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松岡康史のワールドミュージック短信

ノンジャンルな我的音楽記録

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Rokia Traore / Tchamantche
rokiatraoretchamantche.jpg前作より5年ぶり、4枚目となるロキア・トラオレさんの新譜です。といっても半年ほど前のリリースです。僕は彼女のアルバムを初めて買いました。名前は聞いた事ありましたが、どんな音楽か?イメージすらありませんでした。

マリ出身ということもあってそれっぽい音をそれとなく想像していましたが全然違いました。彼女の弾く奇麗なギターと歌が中心の音数の少ないなんともストイックでスピリチュアルな世界。いわゆる伝統的なアフリカン・ミュージックではありませんね。こんな方もいるんですねー。ちょっと驚きです。ワールドミュージックという枠にはない音楽です。

CD屋に行くともちろんアフリカのコーナーにおいてあるんですが、たまにフランスのコーナーで見かける事もあります。フランス語の曲も入っているしって事だけじゃなくフランスで活躍されている、もしくは売れているって感じなんでしょうか?なるほどねー。なんとなく納得できます。パリあたりではハマって響くんだろうなー。

全体的にはまるで僧侶のようなストイックな曲が並んでいますが、ヒューマン・ビート・ボクサーのスライ・ジョンソンが参加した曲があったり、ビリー・ホリデイの歌った曲のカヴァーありで、なかなか楽しかったりもします。

アフリカのミュージシャンにしては歌があんまりうまくない。なんていうとひどいかもしれませんが、しかし、かえってそれが彼女の魅力に繋がっているんじゃないでしょうか。トラディショナルな感じがしなくてね。

で、1曲はタイトルトラック「Tchamantche」ですね。ロキア・トラオレとスライ・ジョンソンの対比がエモーショナル。
2009年5月29日(金) 14:41 [ アフリカ音楽 ]
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Antony and The Johnsons / The Crying Light
anthony.jpg前作「I am a Bird Now」以来4年ぶりらしいアントニーさんの新譜です。なんとも前衛舞踏な感じのジャケットだなーと思っていると、なんとこの方大野一雄さんという日本人の舞踏家らしいです。そしてこのアルバムはその大野一雄さんに捧げられているということです。へぇー、知りませんでした。

僕がこのアントニーさんを知ったのは、ルー・リードの「The Raven」というアルバムでの客演でした。その中性的な歌声に引き込まれてしまいました。そしてあの前作。本人のどぎついルックスはともかくその美声に聞き惚れました。名盤でしたね。そしてこのアルバムも基本的には前作と一緒というか、もうこの世界観は多分今後も変わる事は無いのでしょうね。急にポップなオリジナルアルバムを発表される感じは今のところまったくしません。

そもそも、ロックやポップミュージックの文脈とは関係なく突如として現れたアントニー。たぶん大衆音楽の歴史の流れなどまったく関係なく、独自の文脈で活動されていた方なのでしょう。なので、アルバムだけを聴いて、大衆音楽的感想、今回はちょっとロックだねとか明るいねとかそんな感想を語るのも野暮なような気もしてしまいます。ちょっと違いますもんね。

ボブ・ディランの「Knockin' On Heaven's Door」のカヴァーを最近聞いた事があります。「アイム・ノット・ゼア」のサントラに入っていたものがそれですが、これもまた素晴らしくアントニーの世界にハマっていました。そして「Dark was The Night」でもボブ・ディランの「I Was Young When I Left Home」を歌っていました。これもまた本人のものとは違って厳かな雰囲気漂うものでした。この2曲だけでもわかるように実はボブ・ディランのカヴァーアルバムをリリースされてもいいんじゃないかと思うくらいの相性の良さだと思うのです。本人も喜ぶんじゃないでしょうか。

今後、アルバムという枠だけでは収まりきらないであろう彼の活動に期待は膨らむばかりです。苦手という人もけっこういらっしゃって、そんな気持ちもわからなくはないですが意外と怖くないですよ。っていうか厳かな気持ちになります。

