吉村峰子のアフリカに遊びにおいで!

見る、触る、聞く、嗅ぐ、味わう、交わる、そして考えるアフリカ。大変なことも楽しいことも、“そのまんま”のアフリカをお届けします。

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“死海”で浮いてきました

2011年4月25日(月) 21:46
少女の頃、私が憧れた外国の土地は、アフリカの国々とイスラエルにある“死海”でした。

縁があって、いま私はアフリカに住んでいますが、今回はイスラエルでの仕事の合間の半日の休日を使って、この憧れの“死海”に行ってきました。

さて、死海のお話しの前に、今回の目的地のひとつ、イスラエルのことを少しお話ししましょう。

ご存じのように、イスラエルはその建国の歴史の関係で、近隣のアラブ諸国と緊張状態にあります。イスラエルの基本情報はこちらからどうぞ。

イスラエルと国交を樹立していない国々のほとんどで、イスラエルの土地を踏んだ外国人の入国を認めていません。

つまり、パスポートにイスラエルの入国スタンプがあったら、他のアラブの国からは入国拒否されてしまう可能性があるのです。また、アラブの国のスタンプがあったら、イスラエルに入国できるかどうかは、これまた微妙なものがあるようです。

現在、アラブ首長国連邦のドバイなどは、イスラエルの入国スタンプがあっても例外的に入国が認められるようです。でも、これはかなり国際政治的な絡みが強いので、こういった状態がいつまで続くのかは分かりません。

しかし、この慣例は今に始まったことではないので、いろいろな抜け道があります。

一番簡単なのは、イスラエルの入国時に、「入国スタンプをパスポートではなくて、別の紙に押してください」と申し出ればいいのです。

私がこうお願いすると、若い女性の入国管理官は慣れている様子で、何の質問もなく、スタンプを別紙に押してくれました。その後、その紙を別の関係者がばりばり、とパスポートからひきはがしてしまいました。

これにはちょっとがっかり。その“別紙”に押された入国スタンプをせめて写真でも写しておけばよかったと思いました。

今回、イスラエルに到着する前の経由地はパリでした。

パリのシャルルドゴール空港のエアーフランスは、通常であれば、機械でチェックインができます。

ところが、目的地を「テルアビブ」と押すだけで、機械がそこでストップ。

「この行き先は、この機会ではチェックインできません」

というメッセージが出てきます。

係員に質問すると、どう考えても過剰で攻撃的な反応が返ってきます。

「私たちは航空会社です。イスラエルの入国には特別なセキュリティチェックが必要なのです」

時間が迫っていることもあり、多くの人がいらだち気味。

そうしているうちに、ようやくチェックインの前のパスポートの検査が始まりました。私の前にいた、子ども連れの家族の父親がチェックインの前に、パスポート検査でどうやら「渡行不可」の判断が出た様子……。

どこの国、といった詳しい情報は聞こえなかったのですが、どうやら彼のパスポートにはアラブの国のスタンプがあったようです。

こんなことを目のあたりにすると、さすがに、イスラエルとアラブの国々との緊張関係が身近に感じられました。

さて、そんなパリでの複雑な感情を抱えながら、飛行機はテルアビブへ。飛行時間は、5時間足らずでほんの一っ飛びです。

テルアビブの入国も無事に済ませ、タクシーで街に向かいました。

Juice stand.jpg

テルアビスの街中にたくさんあるジュース屋さん
新鮮なジュースを手絞りで。大きめのカップで250円。


今回は南アでものすごくアポ取りに時間を費やしたのですが、連絡がついたサッカー関係者の皆さん、どうも、ものすごくのんびりしていて、おっしゃることは、

「テルアビブに着いたら電話してください」

なので、私は一刻も早くホテルに落ち着き、イスラエルのSIMカードを買って自分の携帯の南アのSIMカードと交換して、ミーティングの時間をセットしなくてはいけません。

このSIMカードとは、携帯電話に挿入するチップのことで、これを入れ替えれば、少なくてもアフリカ、欧州、米国などで、自分の携帯電話がそのまま使えます。これをすることによって、高いローミング料金を払わなくてもいいのです。

日本でもこれができるといいのですが、どうやら日本ではまだこれは一般的ではないようです。どこからの携帯電話会社がこのサービスを始めた、という話を聞いたことはあるのですが、いまどうなっているかは分かりません。

