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コメント有難うございます

2月に観た映画

2007-03-03 20:30:54
2月に観た映画です。

『一番美しく』  1944年 東宝 監督:黒澤 明

黒澤監督唯一の国策映画。

黒澤監督が戦争に対してどう考えていたかは別として、
戦時下の国策映画を黒澤監督が作るとどういう作品になるのか、
是非観ておきたいと思いました。

敗戦色が濃厚となっていた第二次世界大戦下で製作された、
軍需工場で働く女子挺身隊(14歳〜25歳までの女性で構成された
勤労奉仕団体)員達の姿を描いたドキュメンタリータッチの映画。

女優さんたちを実際に稼動している軍需工場で仕事をさせて、
寮生活も体験させて、工場生活に慣れさせた上で
撮影に入っただけあって、実にリアルで、本当の工員さんのようでした。

さすが黒澤!と思わせるシーンは・・・・・
主人公の女性は優秀なリーダー格で、
男性に負けじと一生懸命「お国のために」と働き、
男性に混ざりレンズの調整をする係りでした。
ラストシーンで、
親の訃報に動揺しつつも帰省を断り、
涙を流しながらレンズを調整する姿が映し出されます。
「お国のため」に身を粉にして働く献身的な姿が痛々しく
心が苦しくなりました。
何よりも、主人公の涙する姿が美しくて、健気で、切なくて、
涙が止まりませんでした。

この女優さんは、やがて黒澤監督の奥さんになりました。やるなー、黒澤



『上海陸戦隊』 1939年 東宝 監督:熊谷久虎

第二次上海事変を海軍の協力・監修の下、
ドキュメンタリータッチで描いた作品。
原節子さんが抗日中国人少女役で出演されています。



『上海の女』 1952年 東宝 監督:稲垣 浩

李香蘭時代からお若い頃の山口淑子さんの映画が観たくて、
CSでやっと録画できた映画です。
美しい・・・・・

1945年7月という終戦直前の上海が舞台の
上海で活躍している歌手・李莉莉(山口淑子)
特務機関員・真鍋中尉(三國連太郎)のラブロマンス。

山口淑子さん扮する李莉莉は、李香蘭と境遇が似ているのでダブります。

見所は3つ。
@山口淑子さんの歌!歌!歌!、美!美!美!
とにかく美しいのです
どんな女優さんが李香蘭役を演じても超えられないと思いました。
有名な歌もご披露されています。

A三國連太郎さんが2枚目の役!というところ。
すごーく若くて、まだアクがなくて、格好いいんです。
その後の三國さんからは想像できません。

Bほとんどの役者さんが日本人ですが、
皆さん流暢な中国語を話されます。



『三本指の男』 1947年 東横 監督:松田定次

金田一耕助が、片岡千恵蔵さんだよ!
もうびっくりです。
原作は『本陣殺人事件』なんですが、
原作とはひと味もふた味も違っていて、
オリジナルみたいな話になっています。
他には、原節子さん、宮口精二さん、杉村春子さんが
皆さんお若くてお若くて・・・・面白かった。
途中、ちょっと眠くなっちゃったけど。



『新幹線大爆破』 1975年 東映 監督:佐藤純弥

『太陽を盗んだ男』と並んでカルトなファンが多くて、
この人たちのサイトを見るのがとっても楽しい今日この頃。

東映オールスター総出演!の見所、突っ込み所満載の映画。

『スピード』の原案となった作品でもあるので、
スピードで言うところの
バス を 新幹線 に置き換え、
キアヌ・リーブス を 千葉真一 に置き換え、
デニス・ホッパー を 高倉健 に置き換えれば
物語は想像できますね。

タイトルの過激さから、当時の国鉄から協力を得られずに、
新幹線の映画を作ったそうです。
先が読めなくて最後までスリルとサスペンスと失笑の連続の映画です。

今月の私の中の第1位かな。

『酔いどれ天使』

2007-01-20 21:00:16
見ちゃった

黒澤と三船 出会いの映画

<酔いどれ天使>

昭和23(1948)年 東宝
監督:黒澤 明
出演:
    貧乏医師    志村喬
    闇市のヤクザ  三船敏郎
    女学生      久我美子
    ブギを歌う女  笠置シズ子
    婆さん      飯田蝶子
    ヤクザの情婦  木暮実千代

