カテゴリアーカイブ

熱氷 - 五條 瑛 [2007-10-06]17:12:20

熱氷 (講談社文庫)熱氷 (講談社文庫)
五條 瑛

講談社 2005-08-12
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テロリスト系クライムミステリー。姉の急死の知らせをうけて、アラスカで氷山を標的とする狙撃の仕事をしていた男が日本に帰国するところから話は始まります。姉の死に不振をいだいていたところ、姉が残した甥の誘拐事件にまきこまれて、要人暗殺テロの片棒を担ぐことに。

複雑に入り組んだ人間関係と過去の因縁を軸に猛スピードで話が進んでいきます。このストーリー展開だったら、倍くらいのページ数でもいいんじゃないかと思うくらい。そのいっぽう、ハードボイルドタッチながら、親子愛、兄弟愛、友情を問われる場面に直面した登場人物たちの心情は丁寧に(若干、乙女チックに)描かれていて、良いメリハリがでてます。
<はみだしblog>
千葉ロッテマリーンズを応援してるので、クライマックスシリーズ進出でいやがおうにも盛り上がってる今日この頃です。そんななか、千葉県じゅうのキャラクター達も応援にきてくれました。ジェフ千葉と柏レイソルに加えて、なんと「自治体系ゆるキャラ」くん達も多数参加。さすが千葉!あまりにも心強くて大爆笑です。
Posted by oumi at 17:12 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

ガダラの豚 - 中島 らも [2007-09-17]10:57:49

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)
中島 らも

集英社 1996-05
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超能力者とマジシャンのTVバトルからはじまって、新興宗教の洗脳儀式、そしてアフリカ呪術と、あやかしまやかしものオンパレードの一大冒険劇です。ちょっとグロいところがあったけど、とても面白かった。

文庫本3冊という長編ですが、あっというまに読みおわってしまいました。めまぐるしい物語の展開でたたみかける様に、細かいところまで行き届いた描写力や薀蓄が、ともすれば荒唐無稽で上滑りしがちなテーマを下ざさえしてます。とくに舞台がアフリカにわたってからの臨場感のすごさ。巻末に膨大な参考文献のリストがあるんだけど、なるほど、だからこそですねぇ。

TVドラマのトリックって、この本が下敷きになってるんじゃない?
<はみだしblog>
本編に寄生虫の話がでてくるけど、虫といって思い出すのが「バルサン氷殺ジェット」の販売中止。とても気に入っていたので、残念。なんとか復活してもらいたいものです。虫退治をエンターテイメントにした画期的な製品だったのに(おおげさ?)。ちなみに小バエは、その風圧のすごさでどっかにふっとんでしまうというご愛嬌も個人的には大うけでした。
Posted by oumi at 10:57 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

凍える牙 - 乃南 アサ [2007-08-19]08:59:43

凍える牙 (新潮文庫)凍える牙 (新潮文庫)
乃南 アサ

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これは面白かった。深夜のファミリーレストランで人が炎上する事件から、狼犬による連続殺人というストーリーの流れもさることながら、主人公の、交通課から抜擢された女性刑事が究極的男性社会の中で懸命に生き抜いていく様という視点が加わった、今までに読んだことのない硬派警察小説でした。

さえない中年刑事と組まされた彼女のと、女性刑事と組まされた中年のオヤジの独白が交互に出てくる構成は、けっこうユーモアでありつつ、まったく相容れない二人がどうなっていくのか?という興味が事件解決までの道筋と絡み合って、良いメリハリになっているかも。

強がらざるを得ない男性社会の中の紅一点と孤高の狼と心的同化させるという設定を思いついた時点で勝ったも同然なのかも。こんな芯がしっかりした小説は永く心に残るよねぇ。
<はみだしblog>
この前のエントリーでDEATH NOTEを紹介したら、次の日に100以上のアクセス。このブログ最高記録でした。恐るべし、DEATH NOTE。
Posted by oumi at 08:59 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

風が強く吹いている - 三浦 しをん [2007-07-30]00:10:31

風が強く吹いている風が強く吹いている
三浦 しをん

新潮社 2006-09-21
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「一瞬の風になれ」に続いて、陸上系さわやか青春小説を読了。今度は、箱根駅伝です。おんぼろアパートに済む大学生10人が箱根駅伝をめざします。

小説の形をしてますが、「友情」、「努力」、「勝利」をテーマとしている某少年漫画誌のスポーツマンガそのものといった感じで、軽いのりですいすいと読み進められます。駅伝メンバーの10人がよく描けているので、次第に感情移入して、クライマックスでは、本気で応援しながら読んでしまいました。

