musica y la palabra」で始まります。Silvia Salomoneという女性とのデュエットが美しいです。アレンジ自体はアカ・セカ・トリオのバージョンとさほどの違和感はありません。やっぱりいい曲ですね。

他の歌ものは本人が歌われています。(女性コーラスが印象的な曲もあり)曲によっては表情の違う彼の歌唱もなかなかです。声的にはそれほど特徴のないものですがそれがまたこの乾いたサウンドと絶妙に合ってます。インストものも多少入っていますがどれもコンパクトな美しい曲ばかり。うーん、これはなかなかいいアルバムだなー。もうすでに3枚とも聞いてしまっているので結論を言わせていただくと僕はこのアルバムが一番好きです。一番ポップっていうかやっぱりとっつきやすいです。

カルロス・アギーレ本人はピアノまたはギターを演奏されています。グループって何人なのかわかりませんが、アカ・セカ・トリオみたいなけっこうフィジカルなアンサンブルというよりはカルロス・アギーレさんの一人録音といっても信じてしまいそうな宅ロク的雰囲気がありますね。一発録音っぽくない幾重にも重ねられた繊細な音の構成。実際のところどうなんでしょうか?ジャケットの手作り感とか、CDを自分の車に積んでCD屋に搬入に来るとかいう逸話とか、商業をあんまり意識していないというか音楽商品っぽくない感じがします。本人的にもヒットを意識はされていないんでしょうね。実際ブエノスアイレスのCD屋でもあまり見かけないらしいです。

カルロス・アギーレさん。なんだか日本では最近ちょっとしたブームみたいですね。こんなにプライベート感漂うCDにもかかわらずちょっと売れてしまうこの日本のリスナーの深さを感じずにはいられません。素晴らしい。

ジャズといわれている音楽にも近いものも感じますがやっぱりベースにあるのはアルゼンチン(ってあんまり知りませんけど)の世界。タンゴ、フォルクローレ…アルゼンチンが生んだ偉大な音楽の土壌を感じます。最近巷のキーワードの一つ「オーガニック」なんて言葉でもって形容されてしまいそうな音楽でもあります。その「オーガニック」っていう言葉、僕は今ひとつうさん臭くて好きになれませんがこのカルロス・アギーレの音楽は大好きです。

で、1曲は「la musica y la palabra」ですね。最近よく口ずさんでしまうほど好きになってしまいました。
2010年3月15日(月) 14:01 [ 南米音楽 ]
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Eduardo Mateo / Mateo Solo Bien Se Lame
eduardomateomateosolobienselame.jpgなんという素晴らしい音楽だろう!アカ・セカ・トリオのアルバムに曲が取り上げられていたことで興味を持ち、渋谷HMVでCDを探したところ、またも山ブラ(山形ブラジル音楽普及協会)のコーナーでこのアルバムを発見!少し試聴し即座に買いました。これ、このお方、素晴らしいんじゃないでしょうか!

エドゥアルド・マテオさん。もう既に(1990年に)その50年の短い人生を終えられた、ウルグアイの大衆音楽を代表するシンガー・ソング・ライターらしいです。そしてこのアルバムは1972年に発売されたソロアルバムにボーナス・トラックを8曲も追加収録して2006年に再発されたものみたいです。分厚い豪華なブックレットも付いています。

ちゃんと渋谷HMVにもコーナーがありましたし、何枚かアルバムも売ってました。ジャケットは見覚えのあるものも何枚かありましたが、まさかこんなにいいなんて思いもしなかったです。ウルグアイというと今ではホルヘ・ドレクスレルという偉大なシンガー・ソング・ライターを生んだ国。そしてそのホルヘさんをはじめ影響を口にする南米のミュージシャンは数しれずという伝説的存在の方だったんですね。これまた知りませんでしたねー。

シンプルなギター弾き語り的音楽ですが、それが並みなそれらとはムードが違います。独自のメロディーセンス、独自のギターカッティング、繊細という感じではない素朴な歌声、イカしたコーラスワーク、そして独自のリズム(カンドンベっていうんですかね?)を生み出すパーカッション…。全てが素晴らしい。シンプルな構成ながら独自さを感じるニュアンス。やっぱりホルヘさんにも通じるなにか素晴らしいものがこの音楽にはつまっております。ウルグアイってよく知りませんがブラジルとアルゼンチンという2つの大国に挟まれながら独自の文化を形成しているんでしょうか?ボサノヴァっぽい曲もあったりするのですがそれすら独自のニュアンスです。

