アフリカのお皿 [2007年10月11日(木)]
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アフリカの各地で暮らして、いつの間にか、いろいろな“お皿”に出会ってきた。
![]() ディナー皿の上にスープ皿を重ねたところ このお皿は、1980年代に、エチオピア政府の文化部がフランス人芸術家の指導の下、エチオピアの世界的に有名な、「ゴンダールの天使たち」の教会壁画をモチーフにして、なんと、海外でも有名な日本の一流陶器会社、「ノリタケ」にセット数限定で作成させたものだ。私たちがエチオピアに赴任したのが1994年で、その直後に知りあったこのフランス人芸術家がそっと教えてくれた。「ノリタケの大傑作のディナーセットがあと7つ残っている」と。 これは、全部で100ピースを越える本格的なディナーセットで、12人のお客用のディナー皿に合わせて、スープ皿、デザート皿、大皿、スープピューリン、グレービーボート、コーヒー茶碗、ソーサー、コーヒーポットなどなど全部揃っている。 夫はこの立派なセットを購入するにあたり、恐れおののいた。 「こ、こういうセットの中の皿をひとつ割ったらどうなるんだ」と。 私の返事は明快で何の迷いもない。 「……天井逆さ吊りの刑と決まっている」 このセットが我が家に来てから、すでに13年くらい経つが、これまでに、このディナーセットで吉村家のオモテナシを受けた人はかなり限られる。だが、こういうディナーセットを控え持っている、ということだけで私は楽しい。いつか、私の考えられる最高のメニューを、飛び切りの旬の食材を使って作り、最高の夕食会を催すことを夢見ている。そのときのお客様は誰になるのだろう。西から東から、北から南から、そして過去から未来から、大好きな人たちを総動員してご馳走するのだ! さて、ここまで怖いお皿ではなくても、実は普段使いのお皿でアフリカには素朴で魅力的なものがたくさんある。 ![]() これは、マラウィのお皿。Detza Pottery と言って、現地の土を使って、マラウィ人のアーティストたちが、動物などの得意なモチーフを絵付けしている素朴なものだ。でも、マラウィにはライオンやヒョウはもういない。だから、猛獣たちの顔つきがややゆがんでいる。 ![]() だが、ライオンやヒョウにかわって、マラウィにはたくさんのカバがいる。だから、このカバの表情がずば抜けて味がある。実際に見たことのある動物とそうでないものとの差が歴然としている。しかし、実は、アフリカの動物の中で、カバほど毎年人間を殺している獰猛な動物はいないのだ。カバは自分のいる場所から河の自分の縄張りスポットへ、一直線の道を猛進する習癖があり、その道の真ん中に運悪くいるものに対して怒り狂うらしい。で、あの巨体なのに、時速40キロで走れるらしく、人間やほかの動物が逃げまどってうろうろしているうちに、その下敷きとなり犠牲となる。アフリカでは、カバにはくれぐれも要注意なのである。 残念なのは、Detzaのお皿は割れやすいこと。せっかく買った6つの揃いのうち、2つは割れてしまっている。残っているものでも、お皿の裏には何箇所かかけている。でも、このかけているところではなくて、それぞれのお皿の裏に描かれた“絵”を見て欲しい。前の動物のお尻が描かれているのだ。 ![]() さて、そのカバやキリンが表現されたもうひとつの作風のお皿が、南アのChasms製のもの。これは、南アから世界中に輸出もされているもので、お値段も普段使いにするにはちょっと高い。が、このChasmsの工場はケープタウンの近く、Haut Bay というところにあり、この直営工場には、製造の過程で出た、“二級品”が通常のものの十分の一という破格の値段で売られているのだ。“二級品”ということだが、ちょっとでこぼこがあったり、色がほんの少しはみ出したり、といった程度なので私はまったく気にならない。もちろん、そういう理由なので、同じ柄のものは揃わない。でも、こうやって、いろいろな柄があっても、Chasmsの作風は同じなので、毎日使いの食器としては大満足だ。 ![]() 7月にケープタウンを訪問した際、Haut Bay まで出向き、このChasmsのお皿をたっぷり仕入れてきた。今、吉村家の毎日のご飯は、このChasmsのお皿に盛られている。普段使いのお皿に、一点ものの手書きの絵柄のお皿を自由に使えるのは、私にとって、アフリカに住むシアワセのひとつかもしれない。 |









マラウィのお皿お裏のお尻も、ぷぷぷってふき出しちゃいました。