小さな命を守ってあげませんか? [2008年09月05日(金)]
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夏休みと静養を兼ねて、数日間、日本に滞在していた際に経験した“小さな出会い”をお届けします。
日本で編集者をしていたとき、初めて一人暮らしをした思い出の地、自由が丘。 ある日、広告代理店時代の友人と駅の南口の遊歩道にあるお茶をしていたとき、ちょろちょろっと動く小さな物体が視界に入りました。それを、いとも簡単につかんで段ボール箱の中に入れるおじさんと、懲りずに、箱から抜け出す“物体”との微笑ましい光景に目が釘付けになりました。 ![]() なんと、それは雀の赤ちゃんだったのです。 まだ羽が完全に生えきらないうちに、街路樹の巣から落ちてしまったのでしょう。お母さんの後を追って、何度も何度も飛び立とうとします。しかし、一生懸命羽ばたくも、飛距離は延びずに、路上を、とんとんっと歩くばかり。その姿は、まるで子ネズミのようにも見えます。 そうすると、この街の住人らしきおじさんと地元の小学生の女の子が、慌てて後を追って、小雀をつかみ、木の下に置いてあるダンボール箱に入れます。でも、すぐに、その小さな物体は、にょろっと出てきて、果敢に“脱出”を試みるのです。 野良猫や鳩に食べられないように、自転車やバイク、果ては人に踏まれないように、おじさんと女の子は、必死に子雀を見守っているのです。私は、その光景を向かいのカフェから、ず〜っと観ていました。 動物好きな私はいてもたってもいられず、小学校6年生だという女の子に歩みよっていったところ、「触ってみますか?」と女の子が、小雀を私の指に乗っけてくれました。 「この子にお名前はあるの?」と聴いたら、「無印良品の店の前にいたので、“むーちゃん”と呼んでいます」とのこと。彼女は学校の帰り道に、毎日、この遊歩道に来て、むーちゃんを外敵から守るためにベンチに座っているのだそうです。さらに、小学生の女の子は、優しそうな人に寄っていって、むーちゃんへの人々の関心を惹きつける控えめな活動をしています。 ![]() 前述のおじさんがご飯を上げるも、お母さん雀も餌付けにやってきます。私には、皆、同じ顔に見える雀を、小学生の女の子は、「あ、お母さんだ」とすぐに見分けていました。 小雀はご飯を満喫した後、お母さんの後を必死に追いかけますが、どうしても飛べません。小雀、小学生の女の子、おじさんの、その小さくも健気な努力が延々と繰り返されているのです。 夜はどうしているかと思っていたら、小学生の女の子曰く“係りの人”が家に連れて帰って、翌日、同じ場所に戻してあげるのだとか。 いつか、この小雀が羽ばたけるようになったとき、小学生の女の子やおじさんたちは、嬉しいような淋しいお別れを経験するのでしょう。そして、小雀との交流は、二人にとって、忘れられない思い出になるのでしょうね。 ![]() 人々の心の交流が希薄になりつつある都会の真ん中で、小雀のむーちゃんを取り巻く人々の優しさの輪を見たようで、なんだか、とっても心が暖かくなりました。自由が丘の南口の遊歩道で、必死に飛び立とうとしている子雀を見かけたら、是非、暖かく守ってあげてください。 |