うーん、たまりませんねーこれは。亡くなられてしまった方のCDを買うのは久しぶりかもしれません。しかし南米方向にはこのマテオさんのようにまだまだ偉大な方たちがいるんでしょう。僕ももっと知りたくなりました。しかしウルグアイ!ホルヘさんといいマテオさんといい素晴らしいですね。僕的にはキューバのシルビオ・ロドリゲス、ブラジルのトン・ゼー、そしてウルグアイのエドゥアルド・マテオさん。この3方は孤高の南米3人衆として記憶されることとなりました。

で、1曲はオープニングの「Yulele」です。ちょっと試聴しただけで心をつかまれたなんともいえないムード。素敵です。これは確かにレア・グルーブ系のDJさんたちにとっても人気あるのかもね。クラブとか行かないからよくわかりませんが。これから他のアルバムも買うと思います。たぶん。
2010年3月10日(水) 14:57 [ 南米音楽 ]
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Tom Ze / Estudando A Bossa
tomzeestudandoabossa.jpgトン・ゼー御大の2008年終わり頃リリースされたアルバムを買いました。「学習」シリーズの一環ですが今回のテーマはボサノヴァ。「ボッサ学習」っていう意味らしいタイトルです。なるほどー、ボサノヴァ誕生50周年を記念してということみたいですが興味のそそるテーマですね。

最近やっぱりトン・ゼーいいなーと思って我が家で久しぶりに昔のベスト盤(デビッド・バーン監修でル・アカ・ボップがらリリースされた例のアレ)を聞いていたら妻が反応し変な踊りをしながらもの凄い笑顔でこちらに向かってきました。昔はねそのベスト盤、よく聞いたんですよねー。それ以来やっぱり気になる存在で昔のを買ってみたり、思ったよりけっこう頻繁にリリースされている新譜を聞いたりして現在にいたっております。ようはデヴィッド・バーンが教えてくれたようなもんですよ。他にもバーン御大に教えてもらったブラジルのミュージシャンがたくさんいますね。ありがたい話しです。いつもながらお世話になります。

そのベスト盤に収録されている音と基本的にはあまり変わってないように感じますが、近年の作品は演劇的な要素が増しているように思っていました。70歳を超えるような人の音楽とは思えない溌剌さ、斬新さ。もはやなんでもあり状態。というか彼のスタイルの円熟期なんでしょう。けっこう過剰な演出ながら過激ではなくユーモアを感じる点がやっぱり都会的です。さすがの風格。

ボサノヴァがテーマです。それぞれの曲に対してインスパイアされた曲などがクレジットされていますが僕にはさっぱりわかりません。いわゆるカヴァーアルバムじゃありません。ほぼ全曲ゲスト歌手を招いてデュエット的なことをされていますが、残念ながら僕が知っている人はフェルナンダ・タカイさんとデヴィッド・バーン御大だけ。他にも豪華な女性歌手やらが参加されているらしいですよ。

今回はボサノヴァがテーマという事もあってかいつもよりややしっとりとした仕上がりでいいんじゃないでしょうか。普通にボサノヴァっぽい曲もありますし聴きやすい印象ですね。でもやっぱり歌っているのは彼であって、独自のアレンジセンスが加味されていますんで朝、コーヒーでも飲みながらのBGMとしては…、どうでしょうかね?ボサノヴァとはいっても間違ってもエクセシールカフェなどではかからないでしょうね。まあBGMにはならない音なんでしょうね。

もうすぐライブ盤の新譜&DVDもリリースされるみたいだし(もう日本のCD屋にもならんでるかな?)楽しみですねー。

で、1曲は「O Céu Desabou」ですかね。歌詞が理解出来ないので残念ですがYou Tubeにブラジルのテレビ番組に出演された時のパフォーマンスがアップされていますがなかなか焦点の定まらない不思議な演出(ギターを解体したりして…)で必見です。
2010年3月9日(火) 14:40 [ 南米音楽 ]
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矢野顕子 / 音楽堂
矢野顕子音楽堂.jpg矢野顕子さんの新譜を聞きました。これまた妻が買ってきたものです。もはや我が家では矢野顕子さんは妻が買うことになった模様です。

「ほぼ日」にて『「音楽堂」ができるまで。矢野顕子さんと吉野金次さんの、この10年』というスペシャルコーナーとそれにあわせて糸井さんと矢野さんの対談みたいながもあります。