で、1曲は「Kiss My Name」です。是非舞台で見たみたい方のひとりですね。

2009年5月25日(月) 15:46 [ アメリカ音楽 A〜G ]
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Jorge Drexler / Eco
jorgedrexlereco.jpgホルヘ・ドレクスレルさんの2004年のアルバムらしいのですが、僕が買ったのは2005年に例の「モーターサイクル・ダイアリーズ」の主題歌でアカデミー賞をし、その曲を追加収録して2005年に再発された盤です。

ヤッホー!とうとう手に入れたよ「Al Otro Lado Del Rio」!それにしても名曲ですねこれは!「モーターサイクル・ダイアリーズ」をまだ見ていませんが映画の映像カットを見ながら曲を聴いているだけでもう涙、涙です。サントラにも入っているらしいのですが、映画を見てからと思っていましてなかなか買えなかったのです。

なんとも衝撃な事実…。なんと、そのアカデミー賞の授賞式でホルヘさんはアメリカでは無名だったため歌う事を許されなかったとのこと。かわりにカルロス・サンタナとアントニオ・バンデラスに依頼し、お二人の演奏と歌になったらしいのです。そのことに憤慨した映画の主人公、ガエル・ガルシア・ベルナルは授賞式をボイコットするという事態に…。いったいアカデミーってやつは何様なんだ!と思います。くたばれ!アカデミーですよまったく。

「Al Otro Lado Del Rio」の話しばかりになりましたが、本来のアルバム自体も大変素晴らしいものでした。去年のライブ盤でも演奏されていた曲もけっこう入っていて僕的にも盛り上がりました。ライブアルバムでのシンプルな演奏を最初に聞いてしまったためかちょっとオーバープロデュースぎみに感じる曲もあったりしますが、そんなに気にはなりません。なんとマルコス・スザーノがけっこう全面参加しているんですね。うん、やっぱりこの優しい声が素敵ですね。ウルグアイのカエターノと評されているのも納得ですが、ホルヘさんの方がもっと明るく乾いている感じかな。

このアルバムは彼の7枚目のアルバムらしいのですが代表作なのかよく知りませんが、かなりいいアルバムなんじゃないでしょうか?渋谷のHMVにはこのアルバムともう1枚、編集盤のようなもの、そして去年のライブ盤しか売ってなかったです。

で、1曲はやっぱり「Al Otro Lado Del Rio」なんですけど、おまけ曲なのでもう1曲選ぶとすれば「Todo Se Transforma」ですかね。ライブ盤でも盛り上がっていたラテンポップな名曲。


2009年5月21日(木) 13:42 [ 南米音楽 A〜N ]
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サケロック / ホニャララ
sakerock.jpgちょっと前から気になっていた「サケロック」の去年(2008年)出たアルバムを買ってみました。

まず、聞く前にCDに付いていた気合いの入った読み物ブックレットに大注目!なんと星野源くんと細野さんが対談されているじゃありませんか!そういう感じのバンドだったのか!と初めて知り、「サケロック」というバンド名もあのマーティン・デニーの曲名からとられたという事実!うーん、これはなかなかやるのでは…。

期待満々聞いてみました。なるほど、なるほどー…。なるほどですね。トロンボーンやマリンバなどロックな文脈にはあまり登場しない楽器がフューチャーされるなんとも愉快な音楽。ロックじゃありませんね。しかしアカデミックな感じも全くしません。坂本龍一さんの名曲「千のナイフ」と「妖怪道中記」というゲームの音楽を合体した曲なんかにも驚きました。

細野さんのトロピカル3部作を聞いて「これだ!」と思ったという星野君。既になかなかに注目株みたいですね。

ただ、アルバムを通して聞くのはちょっとつらい感じもしました。ちょっとキレイすぎるというか上手にまとめました感もしてしまいます。ライブだと違うのかなー?どんな感じなんだろう?トロンボーンの浜野くんの「押し語り」というコーナーもあるみたいだし楽しそうですね。