お話自体は、至って単純なもので・・・・

飲んだくれの貧乏医師(志村)が、
闇市のヤクザ(三船)の鉄砲傷を手当したことがきっかけで、
そのヤクザが肺病を患っていることを知る。
自分の若い頃に気性が似ていると親近感を覚えた医師は、
ぶつかり合いながらも治療していこうと試みる。

一方ヤクザの三船は、そんな医師の優しさに
反発しながらも治療する気になる。
ところが、そんなとき出所してきたヤクザの兄貴分との
縄張り争いや情婦を巡る確執に、
お酒を飲んでしまったり、喧嘩をしてしまったりと
徐々に命を縮めていく・・・・・・と悲しくも後味は悪くないお話です。


この映画の何が面白いかというとですね・・・・・

三船が美しい

最初は誰だか全く分かりません

(芥川龍之介にも見えます)
若くて勢いがあります。それでいて美しい。
三船だけが映っているシーンは、まるでフランス映画のようです。

その反面、
三船のメイク、濃すぎ
これは、三船が肺病を患っているヤクザ役ということで
げっそり見せるために、頬骨の下げっそりラインに
三角にチークが濃く入っているためです。

この映画は、三船にとってデビューしてから3作品目、
直前に出演した他の監督の映画を見た黒澤監督が
惚れ込み、黒澤作品デビューとなったのです。

そして、この映画の主役は、貧乏医師役の志村喬さんなのですが、
準主役の三船が強烈すぎて主役より目立っているということです。
結果、三船の出世作となり、
以降、黒澤映画には欠かせない役者さんとなったのであります。

でもね、
「肺病患者が5人も来れば今の医者は食いっぱぐれがない」
なんて悪態ついて、
口は悪いけど心優しい貧乏医師を演じる
志村喬さんがまた、いいんです

これが後の黒澤映画「生きる」へとつながっていくんですね。

さらに舞台は昭和23年、占領下の日本の東京です。
闇市が盛んな時代です。
私たちが全く知らない闇市の風景、
そこで暮らす人々、
闇市でのヤクザの役割、
お米や牛乳などが配給制の時代、
その頃の日本を垣間見ることができます。

戦後3年目の映画で、
役者さん自身も戦争経験者ですから、
演技も生々しいです。
今ではもう作れないタイプの作品ですね。

心に残る台詞もいくつかあります。
貧乏医師 志村さんの台詞。
「結核ほど理性の必要な病はない」
「人間に必要な薬は理性なんだ」
と、「理性」という言葉への監督のこだわりが感じられます。
 
<おまけ>
ブギを歌う女で出演の笠置シズ子さんは、
「ジャングルブギ」をキャバレーで歌っています。
久我美子さんはなんと!女学生役。
時代を感じます。


今週は、もう一本の黒澤映画「羅生門」も見ました。
この感想もいつか書きたいと思います。


『天国と地獄』

2007-01-07 17:00:47
すごい映画に出会っちゃったなあ〜


年末年始に、撮りだめしてあったDVDを何本か観ました。

その中で最も面白かった映画。

早くも、
今年観た映画のNo.1になってしまう可能性大!


黒澤明監督 『天国と地獄』

昭和38(1963)年 東宝

原作/エド・マクペイン
   小説『87分署シリーズ』の一篇『キングの身代金』

出演/三船敏郎、仲代達矢、 香川京子、三橋達也、
    木村功、石山健二郎、加藤武、 志村喬、田崎潤、
    中村伸郎、 伊藤雄之助、山崎努、ほか

<あらすじ>
横浜の山の手に住む製靴会社の役員・権藤(三船)の元に、
息子を誘拐したと誘拐犯から電話が入る。

しかし、誘拐されたのは権藤の息子ではなく、
息子と一緒に遊んでいた権藤の運転手の息子・進一だった。

誘拐犯は、「よその子でもいいから身代金は
権藤さんが出すんだ」と言ってくる。
身代金は3000万円。←昭和38年の3000万円ってスゴイ。
そして、
「明日の特急こだま(まだ新幹線がない)に乗れ」
と指定してくる。