これがねー感動的に素晴らしいものでして、久しぶりに読んで涙ぐんでしまいました。なんというか矢野さんと吉野さん、調律師の方との空中の会話や、糸井さんとの対談ではお互いの信頼し合った熱い会話、羨ましい関係…。そうだよねーと思える部分も多々あり、やっぱりミュージシャンはこうでなくちゃねーとか、大貫さんは中身男だとか(笑)。坂本さんは顕子さんを暴風雨だとか自然現象にたとえているとか、僕もフジロック行ってみるかとか…。楽しすぎます。なんだか元気になりました。

矢野顕子さんのピアノ弾き語りシリーズっていうシリーズがあるのも知りませんでしたがこのアルバムはそのシリーズ10年ぶりの第4弾にあたるそうです。なぜ10年ぶりかって話しも「ほぼ日」をみていただければ詳しく書かれていますが半身不随の吉野金次さんの復活を待って10年ってことです。

いろんな人の曲を歌われています。いつもの、くるりに始まり、上條恒彦、ムーンライダーズ、岡林信康、WEEZER、ELLEGARDEN、Don McLean、和田アキ子、上原ひろみ、山口百恵ってな幅の広ーい選曲に新曲も数曲…などがピアノと顕子さんの歌だけで厳かに演奏されていきます。音楽堂という横浜のホールでの録音っていうこともあってか緊張感のあるライブ盤のような雰囲気。まあ観客の拍手や声援は聞こえませんが。

日本人なら誰でも知っている山口百恵さんの「いい日旅立ち」とか、和田アキ子さんが歌っていた「さあ冒険だ」といった、えっ?ホントに?っていうような楽曲も取り上げられていますが見事に矢野顕子ソングに変貌していてビックリします。また「きよしちゃん」という今は亡き忌野清志郎さんの事を歌った曲も後半「どーしたんだー、ヘヘイベイビー」というRCサクセションの曲「雨上がりの夜空に」のフレーズが出てきたりしてまるでレクイエム。グッと来ます。

吉野金次さんという方は存じ上げませんでしたが、はっぴいえんどの「風街ろまん」など日本の音楽業界の歴史に名を残す数々の名盤を作り上げた偉大な方らしいですね。矢野顕子さんのあの「Japanese Girl」もミックスを担当されていたみたいです。吉野さんの手がけられた名盤の数々の名を聞くだけでその偉大さは僕でもよくわかります。

音楽堂。このホールも僕は知りませんでした。このアルバムはホールでの録音をと考えていた矢野さんが吉野さんの体調も考え都心近郊のホールを探した結果選ばれたホールらしいです。音楽堂という素敵な名前といい非常に魅力を感じるホールですが、どんなジャンルの公演が行われているのかさっぱり知りません。行ってみたいなー。

で、1曲。やっぱり「きよしちゃん」ですかね。「どーしたんだ…、ヘヘイベイビー」と低く静かに歌われる下りにはなんだかジンと来てしまいますね。ヒット目当ての素人ミュージシャンが世の中を荒らくしている昨今、こんなにも真摯な音楽のプロフェッショナルたちによる緊張感のある仕事ぶり…。心してお聞きいただきたい。
2010年3月3日(水) 13:10 [ 日本音楽 ]
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altan with The RTE Concert Orchestra Conducted by David Brophy
altanwiththerteconcertorchstra.jpgアイルランドの老舗バンド、アルタンの新譜を聴きました。これは妻が買いました。妻はやたらケルト音楽が好きなようです。僕もまあまあ好きですけど、あんまり詳しくはないんですねー。

僕の知っているアイルランドのミュージシャンといえば、チーフタンズを筆頭に、ドーナル・ラニー、シャロン・シャノン…くらいかなー。アルタンも知ってはいました。妻が何枚かアルバムを所有しておるのですがいまひとつのめり込むまでには至らなかった次第であります。たぶんアイルランドの音楽に興味を持ったきっかけは、ポーグスだったと思います。変わったところではゲール語をあやつるマウス・ミュージックっていうユニットもけっこう好きでした。昔はけっこう聞いてたんですけどね。

で、このアルバム。アルタン結成25周年を記念して作られたアルバムだそうです。そしてその記念すべきアルバムは全曲RTEコンサート・オーケストラと組んで過去のアルタンレパートリーを演奏するといったもの。大掛かりです。

