吉村峰子のアフリカに遊びにおいで!

2008年03月
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12年ぶりのエチオピア [2008年03月24日(月)]
 
「この人たち、どうしてこんなにボクたちに親切にしてくれるの?」

が、今年19歳になる息子カンジが最初に発した言葉でした。

私たちはいまエチオピアを訪問しています。


エチオピアのコーヒーセレモニー


私たちに親切をしてくれている人たちとは、私の友人のエチオピア人ご家族です。ずうずうしいことに、私たちは、この日本人の友人の12年ぶりのエチオピア訪問に便乗させてもらっているのです。

私たち家族は1993年から1996年にかけて、エチオピアの首都アディスアベバに滞在していました。ショウコは、生後3ヶ月でエチオピアに連れて行ったので、彼女の人生の最初の日々はこのアディスで始まった、と言っても過言ではありません。

さて、この友人とは、エチオピア人の夫を持つ日本人女性、ヨシコさん。二人のお子さんとともに、現在は英国に住んでいます。彼女の夫、エフレムは、仕事の都合で英国とアフリカを行き来する毎日です。


アディス市内のセントメリー教会


同じような年頃の子どもを持つ私たちは、お互いがエチオピアに滞在している時に知り合い仲良くなったのです。そして、偶然なのですが、彼女たちも私たちもちょうど12年前にエチオピアを離れました。彼女たち一家はネパールへ、私たちは日本へと移動したのです。

私たちが日本での仕事を整理して、南アフリカに移住した理由の中のひとつに、アフリカの各国で知り合った人々のつながりがあります。

アフリカでの人と人とのつながりは、先進国で住む人にはもしかしたら、“わずらわしい”と感じるようなものが含まれているかもしれません。または、密度が濃い、とも言えるかもしれません。

今回の私たちの訪問でも、私たちはこのテゲレ一家の兄嫁の友人、ということだけで、上げ膳据え膳の大歓迎を受けているのです。

「ヨシコの友人は私の大切な客人です。ここでの滞在を心から楽しんでください」

とのテゲレの一言。良くも悪くも家長制度がまだまだ色強く残っているエチオピア。私たちは、ただただ単純に、兄嫁の友人、ということだけで、本当に冒頭のカンジのコトバ、

「この人たち、どうしてこんなに親切にしてくれるの?」

という大変幸せな毎日を送らせてもらっているのです。しかも、朝昼晩、美味しい自家製インジェラ食べ放題というおまけつきで!もちろん、この一家に私の友人ヨシコさんがいかに大切にされているか、ということを忘れてはいけませんが。

実は、エチオピアを訪問した目的のひとつは、ずばり、こういったアフリカの人々の生活を子どもたちに実際に見て欲しかったからです。


テゲレ家の末娘ミトゥ


今回、ホテルに滞在することもできたのですが、ホテルに滞在してしまうと、現地の普通の人の生活が見えてきません。もちろん、テゲレ一家は裕福な開業医ですので、テゲレ一家が一般的なエチオピア人家庭かというとちょっと語弊がありますが。

でも、一家が、お父さんのテゲレを中心に、早朝から深夜まで一定のハーモニーを保ちながらそれぞれの役割を機嫌よくこなしているのがよく分かります。皆が自分の一族の中での役割に充足しているかのようなハーモニーです。

まだ数日しか滞在させてもらっていないのですが、このリズムは南アフリカで核家族として生活している私たちには味わえない種類の心地よさのような気がします。

どの家族にも問題はあるでしょう。テゲレ一家にも、私がうかがい知れない悩みだってあるでしょう。でも、ここには、ご主人を亡くされた、テゲレの奥さんのお姉さん一家も自然に一緒に住んでいます。また、テゲレの病院で働く多くのスタッフが始終出入りしています。

血のつながりのあるかどうかは関係なく、皆の関わり方が本当に自然で、大きな傘の下で、ひとつの家族としての揺ぎ無い“核”が確立されているようなのです。

我が家の二人の子どもたちはこういったアフリカの多くの善良な人々に、様々な形で関わってもらいながら育ちました。私は、先進国の都市ではもうめったに見ることができないこういった家族のあり方を、今年19歳と14歳になるまでに成長した彼らにぜひもう一回身近で体験して欲しかったのです。

プロフィール
Profile
吉村峰子
(日本語/英語教師・ライター・通訳)
東京都生まれ。1980年頃より日本語・英語教育に関わる。教えた国は、日本、米国、デンマーク、ドイツ、リべりア、エチオピア、マラウィ、南アフリカなど。1986年頃より、アフリカと日本を交互に生活した後、2003年、南アフリカ・ダーバンに家族とともに移住。現在はダーバンで日本語・英語教育、執筆業、通訳業で大忙しの毎日を送る。
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