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おセイさんセラピー

2007-04-09 23:12:53
おセイさん・・・なれなれしくもこう呼びたくなる
心のビタミン、それはー田辺聖子さん

実は田辺聖子さん好き。
いえ、かなり好き。相当好き。
が、テレビなしの私は、あんなに評判のいい
「芋たこなんきん」を見逃した邪道なおセイさんファンですが。

一番読みまくったのはたしか20代半ばの頃。
文庫本を買い、図書館で借り・・・もう10年も前のことだけど
いろいろもがいていた時期でもあったので、
何気なく読んだ1冊、『孤独な夜のココア』
ふっとあたたかいひざ掛けかなにかを差し出して
もらったような気持ちになれたのがおセイさん作品との出会い。
読後感がしみじみよくって”ポジティブにいきましょう!”的な
自己啓発本より当時数百倍効果があった気がする。。

恋愛小説やエッセイを書く女流作家さんだろうなあ
なんて思ってた私はその後どんどんハマり
作品を読んでは打ちのめされたのでしたー。
なぜって。。そこはー
人生劇場
美しい日本語
”粋”な、でも気取りのないチャーミングな会話

美味しく温かい食卓の風景・・・
どこをどう切り取ってもおセイさんワールド。。

つらいこと悲しいこともときとしてテーマだったりもするのに
それらは決して深刻すぎず重すぎずあくまで心に
軽やかに響きつつしみじみした読後感。
これはもうおセイさんマジックとしか
呼ぶしかないー!

思うところあり、昨日また読み返したのは
夢の櫂こぎ どんぶらこ
この中の「人生、好きなことをする」というエッセイが
とくに気に入っていて、折り目をつけているその箇所には
おセイさんと夫のかもかのおっちゃんのこんな会話が。

              

「好きなことだけしていたら、世の中たちゆかないわよっ。
いやなこともしなきゃ。それなら、誰が、いやなこと、するの?」

「それはいやなことをいうたり、したり、するのが好きな人がおるんじゃ」

夫の言い分には、私はいつも、目くらましをかけられそうな
ところがある。詭弁を弄するというほどのものではないが、
なんか、迷路へ迷い込んでしまいそうなところがある。

「みぃ」
と、わたしが黙りこんだのを見て

「みんな、世の中、好きなことをいい、好きなことをするように
なってるねん。ーただし、若いときは自分のことがわかりません。
それ、わかるために長生きするんじゃ。」


『夢の櫂こぎどんぶらこ』 田辺聖子 集英社文庫より

              

おセイさんとかもかのおっちゃんは魂のつながり。
人生、、なんだかいろいろいろいろありますが
おセイさん(と、かもかのおっちゃん)はいつだって
私に何かヒントをくれる。

「すぎしことみな佳(よ)し。そう思わなきゃ、つらいこの世の中、
生きていかれるかい」
(同作品「すぎしことみな佳し」より)

何かに行き詰ったときは・・・おセイさんセラピー
ぜひオススメです!!!
       

本の愉しみ

2007-02-04 14:53:47
先月からとまらない読書熱・・・
乱読派のため特にジャンルは問わないけれど
やはり一番好きなのは小説。文学作品。
美しい日本語がちりばめてあって、ついでに装丁も
作者や本の内容の美意識が貫かれているような本だとなおよし。

来月あたりからはまた論文の本に徹する予定なので
今月までは手当たり次第気になる本を読む!と決めて
昨年末あたりから読んできた本は・・・
       
日本の小説:
堀江敏幸『雪沼とその周辺』、三崎亜紀『失われた町』
翻訳モノ:カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
ポール・オースター『ティンブクトゥ』
エッセイ: 石田千『月と菓子パン』
白洲正子『美しくなるにつれ若くなる』
学術系:山口昌伴『台所の一万年』九鬼周造『「いき」の構造』

堀江さんの日本語、風景の描写力や視点がとても静謐で
文体、表現力など等かなり好みの作家さん。
フランスに留学されていたのかーふむふむ。。と
だんだんその作家の横顔がわかってくるのも楽しい。
で、三崎亜紀さんの本は・・むむ。。
SFチックになっていて、『となり町戦争』のほうが
好きだった。でもこれからも注目される作家さんなんだろうなあ!
カズオ・イシグロさん。
1行でとても感想を述べられないけど、本当に裏切らない
作品をいつも生み出されーとても純度の高い小説を書く方だなあと
私の中で別格の位置づけ。。切ない。ずどんとくる。
そして限りなく美しい世界でした。今回もまた。もう一度読み直したい。
ポール・オースター×柴田元幸さんの翻訳も本当にいつも楽しみ。。
でも初期の作品のほうがなんだか好きなんだなあ。なぜ?

そして、ここしばらく気になっていた石田千さん。
下町風情が漂って何度でもページを繰りたくなる〜。
嵐山光三郎氏の助手だったのだそう。
表紙も山本容子さん画で、かなりお気に入りの1冊。
晶文社から出てるところもわたしのオタクごころを
くすぐります。(この出版社には一目置いている私です)
そして後は論文とも関係なく小説でもエッセイでも
ないけど気になった本。
『台所・・』はす、すごい本です。なんといっても1万年
日本の台所からキッチンへと変遷した歴史と食卓にまつわる
道具や暮らしの移り変わりですから。
この本の出版社、農文協も私はひいきにしている出版社!
ここからの本は論文でも何冊か参考文献にしています。

そして、粋。にまつわる考察。白州正子さんと九鬼周造氏。
粋。という言葉は一人歩きしてるけど、昔の人はどう解釈してた
のかなあと気になって。。
このテーマはまた改めてブログで取り上げようかな。面白かった!

で、今読み始めたのは、ルル・ワン『睡蓮の教室』
         
新潮社の新潮クレストブックスというシリーズ。このラインナップも
本当に素晴らしいんですよねえ。毎回。装丁も美しくて。
この本は文化大革命下の中国を駆け抜けた少女のお話。
何しろ分厚いので、読み終えるのはいつになることやら
なのですが、暮らした国、暮らした街、北京の
ことはちょっとまた改めて記事にしたいなあと思ってます。

今回、オタクな話題満載だったかも・・・
でも、本って作家や内容だけでなく出版社のカラーとか
ポリシーとかそうしたものもやはり気になる私です・・・。
さて。。これからこの本を片手にお散歩がてら
ご近所のカフェにてゆるゆる過ごしてまいりまーす。

よい日曜日を

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