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雪は豊年の兆し [2008年01月23日(水)]
 
日本の株価急落というニュースが流れる中、東京は雪が降りました。しかし、雪は豊年の兆しと言いますから、今年は豊かな年になると思います。天は見放してないのでしょうね。





茶人は初雪が降ると釜を掛けます。ですから、初雪が降れば師の元へ行け。とも言われてきました。初雪をご馳走に茶を点てるとは風流なものです。

昔、父が初雪が降ったときに釜を掛けたそうです。床は軸も花もない素床(すどこ)で、雪見窓を開けて客を待つ・・・。待てども待てども客は来なかったそうです。それ以来、初雪の茶会はしていません。現実はうまくいかないモノですね。





初雪とは一般的には気象台が観測発表したモノを言い、この日の雪は初雪ではないそうですが、私にとっては初めて見る雪です。我が家に裏千家十代家元である認得斎の手づくねの茶碗がありまして、その銘は「初見雪」とあります。今年初めて見る雪を「初見雪」と呼ぶのです。これまた風流です。

着物ですと雪が降ると下駄を履くことが多いのですが、下駄を見ると松井浄蓮さんを思い出します。松井浄蓮さんは自給自足で生活し「近江の百姓菩薩」と呼ばれた方でして、萬世協会「麦の家」の創始者であり、自然食やオーガニックなどに関わっている方は知らない人はいない筈です。

松井浄蓮さんは大津の坂本から東京に来ると我が家に泊まります。その時、下駄を用意するのが私の仕事でした。



松井浄蓮さん用の下駄、鼻緒が左右が対称でないのは
何か物語があったのかも知れませんね。
今ではもう、この下駄の音すら聞くことはできません。


松井さんが来ると家には緊張感が走ります。なぜなのか、朝の食事、掃除の行き届きにはかなり念を入れたようです。確かに夕方、下駄の音が聞こえたら「松井さんが帰ってきた!」叫びながら廊下を走った記憶があります。きっと私も小さいながら緊張していたのですね。





後々、松井さんとは切っても切れない糸が幾つも出てきました。そして、書籍や家族からの話を聞くことで偉大な人であったことわかりました。当時から訴えていた日本にとって農耕の大切さ「食」への感謝不足は、今の日本人、特に偽装食材などに関わっている人は深く考えなくてはいけないかも知れませんね。

日本の農耕文化は常に豊かな年を願います。私たちもそうでなくてはならいですね。
ではでは。

お茶の時間 [2008年01月17日(木)]
 
茶道の稽古は一週間の内6日間ありまして、その合間にホンのひとときですが、のんびりできる時間があります。お茶を飲んでボーとしている時間です。

お茶と言いましても抹茶ではなく、番茶、紅茶か珈琲の時間でして、家族は好みがバラバラなもので父は番茶、母は珈琲、家内は紅茶、そして私はエスプレッソといったこともよくあります。

そして、お弟子さんからお菓子を頂いた時には、器の取り合わせまで言い出して盛り上がります。

ティーカップはフィンランドのアラビアでして、アラビアは北欧デザインを語るのに欠かせないモノ、ソファーに座ってテレビを見ながら片手に器を持って紅茶と菓子を頂くためのティーカップとその受け皿は「TVセット」と呼ばれています。その姿をクジャクに見立てているのは流石ですね。


パテシエ青木定治のフロランタンにアラビアのTVセット


この日の話題はスウィーツマニアックの梅ビスケットに集まりました。頂いた方はスタイリストの三谷亜利咲さん、そのためか流石にセンス或る菓子でして、一瞬、見ると干菓子かな?と声が出るほどのできで話題も豊富で盛り上がりましたが、一瞬、目を離したすきに菓子は皆の口に入ってました。

食い物の恨みは恐ろしいことを知っていながら、食い物の嬉しさを優先にする家族の根性は我が家独特でして、弱肉強食が家訓です。

「紅茶入るけど飲みますか?」と声を掛けてくれますが、恨み或る私は
「いらない!」と心を込めて答えます。さらに
「じゃ、蕎麦湯飲む?」と聞かれますと、
「・・・蕎麦湯?」
まんまと恨みが晴れました。

昼に頂いた蕎麦の湯につゆを足して程よく味付けたモノを民芸運動で活躍し人間国宝でもある富本憲吉の湯飲みで、菓子は金沢・諸江屋の福徳とこちらも話題では負けませんでした。



富本憲吉の湯飲みと諸江屋の福徳


福徳は中に土人形が入っている干菓子でして、中からでてきたのは縁起のいい桃でした。梅を飛び越え桃をいただけるとは尚うれしいひとときでした。

ではでは。


【今日のワイン】


ルイ・ラトゥール 
シャサーニュ・モンラッシェ 2003
ピノ・ノワール
Posted at 00:48 | 菓子の話 | この記事のURL

初釜 [2008年01月15日(火)]
 
その年初めて釜を掛けて客もてなす初釜、茶道会館は例年通り成人式に行いました。

床は玄々斎筆「神光輝乾坤」(神光乾坤に輝く)、花は西王母と鶯神楽、花入は七草と銘がある二重切り、結び柳に蓬莱山飾りも恒例となっております。





三方の上には、白米一升半の上に炭を置き、昆布・熨斗鮑・串柿・橙と積み上げ、馬尾藻(ほんだわら)・伊勢海老を立て掛け、勝栗・結び昆布・梅・数の子・鯛・めざし・裏白・譲葉・橘などを飾ります。江戸時代は「食い積み」とも言われたそうです。

