吉村峰子のアフリカに遊びにおいで!

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賃金50%アップ! [2008年06月02日(月)]
 
地球アゴラに出演してから、嬉しいお申し出を新たに何件かいただきました。
 
地元のボランティアのバザーで販売してみよう、というものと、ファエトレードに興味を持つ東京の雑貨屋さんからのものです。こちらは実際の販売が始まりましたら、またこのブログでもお知らせしたいと思っています。



さて、こんな新しい動きがあったことにも背中を押されて、患者さんたちのビーズの賃金を50%アップすることにしました。

実は、ここ数ヶ月、患者さんたちから賃上げの要求が出ていたのでした。でも、安易に大盤振る舞いしても、後が続かなくなってもいけない、と思い、患者さんには我慢してもらっていたのです。

しかし、私たちが暮らすダーバンでもこの頃の物価の上昇は本当に情け容赦がありません。

世界的な食料の値段の高騰による影響をこのドリームセンターの患者さんたちももろに受けているのです。

2008年1月初頭に食パン(日本の8枚切の薄さのものが20枚くらい入った大きさのもの)がこちらの値段で4〜6ランド(日本円で56円〜84円)だったものが、2008年6月現在では7〜11ランドにも値上がってしまったのです。

アゴラの放送では「はい、パンの値段は50%も上がっています」と物知り顔にお話したのですが、これは実は100%上昇、いやもっと分かりやすく言えば倍近くに値上がっていたのでした。

患者さんたちは、政府からエイズを発症している、と認定を受けると、Disability Grant と呼ばれる生活援助金を受け取ることができます。これが、一ヶ月約1万円弱です。が、患者さん一人でこのお金を使って生活しているわけではないのです。この1万円弱のお金をそれこそ、10人を超える人数で使っている場合もあるのです。

だからこそ、どんな形でも現金収入は嬉しいのです。

実は、ダーバンの他の病院でも、患者さんのためのこういった工作教室のようなものはいろいろな団体が実施しています。でも、多くの場合、患者さんの足は最初の数回で途絶えてしまうのです。

それなのに、どうして私たちのビーズ教室は患者さんが途切れず参加してくれるのでしょう。

それは、もちろん、たとえどれだけ少ないお金でも、患者さんたちに、彼らの労働に対してお金が支払われるからです。

私はこのシステムをこの活動が続く限り守りたいと考えています。途上国の多くの貧しい人たちが、「援助なれ」といった状況に置かれていることを私はここ20年以上のアフリカ暮らしで嫌というほど見てきました。

「私たちは貧しいの、援助してちょうだい」といった態度です。

でも、これも、こうさせてしまった側にも責任があります。

もちろん、私がしていることも、“援助”といった行動に分類されてしまうのかもしれません。でも、私はこれを私個人と、私を支えてくれる友人たちだけで運営しています。職業的にしている“援助”とは一味違う活動をこれからも続けていきたいと思っています。

でも、どんぶり勘定の極めつけのような私ですので、長期展望などはありません。自転車操業と呼ばれようと、これ以上の時間が費やせない状態では、しばらくはこのままの形態で突っ走るしかないでしょう。

さて、そんな中、実はもう一つ、困ったことが起きてしまいました。

現在、患者さんたちの作成するビーズは、ブレスレットのみなのですが、これはメモリーワイヤと呼ばれる形状が記憶されているコイル状に曲がったワイヤを使います。



このワイヤはビーズと同じ、中国からの輸入です。このメモリーワイヤがダーバンの街から消えてしまったのです。実は去年もこの時期にワイヤが街から消えたことがあったので、いつもワイヤの入手は先手を打って数か月分は確保していたのでした。




ですから、今回は7月の中旬くらいまでは大丈夫な量を確保しています。でも、問題は次の入荷時期がまったく読めないことです。

しかし、こんなことでくじけているわけには行きません。自転車操業の、小規模活動のよいところは、とにかく小回りが利くことではないですか!

そこで、今回、このビーズワークショップの生みの親、名古屋のヤス子さんとも相談して、なんと、新作に挑戦することにしました。

それは、ビーズの暖簾です。

患者さんたちの中には脳溢血を患っていて、手足の自由が利かない人も多いので、複雑な作業はできません。

その点、暖簾であれば、しっかりとした釣り糸のようなものにビーズを入れていくだけの作業ですので、このブレスレットと同じように単純作業で大丈夫なはずなのです。

試作品さえもまだ出来上がっていませんが、どうぞ、ビーズの暖簾に興味のある方はご連絡くださいませ。日本の色使いとはちょっと趣の違う“アフリカ〜ンな暖簾”をお届けいたします!






プロフィール
Profile
吉村峰子
(日本語/英語教師・ライター・通訳)
東京都生まれ。1980年頃より日本語・英語教育に関わる。教えた国は、日本、米国、デンマーク、ドイツ、リべりア、エチオピア、マラウィ、南アフリカなど。1986年頃より、アフリカと日本を交互に生活した後、2003年、南アフリカ・ダーバンに家族とともに移住。現在はダーバンで日本語・英語教育、執筆業、通訳業で大忙しの毎日を送る。
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