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「自分探し旅」Tシャツ

2008-04-13 11:04:06
土曜の夜のタイムズスクエアは、ものすごい人出でした。アジア人で以外は皆こちらの人に見えたのですが、日本人の私が「シャッター押して」と頼まれるほど、ほぼ全員が観光客のようです。そんな中、日本語で「自分探し旅」と書かれているTシャツを着た白人青年を発見しました。あれはいったいどこで手に入れたものなのでしょうか?なんだか、40才近くになって迷ってばかりいる自分を揶揄されたようで、思わず苦笑してしまいました。

私が大学を卒業した頃はバブル経済真っ盛りで、自分探しと称して無期限の旅行に出たり、正社員として就業をしない若者が出始めた時期でもありました。その頃の私には、まだ幼い頑さがあって、「あれは株式会社リクルートが創った商業的ものなんだ。私は確かにここにいるから、探す必要なんてない。」と、自分探しの風潮に反発する気持ちを持っていました。

しかし40年近く生きた今は、「やっぱり自分は探した方がいいな」と思っています。自分の本心は、探らないと案外見えてこないものだと気付いたのです。日常が穏やかに過ぎている時は、自分の心の表面的な変化を感じているだけでよいでしょう。毎日思索に耽っていたら疲れてしまいますから。でも時には、「どうして私はこう感じるのだろう。」と、自分の心を掘り下げてみると、自分でも意外な本心に気付き、よりよい人生を選んだり、自分を変えるきっかけになると思うのです。

会社に苦手な人がいる。「あの人なんだか苦手だわ」で終わるのではなく、どうして苦手だと思うのか、時には考えてみてもよいと思うのです。本来、他人は他人ですから、実害が無い限り無関係で気にならないはず。それなのに自分の心のどこかが引っかかるというのは、その苦手な人の方になにかがあるのではなく、自分の気持ちの方になにかが潜んでいるのです。それを探す為に自分と向き合うことは、無駄ではないと思うのです。

旅がきっかけになることもあるでしょう。日常生活では近過ぎて見えなかったことが客観的に見られるようになり、自分の心の中の視野が広がることがあるかもしれません。当たり前だと思っていた周りの人の優しさに気付くとか、仕事や環境の有り難さに気付くことができて、日常の側が変わらなくても、自分がそれを幸福に受け止められるようになるかもしれません。

私たちは、世の中に溢れる情報や、家族、友人の影響から免れることはできません。たまには自分と向き合わないと、それら他人の価値観に流されてしまうと思うのです。私も、せっかく「自分探し旅」Tシャツを着た若者に出会ったのですから、自分がなにを望んでいるのか考えたいと思っています。まず荷造りしてからですが。最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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