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松岡康史のワールドミュージック短信

ノンジャンルな我的音楽記録

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Joao Gilberto / Chega de Saudade
joaogilbertochegadesaudade.jpg長らく廃盤となっていたジョアン・ジルベルト伝説のファーストアルバムの再発です。そしてなんとなんとこの盤はUKの今や老舗インディー・レーベル、チェリー・レッド・レコーズのエル・レーベルからのリリースなんですよ!あぁ、懐かしい!

何度かEMIよりの再発の話しもあったみたいですがジョアンとEMIとの折り合いがつかず流れていたような事も聞いたことがありますので、この再発盤は全ブラジル音楽ファンのマストアイテムでしょう。中身的にもちょっと普通じゃなくて、まずはオリジナル・アルバムの全曲は当然入っていますがその後に、映画「黒いオルフェ」の挿入歌をジョアンが歌ったEP盤からの音源。そしてその後には、Elizete Cardoso、Os Cariocas、Alaide Costa、Bola Sete、Norma Bengell、 Bene Nunes、João Donatoによるカヴァーが入っています。なかなか充実した内容です。

オリジナルアルバムは「ザ・レジェンダリー・ジョアン・ジルベルト」でも今まで聞く事が出来たので目新しい発見はありません。がこのジャケだけでも買う価値ありでしょう。しかも僕が買った時は渋谷のタワーで1500円!ほしい方は早めに買われた方がいいみたい。タワーでは次回入荷は未定となってました。まあUKのインディー・レーベルなのでね。

「Chega De Saudade」「Desafinado」「Bim Bom」といったブラジル音楽ファンならずともみんな知っている超メジャー曲はこのアルバムに入っています。

ジョアンのようなお方は僕みたいな専門的なブラジル音楽マニアでない輩が語るといろいろとボロがでてしまいそうで怖いですが、このアルバムに収録されている「Desafinado」の歌詞にボサノヴァというフレーズが出てくるところからボサノヴァというジャンルが生まれたと聞いております。なのでこのアルバムからボサノヴァが始まったといっても過言ではないでしょう。っていうかカエターノ御大は「ボサノヴァとはジョアンのことを言うのだよ」と語っておられるように、今や日本でも人気のあるボサノヴァというジャンルもサンバをささやくような声と簡素化されながらも緊張感のあるシンプルなギターで歌ったジョアンのスタイルのことだったのでしょう。まあその後はジョビンによる数々の名曲がさらにボサノヴァというスタイルを確立させたということですけど。

ボサノヴァって今や街のエクセシオール・カフェやなんかでもよく使われていてちょっと今さら気恥ずかしい感じもなきにしもあらずですが、やっぱりこうしてBGMじゃなくちゃんと聞いてみると素晴らしく緊張感のある音楽なんだなーとあらためて思います。

で、チェリーレッドっというかエルレーベル。まだ存在していたんですねー。いやー、知りませんでした。チェリー・レッド、エル、ブランコ・イ・ネグロ、クレスプキュール、クラムド・ディスクといったレーベルは僕にとっては青春で、もうかなり熱狂しておりました。またこうしてチェリー・レッドとエルのロゴが入ったブツを買う日がくるなんて感激です。ロゴを見るだけで興奮しますねー。このアルバムのような昔のブラジルものの再発とか結構リリースしているみたい。なかなかやっぱり素晴らしいレーベルですよね。EBTGやモノクローム・セット、フェルト…。過去の所属バンドは今やもう何処へ?って感じで所属バンドも変わっているに違いありませんが、末永くがんばってほしいものです。

話しはそれましたがこのアルバムよりの1曲。ベタですが「Desafinado」ですね。僕も体験したあの伝説の初来日公演ではこの曲を長ーく演奏されていて、ギター1本で独自のグルーブを生み出されていた姿が思い出されます。最近体調不良のような噂を聞きますがどうなんでしょうか?元気ですかー?

