大河の一滴 [2007年09月23日(日)]
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この本を読んだきっかけは、妹が書道の練習に書いていたものを見たことです。
彼女が書いたのは、 「なにも期待しないという覚悟で生きる」 という一文でした。 その時の私はいろいろなことを手放せずに、得ることばかりを考えていました。 それに加えて健康上の悩みも抱えていたとき、 妹が「お姉ちゃん、これ持ってて」と小さな額にしてプレゼントしてくれました。 それをキッチンの良く見える場所に飾りました。 それを目にするたびに、気持ちがラクになり、ラクになった分だけふつふつとエネルギーが沸いてきました。 こんな素敵な文章の入った本を読みたいと、一気読みしてしまいました。 その後、ゆっくりゆっくり熟読しました。 さまざまな凶悪犯罪など、目を覆いたくなるような現代社会。 五木さんは戦争を体験して、すさまじい状況をくぐり抜けてきた方です。 それを武勇伝ではなく、むしろ謙虚に自分の体験の中から「人生は苦しみの連続なのだ」「人間は大河に向かって流れる一滴のしずくだ」としずかに語られている…。日本を代表する偉大な作家であるにもかかわらず、生きることへの謙虚さに感動しました。 私は思います。 全てがシステム化されて、感情をあらわにしないことが美しいこととされている世の中。 一時期「癒し」ブームがありましたが、生きている厳しさを謙虚に受け止め、その中でほんの少し心温まる出来事があったのなら、それこそが「癒し」なのではないかと。 「癒し」は求めることではなく、結果的にうまれてくるものだと。 自分の体の声に耳をすまして、生きていることに感謝したい。 この本を読んで、朝夕、足を洗うことが日課になりました。 「大河の一滴」 五木 寛之 著 幻冬舎 |








