前回、お知らせしましたように、次回のブログから、『たおやかな光』というタイトルで装いも新たに日々の想いを綴っていきます。日本及び世界のどこにいても私の想いをシェアさせていただきたいので、このままのアドレスで引き続きご笑覧ください。
礼拝が始まる前、長いキャンドルに光が灯されたトリニティ・チャーチ
さて、皆さん、クリスマスはいかがお過ごしでしたか?
私は、毎年、教会に行くようにしています。今年は、去年、深夜の礼拝に行って、とても感動した、グラウンド・ゼロの傍のトリニティ・チャーチの朝の礼拝に出席しました。
クリスマス・リースが掲げられているグラウンド・ゼロの工事現場
お話のテーマは「光」でした。「光は、暗闇の中で輝く。そして、どんな暗闇も光にはかなわない」という内容でした。一見、お先真っ暗に思えるような状況でも、自分自身の中に希望の光がある限り、そこに向かっていけるんだと、お話を聴いていて改めて確信しました。
正直なところ、日本にいったん戻った後、自分がどうなるのか、まだ、まったく想像がつきません。でも、私は悲観していません。なぜなら、夢を追求するために、私の中に希望の光があるからです。人には無謀に思えることでも、自分の心の中の光が消えない限り、どんなことがあっても、がんばっていけるように思います。
「The light shines in the darkness」と記されているトリニティ・チャーチのフラッグ。去年同様のデザインで彩られています
ところで、今日の礼拝ではイエス様の血と肉を象徴するパンと葡萄酒を分かつキリスト教の儀式・聖餐式が行われました。どういうわけか、ど真ん中の一番前に立つことになり、誰よりも一番最初にパンと葡萄酒を司祭から受ける恩恵に授かったのです。パンと葡萄酒をいただいて賛美歌を歌っていたら、なぜだか涙が止まらなくなってしまいました。
そのとき、この涙の原因は、何なのか自分でもわかりませんでした。ニューヨークへの郷愁なのか、それとも礼拝の崇高さに感動したためなのか…。しかし、今、思うと、その両方だったような気がします。
礼拝が終わった後も尚、心がほかほかしていたので、司祭にその気持ちを伝えに行きました。「初めてお話させていただきます。去年も今年も礼拝に伺って、とても感動しました。明後日、ニューヨークを発つのですが、最後にこの教会に来ることができて、私は本当に幸せです」と。そうしたら、「また、この街に戻ってくるでしょう?とはいえ、新しいスタートが祝福に包まれ、あなたがすべてのことから護られることをお祈りしています」と両手を包み込んで、暖かいお言葉をかけてくださいました。なんだか、新しい始まりに向けて、優しく背中を押してもらえたような気がしました。
グラウンド・ゼロの目の前にある消防署の脇に据えられたクリスマス・ツリー。オーナメントの代わりに犠牲になった消防士の写真や記念品が飾られていて、見ているだけで切ない気持ちになりました
来年、40歳になる節目の年に新しいことを始められる私はとてもラッキーだと思います。32歳のとき、同時多発テロの映像を日本でライブで見て大いにショックを受け、大好きなニューヨークの役に立つことがしたいと思ってこの街に移り住むことを決心しました。
学生からスタートした私のニューヨーク生活。「30歳を過ぎて、ましてや会社を辞めてまで語学学校の学生に戻るなんて」という人もいましたが、そのとき、私は自分の夢の実現へのスタートが遅くも早くもなく、30過ぎの学生生活も悪くないと思いました。
もともと、何事も年齢に縛られず、心が熱くなったときが、“実行すべきとき”だと思っていましたし、同時多発テロによって命を失った方々の無念さを思うと、一度きりの人生、悔いなく生きようと思ったので、自分の気持ちに素直に従いました。
当時の私に壮大で綿密な計画があったわけではなく、「ニューヨークのことを記事にして日本の人に配信することで、同時多発テロ後、客足が遠のいてしまったこの街へ、一人でも多くの人に再び関心を向けてもらいたい」という想いがあっただけだったのだと、今、振り返って思います。
グラウンド・ゼロの傍のツリーの中で一番印象的だったオーナメント。「Sunrise:1977, Sunset:September11, 2001」と書いてあります。つまり、sunrise=生まれた年、sunset=亡くなった年を意図しているわけです。24歳で亡くなった彼の無念さと、残されて、このオーナメントを作ったご家族のことを思うと、心がとても痛くなって目頭が熱くなりました
そして七年経った今、再び見えない力に導かれて決断した“ニューヨーク卒業”ですが、この街で培った、たおやかな生き方と、この街を吹き抜ける風が、これからも、私を支えてくれるような気がします。
もちろん、それなりに不安もありますし、これから、きっと大変なことの方が多いことも予測できます。悲観はしていませんが、楽観もしていません。何が待ち受けているか楽しみではありますけどね。
さらに、前述しましたように、これで、このブログは終わりではありません。むしろ、New beginningだと思っています。しかし、ニューヨークからの配信は残念ながらこれが最後となります。この場をお借りして『ニューヨークの風』の中締めとさせていただき、改めて、皆様に御礼を申し上げたいと思います。
いつも素敵なコメントやメール、お手紙を下さって励ましてくださったり、病気に立ち向かうことをシェアしてくださった読者の皆様、本当に本当にありがとうございます。私が、こうして前向きにがんばれるのも、皆様が、心から紡ぎだしてくださる暖かい一言一言に支えられているおかげのように思うのです。
つらいときや自信を失いかけてへこたれそうになったときに、皆様のお言葉に、どんなに励まされたことか…。cafeglobeにコラムを持つことができたからこそ、皆様に出会えたのだと思っています。矢野社長をはじめ、担当編集者の小松さんやcafeglobeのスタッフの皆様にも、この節目に心から御礼をお伝えしたいと思います。
これからも、折に触れて心情を吐露していきますので、引き続き、どうぞよろしくお付き合いください。
Happy New Year!!