2010年2月23日(火) 12:25 [ 南米音楽 A〜N ]
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Aca Seca Trio / Avenido
acasecatrioavenido.jpg新譜の「Ventanas」に続いてもう1枚、アカ・セカ・トリオを買いました。これはセカンドアルバムのようです。日本盤が売っていたのでそちらを購入です。2006年のリリースのようです。ジャケットも知らなかったなー。こちらもJorge Drexlerの「12 Segundos de Oscuridad」同様渋谷HMVの「メランコリックな音楽」コーナーにありました。よく見るとこのコーナー、山ブラこと山形ブラジル音楽普及協会の渋谷支部として展開しているコーナーでありました。このコーナーは僕にとっては非常に魅力的で、知らないCDや気になっていたCDが山のように紹介されています。これからも何枚か買うことになると思います。いつまで続くのかわかりませんが…。紹介されている全CDが試聴できるのもありがたい。

で、新譜の後、こちらを聞きましたがそんなに印象は変わりません。こっちのアルバムの方がちょっと若々しく溌剌と聞きやすい印象、3年ぶりの新譜はより堂々と壮大に…ってな感じかな。

洗練されたハーモニー、完成されたアンサンブル、乾いた空気感と背後に広がる壮大な風景…。このトリオのアンサンブルはこの時点でもう完成されています。もしかしたらすでにデビューアルバムで完成されていたのかも。新譜に付いていたDVDのライブではこのアルバムからの曲がけっこうありました。このアルバムも新譜同様ファン・キンテーロとアンドレス・ベエウサエルトそれぞれの自作の曲に混じってアルゼンチン、ウルグアイの新旧楽曲を演奏している感じです。このアルバムで僕が気になった曲はカルロス・アギーレって人の曲。この方、調べていると現代アルゼンチン音楽界の重要人物の一人らしいですね。2曲演奏されていますが、1曲ではペドロ・アズナールが華麗なフレッドレス・ベースを聞かせてくれます。興味のある方は、もしかしたらこのアルバムから聞いた方がいいかもな?とも思いました。(DVDは付いていませんが)

こうして日本盤もリリースされているところを考えるとこのアルバム発売当時からけっこうな注目株だったんでしょうね。そこそこ売れたのかしら?

なんだか最近CD屋を見ていると以前よりもアルゼンチン、ウルグアイコーナーが充実しているような…。といってもしれたものですが…。昔はピアソラなどのタンゴを中心としたコーナーがほとんどを占めていてあとはメルセデス・ソーサやリリアナ・エレーロ、ペドロ・アズナールがちょっと、アルゼンチン音響派のコーナーがもうちょっと…くらいなものだったと思っていたのですが、今はメガストア系でもけっこうな充実ぶりです。

もしかして流行っているのか?アルゼンチン。こうして僕も聞き出しているように世間でも注目株なのかもしれませんね。日本のワールド・ミュージック界ではブラジル勢がなんといっても幅を利かせています。しかし、アルゼンチン勢もこれからもっともっと世界で聞かれるようになるような…。そんな予感を感じさせるアカ・セカ・トリオ。しばらくは僕的には未開のアルゼンチン音楽を聞いていくような気がしています。

これを聞きながら気付いたのですがこのトリオのパーカッション系担当のマリアーノ・カンテーロくんってリリアナ・エレーロのアルバムでもバンドにいた人だ!いい感じにフィジカル系なイケメンですな。なかなかこの3人ただものではありませんね。

で、1曲は「La musica y la palabra」邦題は「音楽と言葉」。こちらもそのカルロス・アギーレさんの曲のようです。華麗な曲、華麗なアンサンブル…。うーん、見事に美しい曲です。
2010年2月22日(月) 12:39 [ 南米音楽 A〜N ]
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Aca Seca Trio / Ventanas
acasecatrioventanas.jpgアカ・セカ・トリオというアルゼンチン・コンテンポラリー・フォルクローレの代表格らしい人たちのアルバムを買いました。去年の年末リリースみたいですが僕がCD屋で見かけたのは今年に入ってからです。このトリオ、そしてこの新譜CDはkookyさんのブログで初めて知りました。

僕が知っているアルゼンチン音楽といえばピアソラにメルセデス・ソーサ、リリアナ・エレーロ、ペドロ・アズナール、そしてアルゼンチン音響派の面々…。えーっと、たぶんそんなものです。行った事もありませんし…。そして街というかブエノスアイレスのイメージは「ラテンアメリカ光と影の詩」とウォン・カーワイ監督作品「ブエノスアイレス」という2本の映画での記憶しかありません。しかしですよ、なぜかですよ、僕はブエノスアイレスに憧れています。是非行ってみたい場所であります。なぜか好きなんですよね。