今までのアルタンのアルバムを聞き返していないのでなんともですが、これがなかなか素敵なアルバムとなっております。結成25年に相応しい今まででベストなんじゃないかと思うくらい(よく知りませんが)素晴らしい内容です。今までアルタンにそれほどグッと来なかった僕でもかなり盛り上がります。素敵です。あまり覚えてないつもりでも2曲は聞き覚えがありました。まあトラディショナル・ソングなのでアルタンで聞いたのかどうなのかはっきりしませんが…。

そしてオーケストラアレンジを担当されているのはダブリン生まれのフィアクラ・トレンチさん。この方はヴァン・モリソンの仕事でも素敵な仕事をなされている立派なお方です。ライナーによるとポーグスのあの名曲「ニューヨークの夢」も彼のオーケストラ・アレンジによるものなんですって!知ってました?

ケルト音楽といえば当然アメリカのカントリー・ミュージックの礎。その昔、アイルランドから自国の音楽やらなにやらと共にアメリカ大陸に渡り今のようなアメリカン・カントリー・ミュージックに発展したと聞いております。ヴァイオリンのことをフィドルと呼ぶ呼び名もケルト由来ですよね。近年は日本でも「ケルティック・クリスマス」なるイベントも恒例になっているみたいだし去年のそのイベントにはアルタンも来ていたみたいだしケルト人気は依然あるみたいですね。

いやー、最近あんまりアイリッシュを聞いていなかったとはいえ最近では一番心震えるケルト音楽のアルバムじゃないでしょうか?これからって方にも自信をもっておススメ出来ますねこれは。アイリッシュ・シングル・モルト・ウイスキーは大好きで味もよくわからないのに飲み過ぎて体調、財布ともに後悔する事がよくありますがやっぱりケルト音楽もいいねーとあらためて思いました。傑作です。

で、1曲は「As I Roved Out」でしょうか。ヒットしてもおかしくないような普遍的な魅力を放つ曲であります。まあ、しかし、やっぱりここはアルバム通しで聞いてみなはれ!iTuneで1曲だけ買うなんてやめなはれ!
2010年3月2日(火) 14:09 [ その他ヨーロッパ音楽 ]
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Joao Gilberto / Chega de Saudade
joaogilbertochegadesaudade.jpg長らく廃盤となっていたジョアン・ジルベルト伝説のファーストアルバムの再発です。そしてなんとなんとこの盤はUKの今や老舗インディー・レーベル、チェリー・レッド・レコーズのエル・レーベルからのリリースなんですよ!あぁ、懐かしい!

何度かEMIよりの再発の話しもあったみたいですがジョアンとEMIとの折り合いがつかず流れていたような事も聞いたことがありますので、この再発盤は全ブラジル音楽ファンのマストアイテムでしょう。中身的にもちょっと普通じゃなくて、まずはオリジナル・アルバムの全曲は当然入っていますがその後に、映画「黒いオルフェ」の挿入歌をジョアンが歌ったEP盤からの音源。そしてその後には、Elizete Cardoso、Os Cariocas、Alaide Costa、Bola Sete、Norma Bengell、 Bene Nunes、João Donatoによるカヴァーが入っています。なかなか充実した内容です。

オリジナルアルバムは「ザ・レジェンダリー・ジョアン・ジルベルト」でも今まで聞く事が出来たので目新しい発見はありません。がこのジャケだけでも買う価値ありでしょう。しかも僕が買った時は渋谷のタワーで1500円!ほしい方は早めに買われた方がいいみたい。タワーでは次回入荷は未定となってました。まあUKのインディー・レーベルなのでね。

「Chega De Saudade」「Desafinado」「Bim Bom」といったブラジル音楽ファンならずともみんな知っている超メジャー曲はこのアルバムに入っています。

ジョアンのようなお方は僕みたいな専門的なブラジル音楽マニアでない輩が語るといろいろとボロがでてしまいそうで怖いですが、このアルバムに収録されている「Desafinado」の歌詞にボサノヴァというフレーズが出てくるところからボサノヴァというジャンルが生まれたと聞いております。なのでこのアルバムからボサノヴァが始まったといっても過言ではないでしょう。っていうかカエターノ御大は「ボサノヴァとはジョアンのことを言うのだよ」と語っておられるように、今や日本でも人気のあるボサノヴァというジャンルもサンバをささやくような声と簡素化されながらも緊張感のあるシンプルなギターで歌ったジョアンのスタイルのことだったのでしょう。まあその後はジョビンによる数々の名曲がさらにボサノヴァというスタイルを確立させたということですけど。