実は、権藤はかねてから会社の現経営陣を一掃しようと
会社の株を買い集めていた。
その日も、翌日までに5000万円を大阪に送金しなければ
ならなかった。

この金を送らないと、彼の立場は後退してしまう。

進一は助けたいが、身代金を用意してしまうと、
会社での立場が危うくなってしまう・・・・・
葛藤する権藤だったが、
進一を助けることを決意する・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ここまでの、権藤の心の葛藤を
男・三船怒りの瞳で演じております!


この後、特急こだま号からの身代金引渡しのシーンから
最後まで緊張の連続なのです!

  この映画の公開後、この身代金引渡しを真似た類似犯罪が
  多発したくらい、社会にも与えた影響は大きかったようです。

見どころは、特急こだま号以降、
警部役・仲代達矢をはじめとする、
刑事(デカ)たちの活躍です。

特に、特急こだま号車内における
警部・仲代迅速・的確な指令が素晴らしいです


             こんな上司の下で働きたい!

息をする間もないくらい、瞬きもできないスリルの連続。

あと、この映画には無名時代の現在大御所俳優さんが
多く出演されています。
よーく観ていると発見できるので、これも楽しいです。
菅井きんさんが麻薬患者役で出ていたり、
大滝秀治さんが台詞が一言もない新聞記者で出ていたり・・・・

この作品が映画デビューとなった
若かりし山崎努さんにも注目です。
はまり役でした。演技が光っています。


ここで言う「天国」とは、山の手のこと。
「地獄」とは、そこから見下ろした場所を指しています。
「地獄」で暮らす犯人のアパートの窓から見える
「天国」の家。
その家に住む権藤へ生まれた憎悪が、
この事件を引き起こしています。

後半、身代金を入れた鞄に仕込んだ薬によって
焼却炉で燃やした鞄から桃色の煙が出るシーンがあります。
モノクロの映画の中、唯一のカラーシーンです。
この手法は後に『シンドラーのリスト』や
『踊る大走査線 THE MOVIE』でも使われたそうです。


私は映画を観始めたときから、
観終わったときでは、
体の位置が1メートルも前に出ていました。

何度観返しても、ドキドキハラハラ、
メリハリがあり、リズミカルな映画です。
当分、私のツボから離れそうもありません。

今月、日本映画専門チャンネルでも何度か放送しています。

観客10名の映画館

2006-12-29 17:10:28
10人しかいませんでした!

お客さんが・・・・・ こ、こんなの初めて。

今日は一人で、映画『犬神家の一族』を観てきました。

私は、横溝正史が好きで、
市川崑監督の金田一シリーズが好きなのです。

30年前の『犬神家の一族』は100回以上観ています。
常時DVDのHDに入っているし・・・・

今回は、監督、脚本が前回と同じ・・・ということは、
当時のセリフ、画面の構図、カット割りを踏襲しているので
どんな映画になるのだろう、と少し楽しみにしていました。

30年前と同じ役で出演されたのは、
金田一耕助の石坂浩二さん
等々力所長(前回は警部)の加藤武さん
神官の大滝秀治さん

さらに、犬神三姉妹の次女と三女を演じた
草笛光子さんがお琴の師匠役で、
三條美紀さんが松子の母親役で出演している事など、
マニアとしては、見に行かないわけにはいきません!!!


大半の方が物語はご存知だと思うのですが、
一応簡単に説明しますと・・・・・

日本の製薬王と言われた信州・犬神財閥の
創始者・犬神佐兵衛が遺言状を残して他界した。

佐兵衛には腹違いの3人の娘、松子、竹子、梅子がいる。

遺言状の内容は、
犬神家の全財産と全事業の相続権を意味する
三種の家宝、斧(よき)、琴、菊を
佐清(松子の息子)、佐武(竹子の息子)、佐智(梅子の息子)の
いずれかと結婚することを条件に、
珠世(佐兵衛の恩人の孫娘)に譲渡する、というものだった。