そしてこのアカ・セカ・トリオ。コンテンポラリー・フォルクローレなるムーブメントがあるってことも知らなかったですが、このアルバムはなかなか素敵です。アンドレス・ベエウサエルト(key / vo)、フアン・キンテーロ(gu / vo)、マリアノ・カンテーロ(dr / per / vo)の3人によるトリオ。このアルバムはサード・アルバムなのかな?ライブ映像などが満載のDVDが付いていて2枚組。

リリアナ・エレーロの回でも書きましたが僕にとってフォルクローレっていうとなんだかダサいイメージしかなかったのですが、このアルバムの音楽は見事にそんな僕の馬鹿げたイメージを覆してくれます。まさにコンテンポラリー。3人の奏でるハーモニー、アンサンブルは完璧で、都会的で、洗練されています。初め聞いた時はちょっとジャズ色が強い感じがしてちょっとなーと思っておったのですがそんな思いもつかの間。今や何度も聞いて楽しんでおります。

こうした卓越した技術の人たちが奏でる音楽っていうとちょっと1曲が長かったりして退屈な面もあるのが常ですが、このトリオの曲は誰かが執拗に長いソロをとるわけでもなくアンサンブル重視。どれもほぼ3分くらいにコンパクトにおさまっていて素晴らしいし、聞きやすい。フアン・キンテーロの曲やアンドレス・ベエウサエルトの曲もありますが、他にはアルゼンチンやウルグアイなどで活躍されるミュージシャンの曲を取り上げているみたい。原曲はどれも聞いたことがありません。原曲と比べて聞いてみるとこのトリオの素晴らしさがよりわかるんじゃないかと思って今度Eduardo Mateoのアルバムでも買ってみようと思っています。

やっぱりアルゼンチンって素敵ですよね。なんだか貧しくて治安の悪い国のような印象もありますが、こんなに洗練された音楽が奏でられているとは…。あらためてアルゼンチンの魅力に触れたような嬉しい感覚。しかしまだまだアルゼンチンは奥が深い。今まであまり聞いてこなかった分これからちょっと聞いてみようと思う今日この頃です。アンドレス・ベエウサエルトさんのソロも売ってたし今度はそれも買ってみるかな?このトリオでは一番ジャズ指向の強そうなお方ですけど。(僕はかなりジャズに疎いです)

で、1曲はオープニング「Paloma」です。雄大なリズムとともにこの素晴らしいアルバムの幕開けにふさわしい素敵な曲です。

あっ、このアルバムは素晴らしく豪華なDVDも付いていますので僕みたいなアカ・セカ・トリオ初心者にもおススメできるアルバムではないでしょうか。
2010年2月18日(木) 12:55 [ 南米音楽 A〜N ]
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Charlotte Gainsbourg / IRM
charlott gainsbrugirm.jpg噂のシャルロット・ゲンズブールの新譜、とうとうリリースです。リミテッド・エディション、デラックス・リミテッド・エディション、ボーナストラック入り日本盤などいろんなのがあるなか、1500円で売っていたレギュラー輸入盤を買ってしまいました。1500円ですからね。負けました。

前作「5:55」は思いのほかといいますか予想以上といいますか…の素晴らしいアルバムでした。エール、ジャーヴィス・コッカー、そしてナイジェル・ゴドリッチを起用したそのサウンドはフレンチポップ界、いや全世界のポップミュージック界に名を刻む名盤として今も輝きはうすれる気配なしな突出したアルバムです。世間も思いのほかの出来映えに好評価でもって向かえ入れていたと思います。ようは、ただの「女優の手遊び」的な内容ではなかったという訳です。

ちょっとだけ、ちょっとだけですよ!やっぱり専門は女優だし(女優としても当然大好きです)、立派な両親の音楽界のコネもありってなことで、疑ったりした僕が情けない。前作を聞いた途端に反省しました。そして今や前にも増してシャルロットの虜です。ひれ伏すばかりです。

で、話題のBECK全面協力のこのアルバム。これまた少々不安だったのです。えっ?BECK??今さら???的な感じでね。しかし、今回もそんな疑いは…。すみません。僕が悪かったです。だって、BECKって僕にとってはもう過去の人。「Odelay」で終ってたんでね。またちょっとガチャガチャとオーバープロデュースしているんじゃなかろうかと思ったりしてしまったんですよ。申し訳ない。

いやー、今回も素晴らしいアルバムです。前作と甲乙付けがたい傑作です。そのBECKとのデュエット曲も入っていますがそんなことはさておき聴後の感想としては、全体としてやっぱりこれはシャルロットのアルバムということ。うーん、素晴らしい。

全曲作詞作曲プロデュースにいたるまでBECKが担っています。(一曲カヴァーあり)それなのになぜかBECK節を感じさせないこのシャルロットの個性!さすがに音等でBECKを感じさせる部分は多々ありますが、それらも単なるアジ程度。なんなんでしょうかこのシャルロットの存在感は!もはやこの気配は母親のジェーン・バーキンの域。もしくは母親超えか!