たぶん星野くんは器用な若者で、アイデアも豊富な感じだったりするみたいなので、バンド自体も今後変化していくような気もしますが、難しい感じの音楽になりそうな感じが全くしないのが若い人っぽくていいですね。

しかし、音楽を長く聞いているとやっぱり現れてくるんですよね、こういう人たちが。なにか時代を象徴するようなたいそうなバンドにはならないかもしれませんが、マーティン・デニーを聞いた細野さんがいて、細野さんのトロピカル3部作を聞いた星野くんがまた音楽をつくる…。なんだか嬉しい事であります。

しかし、それなりにでも売れているのかな?応援しています。

で、1曲は「千のナイフと妖怪道中記」です。残念ながら彼らのオリジナル曲ではありませんけどね。

2009年5月15日(金) 16:12 [ 日本音楽 ]
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Lenine / Labiata
leninelabiata.jpgレニーニさんの去年(2008年)発売された久しぶりのスタジオ録音盤です。

レニーニさんのアルバムを買うのはたぶん3枚目で、初めはマルコス・スザーノとのコンビで発表された邦題「魚の目」ってやつ。そしてこの前のパリでのライブアルバム。そしてこのアルバムです。ってなことで、そんなに追いかけていた訳ではないのです。このアルバムもCD屋で見つけて思い出したように買って見ただけです。

しかし、その「魚の目」はMPB新時代を感じさせる素晴らしいアルバムでした。パリでのライブもその成熟したダイナミックな演奏にかなり驚きました。

僕にとってこのレニーニさんのイメージは、やはりブラジル音楽界においても最先端的イメージでした。いろいろな流行のサンプリングやエレクトロニカ的音楽を積極的に取り入れ、新しいMPBを作り出そうとするそのフーチャリスティックなスタイルは、僕にとっては多少うさん臭くもありました。「魚の目」でのわりとシンプルながらも力のある表現と違和感もありましたしね。ってなこともあって今まであまり買わなかったのです。

しかし、この前のパリでのライブアルバム!これがなかなか素晴らしかったのです。「魚の目」で発揮されていたダイナミックで力強くて、しかも大人っぽい…。うーん、なかなかいいんじゃないかと。

結局ね、こうして新譜も聴いてみるとやっぱり僕はレニーニさんが好きです。いろいろなスタイルの曲が入っていますが、やっぱりどの曲もレニーニ以外の何者でもない個性。レニーニの声も好きなんだろうなー。リズミカルな演奏が見事にキマる曲が多いですが、ゆっくりとした歌ものも大人っぽくてねー、素晴らしいんですよねー。泣けます。

伝統的でありながら先端的。大人っぽくもありながら激しくもある。もうこの方の音楽は偉大なブラジル音楽の重鎮たちの作品と肩を並べるほどの域に達していると思います。こういう音楽を聴くともう日本人としては嫉妬するしかありませんね。なんとも異国を感じるいい瞬間。

で、1曲は「E O Que Me Interessa」です。涙の出るいい曲です。男前だねー。



2009年5月14日(木) 16:13 [ 南米音楽 A〜N ]
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四川のうた
四川のうた.jpgジャ・ジャンクー監督作品「四川のうた」を見ました。ユーロスペースです。昔の場所から引っ越して初めて行きました。随分立派なビルの2フロアがユーロでした。

最近、あまり映画を見ていなかったためジャ・ジャンクーなんて監督もちょっと忘れかけていたのですが妻が見たいといったので、思い出し、僕も見たくなって抜け駆けして見てきました。

これがね、なかなかの大作でね。ドキュメンタリーとフィクションの間のようななんともいえない新しい試み。いいんじゃないでしょうか。初めは地味な映画だなーと思っていたのですが途中から引き込まれていきます。絵もキレイでグラフィック作品のよう。

映画を見る楽しみを思い出しました。
2009年5月13日(水) 15:33 [ その他音楽以外 ]
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ウエディング・ベルを鳴らせ!
ウエディングベルを鳴らせ.jpgエミール・クストリッツァ監督作品最新作「ウエディング・ベルを鳴らせ!」を見ました。シネマライズです。