珠世をめぐる3人の男たちによる争奪戦が繰り広げられ、
遂には殺人事件が。

遺言状を預かる法律事務所から
仕事の依頼を受けた名探偵・金田一耕助は
捜査に乗り出すのだが、
第2、第3の殺人事件が起きてしまう。


1976年に角川映画第1弾として製作された
『犬神家の一族』は、大ヒットを記録し、
その後しばらく横溝正史ブームが続きました。

今観ても面白くて、名優さんが揃っているので
これを超える映画は無理だろうと思っていたので、
期待せずに行きました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お客さんが10人のわけが分かりました

駄目だもん。

脚本も演出も同じなんだけど、
役者さんがやっぱり・・・・・

私にとっての

松子は、高峰三枝子さん。
ふてぶてしい松子が好きだった。
富士純子さんではお上品すぎます。

竹子は、三條美紀さん。
きつそうなところは絶品でした。
松坂慶子さんでは明るすぎます。

梅子は、草笛光子さん。
ちょっとヒステリックな梅子が好きだった。
万田久子さんでは線が細すぎです。

古舘弁護士は、小沢栄太郎さん。
よろよろしたおじいちゃん弁護士で、
取れそうな入れ歯でフガフガした喋り方と
オロオロした演技が印象的でした。
中村敦夫さんでは若々しすぎました。

そして、前回と同じ配役で登場の、
金田一の石坂浩二さん、
等々力さんの加藤武さんは、
年取りすぎてますから!!!!
観ていて心配でした。ゼイゼイ・・・

神官の大滝秀治さんは、そのままでOKでしたけど。

前作の配役は最高だったんだなあって、
改めて実感しました。


あ・・・・
でも景色は綺麗でした。
私が夏に旅行で訪れた長野県の青木湖、木崎湖、
仁科神社が出てきたので嬉しかったです。

トラ子さん、長野県大町市が撮影協力の名前に
入っていましたよ。
そして、大町市民の方がエキストラだったみたい!
トラ子さんもいたのかしら??

でも、決して無駄ではなかったです。
ファンとしては観なければ気が済まないですから。

『硫黄島からの手紙』

2006-12-02 23:00:53
映画『硫黄島からの手紙』の試写会へ行って来ました。

栗林中将は、侍だ。←感想
        いや、うちの侍ってことではなくて、一般的な意味での侍です

太平洋戦争で、
サイパン、グアム、テニアン島を制圧したアメリカ軍が、
日本本土上陸のための中継地として、
援護機の配備、緊急着陸基地の確保のため、
どうしても欲しかった硫黄島。

大本営側は島の戦略的重要性を認識し、
硫黄島に栗林中将率いる総数約2万2千923名を置き
長期戦に備え、島内各所に全長18Kmにも及ぶ
地下壕を作りました。

1945年2月19日、アメリカ軍の上陸とともに始まった
硫黄島の戦いは、
当初5日で落とせると予想していたアメリカ軍の予想を
遥かに超え、36日間かかりました。

太平洋戦争の陸上戦において、
アメリカ軍の死傷者が日本軍の死傷者を
上回ったのは、硫黄島の戦いだけだそうです。

武力の差を知りつつも指揮官としての
務めを果たす、栗林中将。
最後は、大本営からの援軍も拒否され、
孤立しながらも
硫黄島を守ろうとした日本の男達の話です。



アメリカを最も苦しめた男、
栗林中将を渡辺謙さんが演じます。

映画は、栗林中将が硫黄島へ到着する場面から
始まり、実際に起こったエピソードを織り交ぜながら、
栗林中将と兵士たちが描かれていきます。


<よかった点>

*戦闘シーンは手に汗握る迫力だった。

*映像が、カラーとモノクロが半々くらいで
 手持ちカメラでのシーンも多く、
 ドキュメンタリー風な雰囲気がリアルだった。

*配役は、渡辺謙以外はすべてオーディションだったということで、
 二宮和也、伊原剛志、中村獅童、結木奈江以外は、
 すべて知らない役者さんだった。

*監督のご子息が音楽を担当、
 劇中流れていた音楽がいまだに頭の中をぐるぐる巡っている。

*日本人とアメリカ人が公平に描かれていたと思う。

*ウルウルした場面が2回あった。(侍には絶対言えない)