父親はセルジュ・ゲンズブール、母親はジェーン・バーキン。そんなアート・エリートな血を感じずにはいられません。女優としてももはやセンスの良い存在感のある女優として絶好調ですし、ミュージシャンとしてもこんなに素晴らしいアルバム連発だし…。もう現代の芸能、芸術界になくてはならない存在として君臨している偉人だと思われます。いそがしいでしょうが両方の路での活躍を願うばかりです。

音的にゲンズブールがよく使っていたアフリカンなリズムを取り入れたり、BECKの持ち味が出たブルージーな曲があったり…なんてのも話題ですが、もうね、この際そんなことはどうでもいいですね。僕たちはただただこのシャッルロットの歌声を聞くのみです。

で、1曲はデュエット曲「Heaven Can Wait」にしておきます。がホント、全曲聞くほどに素晴らしい。名盤です。世界の音楽業界はこのアルバムのリリースによって2010年の一つのヤマを迎えました。
2010年2月16日(火) 12:33 [ フランス音楽 ]
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Antony and The Ohnos -魂の糧- @草月ホール 2010.02.12
antonyandtheohnos.jpgついにアントニー&ザ・オオノズの公演に行ってきました。僕は2月12日の金曜日。東京で2日間だけの公演だったのでラストデーというわけですけど。

草月ホールは実は会社から歩いて行ける距離にあり、6時過ぎに会社を出るも6時15分くらいにはもう到着してしまいました。草月会館…。その昔に行ったような行ってないようなくらいの記憶しかありませんが、立派な建物はちゃんと認識しておりました。草月ホールはその会館の地下にあります。

開演までまだ30分以上あるのにもうけっこうお客が入っている。思っていたより随分と若い…といっても30代半ばくらいの人がけっこういた。これはアントニーのファンなのか?大野一雄&慶人ファンか?などど考えていると7時をまわり、ほどなく開演。

始まる前はステージを白い幕が覆っていた。始まるとその幕が開くのだろうと勝手に想像していたのだが…。

そのスクリーンにまずはモノクロ映像が映し出される。太陽が雲に隠れたり現れたりしていく様子をずっと映し出す…。そしてそのスクリーンの後ろからサポート・メンバーのウイリアム・バシンスキーって人が電子音を響かせ映像とシンクロ…。そして舞台袖からジョアンナ・コンスタンティン登場。アントニーのブロモ映像でも出演していた彼女だ。彼女のダンス、太陽の映像、電子音…。それらがシンクロしていく…。なんなんだ!これは!かなりの緊張感の中、呆気にとられてしまった。続いてスクリーンに現れたのは大野一雄氏の姿。彼の言葉とともに舞踏をしているシーンなどが静止画で映しだされていく…。

そしてやがてその幕が開きステージがあらわに。そこにはグランドピアノに向かうアントニー、そしてわきにはジョンソンズのロブ・ムースがヴァイオリンを構えている。そして1曲目、「Her Eyes Are Underneath The Ground」。アルバム「The Crying Light」でも1曲目に入っていた曲。

とうとう現れたアントニー!この歌声はやはりとてつもなく美しい。いろんな感情がこみ上げる…。そしてやがて大野慶人登場。アントニーの曲に寄り添うように舞踏を繰り広げる…。薔薇、馬のような生物の頭の被り物、鏡…。いろんなものを取り入れながらのその舞踏のストイックさはやはりまばたきも出来ないほどの緊張感に満ちあふれている。大野慶人が登場する瞬間は観客の目も大野慶人に向けられていたに違いない。ステージ上のアントニーとて観客と化しているように見えた。「The Crying Light」でハイライト。

そして再びスクリーンが閉じ、今度は大野一雄氏による自主制作映画「O氏の死者の書」が映し出される。その過激なパフォーマンス映像にまた僕は呆気にとられてしまった…。複雑な心境…。