あと、この本は、表紙のイラストが気に入りました。10人のメンバー全員が描かれていますが、イメージどおり。読んでる途中で何回も表紙を確認してしまいました。

やっぱり、ランニングがテーマとなると、「風」がキーワードなのだろうねぇ。
<はみだしblog>
とある和風ファミリーレストランにて。店員さんの胸バッチには、手書きでお勧めの品が書かれてました。私たちのテーブルを担当した人のお勧めの品は、「お茶」。確かに美味しかったけど、これを野放しにしている店長のこれからが不安。それとも確信犯?
Posted by oumi at 00:10 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

生物と無生物のあいだ - 福岡伸一 [2007-06-30]15:17:51

生物と無生物のあいだ生物と無生物のあいだ
福岡 伸一

講談社 2007-05-18
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軟派理系読書家(私がまさにそう)の人には是非、おすすめ本です。最初の数ページで魂を鷲づかみされることまちがいなしです。

生物学研修者の著者が、タイトルにあるとおり「生物とはなにか」という問題を、その歴史とともに、自らの実験成果もまじえて論じています。ここでは、読者が入りやすい基礎的なところからスタートできるように、この問題に取り組んだ学者達と、その実験から、筆者の論理に必要なものを実に巧みに配列しているので、本来なら御しがたい内容が、すーっと自分の脳に吸い込まれていく感じが実に心地よい(特に、実験手順の詳細な記述:遺伝子組み換えとか遠心分離機の使い方とか、言葉ではわかっていたことが、実にわかりやすくイメージできちゃうところ、鳥肌もたちました)。

特に論理の背景となる実験の結果というよりも、その実験の必要性が重要視されているところが、またいい。さらに、それをとりまく物語的背景として、それに取り組んだ学者の個性に関する伝記的要素や実験が長くかかることを暗喩している歳時記的記述が、読み物としての構成に一役かってます。

昨今のブームのあおりで、玉石混交ぎみの新書ジャンルですけど、本著こそ新書の醍醐味。
<はみだしblog>
最近はまっているのが、The Burggというサイト。映画のワンシーンをイラストにして投稿できるソーシャルサイトで、映画のタイトルを当てるというもの。脱力系のイラストが満載。微妙なイラストなのにタイトルがわかっちゃった自分にも脱力。
Posted by oumi at 15:17 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

一瞬の風になれ - 佐藤 多佳子 [2007-05-13]04:06:40

一瞬の風になれ 第一部  --イチニツイテ--一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
佐藤 多佳子

講談社 2006-08-26
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天才サッカー選手の兄をもった弟の新二。兄にあこがれてサッカーを始めるが、兄には追いつけない。そんな新二は、高校進学と同時に陸上部で短距離走をはじめる。

主人公の新二が、こりゃまたいい奴。まっすぐな性格であれこれと悩む姿がほほえましいというか、さわやかー。もともと兄譲りの優れた運動神経を持っていて、大会を重ねるごとにスプリンターとしてどんどん成長していく。多感な高校時代のなんとも言えない感傷的雰囲気とスプリント勝負の緊張感が織り成すストーリーで、上中下巻ものですが一気読みでした。下巻では、3年生になって後輩たちを従えてるあたり、別人のようになっていきます。

30〜40歳の年代であれば、これってまさしく「タッチ」の陸上部版って感じがするんじゃないかな?小説の形をとっているけど、けっこう漫画チック。挑戦、友情、勝利というスポ根ものを、最近の若い世代が持っている「さっぱり感」で味つけしたという感じかな?
<はみだしblog>
いきつけのラーメン屋の店主が引退。2代目が後を継いでいるのだけれど、姿顔かたちもさることながら、黙々と鍋をふる姿がお父さんそっくり。僕好みの味もきちんと継承されてるところ、がんこっぽい先代にみっちり鍛えられたのか、DNAか。この店に通う新しい楽しみができました。がんばれ2代目。
Posted by oumi at 04:06 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

ハゲタカ - 真山 仁 [2007-05-05]12:15:13



ハゲタカ
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書評/ビジネス

ハゲタカと異名をとるとおり、金となると判断したらどんな手を使っても取りに行く、冷徹無比な外資系ファンドのストーリー。

複雑な金融のしくみと専門用語の羅列で、しばしば煙にまかれがちになりながらも、ストーリー構成がしっかりしているのと、ほとんど実際に起きた平成の金融危機が下敷きになっているので、門外漢の私でもすんなりと入り込めました。

実際の企業がちょっとだけ名前を変えてでてくるのですが、そのネーミングがけっこう面白い。スーパー・ダイコーとか、足助銀行とか。

謀略とか懐柔とかが渦巻くドロドロした世界だけど、ホリエモンとか村上某とかの事例もあるし、この領域にいる人たちには、日常茶飯事なんだろうなぁと、感じてしまいました。と感心している場合じゃないんだろうなぁ。