今回の出張で、イスラエルの滞在は一番長くて、八泊九日。でも、イスラエル国内をいろいろと移動するので、そうのんびりはしていられないのです。

それでも、なんとか、奇跡的にそれぞれのミーティングをセットして、クラブを訪問したり、試合を見せてもらったり、となかなか充実したビジネスに発展しています。

そんな中、ぽっかりと空いた半日。地図で場所を確かめてみると、私の子どものころからの憧れの土地、“死海”がその日滞在していた Beer Sheva の街から一時間半ほどのところにあったのです。

この機会を逃すわけにはいきません。一生懸命、車を走らせ、行ってきました。

死海は、世界でもっとも“低い”位置にある土地で、海抜マイナス400メートル、塩分、ミネラルが高密度を保っているため魚などの生き物は生息できません。塩分など、地中海のそれと比べると10倍も濃度が濃いのです。

しかし、今回、私はこれだけ憧れ続けた“死海”の近くに行くというのに、バスタオルなどを一切持参しなかった!という大失態!

それでも、私の目の前で、その塩分が強いために、何もしなくても水に浮く、という噂に違わぬことを楽しんでいるカップルに、

「私のタオルを貸してあげるから、絶対に入りなさい!」

と勧められて、大喜びで“死海”に入りました。

その水はものすごくしょっぱくて、苦くて、無防備にぺろぺろと水をなめていたら、このタオルを貸してくれたカップルに、

「気をつけて!水を顔につけたら駄目よ!目にダメージが起きるのよ!」

とアドバイスを受けました。

Couple at Dead Sea.jpg


確かに、水着を通してでも、感じることのできる塩分のきつ~い水でした。でも、この水はミネラルが豊富で、傷や内科の病気も治す作用もあるとか。

日本だったら、これは湯治場ならぬ、湯治海となっているはずです。

でも、ここイスラエルでは、大きなホテルは点在するものの、他にさしたる観光地ぽいものはなく、いたって閑散としたムードが漂っていました。

私は聖書のモーゼスのことやら、エジプト人、イスラエル人、死んでいった人たち、生きている人たちのエネルギーを身体に感じながら、少女の頃からの憧れだった“死海”で、何の努力もしないのに身体が水に浮く、というその不思議を体感していました。

Floating in Dead Sea.jpg
[ 吉村家、アフリカを離れると……! ]
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ただいま、フランスを移動中!

2011年4月20日(水) 04:39
実は、先月に引き続き、スポーツエージェント関係の仕事で南アを離れています。

今回は、フランスに二泊、イスラエルに八泊、そしてオランダに二泊の強行軍です。

この仕事はどんなことをするか、というと、プロサッカーの世界はやはりいろいろな選手をいろいろな国に移動させることが大切です。

これには職業的に様々なメリットがあると思うのですが、私の個人的な、つまりプロスポーツ界の常識からは離れた感覚で言うと、とにかく、新しい個性が既存の集団に入ってくるのはあれこれ文句を言う前に、「とってもいいこと!」だと思うのです。

私は“前進”あるいは、“前向きな変化”が大好きな人間です。

そして、そこに付け加えたいのが、“普通とはちょっと違うこと”こそが、停滞している空気を動かしてくれる、と信じていることです。

ですから、出来上がっている集団に、異文化の投入が巻き起こすいろいろな不都合やら、一時的な不安感、焦燥感などは、あとにつづく“よき変化”への過渡期である、と堅く信じています。

そんな私ですから、南アの選手には欧州始め、イスラエルや米国、南米、もちろん日本にも行ってもらって、活躍してもらいたいのです。そして、その反対も大歓迎!

そういった意味でも、前回の出張のような大きな規模での国際会議に出席することも大切ですが、今回のように自分たちから面会を申し入れ、実際に出向き、選手の売り込みに歩くこともとっても重要なお仕事なのです。

ところが!このプロサッカー業界で、「面会の約束を取り付ける」という準備段階での仕事がこれほど、大変なこととは思いませんでした。

知り合いの伝手を使い、という昔ながらの手法が一番手堅いのですが、ここはプロスポーツの世界。例え誰かを知っていたとしても、立場的に、私たちのようなエージェントを直接紹介できない、と言われてしまうことも何回もありました。

すると、どうやって面会の了解を取るかと言うと、公にされているメールアドレスに面会のリクエストのメールを送り、その後、また電話にて、しつこく、しつこく相手に食い下がり、何とか会ってもらう算段をつけるのです。