*二宮くんは、妻子持ちには見えないけれど、
 いい役者さんだと思った。

*モノクロ効果もあったと思うけれど、
 歯の中まで砂で汚れていたりと、リアルだった。

<残念だった点>

*栗林中将をもう少し多く、丁寧に描いてほしいと思った。
 家族思い、部下思い、有能な指揮官・・・
 すべてを描こうとしたため、
 中途半端になってしまったような気が・・・

<謎だった点>

*中村獅童の役の存在が分からない。


この戦いが長引いたおかげで、
アメリカ軍の本土上陸を阻止できたことを考えると、
映画を超えて、硫黄島の戦いをもっと詳しく知りたくなりました。


そこで、読んでいます。
別冊宝島『栗林忠道 硫黄島の戦い』

予ハ常ニ諸子ノ先頭ニ在リ

                         つづく

やった〜!

2006-11-18 01:27:03
クリント・イーストウッド監督の映画
硫黄島からの手紙」の試写会ご招待状が当たった〜!

日米双方の視点から、
太平洋戦争激戦地「硫黄島」の戦いの
真実を解き明かす二部作。

今、公開中の「父親たちの星条旗」は
アメリカ側の視点から、
「硫黄島からの手紙」は
日本側の視点から描かれているので
大変興味深いです。

アメリカの戦争映画は、
戦勝国ということもあって、
たいてい明るい結末なんだけど、
敗戦国側の映画は
観ていて辛いものがあります。

でも、史実として後世の人間が
知っておくことは大切だと思います。
私たちが今ここに生きているのは、どうしてなんだろう?
という疑問が生まれると、歴史にたどり着きます。

知ると
命の大切さや、いにしえの人たちへの
感謝の気持ちもさらに生まれます。

この試写会、
東京の九段会館で上映されるのですが、
九段会館は終戦までは「軍人会館」だったんです。
なんとマッチした会場で行われるのでしょう。

監督や渡辺謙さんのご挨拶もあるのかなあ?
楽しみだな☆

『華麗なる一族』

2006-11-09 18:30:08
ま、また、すごい映画観ちゃったな〜


先日、友人Su〜が興奮気味に教えてくれました。

  (テンションかなり高いぞ!)
「あひるぅ〜大変なのよぉ〜。
 来年1月から、キムタク主演

 山崎豊子の『華麗なる一族』が

 ドラマ化されるの〜」
←鼻息


というわけで、
予習かたがた1970年代の映画「華麗なる一族」を観ました。


原作:山崎豊子
監督:山本薩夫 
映画『白い巨塔』のコンビ。

  
阪神銀行を中心に、阪神特殊鋼、万俵倉庫、万俵不動産などを
経営し、阪神地方に強力な地盤を持つ万俵(まんぴょう)財閥

その万俵家のメンバーは、
当主:大介(佐分利信)←ドン
妻:寧子(月岡夢路)
長男:鉄平(仲代達矢)←阪神特殊鋼にいるから「鉄」
鉄平の妻:早苗(山本陽子)
次男:銀平(目黒裕樹)←阪神銀行にいるから「銀」
長女・一子(香川京子)
一子の夫:美馬中(田宮二郎)←キャリア大蔵官僚
次女:次子(酒井和歌子)

そして重要なキーパーソンなのがこの人。
表向きは万俵家の家庭教師兼執事、
実態は大介のお妾の高須相子(京マチ子)←なんと、万俵家に同居。

野望に燃える万俵財閥のオーナー大介が、
業界10位の阪神銀行を上位にするために、
大が小を吸収するのではなく、
小が大を吸収するという前代未聞の合併を画策する話が軸となり、
それに翻弄される一族の姿と金融業界の内幕を描いた映画です。

ドロドロ系です。

他の俳優さんたちも見逃せません。
二谷英明、西村晃、小沢栄太郎、志村喬、加藤嘉、
北大路欣也、神山繁、下川辰平、滝沢修、中村伸郎
平田昭彦、金田龍之介、大滝秀治、鈴木瑞穂などなど・・・

