劇団青年座(赤堀雅秋・脚本/黒岩亮・演出)『ねずみ男』下北沢/本多劇場 [2008年04月20日(日)]
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青年座といえば、結成から50年以上を数える老舗劇団ですが、ここのところ若手の注目作家たちとのコラボレーションを積極的に行っています。
じつは昨年、MONOの土田英生さんが書いた『悔しい女』を拝見したんですが、MONOで観るのとはまた違った、いい味わいがあって楽しめたものです。 そんな期待感があって、今回の赤堀作品も拝見させていただきました。 いやいや、なかなかに赤堀さんらしいほの暗いトーンの興味深い作品でした。 小さな自転車店を営む男(山本龍二)は、とある女性(野々村のん)を誘拐・監禁する。 その日は、男の娘(もたい陽子)の誕生日。彼女は、3年前に家を出て行ったまま。 じつはその日のちょうど3年前、男の妻(津田真澄)が自殺していた。 そして女性は、3年前に男の妻を万引きで捕まえた、スーパーの店員だった。 現在と妻が自殺した3年前の今日とが、入り乱れて展開する物語。 男は終始、うつろで暗い瞳で、3年前の妻を、そして誘拐した女を見つめ続ける。 そして女は、明らかに逆恨みされていると知りながらもけっして逃げようとはせず、3年前の妻は、まるで自殺するような素振りすら見えない。 物語が進むにつれて見えてくるのは、それぞれが抱えるぼんやりとした心の闇。 それは、不安だったり不審だったり、ちょっとした絶望だったり。 傍から見れば「誰もが抱える程度の…」と見えてしまうかもしれない。 でも、そんな闇にからめ捕られてしまった時、引き上げてくれる手がなかったら、そのまま堕ちていってしまうことは簡単だ。 妻の自殺の理由もまた、不意に訪れた闇にからめ捕られてしまったんだと思う。 男は、監禁した女に妻と同じ闇を見つけ、不意に妻が自殺した訳を知る。 ラストの展開に、こみ上げてくるものがあった。 そうなんだよね。闇に引き込まれそうになっている時、闇から救い出してくれるのは人の温もりだったりするんだよね。 誰でもいい。「いまこの世にあなたが必要だ」と言ってくれる人であれば誰でも。 でもしっかりと手を伸ばして、堕ちゆく闇から救い出して欲しいと思っているんだよね。 |




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