THE SHAMPOO HAT『立川ドライブ』シアタートラム [2008年06月08日(日)]
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赤堀さんらしい、ジメーッとしていて後味の悪ーい芝居(笑)でした。
冒頭に、男女二人が舞台上に倒れている(寝ている?)シーンが入り、そこに至るまでを時間を刻みながら描いていくという構成。 まあ、いってしまえばよくある構成だし、途中からはラストまでの展開が見えてしまうだけに、ストーリー展開のおもしろさで見せる芝居じゃない。 ただ、物語の行き着く先がわかっているだけに、逆に追いつめられていくようなジワジワとくる怖さを感じる作品でした。 題材になっているのは、最近よくニュースで耳にするようなストーカー殺人。 もはや、こんな異常な物語も『ありきたり』と感じてしまうような世の中ですが、長塚さんがそれを必死で乗り越えようとしている一方で、赤堀さんは敢えてありきたり、になってしまった世界を描くんだなーと思ったりして。 立川のキャバクラで源氏名・さやかとして働く洋子(坂井真紀)は、腐れ縁の彼氏、片岡(野中隆光)からキャバクラを辞めるように迫られながらも、言い訳しながら勤め続けている。 そんな彼女の元に足しげく通うのは、警察官の松田(赤堀雅秋)。 松田は、次第に洋子への思いを募らせていき、興信所の調査員・佐野(日比大介)に依頼し、洋子のプライベートにまで踏み込んでゆく。 |
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全編に漂うのは、ジメーッとした重く暗い空気。
あるシーンで、照明がまったくあたらないステージの奥に警官姿の赤堀さんがただ立っているという場面があった。 照明の当たる場所で展開されるのは、さやか、の、洋子として過ごしている日常。 ジーッとそれを見つめている姿が、なんだか怖くて怖くて、まだ松田が異常行動に移る前だったのに、すでに今後の展開を予感させていた。 そこまでに描かれていた松田は、モテないし冴えないけれど、後輩の警官・柳田(長尾長幸)よりもきちんと任務を遂行する警察官。 近隣住人と何かとトラブルを起こす服部夫妻(萩原利映・多門勝)に対しても、柳田のように嫌がらず、警察官としての対処をする。 「あの夫婦、ぜったいキ○ガイですよ」と柳田に言われる服部夫妻もそう。 洋子らからみれば、奥さんは料理上手でアイデア料理の達人、そして旦那は、そんな奥さんの手伝いをすすんでしてくれるいいご主人、という一面もある。 よく凶悪犯罪がおこるたびに、ワイドショーで「そんなことするような人には見えなかったんですけれど」なんてしゃべっている近所の人が写ったりする。 でも、じつは人間なんてそんなもんじゃないのだろうか。 100%犯罪を起こしそうな人、なんていうのはほんの一部で、あとはなにかのスイッチが入っちゃって歯止めがきかなくなって起こるもののような気がする。 犯罪がおこると、何でもすぐにその原因を追求しようとする。 犯人は、こういう異常な人だったから、とか、こんな苦悩を抱えていたから、とか。 でもそれって、ただ単に、犯罪者になる人と自分たちとは違う、と思い込みたいだけなのかもしれない。 先日、深夜番組を観ていたら、とある芸人さんが「昔、俺らが好きな女の子に対してやっていたようなことって、いまの時代ではストーカーってことになるんだよな」というようなことを言っていた。 それって、家を調べて家の前まで行ったりとか、無言電話をかけたりとか、こっそりリコーダーを舐めたりとか(笑)ってことなんだけど、なんだかその話を思い出してしまった。 誰にもそういうストーカー的な執着心があるし、ジメジメとした陰湿な部分もある。 ただそれを爆発させてしまうか、理性で抑えるのか、の違いであって。 こういう芝居を観て思うのは、自分がアッチ側の人間になってしまう恐怖だ。 恋愛がうまくいかなくなって、相手のことを憎く思ったりする。 仕事がうまくいかなくなって、ついつい誰かの所為にしたくなったりする。 そんな時に、どこまで自分を理性で抑えられるだろうか。 そんな狂気の部分を、自分ももしかしたら秘めているのかもしれない、という恐怖におびえる。 そうやって怯えることで、理性って保たれるのかもしれない、とも思う。 ただ残念なのは、この前に観た赤堀さんの『ねずみ男』のような、ハッと胸を突かれるような瞬間がなかったこと。 予想外の展開がある作品がおもしろい、とか、感動すればいい、とか、そんなふうには思っていないけれど、なんか、あるニュースの裏側を淡々と描いたドキュメンタリー的世界に少し物足りなさも。 とはいえ、それが何?って聞かれても答えられないんだけどねー……。 公演は終了。 THE SHAMPOO HATのHP:http://www.shampoohat.com/ |



