この数年間、バンクーバーに在住していた事もあって、いつの間にか「物語の本」を読まなくなっていた事に、最近、気が付いた。
外国では日本の本が手に入りにくく、自己啓発的な本であれば、繰り返し読んでも飽きないから、というのが物語を読まなくなった当初の理由だったと思う。
それと、ここ数年は、自分の内面や、将来の事ばかりに目がいってしまった。という方が当たっているかもしれない。
すると、自分を成長する為に本を読んでいたのに、気が付けば自分、自分、
となっていて、かえって自己を小さくしている事に、ハタと思い至った。
そこで「そうだ。物語を読もう。」と思って手にした本が、あの華麗なる一族の著者でもある山崎豊子さんの大地の子。
他の人の物語を読む事で、
固執した考え方から抜け出せるかな。と思ったのですね。
だけど、この本は、全て山崎豊子さんが
8年掛けて取材した実在の人物と出来事を元に書かれた物語である為、気軽に読んでみよう。と思う本では無かった。

というのが正直な感想です。
ご存知の方も多いと思いますが、大地の子は、中国残留孤児が主人公。
私はこの本を読むまで、恥ずかしい事ですが、
中国残留孤児は、どこかテレビの中の遠いできごとの様な気持ちであったのが正直な感想。
だけど、
大地の子 はそんな私に、衝撃を与える結果となりました。
本によると、日本に来られている孤児達(この言い方は好きでな無いんだけど。)は、まだ好い方で、両親がソ連軍の虐殺にあうなどして、孤児となった為、農村部に売られ、学校も行かせて貰えなかった為に字が読み書きができず、自分が孤児である事を名のりでる事すらができないケースが相当数あるらしい事。
また、この本の主人公の陸一心のように、養父母の愛に恵まれて育ったとしても、文化大革命により、日本人スパイの容疑を掛けられ、拷問の上、重労働に課せられたり。
それでも、残留孤児達は生きていた。
一方、
同じ日本人なのに、日本で生まれ育った私は、「どこかテレビの中のできごとと思っていた。」 と言う事が、なんとも言えない気持ちにさせられた本であった。
もし、私があの時代に生きていて、残留孤児となって取り残されたら。毎日侵略者の子、小日本鬼子と苛め抜かれたら。
それでも、生き続ける事ができるだろうか?
他の人の物語を読むことは、日頃、自分だけが苦労したり、辛い思いをしている等の思い込みを無くす事ができ、小さくまとまり掛けた自分の考えを、壊してくれるんだな。。
と思った
Joeyです。