南ア・ダーバンでのバス事故 [2008年02月11日(月)]
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「南アフリカ・ダーバン」という地名が日本のメディアで流れることはそう頻繁にはありません。
が、2008年2月7日、ダーバンで起こった日本人観光客のバスの事故は、日本でも大きなニュースとなりました。NHKの衛星放送でもダーバンの街中の映像とともに速報が流れていました。 でも、私が聞いたニュースではなかなかり当日の現地の状況はわかりませんでした。そこで、今回は、現地の背景を少々お伝えしましょう。 当日、ダーバン地域は2週間ほど続いた晴天が嘘のような突然の悪天候でした。この“突然の悪天候”というのが曲者だったのです。残念なことですが、南アでは、こういった突然の悪天候時、どうやって事故を防いだらいいのか、という意識がないとしか思えない運転をする人が多いのです。 それとも、「雨が降れば路面がすべる。路面がすべるのだから、減速する」と言った、1たす1は2、とでも言うようなごくあたりまえの考え方が、共通の認識になっていない、と言えばいいのでしょうか。大雨の中、しぶきをあげて、晴天時と同じように、140キロ近くのスピードでビュンビュン走り去る車が多いのです。南アは高速道路網がかなり整っているので、これもまた危険な要素に追い討ちをかけます。 それにしても、この日は特に異常でした。私が毎日出勤に使用する高速道路のひとつ、N2(事故のあった高速道路に連結されている)でも、たった2キロ半近くの距離の間になんと6件もの事故が起こっていたのです。これは、あきらかに通常の“悪天候での事故数”をも超えている事態でした。視界の悪さも限界に達していたのでしょう。 事故は現時時間の午前11時半ころ起こりました。 午後になってから知人の一報で事故を知った私は、とにかく在南ア・日本大使館の領事に電話を入れました。何かお手伝いできることでもあれば、と思ったのです。結果的には、事故の2日後から私が医療通訳として正式にお手伝いさせていただくことになったのですが、事故発生当時はダーバン在住の日本人の方々が献身的に皆さんをサポートしてくださったようです。 ただ、話は横にそれますが、私が領事にお電話したとき、私の頭に浮かんだのは、通訳でも何でもなく、皆さんのお腹の心配でした。 「しっかりご飯を食べて、お腹を落ち着けて、元気を出してもらおう!」 と、私は何か大きな事故が起きるたびに考えます。 冷静になるためには、お腹にしっかり力を入れる--- これは、私が常日ごろ母として、自分の子どもたちにも伝えていることです。実は、私の年下の大親友、神宮寺愛ちゃんもマウイより、Cafe Globe の彼女の公式ブログ「おへそに手をあてて」でしっかりお腹に力を入れることの大切さを発信しています。 そして、2日後、事故に会われた方々におにぎりを差し入れしたところ、多くの方が、 「梅干のおにぎりを食べて、心が落ち着きました」 「ご飯に塩と海苔の味がこんなにおいしかったなんて」 「おにぎりで元気がでました」 と喜んでくださいました。 事故は奇跡的に大惨事を免れました。事故のあと、すぐ現場に入った旅行会社の現地職員から直接聞いた話でも、バスは崖を40メートルに渡って滑り落ちたのでした。地元のメディアも、「一人の死人も出なかったのは奇跡だ」と繰り返していました。 ![]() 事故の翌日、地元紙に掲載された写真 しかも、事故が起きたのは、実は私の家のすぐ近くだったのです。A Valley of Thousand Hills―千の丘の谷、と呼ばれるこの一帯は急な傾斜の丘陵に沿って高速道路が作られています。その丘のかなり高いところから、前方にスリップ事故で転倒していた別の車を避けられずにコントロールを失って崖を滑り落ちたバス。でも、地元の人々が何よりも絶賛したのは、その事故に会った際の日本人の皆さんの対応の見事さでした。 40名を超える日本人全員が、誰一人としてパニックに陥ることなく、同乗していた主催側の添乗員の冷静な判断に従い、かなり迅速に冷静にそして的確にその場が収拾されたのです。 2月11日現在、まだ5名の方がダーバンの地元病院に入院されていますが、皆さん順調に回復されています。自分の乗っているバスのブレーキが効かずに崖を滑り落ちる、という状況がどれだけの恐怖の体験だったのか……。想像に難くありません。しかし、皆さんは、慣れない南アフリカでの入院生活にも不平不満を言うわけでもなく、笑顔で感謝を口にされ、前向きに行動されています。本当に頭が下がります。 皆さんの一日も早い回復を心よりお祈りしています。私は、明日もまた大きめのおにぎりをたくさん持って、皆さんのお見舞いに行ってきます。 |






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