<はみだしblog>
リゾートホテルのラウンジにて。明るいうちからお酒なぞ飲んじゃったりしてたとき、となりに幼稚園くらいの女の子を連れた家族がいました。その子がパパに甘えて曰く「私、牛ホホ肉が食べた〜い」。一緒にいた妻と目配せして、その後この件について熱い議論を交わしたのは言うまでもありません。
Posted by oumi at 12:15 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

青空の休暇 - 辻 仁成 [2007-05-03]10:04:47

青空の休暇青空の休暇
辻 仁成

幻冬舎 2006-08
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この作家を読むのは初めてだったけど、おもったより無骨なストーリーで面白かった。(なんか、女性向けってイメージが強くって、失礼しました)

真珠湾攻撃で米千巻に魚雷を打ち込んだパイロットたちが、戦後50年の日本でそれぞれの失望を味わいながら、老いた自分と向き合って暮らしている。そんな彼らがハワイへに旅立ち、そこで経験する不思議な奇跡の物語です。

昭和一桁の頑固爺さんたちの珍道中ものかと思いきや、当地の日系人や、真珠湾攻撃を体験したアメリカ人との交流を通して、あの戦争や自分たちの人生、青春を見つめなおす、シリアスな旅になっていきます。

まず、思ったのが文章がきれいなこと。語彙が豊富で的確に使われてるので、文章に緩急がついています。あと、ストーリーの構成もよし。最後の奇跡に向かって、後半はどんどん盛り上げっていき、最後はすっきりとした読後感を味わえました。

随所に主人公周作の先に他界した妻の日記が挿入されているところは、やっぱりラブ・ストーリーなんだろうなぁ。
<はみだしblog>
最近NHKばかり観ているせいか、けっこう多くの男性アナウンサーの顔と声を覚えてしまった。女子アナに熱をあげるのとどっちがいいやら。
Posted by oumi at 10:04 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

エンド・ゲーム 常野物語 - 恩田 陸 [2007-04-13]23:10:05

エンド・ゲーム―常野物語エンド・ゲーム―常野物語
恩田 陸

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常野物語第3弾です。これまた、前作とは変わって現在を舞台としたホラーになってます。

常野一族の掟を破って一族どうしの間で結婚してしまった英子の娘時子は、特殊能力を持つが故、不気味な敵と戦い、怯える生活を過ごしていました。そんななか、数年前に失踪した父に続いて、母も行方不明に。そして、「洗濯屋」という謎の男火浦と出会い、両親探しの冒険が始まるというストーリーです。

所謂、常野一族とはいったい何なのかという謎の種明かし偏ということです。超能力ものの運命だと思いますが、クライマックスはどうしてもSFチックになってしまい、今ひとつ納得しずらい展開で残念な感じでした。物語中盤までいい感じだったのに。いっそ、種明かしなしのほうがよかったのでは?
<はみだしblog>
会社の給湯室と自宅のキッチンで蛇口の操作が上向き、下向きと逆。いつも会社で水を止めようとして大量出水してしまい、はねかえりを浴びる毎日。
Posted by oumi at 23:10 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

九杯目には早すぎる - 蒼井上鷹 [2007-03-30]01:28:51



九杯目には早すぎる
  • 著:蒼井上鷹
  • 出版社:双葉社
  • 定価:840円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く

直球ミステリーの短編集です。数ページの超短編から、ある程度のボリュームがあるものまで様々。シチュエーション物としての正統ミステリーながら、新しさを感じる良品が揃っていて、とても楽しめました。

その中でも、巻頭の「大松鮨の奇妙な客」と巻末の「キリング・タイム」は秀逸です。主人公の思い込みとうらはらで、予想もつかない結末は、読みながらはっとさせられました。前者は、ある男を尾行することになった主人公が、尾行先の寿司屋で、その男の奇妙な行動を目撃する。その男がとった奇妙な行動の背景の以外さが面白かった。

主人公が、自分の置かれた立場を乗り切るために、推理や策略を進めていく過程と、それによって築き上げられたものが一気に瓦解するところが、この作家の持ち味と思いました。この形式で長編を読んでみたいものです。

ちょっとおしいのが、短編でありながら、少しストーリー展開にもたつき感がでてしまう部分がちらほらあったところ。このあたりが引き締まってくると、もっと良くなってくるのでは?次回作に期待です。

<はみだしblog>
単位の話。メガとかギガだと、語感からも大きい数字っぽい(200ギガ HDDレコーダ!とか)けれど、テラとなるとちょっとあやしくなってくる。そして更にその上だと、「ペタ」。一気に貧弱になってます。昔、単位を決めた人も、こんなのが日常会話に登場してくるのなら、もっとかっこいい名前にしとけばよかったと悔やんでたりして。ちなみに、そのあとは、「エクサ」「ゼタ」「ヨタ」と続くそうです。「ヨタ」も微妙。
Posted by oumi at 01:28 | | この記事の詳細 | この記事を編集する

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