おじさんばかりの会議の後の会議室
入ってしまった時の、「おやじ臭」が漂ってきそうです。

とにかく飽きない3時間半なのですが、
私には衝撃的なシーンもかなり多く・・・・

佐分利信さんといえば、
私にとっては金田一シリーズ『獄門島』の和尚役、
小津映画のお父さん役というイメージが定着しているのですが、
なんと!衝撃的なベッドシーンが!
それも普通じゃない・・・・(よいこのみんなは見るのはよそう)
もうこれ以上は言えません。
とにかくショックなベッドシーン。

でも、凄みと迫力のある大きな実業家を演じる
佐分利信さんは、名優だと思いました。

Su〜が最後まで教えてくれなかった
鉄平の出生の秘密・・・・これも凄すぎ。
横溝正史バリの秘密です。

キムタクが演じるのは、仲代さんが演じている万俵鉄平
どんな鉄平になるのかな?

この映画では、大介が主役なのですが、
今度のドラマでは、鉄平が主役だそうです。
ほかの配役は今月中に決まるそうで、
そちらに興味津々です。



『真昼の暗黒』

2006-10-31 18:21:37
映画『真昼の暗黒』(昭和31年)を観ました。

原作:正木ひろし『裁判官』←昭和の冤罪事件で有名な弁護士さんです。
監督:今井 正←巨匠。
脚本:橋本 忍←尊敬しています。
音楽:伊福部 昭←『ゴジラ』の音楽で有名です。全曲集持っています。


この映画は、昭和26年に実際に起きた冤罪事件
「八海(やかい)事件」を元に作られています。

昭和26年山口県で老夫婦が遺体で発見されました。
夫は刺殺、妻は首を吊っていました。
警察の捜査により、心中に偽装した他殺と判明し、
付近に住む青年が逮捕されました。

青年の自供により、事件は解決するかに見えましたが、
警察がこの犯行は単独では不可能だとして、
複数犯と断定しました。

逮捕された青年が単独で犯行に及んだことを
自供していたにもかかわらず、
警察は、青年に複数犯の自白を強要しました。
拷問に耐え切れず、共同犯なら罪が軽くなると考えた青年は、
適当に遊び仲間の友人4人の名前を挙げてしまいます。

すると、4人は即逮捕されました。
拷問により、4人は自供を強制させられ、
物証もないまま4人とも起訴され、公判が開かれました。

4人は無実を訴えますが、
死刑を含む全員が有罪判決となりました。
映画は、昭和28年の第二審の判決が
出たところで終わります。

なぜ、ここで終わってしまうかというと、
この映画が公開されたのが昭和31年で
この時、事件は最高裁の審理中だったからです。

最高裁に上告した4人は、
冤罪事件で有名な正木ひろし弁護士に救いを求めます。
正木弁護士は、彼らの無実を著書に書き、世に訴えました。

これが大きな反響となり、今井監督が映画にしたことで、
裁判批判が噴出しました。
最高裁の審理中だったため、裁判所からの圧力もあったそうですが、
それらに屈することなく、公開に踏み切ったそうです。

当時の警察の取調べは、拷問そのものです。
拷問に耐え切れなくなり、警察の筋書き通りに
自白してしまう理不尽さが描かれています。

正木ひろし弁護士原作&橋本忍脚本のコンビには、
『首』という映画もあります。
こちらも見ごたえのある映画です。

未解決事件、冤罪事件は沢山あります。
この映画を観終わった後、
『別冊宝島 戦後 未解決事件史』を取り出し、
最初から再読し始めてしまいました。
寝る前に読むと、恐い夢を見ます。

『切腹』の一日

2006-10-10 18:30:33
今月は、スカパーのこの2つの企画のおかげで
我が家のDVDはフル稼働です

日本映画専門チャンネルでは、
「犬神家の一族」のリメイクを記念して
「監督 市川崑の映画たち〜24時間まるごと金田一耕助」
        わ〜〜〜たいへんだ〜〜〜