ボサノヴァって今や街のエクセシオール・カフェやなんかでもよく使われていてちょっと今さら気恥ずかしい感じもなきにしもあらずですが、やっぱりこうしてBGMじゃなくちゃんと聞いてみると素晴らしく緊張感のある音楽なんだなーとあらためて思います。

で、チェリーレッドっというかエルレーベル。まだ存在していたんですねー。いやー、知りませんでした。チェリー・レッド、エル、ブランコ・イ・ネグロ、クレスプキュール、クラムド・ディスクといったレーベルは僕にとっては青春で、もうかなり熱狂しておりました。またこうしてチェリー・レッドとエルのロゴが入ったブツを買う日がくるなんて感激です。ロゴを見るだけで興奮しますねー。このアルバムのような昔のブラジルものの再発とか結構リリースしているみたい。なかなかやっぱり素晴らしいレーベルですよね。EBTGやモノクローム・セット、フェルト…。過去の所属バンドは今やもう何処へ?って感じで所属バンドも変わっているに違いありませんが、末永くがんばってほしいものです。

話しはそれましたがこのアルバムよりの1曲。ベタですが「Desafinado」ですね。僕も体験したあの伝説の初来日公演ではこの曲を長ーく演奏されていて、ギター1本で独自のグルーブを生み出されていた姿が思い出されます。最近体調不良のような噂を聞きますがどうなんでしょうか?元気ですかー?

2010年2月23日(火) 12:25 [ 南米音楽 ]
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Aca Seca Trio / Avenido
acasecatrioavenido.jpg新譜の「Ventanas」に続いてもう1枚、アカ・セカ・トリオを買いました。これはセカンドアルバムのようです。日本盤が売っていたのでそちらを購入です。2006年のリリースのようです。ジャケットも知らなかったなー。こちらもJorge Drexlerの「12 Segundos de Oscuridad」同様渋谷HMVの「メランコリックな音楽」コーナーにありました。よく見るとこのコーナー、山ブラこと山形ブラジル音楽普及協会の渋谷支部として展開しているコーナーでありました。このコーナーは僕にとっては非常に魅力的で、知らないCDや気になっていたCDが山のように紹介されています。これからも何枚か買うことになると思います。いつまで続くのかわかりませんが…。紹介されている全CDが試聴できるのもありがたい。

で、新譜の後、こちらを聞きましたがそんなに印象は変わりません。こっちのアルバムの方がちょっと若々しく溌剌と聞きやすい印象、3年ぶりの新譜はより堂々と壮大に…ってな感じかな。

洗練されたハーモニー、完成されたアンサンブル、乾いた空気感と背後に広がる壮大な風景…。このトリオのアンサンブルはこの時点でもう完成されています。もしかしたらすでにデビューアルバムで完成されていたのかも。新譜に付いていたDVDのライブではこのアルバムからの曲がけっこうありました。このアルバムも新譜同様ファン・キンテーロとアンドレス・ベエウサエルトそれぞれの自作の曲に混じってアルゼンチン、ウルグアイの新旧楽曲を演奏している感じです。このアルバムで僕が気になった曲はカルロス・アギーレって人の曲。この方、調べていると現代アルゼンチン音楽界の重要人物の一人らしいですね。2曲演奏されていますが、1曲ではペドロ・アズナールが華麗なフレッドレス・ベースを聞かせてくれます。興味のある方は、もしかしたらこのアルバムから聞いた方がいいかもな?とも思いました。(DVDは付いていませんが)

こうして日本盤もリリースされているところを考えるとこのアルバム発売当時からけっこうな注目株だったんでしょうね。そこそこ売れたのかしら?

なんだか最近CD屋を見ていると以前よりもアルゼンチン、ウルグアイコーナーが充実しているような…。といってもしれたものですが…。昔はピアソラなどのタンゴを中心としたコーナーがほとんどを占めていてあとはメルセデス・ソーサやリリアナ・エレーロ、ペドロ・アズナールがちょっと、アルゼンチン音響派のコーナーがもうちょっと…くらいなものだったと思っていたのですが、今はメガストア系でもけっこうな充実ぶりです。

もしかして流行っているのか?アルゼンチン。こうして僕も聞き出しているように世間でも注目株なのかもしれませんね。日本のワールド・ミュージック界ではブラジル勢がなんといっても幅を利かせています。しかし、アルゼンチン勢もこれからもっともっと世界で聞かれるようになるような…。そんな予感を感じさせるアカ・セカ・トリオ。しばらくは僕的には未開のアルゼンチン音楽を聞いていくような気がしています。

