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自然派のワイン [2007年06月25日(月)]
 
自然派のワインこそコンディションが命です

ビオとは、フランスが国として定めたワインの生産方法の基準でありビオ認定を受けているワインのみが自然派の素晴らしいワインというわけではありません。

実際もっと素晴らしいワインを造っている場合もあり、この言葉に惑わされるのは正しいとは言えません。国が推奨していることもあり補助金がもらえるためにビオ認定を受ける場合もありますから、ビオであれば良いワインという図式は成り立ちません。

あきらかに巧く造られていないワインが、ただ生産量が少ないとか、話題性だけで市場に出てくることがよくあるのです。

農薬に汚染された土地で急にビオでワイン造りを始めても、土地が浄化され、本当に素晴らしい葡萄が出来るまでに15年は掛かると言われているのです。

農薬に犯されていない土地で造られた葡萄は見事なほどに力強いワインになります。それにも関わらず内容の優れていない話題優先のワインが輸入され続けているということは、いかに日本にまともなバイヤーがいないかということを物語っています。

合田さんが以前からビオを含めたオーガニック系のワインを総称して自然派と言っていましたが、まさにこの言い方の方が分かりやすいと思います。
自然派のワインにはビオ・ディナミ、ビオ・ロジック、リュット・レゾネがあります。

【ビオ・ディナミ】
ルドルフ・シュタイナー博士の提唱した生産方法で、一番の特徴は天体の動きを考慮した耕作方法です。天体の動きを考慮した農作の方法が事細かく規定されているためにかなりシンドイ作業です。有名な生産者ではルロワがドメーヌで実践しています。葡萄の栽培においては天然の指定されたものしか使用できません。しかし土地から農薬が抜けるまでにほぼ15年はかかると言われているのでこの農法を実践しても本来のワインが出来上がるまでに時間と労力は計り知れない物となります。実際ルロワも本来彼女が造りたかったワインが出来始めたのは2000年を越えたあたりからでしょうか。しかし以前から農薬を使わずに葡萄を栽培しているところもありそのような畑からは驚くほどピュアーなワインが造り出されています。ビオのワインは弱いというのが一般的な認識ですが、一部のワインに関しては驚くほど力強いので驚かされることもあります。

【ビオ・ロジック】
除草剤や殺虫剤などの農薬の禁止、化学的に合成された肥料の禁止、認定された有機肥料を使う、病虫害のためにボルドー液とフェロモン剤の使用は可、酸化防止のための二酸化硫黄と補酸のための酒石酸は使用できる醸造する際の器具等、瓶詰めのための器具も認証されたものを使う上記の作業を2〜3年継続して行うことによって認証されます。その後も国による検査を定期的に受けなければなりません。

【リュット・レゾネ】
一言で言うと減農薬栽培。葡萄の栽培方法から携わるスタッフの意識改革、道具まで細かく規定されていて、徐々に変わっているようです。必要なとき以外は農薬を使わない、ある意味とても現実的な生産方法です。実際リュット・デゾネの認定を受けていない生産者もこのような生産方法をとっている生産者は沢山います。意識の高い生産者は逆にいいワインを造るためにこのような規定に縛られる事を嫌がりあえて認定をとらないのです。

このように土地を活性化させ、本来の生態系にする事で、ちゃんとした土壌でワインを造っていくという大きな流れがあるのです。人工的な肥料や農薬を使わないという事は、つまり、それだけ手間が掛かるという事です。

酸化防止剤に関しては、ビオであっても使用している生産者はまだまだ多いのが現実です。一部の生産者は実験的に酸化防止剤を使わないワインを造っていますが、正直成功しているものもあれば問題があるものもあります。葡萄の力強さに掛かっているのでしょう。

自然派のワインは、実は色々な意味でまだ発展途上のワインが多いのです。まして非常にコンディションに左右されやすく、日本で…となると本当に美味しく飲めるワインがかなり少なくなってしまいます。

自然派のワインは現在、一つの流行とも言える現象がありますが、実際美味しいワインを見つけるのはかなり難しいという事を憶えておいた方がよいでしょう。造り手を厳選した上で、コンディションに気を配らなければ、自然派のワインは美味しいワインにたどり着けません。ある意味、ワインの世界にとっては古くて新しい分野なので、香り、味わい共に今まで皆さんが慣れ親しんできたワインとの差は大きいのす。つまり美味しいと認識する際に多少なりとも今まで飲んできたワインとの印象の差が出ることになります。自然派のワインはその名前の通り、かなりピュアで綺麗なワインが多いのが特徴です。本来の葡萄の味わいが感じられるワインが多く、良いコンディションのワインは抜栓直後、常にフレッシュ感があります。自然派のワインは好きじゃないと思っている方は、もしかしたらコンディションの良いワインを飲んでいないことも原因の一つかもしれません。

現在ワイン生産国の中で問題となっているのは、農薬による土壌の汚染によって土地が痩せてしまうことです。これは実はワインの世界だけではなく、インドなどの紅茶の生産国でも問題になっています。農薬に犯され微生物のいない痩せた土地からは、実は品質の高い葡萄は作れないのです。

60年代のコンディションの良い古酒を飲むと、いかに70年代以降のものが農薬によって土壌が汚染されてきたかが分かります。そういったことからも自然派への動きは今後、もっと大きな流れになって行くことが予想されます。小手先の化粧をするよりも、力強い土地の恵みである本来の姿を持った葡萄を蘇らすことが今後のワインの世界にとって重要なことだと思います。
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