日本映画専門チャンネル衛星劇場の共同企画、
「脚本家 橋本忍の仕事」
尊敬する橋本忍さんの映画が一挙放送です。
        すばらしい〜〜〜

ラインナップは以下のとおりです。
衛星劇場で放送
砂の器
私は貝になりたい
・・・・・この映画の為にスカパーに入ったと言っても過言ではありません。
真昼の暗黒
切腹
張込み
八甲田山(完全版)
日本映画専門チャンネルで放送
羅生門
生きる
七人の侍
日本のいちばん長い日
上意討ち 拝領妻始末
白い巨塔  
幻の湖   
南の風と波

そんなさなか、
昨日は、「切腹」を一日中観ていました。
       <1962年、小林正樹監督>
               格好いいぜ、仲代!


寛永7年。
当節、食い詰者の浪人が、
「切腹する」と称して大名の玄関先にやってきては、
庭先を血で汚されたくない武家屋敷から、
いくらかの金を得て生活の糧にするという
「たかり」の風潮がありました。

ある日、井伊家の屋敷に津雲半四郎(仲代達矢)と
名乗る浪人が現れ、「切腹のためにお庭拝借…」と申し出ます。
井伊家の家老(三国連太郎)は、「また来たか」と思うのですが
話を聞いているうちにどうも本気のようです。
「近頃、まことに見上げたご心底・・・」←現在我が家で大流行のセリフ。

家老は、以前にも同じような申し出をした
若い武士のことを思い出し、その話をし始めます。
半四郎と家老との会話で物語が延々と進行し・・・・

やがて庭のお白州で切腹に臨む半四郎。
身の上話をしていくうちに、半四郎の口から
家老への恨み憎しみが吐き出されていきます。
実はそうだったのか〜と驚愕の事実が語られていきます。
目の中が燃えている仲代さんと、
目の中が怯えている三国さんの対照的な演技が印象的です。

江戸徳川時代における武士道社会の
虚飾と残酷さが暴かれていきます。
筆頭譜代である、衣食に憂いのない井伊家の人々と
天下泰平時代、衣食に困り悲哀に満ちた浪人とが
対照的に描かれていて興味深いです。

(この津雲半四郎は、芸州広島 福島正則の元家臣。
福島家は徳川家によってお取り潰しになりました)

みどころは、丹波哲郎さん扮する剣の達人である井伊家家臣と
津雲半四郎との対決シーン、
妙に印象に残る家老 三国さんの不気味なキャラ。
  そう、「赤い疑惑」の時の三国連太郎と同じ、きもい笑顔だ!

でもいちばんは、
場面転換も少なく、ほとんどが会話で物語が進行していくのに
瞬きをする間もない緊張感。
これは、
○メリハリのあるカメラワーク
○印象に残る台詞の数々
○役者さんの名演技
によるものだと思います。

こんなに素晴らしい映画に出会えて、感謝。

小倉生まれで玄海育ち♪

2006-09-06 13:45:50
口も荒いが気も荒い Song by MURATA DA !


夕べ、三船版『無法松の一生』(昭和33年:東宝)を観ました。
        なぜ観たのかなんて聞かないで〜。こういう夫婦なのよぉ。私たち。

時は明治30年。
幕末の名残漂う九州は小倉。
三船敏郎演じる松五郎は、喧嘩っ早くて無鉄砲、
”無法松”と呼ばれる人力車夫。
けれど人情には人一倍厚い・・・ここが泣かせどころなんだけど
この、”無法松”の半生が描かれた映画です。シブイヨ

三船って、浪人や軍人役もぴったりだけど、
明治の男を演じても、格好いいねぇ

おなじみの東宝の役者さんたちも
随所に現れて、軽快に話が進んでいきます。

男!三船”無法松”に瞬きも忘れ釘付け。
有名な祇園太鼓の名場面は圧巻。
一気に盛り上がり〜〜〜
終盤の”無法松”の人情、気風のよさにウルウル。
けれど、終わった後の清々しさ。

これこそ!男気、にっぽんの男ってやつぅ!

やっぱり昔の日本映画はいいねえ。
     ヴェネチア国際映画祭のグランプリも受賞したんだよ。





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