吉村峰子のアフリカに遊びにおいで!

2008年03月
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元気の素の処方箋 [2008年03月03日(月)]
 
私はよく、
「その元気はどこから?」
「そのパワーの源は?」
という質問をされる。

自分ではそんなにパワー全開で立ち回っているつもりはないのだが、多くの人がそう言ってくれる。

そこで、理由を考えてみた。

一、体が大きいので、いかにも元気そうに見える。
二、声が大きい。声が大きいと元気そうに聞こえる。
三、繰り返しがぜんぜん嫌ではない。

最初の二つは分かりやすいと思う。
が、最後の「繰り返しが嫌ではない」には説明が必要かもしれない。

私は、同じことを何回も繰り返すこと、またはひとつのことを継続することの大切さを自分の仕事や自分が関わってきたさまざまな人とのつながりの中で学んできた。

仕事でも、仕事以外の場でも、一回、「やりましょう」と決めたことを、愚直に、誠実に、実行することの大切さだ。

そして、この、一回限りではなくて、「継続する」ということが、どうして「元気に見える」ことにつながるか、というかと……。

継続してひとつの行動をする、ということは、その同じ人がコンスタントにその“場”にいる、ということになるのではないだろうか。もちろん、それが毎日でなくてもいいのだ。だが、多くの人、特に助けを必要としている境遇にいる人たちにとって、同じ人が同じ笑顔でそこにいる、ということは、大きな励ましになるのだと思う。何をするか、ということの前に、「そこにいる」という単純な行動。

つまり、“安心感”なのだと思う。

私はこれが得意なのだ。体の大きさ、声の大きさとあわさって、私の元気に見えるヒミツは、この「継続することによって、人に安心感を与える」ということなのだと思う。

そして、これが「言うが易し」であることも私は知っている。

仕事が終わらない、とか、急な用事ができた、とか。
私たちの毎日は本当に忙しい。

でも、私は人とした約束を破ることはめったにない。破るときはその理由を明確に説明して、平謝りする。時にはどうしても約束を破らなくてはいけない場合もあるが、信頼関係があればそれは後で何とでもなるものだ。

そして、目の前に次々に起きてくる用事をなるべくその重要さにおいて順序をつけないようにしている。たまには、「うわ〜、あと一日早くそれを言ってくれていたら!」とため息をつくこともあるが、基本的に約束をしたらそれを守る。

つまり、自分のできること、約束したことを単純に愚直に実行する、というきわめてシンプルな生活信条が私の“元気”を支えている、ということなのかもしれない。

そうしてもうひとつ、実はマウイの神宮寺愛ちゃんに指摘されたことがある。

「私たちはたぶん、ずっと火事場の馬鹿力のまま進むんだと思うよ」

実は、彼女もライター家業の他に、プロのフラダンサーとして毎日ショウに出演している超多忙な毎日を送る人だ。その上、彼女の愛娘はまだとっても幼い。ウチの大学生と中学生の子どもたちの世話にかかる時間の数倍はまだかかって当然の年齢だ。彼女こそ、毎日の仕事や約束の他に、別のことなど考える隙間がないくらい忙しいと思う。

でも、愛ちゃんも私も、仕事とか、金銭的な優先順位とか、一切関係なく、

いざ、

「これは私の出番だな」

と思うときは、後先関係なく、それこそ、“火事場の馬鹿力”を出して首を、頭を突っ込んでいく。それを支えてくれている家族友人には多くの迷惑をかけているのも承知の上で。

そうなのだ。

私の“元気の素の処方箋”とは、実は、この“無計画性”にあると言ってもいいのかもしれない。“継続すること”と“無計画性”、一見、相容れないような性格のものだが、私はこの二つの状態で自分が生活していることにそう矛盾は感じていない。

そして、確かにじっくり考えてみれば、私には、長期的展望、というものがない。困ったことに、夫婦揃って、ない。正直言って、家族で南アまで移住してきても、仕事以外の面で、「10年後にはこういうことをしよう」とか、「こういう老後を送りたい」といった生活設計など立てたこともないのだ。老後はどうやって過ごすべきか、経済的なことはどうするのか、などということも考えたことがない。

ただ、戦争がない世の中になって欲しい、世界中の子どもたちが夜お腹をすかせたまま眠りにつくことがないような世の中になって欲しい、というかなり大規模な願いがいつも心にある。でも、自分のすぐ先の未来の計画はあまり考えたこともない。恥ずかしながら、目の前に起きる仕事やら出来事を懸命にこなしている、といったほうがいいのかもしれない。

だが、今年、50歳にもなる私。もうちょっと分別が出てきてもいいのかも知れないとも思い始めている。




“同じこと”の繰り返しが自分の好きなことなら
まったく苦にならない大将がここにも。
大学生になったいまでも、
スケボーへの情熱は冷めませんとも!


プロフィール
Profile
吉村峰子
(日本語/英語教師・ライター・通訳)
東京都生まれ。1980年頃より日本語・英語教育に関わる。教えた国は、日本、米国、デンマーク、ドイツ、リべりア、エチオピア、マラウィ、南アフリカなど。1986年頃より、アフリカと日本を交互に生活した後、2003年、南アフリカ・ダーバンに家族とともに移住。現在はダーバンで日本語・英語教育、執筆業、通訳業で大忙しの毎日を送る。