しばらくして再び幕が開き、そして最後の曲。なんとプレスリーの「好きにならずにいられない」。そして大野慶人氏が手にした大野一雄人形を操り感動のフィナーレ。ここでようやく満場の拍手喝采!うーん…。凄いものを体験してしまった。体験してしまったよ…。

最後に登場したアントニー、大野慶人氏から受け取った花束の花びらをちぎって大野慶人氏に降らせていた。何度も何度も…。そんな彼はとても嬉しそうだった。

こんなに緊張感に満ちあふれたステージは僕は体験した事がありません。小さなホールだからってこともあったのだろうな。贅沢な体験をありがとうございました。それはそうと終了後会場を出て仲間を待っていると鈴木慶一さんが出ていらっしゃいました。握手してもらおうかと思いましたがやめました。以上。
2010年2月15日(月) 12:51 [ アメリカ音楽 A〜G ]
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かいじゅうたちのいるところ
かいじゅうたちのいるところ.jpgスパイク・ジョーンズ監督作品「かいじゅうたちのいるところ」を見ました。渋谷で見ました。字幕版。地元では吹き替え版しか上映してなかった。

見る前からもうすでにCMなどでたくさんの映像を見ていたためこの「かいじゅう」たちのなんとも気持ちの悪い着ぐるみのインパクトは映画を見てもすでにありませんでした。残念です。ある意味この「かいじゅう」たちの着ぐるみデザインのインパクトがこの映画の一番の見所のような気もするのでもう少し隠しておいて欲しかったです。とかいう僕もパンフの画像をのせてしまってますけど…。

それでも、この「かいじゅう」たちのサイズ感なり質感なりデザインなり演技なりは圧巻で、見慣れているつもりでもインパクトはありましたねー。このセンスはやはりスパイク・ジョーンズならでは。最初は気持ちの悪い「かいじゅう」たちもストーリーが進むにつれて愛おしく見える、せつなくもほのぼのと面白い映画でした。思ったよりはヒットしてないみたいですけどね。

音楽はヤー・ヤー・ヤーズ(僕は聞いたことがありません)の紅一点、カレンOと子どもたちの歌うエンディングテーマが最高にカッコいいわけですが、わりとそれ1曲って感じなのでサントラは買いませんでした。
2010年2月12日(金) 12:34 [ その他音楽以外 ]
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Vampire Weekend / Contra
vampireweekendcontra.jpgヴァンパイア・ウィークエンドの新譜がリリースされました。僕の聞く方面での洋楽ではめずらしくシャルロット・ゲンズブールとともにCD屋のメインの場所に陳列されています。売れているんでしょうねー。

僕がヴァンパイア・ウィークエンドを初めて聞いたのは去年です。彼らのファーストアルバムをブルックリン繋がりで買ってみた訳です。このアルバムもそうですがポラっぽい質感の写真に正方形の白枠、白ヌキの文字というデザインフォーマットはなんだかやたら僕の好みですので買う気にもなるってものですよ。

で、中身。いまいちピンと来なかったってのが正直なところで、その後家で何度も聞き返すまでにはいたりませんでした。これが新しい今のアメリカの音楽?これはギャグ?革命?ってな具合で?満載でね。ただデヴィッド・バーンさんが絶賛していたり、世間的にはもてはやされているんでね、ちょっといいのかなーとも思っていました。微妙状態。

で、話題のセカンドアルバム。けっきょくそんな微妙状態のままですが買わずにはいられませんよね。そんな方も多いはず。

もういろんなところでいろんな方が語られていますが、バンドの中核、ロスタム・バドマングリくんのエレクトロユニット「ディスカヴァリー」(これはけっこう良かった!)の影響かエレクトロニクス導入でファーストよりもよりポップにより音楽的に、音も分厚くなったようなアルバムです。基本的な印象はさほどファーストと変わりはありません。

僕は神奈川県のはずれの静かな町に住んでおりまして、普段音楽を聴くのはもっぱら料理をしながらだったり、寝る少し前だったり、ようはリラックスタイムに音楽を楽しむ事が多いのです。そんな環境にはこの音楽はやっぱり合いません。音楽を聴く環境って大事ですよね。やっぱりこの音楽は田舎には合わんのですよ。

ただ、今回のアルバムは後半、グッと来る部分がありました。シングルらしい高速パンク調の「Cousins」からこのアルバムのポップなハイライト「Giving Up The Gun」、MIKA(僕は聞いたことがありません)をサンプリングしているらしいレゲエ調の「Dipolomat's Son」、本編ラストのしっとりバラード(?)「I Think UR a Contra」といった曲たちはこのオッサンでも聞こえてきました。まあ、ファーストよりはいいかもと思います。