これが成功するのは、それでも、20件に一回くらいなのです。

今回、この仕事をしながら、つくづく、この社会の難しさを実感しました。

でも、一回、話がつながれば、そこで知り合いの名前を出すことも可能になり、あとはスムーズに行く場合もあります。

また、異業種からの紹介は結構つながる場合が多く、私のこれまでの人脈がここでも大きく私を助けてくれています。

これって、でも、巷で言われている“営業職”なのでしょうか。

私はこれまでこういった関連の仕事はあまり縁がなく、特に南アに来てからは初めてで、いろいろ暗中模索しながらもがんばりました。常に営業をされている皆さんには本当に頭が下がります。

ひとつ、おもしろいエピソードを。

イスラエルのプロのクラブにかなりの数のメールを送り、面会を求めたのですが、その中、二三の快い返事はいただけたもの、あとはナシのつぶて。

ここではまた引き下がれません。

で、スカイプというインターネット電話を駆使して、相手に電話をかけていきます。

ところが!

イスラエルのクラブは、この頃南アでもよく出てくる音声録音による、顧客が何番かの番号を押して、自分の希望する部署に内線をつなぐ、という形式。確かにこれをすることで、代表電話などを置く必要がなく、オペレーターもいらず、かなりの経費が削減できるでしょう。

が、これね、そこで使われている言語が分かる人ならばそれでいいのですが、今回の私のように、イスラエルで使用されるヘブライ語が全く理解できないと、立ち往生です。

でもね、またまたこのくらいのことであきらめていたらオンナがすたります。

そこで、インターネットでかける電話の料金が安いことを武器に、あるクラブの番号を何回も何回もかけてそこにあるパターンを聞き取りました。

すると、どうやら数字のようなニュアンス?の音が聞こえてきたので、それを便りにいくつかの組み合わで、その音声が流れたあと、番号をいくつか押してみました。

すると、ふふふ、大成功!!

何回かの試行のあと、生身の人間にたどり着いたのでした。

これをお読みの人は、「なあんだ、だったら最初から1を押せばよかったのでは?」と思うでしょうね。

私も途中からそう思いはじめたのですが、手ごわいぞ、イスラエル!簡単な、1、とかの番号ではなくて、複数の番号を押すことを要求されているような雰囲気でした。

ここがいまだに“雰囲気”なのは、これに関して確証を持っているわけではないからです。

さて、話は前に戻り、偶然でもなんでも、生身の人間にたどり着いた後は、もうこっちのもの。何とかお目当ての人の内線を教えてもらったり、さて、メールのアドレスを聞いたりして、コンタクトをとりつけて行きます。

さて、今回、私たちはフランスを最初の目的地に選んだのですが、さすがの私もフランスのアポ取りは、現地で翻訳、コーディネイトのお仕事をしている芳美PAGESさんにお願いしました。

フランス人が頑固にフランス語でいろいろな交渉をするのを熟知していたので、ここは私が英語でがんばったとしても門前払いにされるだけ、と思い、芳美さんに依頼したのでした。

芳美さん、もう、本当に誠心誠意がんばってくれました。おかげで、短期間ではこれ以上望めないようなアポをセットできることとなり、いま、私とマイクはフランスを忙しく動き回っています。

しかし!マイクって、つくづくアフリカ人。

列車はさあ、待っていてくれないのよね〜。列車が来る時間になってから、「あっトイレ」とか言い出し、姿を消すこのオトコ……。

ああ、私は真面目な日本人なので、こっちをまとめ、あっちに謝り、などなどをしながら、何とかスポーツエージェントのお仕事、がんばっております。

菜の花畑.jpg

車窓から見るフランスの菜の花畑?

Nueclear plants.jpg

原発大国・フランスの原発がどうしても目についてしまいました。
その横にある風力発電がなんとも優しげに見えます。
[ 吉村家、アフリカを離れると……! ]
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プロフィール
Profile
吉村峰子
(日本語/英語教師・ライター・通訳)
東京都生まれ。1980年頃より日本語・英語教育に関わる。教えた国は、日本、米国、デンマーク、ドイツ、リべりア、エチオピア、マラウィ、南アフリカなど。1986年頃より、アフリカと日本を交互に生活した後、2003年、南アフリカ・ダーバンに家族とともに移住。現在はダーバンで日本語・英語教育、執筆業、通訳業で大忙しの毎日を送る。

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