「太陽の塔」のタイトルにビビッときて
思わず手にとったら最後、ほれこんで一気読み〜

これからも色んな本に出会うだろうけど、
この本は特別に好きで印象に残り続けると思う。
「太陽の塔」(森見 登美彦著)。
日本ファンタジーノベル大賞受賞作らしい。
女の子にひたすらもてない男子の繰り広げる妄想ワールド。
それはもう男臭くって、デリケートで、
もどかしくって、破天荒ぶりに笑えて、ほくそえんで、ほほえましくて、照れくさくて
すこし切なくて、キュンとして、甘酸っぱくて…
主な登場人物は京都大学の学生である主人公とその周辺を固める強烈な同士、
クラブの先輩、後輩、そして好きなのにフラレてしまった初めての彼女・水尾さん。
この小説に登場する人物は、だれかれもが強烈な個性の持ち主で、
でも憎めなくて愛らしい。
何かの巣窟のようになっている髪型と巨体からは想像できないような
つぶらな瞳と繊細な心の持ち主の高薮くん。
(ちなみに私はこの高薮くんが1番好き

)
同士の中でなぜかリーダ的存在で微妙にカリスマ性をもつ飾磨くん。
クリスマス前には鬱々と考え意識しすぎて、
イブだかクリスマスには毎年発熱する可愛らしさも。
世間全般に憤っており、すぐに我が世界に入り込んでしまう井戸くん。
「男の美学」を暑苦しいばかりにふりかざす坂本竜馬好きな海老塚先輩。
水尾さんが好きでしょうがなく、歪んだ一生懸命さゆえ主人公と行動がかぶる遠藤くん。
主人公と遠藤くんの水尾さんをめぐってのやり合いのはずが、
何故か「ゴキブリキューブ」合戦に…。
それがあたかも高尚なことのように書かれていて、おかしい。
「生命の神秘を丸ごと贈るのであるから、きっと大喜びするに違いない。
彼も生命力の力強さに触れれば、恋愛などと愚かしい妄想に
右往左往することもなくなるだろう」という具合
ほかにも
「世界平和のためには我々1人1人が責任を持って荒ぶる魂を鎮めねばならぬ。
社会に生きる者の義務とは言えつらいことだと嘆きながら、禍々しい
生殖本能の矛先をそらすために培われてきた膨大な作品群を前にして私は
右往左往し(中略)…そして割合まめに新作をチェックする」とか、
エッチなビデオをかりるためにも、こんなに理屈をこねて肯定を前置きしなければ
ならなかったり、ストイックな精神を持つ(主人公いわく)人間は忙しい。
狭い貧乏学生アパートで悶々と繰り広げられる屈折しながらも
一本気な妄想ワールドは、太陽の塔のごとく、にょきにょきと、つかみどころがなく、
ドーンとそびえたっているみたい。
その実、めっちゃデリケートでちょっとしたハプニングで大きく揺れ動いてしまって、
いとおしい。まるでガラスの太陽の塔のごとく