恥ずかしいぐらいポップな曲たち、カラフルな音の選びと楽器たち、ハイトーンで健康的な歌声、そしておおよそロック的ではないファッション…。最近ではあまり聞かない音楽&スタイルってことでは文脈破壊ですし、音楽は違えど精神的にはパンクなんだと思います。そこまでの意気込みが彼らにあって確信犯的にやっているのかどうかはちょい疑問ですが、メディアというかリスナーがもてはやす理由はそこなんだと思ったりします。

僕はこのアルバムもあまり聞き返すことはないように思います。今のところですが。今聞かないとすぐに聞けなくなる音楽である事は間違いないようですがね。いろんな意味で。

で1曲は本編ラストの「I Think UR a Contra」です。このトロピカルなムードはやっぱり???ですけどね。
2010年2月9日(火) 12:17 [ アメリカ音楽 O〜Z ]
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Jorge Drexler / 12 Segundos de Oscuridad
jorgedrexler12segundosde.jpgホルヘ・ドレクスレルの2006年発売のアルバムを買ってみました。この方のディスコグラフィーは把握していませんが2006年ってことは以前ご紹介させていただいたアルバム「Eco」の次のアルバムって感じですかね?もしかしてスタジオ録音盤としてはこのアルバム以降発表されていないのかな?

ウルグアイ出身、現在はスペインのマドリッドに拠点をおきワールドワイドな人気を獲得され活躍される彼ですが未だ日本盤のリリースもなくもはや15年近くにおよぶであろう彼の活動歴を俯瞰出来るような情報も少なくどなたかまとめて教えてくれませんかねーって感じです。

このアルバムは今(もう終ったか?)渋谷のHMVにて「メランコリックな音楽」みたいな括りのコーナーで見つけました。以前から欲しいとは思っていたので速攻ゲット!うれしい出会い。

そしてオープニング。タイトル曲です。ん?どこかで聞いたことがある曲だなー?2枚組のライブに入っていたのかなー?と思って調べてみても入っていない…。しかしなぜかメロディーを歌えるぞ…。と思っておったらなんとこのこの曲、少し前に買ったヴィトール・ハミル+マルコス・スザーノのアルバムに入っている曲でした。曲はヴィトール・ハミル、詩がホルヘさんというクレジットがあります。この曲ヴィトールさんの来日公演でも体験しておりますんで耳に馴染んでいたんですね。ヴィトールさんヴァージョンも良かったですがホルヘさんヴァージョンもさすがのもの。もう出だしからうっとりします。

その2枚組ライブでも演奏していた曲も数々入っているなー、やっぱり素晴らしいねーと思いながら聞き進むうちに今度は突然英語の曲。これは誰かのカヴァーかな?とクレジットを見るとなんとレディオヘッドの面々の名前が!「High & Dry」。僕でもなんとなく聞いたことがあるレディオヘッド節。こうやってしっとりホルヘさんが歌うとレディオヘッドもなかなかいいんじゃないかと思ってしまします。妻はこの曲を知っていたみたいで「オリジナルもけっこういいよ」と言ってました。今度聞いてみよう。

そしてまた聞き進むと今度は女性歌手とのデュエット曲。これはどなたですかいな?とクレジットを見てみるとなんとマリア・リタです。へー、これは新鮮なデュエットでなかなかいいねー…。

その他にもなんと「トーク・トゥ・ハー」などでも有名な女優、レオノール・ワトリングが歌っていたり…。スペイン繋がりか?と思っていたらビックリこの二人の間に子供が居るんだってさ!ビックリです。

てなわけでこのアルバムもそんな聞き所満載の素晴らしいアルバムです。なんでこんなにも素晴らしいミュージシャンが日本ではこんなに地味な扱いなんだろう?この方も世界中探してもなかなかいない傑出した才能のミュージシャンである事は間違いありませんね。僕は一昨年初めて知ったのですが、知る事が出来てよかったです。

で、1曲。まさに全曲素晴らしいのでなかなか選びづらいですがタイトル曲の「12 Segundos de Oscuridad」かなー。美しいジャケットとあいまって感動的な響きであります。
2010年2月8日(月) 11:11 [ 南米音楽 A〜N ]
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Dadi / Ao Vivo Em Toquio
dadiaovivoemtoquio.jpg「ヨーコソー、コンバンワー!」。「ダヂ ライブ アット 東京」です。去年の年末、なんとCD化!僕は中原仁さんのブログで知ったのですが、CD屋にもちゃんとならんでましたよ。ありがたい。