これを聞きながら気付いたのですがこのトリオのパーカッション系担当のマリアーノ・カンテーロくんってリリアナ・エレーロのアルバムでもバンドにいた人だ!いい感じにフィジカル系なイケメンですな。なかなかこの3人ただものではありませんね。

で、1曲は「La musica y la palabra」邦題は「音楽と言葉」。こちらもそのカルロス・アギーレさんの曲のようです。華麗な曲、華麗なアンサンブル…。うーん、見事に美しい曲です。
2010年2月22日(月) 12:39 [ 南米音楽 ]
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Aca Seca Trio / Ventanas
acasecatrioventanas.jpgアカ・セカ・トリオというアルゼンチン・コンテンポラリー・フォルクローレの代表格らしい人たちのアルバムを買いました。去年の年末リリースみたいですが僕がCD屋で見かけたのは今年に入ってからです。このトリオ、そしてこの新譜CDはkookyさんのブログで初めて知りました。

僕が知っているアルゼンチン音楽といえばピアソラにメルセデス・ソーサ、リリアナ・エレーロ、ペドロ・アズナール、そしてアルゼンチン音響派の面々…。えーっと、たぶんそんなものです。行った事もありませんし…。そして街というかブエノスアイレスのイメージは「ラテンアメリカ光と影の詩」とウォン・カーワイ監督作品「ブエノスアイレス」という2本の映画での記憶しかありません。しかしですよ、なぜかですよ、僕はブエノスアイレスに憧れています。是非行ってみたい場所であります。なぜか好きなんですよね。

そしてこのアカ・セカ・トリオ。コンテンポラリー・フォルクローレなるムーブメントがあるってことも知らなかったですが、このアルバムはなかなか素敵です。アンドレス・ベエウサエルト(key / vo)、フアン・キンテーロ(gu / vo)、マリアノ・カンテーロ(dr / per / vo)の3人によるトリオ。このアルバムはサード・アルバムなのかな?ライブ映像などが満載のDVDが付いていて2枚組。

リリアナ・エレーロの回でも書きましたが僕にとってフォルクローレっていうとなんだかダサいイメージしかなかったのですが、このアルバムの音楽は見事にそんな僕の馬鹿げたイメージを覆してくれます。まさにコンテンポラリー。3人の奏でるハーモニー、アンサンブルは完璧で、都会的で、洗練されています。初め聞いた時はちょっとジャズ色が強い感じがしてちょっとなーと思っておったのですがそんな思いもつかの間。今や何度も聞いて楽しんでおります。

こうした卓越した技術の人たちが奏でる音楽っていうとちょっと1曲が長かったりして退屈な面もあるのが常ですが、このトリオの曲は誰かが執拗に長いソロをとるわけでもなくアンサンブル重視。どれもほぼ3分くらいにコンパクトにおさまっていて素晴らしいし、聞きやすい。フアン・キンテーロの曲やアンドレス・ベエウサエルトの曲もありますが、他にはアルゼンチンやウルグアイなどで活躍されるミュージシャンの曲を取り上げているみたい。原曲はどれも聞いたことがありません。原曲と比べて聞いてみるとこのトリオの素晴らしさがよりわかるんじゃないかと思って今度Eduardo Mateoのアルバムでも買ってみようと思っています。

やっぱりアルゼンチンって素敵ですよね。なんだか貧しくて治安の悪い国のような印象もありますが、こんなに洗練された音楽が奏でられているとは…。あらためてアルゼンチンの魅力に触れたような嬉しい感覚。しかしまだまだアルゼンチンは奥が深い。今まであまり聞いてこなかった分これからちょっと聞いてみようと思う今日この頃です。アンドレス・ベエウサエルトさんのソロも売ってたし今度はそれも買ってみるかな?このトリオでは一番ジャズ指向の強そうなお方ですけど。(僕はかなりジャズに疎いです)

で、1曲はオープニング「Paloma」です。雄大なリズムとともにこの素晴らしいアルバムの幕開けにふさわしい素敵な曲です。

あっ、このアルバムは素晴らしく豪華なDVDも付いていますので僕みたいなアカ・セカ・トリオ初心者にもおススメできるアルバムではないでしょうか。
2010年2月18日(木) 12:55 [ 南米音楽 ]
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