エミール・クストリッツァ監督の映画は多分「黒猫・白猫」しか見た事がありません。しかし、サントラはなぜかけっこう持ってるんですねー。今となってみればこの監督の映画をきっかけにジプシー音楽が流行ったんだと思います。

で、今回もクストリッツァならではのドタバタ劇で、けっこうテンション高くてしんどいですが大変愉快な内容です。ヒロイン役の女優マリヤ・ペトロニイェヴィッチさんが美人さんでした。新進女優さんなのでこれからが楽しみです。ペネロペみたいに大女優になったりして…。

ちなみに今回の音楽はいつものゴラン・ブレコヴィッチさんじゃなく、監督の息子(俳優としても映画に登場)が担当しているみたいです。ふ〜ん…。
2009年5月13日(水) 15:19 [ その他音楽以外 ]
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スラムドッグ$ミリオネア
スラムドック.jpgアカデミー賞作品賞を含む最多8部門受賞!話題の映画を見ました。インドが舞台の映画なのであまり情報入って来てなかった時期にはインド映画かと思っていましたが…。

あの「トレインスポッティング」などで有名なダニー・ボイルっていうマンチェスター出身の監督のイギリス映画作品でした。もうかなりの情報がメディアで流されているのであらすじは想像していましたが、ほぼその想像内の展開。よくも悪くも想定内。やっぱりダニー・ボイルはダニー・ボイルでした。インド人によるインド映画ならちょっと見方も違ったのかもね。子どもたちはなかなか元気で可愛かった。特に主人公の子ども時代。元気です。

あまり期待せずにご覧下さい。って、これだけ宣伝されたら期待せずには見れないでしょうけどね。
2009年5月1日(金) 16:19 [ その他音楽以外 ]
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Condo Fucks / Fuckbook
condofucksfuckbook.jpgコンドー・ファックス「ファックブック」ってアルバムがリリースされました。実はこれ、ヨ・ラ・テンゴの変名バンドです。っていろんなメディアでも事前に情報が流れているのでご存知の方も多いですよね。

カヴァー好きなんでしょうね。このアルバムもカヴァーアルバムです。しかもけっこうマジなガレージ・ロックバンド風です。まあこの傾向は本来のヨ・ラ・テンゴとの違和感はあまりないです。

「フェイクブック」っていうカバー中心のアルバムもありますし、「Yo La Tengo Murder the Classics CD」っていうリハーサルなしの「大喜利」的カヴァーアルバムもありました。サン・ラーのカヴァーも衝撃的でしたし、ビーチ・ボーイズの「Little Honda」もカッコよかった。しかし、その選曲の幅広さには驚きます。アイラ・カプランはもと音楽ライターらしいですし、ホントに音楽マニアなんでしょうね。

そして今回のガレージ・ロックバンドの選曲は、スモール・フェイセス、キンクス、ビーチ・ボーイズにリチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ、ヤング・ラスカルズ、スレイド…とこれまた幅が広いです。僕の知らないバンドのカヴァーもいくつかあります。でもって、全てがガレージ・ロック全開!ギャグ的な要素はあまり見当たりません。このバンド名でライブもこなしてるっていうし本気なんでしょうか?

正直に言って今回の選曲のうちオリジナルを知っているのはキンクスの「This is Where I Belong」だけです。オリジナル曲を知っていたらもっと聞こえ方も違ってくるでしょうし、ユーモアも感じられたかもと思うと残念です。

しかし、そんなオリジナル曲を知らない僕でも楽しめてしまえるのがこの三人の醸し出す明るいムードの成せる技かもしれません。

で、1曲はスレイドの「Gudbuy t'Jane」です。スレイドなんて興味もありませんでしたがこの演奏は盛り上がります。ヒット曲だそうですが僕は知りませんでした。これで、スレイドを聞いてみようとは思っていませんがね。


2009年5月1日(金) 15:55 [ アメリカ音楽 A〜G ]
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