「2007年5月27日、東京・青山プラッサオンゼ。名演として語り継がれる至福の一夜の、あの魔法のような空気、聴衆の熱狂そして最高の演奏を、完全収録・CD化!」という代物です。

そうです、あの2007年5月のマイーザ・モンチの来日公演の際にバンドのメンバーとして同行したダヂが本人名義ではキャリア初となる1日だけの限定ライブのCD化です!しかもバンドはマイーザ・モンチバンドの超一流ミュージシャンたち!凄いですよね。贅沢ですよね!行きたかったなー!知らなかったもの…。知ったのは終ってからだもんなー。ネットのみの告知で即日完売だったんだってさ…。ちぇっ…。

しかし!こうしてCD化!素晴らしいことです。うれしいです。そしてジャケットには輸入盤なのになんと日本語で曲名とタイトルが印刷されています。かなり版ズレしていて読みにくいのはご愛嬌。

最近ではマリーザ・モンチの片腕として活躍される彼ですが、長年にわたって超一級のバンドやシンガーを支えてきた功績はもはやブラジル音楽ファンなら誰もが知るところ。05年に初のソロアルバム「Dadi」を発表。ちょっと前にもセカンドソロアルバムがリリースされていましたね。(買ってませんが)

ダヂの「ヨーコソー、コンバンワー!」で始まり始まり。小さなハコでのライブ的なダイレクトな音。けっこういい音じゃない!いいんじゃないかなー。観客も盛り上がってるなー。なかなか生々しい録音です。その場で聞いているような雰囲気。いいねー。やっぱりバンドが素晴らしいねー。涙腺が緩みます。ちょっとブートっぽい雰囲気がまたいいんだねー。最高です。

曲目は彼のファーストソロ「Dadi」のほぼ全曲とカエターノのカヴァーやノヴォス・バイアーノスの曲。そしてなんとなんと日本でも人気のあるジョルジ・ベンジョールの「ウンババラウマ」をやったりしてもう観客は大興奮!そりゃそうでしょうよ!うらやましい…。1時間弱の収録時間ですがライブ自体はもっと長かったんでしょうねー。他にはどんな曲を演奏したのかなー。

まあ、こうして伝説のライブを聞く事が出来て嬉しいかぎりです。このアルバムを聞くとホント楽しく元気になります。ダヂさんのやさしく前向きなパワーがこちらにもビンビン届きました。ありがとうございました。

で、1曲は「Alvo Certo」です。オープニング曲です。もうこの時点で幸せな空気に満たされました。しかし「ウンババラウマ」も楽しいし、もう全曲素晴らしい。「ドモアリガトー」


2010年2月5日(金) 12:23 [ 南米音楽 A〜N ]
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Maria Bethania / Encanteria
mariabethaniaencanteria.jpgマリア・ベターニャの新譜です。去年の後半頃のリリースかな。またしても2枚同時発売でしてこれはそのうちの1枚。もう1枚は購入しておりません。

もう1枚の方は「Tua」ってタイトル。タイトルソングはアドリアーナ・カルカニョットのカヴァー。なんでもラブソングを中心としたカヴァーで構成されているらしい。そしてこのアルバム「Encanteria」はサンバ中心のアルバム。鎌倉の「claro」でちょっと試聴さしてもらってこちらをとりあえず買いました。が、やっぱり「Tua」もほしいなー。

近年のマリア・ベターニャはとにかく素晴らしい!カエターノやジルベルト・ジル、ガル・コスタ、マイーザ・モンチといった方々に興味を持った頃はカエターノの妹ということもあって「Canto Do Paje」や「As Canes Que Voce Fez Pra Mim」というアルバムを買って聞いてみたのですが、若かった僕はそのアルバムがあまりピンと来ず、実はつい最近までマリア・ベターニャを少し敬遠しておりました。ところが、2004年発売の「Brasileirinho」!これが大変素晴らしいアルバムで、それ以来やっとマリア・ベターニャに夢中になっております。嬉しい事です。

