海外投資 用語集

オフショアファンド
ヘッジファンド
ヘッジファンドは、ミューチュアルファンドと異なり、空売りやデリバティブ(金融派生商品)といった取引や金融手法を通じて、市場が下落する局面でも積極的にリターンを追求するファンドです。市場平均をベンチマークにすることはなく、絶対リターン追求型ファンドとも呼ばれます。
ヘッジという言葉のとおり、もともとは損失リスクを回避(ヘッジ)するための代替商品でしたが、レバレッジ(資金を膨らませて投資する手段)を駆使して高い収益を目指す商品が登場し一気に桧舞台に上りました。
ヘッジファンドは私募債が基本で、さまざまな制約を受けずに設定することが可能です。投資戦略や取引の詳細まで公表すると運用に支障をきたすため情報の開示は限定的です。
その不透明さゆえ、ヘッジファンドはとかく危険な印象を持たれがちですが、実際にはミューチュアルファンドよりも変動リスクは低めである傾向です。ヘッジファンドの代表的な指数である「トレモントヘッジファンド指数」と世界株式の代表的な指数である「MSCI世界株指数」の月間最大下落率を比較しても、後者の方が下げ幅は大きいことが分かります。
ヘッジファンドは投資先によって、適正な規模があり、一概に大きいから安心で小さいから危険とは言えません。どのような戦略で収益を上げているかが鍵を握ります。優秀なファンドは、資金の新規受付が限定的であるものが多く、同じ手法でも変動率を低く抑えているファンドは、最低投資額が高い傾向があります。
ヘッジファンドの戦略
“買いのポジション”で株式や債券に投資するミューチュアルファンドに比べ、ヘッジファンドは、先物取引やスワップ(交換)取引、オプション(権利)取引を通じた“売りのポジション”が可能であるため、さまざまな戦略を組み立てることが可能です。
ヘッジファンドの運用戦略は、リスク度合いによって「レラティブバリュー戦略」「イベントドリブン戦略」「オポチュニスティック戦略」の3つに大別できます。
「レラティブバリュー戦略」は比較的リスクが低く、マーケットニュートラルという手法が代表例です。その名前のとおり市場に中立という意味で、具体的には割安な銘柄を買いながら割高な銘柄を空売りします。市場参加者が価格のひずみに反応することが投資成果を生み出す前提です。
「イベントドリブン戦略」は、M&Aや財務リストラ、子会社の設立など、企業のイベントを好機と捉え、将来予測に基づいて投資する戦略です。例えばM&Aであれば、買収に成功した場合、失敗した場合、業務提携に落ち着く場合など、それぞれのシナリオを描きながら、そのときに株価がどのように反応するか見極め株式の売買を行います。株式市場全体の方向性よりもイベントに注目し着実に収益を上げることが狙いです。
「オポチュニスティック戦略」は、他の2つよりもハイリスク・ハイリターンな投資戦略で、世界経済やグローバル市場の見通しをもとに仕掛けていくダイナミックな投資手法で、ヘッジファンドの代名詞とも呼べるマクロ投資もそのひとつです。マクロ投資では世界中の株式、金利、為替、商品市場の時価と理論値の極端な不均衡を見つけ出し、今度のトレンドを探ります。経済情勢の動きや政治的な出来事が投資対象に与える影響を考慮しながら、売買タイミングを模索し、好機と判断すれば、高いレバレッジをかけて資金を動かし高いリターンを狙います。
オポチュニスティック戦略の中でも最近、注目を集めているのが「マネージド・フューチャーズ」です。これはCTAと呼ばれる商品投資顧問業者によって提供される運用戦略です。
マネージド・フューチャーズと言えば、日本では商品先物の印象が強いのですが、海外のCTAは商品のみならず、金利、通貨、株式などの金融先物とそのオプションを運用対象としています。世界的な金融危機以降、多くのヘッジファンドが苦戦を強いられる中で、マネージド・フューチャーズは好成績を上げています。
日本でも有名なマン・インベストメント社のAHLもマネージド・フューチャーズです。
ヘッジファンドでは、その他に不動産投資やプライベートエクイティ(未上場企業への投資)、ファンド・オブ・ファンズといった投資スタイルもあります。
