ニューヨークの風
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ニューヨーク・タイムズのレストラン・レビューに物申す! [2007年10月04日(木)]
 
ご存知のように、11月に、初めて『ミシュランガイド東京 2008』が出ます。それに先駆けて、『ZAGAT TOKYO 2008』も10月23日に発売される予定だとか。『ZAGAT』などは、読者からの口コミのコメントを集約しているので、ある程度、公平な判断基準が得られると思いますが、私も含め、プロである人たちの主観が全面に出た評価って、どこまで参考にするか、なかなか難しいですよね。

以前、お伝えしました脇屋友詞シェフによるラグジュアリー・チャイニーズ「WAKIYA」に関するニューヨーク・タイムズのレビューがでましたので、お約束どおり、お知らせします。



フランク・ブルーニというフード・クリティックの人気コラムの評価は、
satisfactory, good=★, very good=★★, excellent=★★★, extraordinary=★★★★と、なっていて、N.Y.のレストラン関係者は、彼が付ける星の数で一喜一憂します。
ニューヨーカーは、このレビューを信じている人が多く、イコール、客足が左右されるからです。そして、なんと脇屋さんは、satisfactory……



私は、以前から、フランク・ブルーニの評価に疑問を感じていました。おまけに、エイジアン・フード以外でも、彼が良い評価をした御店に行ってみると、味が濃すぎて食べることができなかったり、スノビッシュすぎたり……。かと思えば、和食など、繊細な味付けのお店に関しては、一様に評価が低いのです。そして、今回のこのレビュー……。食に関しては世界に誇れる日本で生まれ育った私は、「私は、この人とは意見が合わない!」と、あきれる反面、こうした強烈なコメントも毅然と載せるというニューヨーク・タイムズのジャーナリズム性をお伝えしたくて、敢えて書くことにしました。脇屋さんのためだけではなく、N.Y.でがんばっているシェフのためにも、影響力のあるメディアの主観の評価について触れたいと思います。

どうやら、「WAKIYA」に対して、フランク・ブルーニは“期待が大きすぎた”ようです。彼が、どの程度、アジアの食の事情を知り、本場で食したことがあるかはわかりませんが、プレゼンテーションに対して料理が少ないとか、値段とポーションの割が合わないとか、そんな表面的な小さなことを並べ立てるより、私なら、そのシェフがそのお料理を考え出すまでにどんな背景があったか、どんな素材をどこから入手して、いかに手をかけて作っているかなど、アジア人ならではの繊細さを、きちんと理解してから書くと思うんです。でも、このようなコメントを許し、掲載するんですね、この国は。

そして、彼らは「WAKIYA」などのレストランと緊張関係になったり、このように批判されるリスクは背負ってまでも、署名入りで堂々と自分の主張を貫いています。そこがアメリカのジャーナリズムの潔さであり、日本と、アメリカのメディアの意識の大きな違いであると感じます。

意見の相違は許容し、その存在は尊重する。
逆の論陣を、自分はリスクを背負ってでも、きちんと書く。今回の私のように……。ご存知のように、私は、ニューヨーク・タイムズの愛読者ですが、食に関する記事を書く日本人ジャーナリストとして、このコラムだけは、いつも納得できません。日本人と欧米人の味覚の差を感じざるを得ないからです。私自身、こうしてコラム上で語っているだけではなく、いつか、フランク・ブルーニに直接逢って、彼自身の評価基準を正面から聴いてみたいと思っています。

誹謗中傷や大袈裟な記事を書かない主義の私は、今、発売中の
『CREA TRAVELLER』9/1発売号で、このお店のことを書いているので、ご笑覧下さい。
http://www.bunshun.co.jp/mag/traveller/index.htm
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