それにしても「Brasileirinho」以降のマリア・ベターニャはどのアルバムも大変素晴らしく美しいものばかり。全て聞いている訳ではありません。日本盤もあまり出てないし、見つけた時に買わないと早々にCD屋の棚から消えてしまうんでね、見つけたら買っとかないとってことですね。

そしてこのアルバムもそんな事で大変素晴らしい!そのドスのきいた歌声はもうオンリーワン。女神のような神々しさでうっとりします。バックのバンドの演奏も素晴らしい。神に選ばれしプロ集団が集まればいとも簡単にこんなに素晴らしい音楽が生まれるんだなーと感心するしかありません。まさに「魅惑」のアルバムです。そしてなんと1曲ではカエターノとジルベルト・ジルがデュエットを披露しています。これがまたなんとも楽しいです。神々の集い的曲ですねー。

それにしてもこんなにマリア・ベターニャが好きになるとは思ってなかったなー。僕が年をとったので聞こえてくるようになったのか?マリアの魅力が年とともに増しているのか?もう64歳になろうというお方がまさに今絶頂期というのも素晴らしい事ですね。

で、1曲は「Estrela」です。Vander Leeって方の曲です。少人数のアンサンブルみたいですがなかなか可愛らしい曲です。最近いろんなところでご活躍のマルセロ・コスタさんがここでも登場しています。

2010年2月4日(木) 12:33 [ 南米音楽 A〜N ]
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相対性理論 + 渋谷慶一郎 / アワーミュージック
相対性理論アワーミュージック.jpg2010年1月6日発売。相対性理論のニューシングル。渋谷慶一郎さんという方とのコラボという形にてリリースされました!

まずは広告などに使われている写真。空き地のような場所に止まった白いスポーツカーから煙が…。中には女性が…。やくしまるさんか…?これはいったいどういう状況か…!?そんな意味深(?)な、新津保さんによる美しい写真が素晴らしい。期待がすごく膨らみました。

渋谷慶一郎さん。僕は知りませんでした。キーボードを操る芸大出身の電子音楽家という方らしいです。そんな出自からはすぐに坂本龍一さんを想像してしまいますがどうなんだろう?坂本さんを受け継ぐ新しい世代の登場ってことなのかな?彼自身の音楽は聴いた事がないのであんまりよくわかりません。相対性理論の方から話しは持ちかけたってことらしいです。

「スカイライダーズ」「アワーミュージック」「BLUE」という3曲のそれぞれ別バージョン計7曲入っています。タイトルを見て「ん?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。そうです。「アワーミュージック」はあのゴダール先生の映画のタイトルからの引用。「BLUE」はデレク・ジャーマン作品のタイトル。しかもこの曲、歌詞はデレク・ジャーマンです。なかなかアートな展開ですねー。

で、曲。作曲は全て渋谷慶一郎さん。作詞は以前からよく登場するティカαさん2曲とそのデレク・ジャーマン氏によるもの。そして演奏は相対性理論と渋谷慶一郎さんです。

うーん、どうでしょうか?一聴はけっこうちゃんとした音楽になったなーという印象です。音も分厚くちゃんとアートな方向のポップスとして完成度が高いです。メロディーもけっこうグッと来ます。が、しかし…。その分歌詞がけっこう聞き取りにくい。音楽度が上がった分「なにこれ?」度が下がったといいますか…。

悪くはない…。悪くはないんですけど…。僕の好きな相対性理論の音楽はこういった音楽的深化方向じゃないんだろうなー。たぶん世間的にもそんな方向はうけが悪いんだろうなーと思ったりしてしまいます。やくしまるえつこさんとピアノだけのシンプルなアレンジはけっこう新鮮だったりしますが、それとて少々地味な印象。みょうにオシャレに聞こえたりしてしまうんですよね。ウィスパー・ヴォイスなせいもあって、歌詞が聞き取りにくいせいもあって、ちょっとなー、ボサノヴァ?とか、一瞬勘違いしそうになります。

まあ、たまたまのコラボとして思えば楽しいし許せますけどね。このシングルが今後の相対性理論の方向を示すものとしてとらえられるものなのか?どうなのか?次のリリースを楽しみのみ待ちたいと思います。

それにしても久々にわくわく度の高い日本のバンドです。テレビ出ないかなー?ミュージック・ステーションとか?出るなら今年がいいタイミングか?

で、1曲は「スカイラーダーズ」です。相対性理論っぽくない歪んだギターがみょうにせつないいい曲です。
2010年2月1日(月) 18:00 [ 日本音楽 ]
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