飾られている食材は縁起物ばかり、これらを口にすることで寿命が延びるといわれています。今では御飾りとして床の間に飾られているので口に出来ません。でも、お下がりを点心に忍ばせてありますのでお客様は長寿延命となります。うれしいことです。

母より頂戴した鵬雲斎大宗匠好の帯を締め、気も引き締まりました。



普段の茶会ほど慌ただしさはなく300名様を迎えて、ゆっくりとお茶を楽しめました。今年も茶の湯は好スタートです。

そして、次の日は違う方の初釜の準備が待っておりますので、使った道具の片付けは大変ですが、例年より他の先生方の初釜も増えていることもうれしいことです。

そうそう、蓬莱山飾りの串柿は10個の干し柿を2個(間を開け)6個(間を開け)2個と串に刺します。これは夫婦仲むつまじくという願いからです。夫婦円満の秘訣でもありますね。

ではでは。


【今日のワイン】


テタンジェ ノクターン NV
シャンパーニュ
シャルドネ40%、ピノ・ノワールとピノ・ムニエあわせて60%

七草 [2008年01月07日(月)]
 
1月7日は「人日」です。1月1日の正月を五節句に入れ、「人日」は五節句に入れない時期もありましたが、現在は「人日」が五節句の一つと考え、七草粥を頂くのは日本食文化では常識となっております。

平安時代は稲、麦、豆、粟、黍、小豆、小麦を粥に入れていたようですが、江戸時代には七草となりました。正月からお節、雑煮、餅と続き疲れた胃腸を休める為に頂く七草粥は、野菜が取れない冬こそ春の七種で栄養を付けると言われています。



毎年、八百屋さんが七草を持って年始の挨拶に来ていただくので
七草粥は毎年忘れずに行っております。ホント感謝です。


春の七草とは芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・仏の座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)を云いまして、イメージの湧かないモノもあると思いますが、御形(ごぎょう)は母子草(ははこぐさ)のことで、仏の座(ほとけのざ)は小鬼田平子(こおにたびらこ)、菘(すずな)は蕪(かぶ)、蘿蔔(すずしろ)は大根(だいこん)として普段お店に売られています。この七草は胃腸や歯の薬草としても使われていたのも偶然ではないことでしょう。「七草粥」を食べると邪気が払われ、無病息災でいられるのも七草を伝えた人たちの知恵かも知れませんね。

昔はこの七草粥を作るときにも決まりがあったそうです。
6日の夜に七草をまな板に置き、傍らに包丁、杓文字、御玉、すりこぎ、串、ささら、采箸
等の七つ道具を揃え、七度ずつ七回刻みながら「七草なずな唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先に合わせてトントンバタクサトントンバタクサ」と鳥追い唄を歌ったそうです。害虫、疫病をもたらす鳥を追い払いその年の豊作を願う為の儀式でもあったのです。

私たちも、この食文化を次に伝えることを心がけなくてはいけませんね。
また、この日にはその年に初めて爪を切る日で、七種を浸した水に爪をつけて切る、「七草爪」という習慣もあります。爪を切ることで風邪も引かず健康でいられるそうです。

そして、家内がこの日に袖を通したキモノは茜染めの天平聖武絹でして、2008年1月15日から20日まで青山にあるサロン・ド・フルールにて展示してます。是非ごらんになって下さい。



ではでは。


【今日のワイン】


天橋立ワイン 2005 こだま樽熟成
 セイベル 9110(丹後産ぶどう100%)

あけましておめでとうございます。 [2008年01月01日(火)]
 
あけましておめでとうございます。本年も「一服のもてなし」をよろしくお願いします。

今年も茶道を通した美しい所作をポイントに「和のたしなみ」を書き込んでいきたいと思います。また、食に関する歴史、常識、雑学も交えてワインを飲みながらマジメに書き込みます。





今年最初のワインはオーパスワン1998をあけました。2002年にニューヨークのロックフェラーセンターにあるワインショップで求めたモノでしたが、保存状態が悪くエチケットがカビだらけになってしまいましたが、中身に変わりはありません。今年一番に飲むにはふさわしいと思い、開けました。






我が家でオーパスワンを開けるときのみに使うソムリエナイフはOpus Oneオリジナルのシャトー・ラギオールでして、今年一番に開けると思うと緊張が走りましたが、さすがラギオール、問題なく開きました。中身もすぐ空きまして、次はイタリアでワインの王と言われているバルビ・ソプラーニ・バローロ2002、そして、資生堂さんに頂いた2008カレンダーワインで今年のワインはじめとなりました。






はじめからワインの話ばかりですが、アルコールは程々に今年も頑張ります。
本年もおつきあい、よろしくお願いします。
ではでは。

プロフィール
プロフィール
北見宗幸
社団法人茶道文化振興会講師。みやび流和装道マナー部師範。高田馬場で昭和25年から続く「茶道会館」でお茶の稽古や茶会を催すほか、テレビ、雑誌などでも幅広く茶道の指導を行う。『はじめての茶の湯―茶道の基本がよくわかる』(成美堂出版)監修。
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