泥棒にあいました [2008年10月06日(月)]
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仕事で訪れていたモーザンビークのマプトで、全財産の入ったバッグを盗まれました。
![]() マプト市内の路上の果物やさん バッグの中に入っていたものは、パスポート、サイフ、デジタルカメラ、デジタル録音機、電子辞書、化粧ポーチなど、かなり重要なものばかり……。サイフの中には、現金、クレジット・カード、それから、日本、米国、南アフリカ各国の運転免許。どうして、全部を持ち歩いていたんでしょうねぇ。……自分に聞きたいです。 それから、それから、20年近く前に、息子の出産記念にリベリアで購入したライオンのピアス。これは、当時リベリアで宝石細工をしていたアルメニア人の職人さんに作ってもらったものだったのです。 考えると、まだクラクラしますが、これもまた人生の一コマですので、ここにその顛末を。 ![]() これも路上の古着屋さん ディスプレイが凝っている! まず、バッグの盗まれた場所は、マプト市内の4つ星ホテルです。 そのホテルのレストランで、私は今回の仕事の他の日本人メンバーと朝食をとっていました。このレストランのテーブルは、二人掛け以上のものは丸テーブルです。メンバーが合計6名の私たちのグループは、ちょっと時間差がありながらも、この丸いテーブルを一つ陣取っていました。 そのメンバーのうち、二人が自分たちの朝食を終えてテーブルから立とうとしたときに、隣のテーブルに座っていた一人の白人の男性も同時に立ち上がりました。 その時、彼はガサン!と、自分の地図を床に落としたのです。 どうやら、彼は、その落とした地図を拾うのと同時に、床に置いてあった私のバッグもちゃっかり拾いあげたようなのです。 テーブルが丸く、物を置く余裕もなかったので、私は自分のバッグを床に置き、数分に一回はそれを足で確認しながら食事をしていました。が、まさか、ホテルの宿泊客が、一瞬の隙に、他の宿泊客から窃盗を働くとは想像もしていませんでした。 これは私の不注意、というか、気の緩みですね。 残念なことに、アフリカに住んでいると、貧富の差の激しさから、貧しい側が富める側のものを盗むのは日常茶飯事です。実際、私の家も3回ほど泥棒の被害にあっています 好むと好まざるにかかわらず、アフリカへ移住する前は、日本の政府や会社で働いていた私たち家族は、どうしても“富める側”に振り分けられてしまうのです。 そういった環境の中、私は、同じホテルに滞在している、“富める側”に立っていそうな人間に対してガードが低くなっていたのでしょう。四つ星ホテルに滞在することができる経済状態の人間が、同じホテルに宿泊している他人から物を盗む、といった発想が私の中にはなかったのです。 これは明らかに、アフリカに長年住んでいることから来た気の緩みだと思います。日本だって、欧米の先進国だって、窃盗などの犯罪は、ただ単に“貧しいから”することではないのは常識なのかも知れません。 そして、極めて感情的なのですが、南アの家に泥棒が入られたときよりも、今回の“白人男性泥棒”に対しての怒りのほうがかなりその度合いが高いように思います。 家に入った泥棒たちの場合、後始末の面倒くささを悔しいとは思いつつも、「そりゃあそうだ。毎日、これだけの格差を見せつけられたら、出来心が起きたって仕方がない」といった泥棒たちに対する同情の気持ちが湧いてきてしまうのを抑えることはできませんでした。 もちろん、これは、家族の誰もが怪我をしたり、暴力の犠牲になったりしていないからこその感情だとは思います。 しかし、今回の白人男性、ホテルのセキュリティ・カメラにも、堂々と私のバッグを持って、レストランを歩き去る姿が映されていました。その直後、カメラは彼がトイレに入る姿を捉え、そしてトイレから出てきた彼はもう私のバッグを手にはしていませんでした。きっと、トイレで自分のバッグに私のものを収納してしまったのでしょう。 今回のことでは、私にはまだこのホテルとの交渉も始まったばかり。いくらかでも保障をしてもらいたいのですが、これは長引きそうです。 ただ、今回、本当に感謝したいのは、在モーザンビーク日本大使館の領事部門の方々の素早い対応、ご支援でした。いま、私が手にしているのは、同大使館が初めて発行されたという“日本国緊急旅券”です。 ![]() これがなかったら、モーザンビークを出国することも、南アフリカに入国することもできませんでした。関係者の皆様、本当にありがとうございました。また、日本からのチームの皆さんにもご心配をかけました。申し訳ありませんでした。 ただ、この“緊急旅券”、本来あるべき大切な出入国の記録が、当然のこと、記入されていません。ということは、出入国の際、パスポートを管理する係官から、その理由を聞かれます。 モーザンビークを出国するときも、明らかに、普段と違う状態に、係官はむっつりしていました。途上国の公務員は、特に日常と異なるものに対して強い嫌悪感があるようなのです。 でも、そこは数々のアフリカの修羅場を通り抜けてきた私です。にっこり笑いながらも、「バッグを盗まれて私は悲しい、悔しいです」という感情をちょろちょろ見せながら、警察の証明やら、大使館で発行していただいた事件の証明やらを見せて、無事、通関。 その後、南アのイミグレーションの係員にも、この緊急旅券は珍しかったようで、いろいろ聞かれてしまいました。でも、「マプトでバッグを盗まれたの」と私が言うと、 「ほおれ、そういうこと、南ア以外でも起こるのよね!」 と、鼻息も荒く、慰め?てくれました。そして、「何も言わずに三か月のビザをあげるから、この三か月以内で後始末をしてね」と、私を励ましてくれたのです。 鼻の奥がつ〜んとしました。みんなが同情してくれて救われました。でも、こういう話をすると、間違いなく全員が、それぞれが襲われた話を披露して、ついついその場が盛り上がってしまうのも、アフリカならではのことで、おかしいと言えばおかしいことですね。 さてさて、でも、みなさん、この被害の物件の数々の中で私は、何が一番惜しいと思っていると思いますか? もちろん、仕事上の機材はもうこれは仕方がない、モノにくじけてたまるか、と涙をのみます。 数々の証明書の類も忍耐強く復活の手続きをとるしかありません。南アフリカの免許やIDを収得するのは、長〜い列に並ばなくてはいけませんが……。 そして、アルメニア人のおじいさんが作ってくれたライオンのピアスも実に悔しい。でも、これも20年以上、楽しませてもらったので、潔く諦めることにします。 実は、何よりも私が悔しいのは、ずばり、去年更新したばかりのパスポートなのです。 なぜかというと、それは、そのパスポートに使った写真が、私にとっては近年類を見ないほどよく映って撮れていたのです! 写真が苦手で、写真写りの悪い私にとって、このパスポートの写真は、「ふふふ、10年もこれでいいのね」とほほ笑みたいくらい、気に入っていたのでした。 ああ、悔しい! |






































