ニューヨークの風

数々の刺激とエネルギーに満ちた街、ニューヨーク。現地と日本を行き来するジャーナリスト・入澤依里さんが綴るのは、“暮らしているからこそ感じるニューヨークの醍醐味”。グルメからエンターテインメントまで、最新の話題を現地の空気と共にお届けします!

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移民の国ならではの感謝祭

2008年11月30日(日) 23:55
★★いつも「ニューヨークの風」を読んでくださってありがとうございます。2007年から書き続けてきたこのコラムも早いもので、すでに150回を超えました。
この節目に、新たな気持ちで、新たな章『ニューヨークの風“Chapter 2”』へ移行しますので、
今後も、変わらぬご支援をよろしくお願いいたします★★


なお、「お気に入り」に登録していただいている方は、お手数ですが、下記のサイトへの再登録をお願いいたします。
http://www.cafeblo.com/newyorkcolumn_2/


11月27日はサンクスギヴィング・デーでした。日本のお正月のような、この日、アメリカ中の家族が集まり、ターキー料理をメインにした伝統料理を囲むのが慣わしです(詳細は日経L-CRUISE WORLD TREND WATCHを御照覧ください)。前日には、オバマ次期大統領も長女のマリアちゃんとシカゴで食べ物を配っていました。

★諸事情により、今回のブログの写真はおって公開します。

アメリカに身寄りのいない私は、NYに移り住んで以来、毎年、この時期になるとイタリアやパリなどヨーロッパに逃避行していました。しかし、今年は、夏に倒れたときに静養に寄らせてもらったお友達のお母様のコネチカットの家に御呼ばれすることになりました。

「元気そうで、ほっとしたわ!」と“NYのゴッドマザー”のフランシーンは再会した瞬間に抱きしめてくれました。

そこには、ブラジル、ドゥバイ、ジャマイカ、フランス、ハンガリー、ポーランドなど、世界各国の血が流れるカラフルな人々15人が集まり、食卓を囲みました。その光景は、とても平和で、まさに、移民の国、アメリカの縮図のようでした。

フランシーンは手の込んだお料理を食べきれないほど用意してくれていました。中でもターキー・ローストは生まれて以来、こんなおいしいターキー料理を食べたことは無いと言っていいほど美味でした。特製のココナッツ・クリーム・パイやパンプキン・パイなど、ほかのお料理もすべて美味しくて、おなかがはちきれそうなほど食べてしまったのは久しぶりです。

ちなみに、ターキー一羽の値段をご存知ですか?近所のスーパーで調べてみたら、$30平均でした。私たちは15人で二羽を平らげ、こうして、皆で集うことができたことに感謝し合いました。

話は変わって、サンクスギヴィング・デーのNYの名物として、Macy'sのパレードが行われることはご存知の方も多いと思います。27日にコネチカットに行く前に、NYに来て以来、初めて見に行くことにしました。世界的に人気のキャラクターの巨大なバルーンが次々に現れて大喜びの子供たち―その表情を見ているだけで私も幸せでした。

パレードを喜ぶ子供たちの笑顔に見とれていたら、集合場所のアッパーイーストまでタクシーをタクシーを飛ばすことになってしまいました。たまたま乗ったタクシーのドライバーはインドから出稼ぎに来た人でした。「ムンバイは大変だったけれど、ご家族は大丈夫?」とたずねたところ、「え、何があったの?知らない」と言うので、テロのことを伝えました。彼は、故郷に、両親と奥さんを残してやってきたようですが、インド北部なので、ムンバイから離れていると安心していました。

ホリデー・シーズン真っ盛りのニューヨークでも、テロの警戒レベルが上がり、主要ターミナルの警備が強化されました。いまや、世界のどこにいても、安全なところはないのかなと思ってしまいます。

ニューヨークに移り住んでから、いろいろな国の人と知り合うため、世界が身近になりました。一方で、テロや災害などの犠牲になっている人々のニュースはひとごとに感じません。世界中が本当に平和になる日を願い続けたいと思います。

ところで、コネチカットから帰ってきた私は食べ過ぎのせいか、2時間のドライブによる車酔いのせいか、再びコンディションが悪くなってしまいました。まだ、体調は不安定のようです。毎年、この時期になると、アイデンティティ・クライシスに陥ったり、極度の疲労感を感じるという声をNYにいる友達からよく聞きます。私自身も、そのような波動を感じなくはないですが、この街の良いエネルギーを吸収して、元気になろうと思います。

感謝祭にちなんで、読者の皆様にも感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。発病以来、励ましのメールやお手紙をいただきまして、本当にありがとうございます。大変うれしく拝受しています。まだ、皆様にお返事ができない状態ですが、今後、徐々にお返しする予定です。お返事が遅れております失礼を、どうぞお許しくださいませ。
皆様が、平和に満ちた、楽しいホリデー・シーズンを迎えられますようにお祈りしています。

[ N.Yの季節だより ]
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オバマの経済対策は動物をも救えるか?

2008年11月25日(火) 02:47
オバマ政権の経済チームが発表されましたが、経済の影響は、人間だけではなく、動物にも及んでいます。


冬のN.Y.でワンコにお洋服は必需品! 犬の“託児所”のようなデイケア・センターに預けられるも、ぬくぬくと飼い主を待っているこのコは恵まれていますよね

家賃が払えず、引越しを余儀なくされたり、餌代が払えなくなって飼えなくなったりして、捨てられる犬猫が多いとか。氷点下のN.Y.で捨てられたら、凍死してしまいます。人間の勝手な都合に左右され、何もできない動物に影響が及ぶなんて、あまりにかわいそう過ぎます。

オバマの経済政策によって、罪無き動物がこれ以上憂き目に遭わないといいのですが。オバマが自分の飼う予定の犬だけではなく、ほかの小さな命にも心を向けてくれることを祈ります。

ところで、今週の木曜日はサンクスギヴィング・デイです。毎年、この週末から1週間は、お正月前のアメ横のように街が賑わい、特に5番街は歩けないほどなのですが、週末、5番街を通ったとき、例年より、買い物客が少なく、歩きやすくてびっくりしました。つまり、残念ながら、街に活気が感じられなかったのです。

私自身も、N.Y.に戻ってから、すぐに時差は解消できたものの、あまりの寒さのせいか体調が安定しません。この街も動物も私も、元気になる方法を模索中です。
[ Political Activities in NYC ]
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続・ニューヨークの風

2008年11月21日(金) 05:20
N.Y.に戻りました。成田を30分ほど遅れて出発したのに、追い風のおかげで1時間ほど早くJFKに着きました。幸先の良いリ・スタートです。


寒空に映えるクライスラー・ビルディング

JFKのエントランスから出たとたん、0度前後のキーンと張り詰めた寒さが私を迎えてくれました。ここまでくると「寒い!」という域を通り越しています。この非常にN.Y.らしい寒さ自体は嫌いではありません。

本当は、体に負担をかけないために、タクシーで帰ろうと思っていたのですが、タクシー乗り場で順番を待つことを考えたら、きっと寒さが増すだろうと、目の前に偶然にも止まっていたバスに乗り込んで、マンハッタンのグランド・セントラル・ターミナルに向かうことにしました。


厚着をした人々が忙しなく行き交うグランド・セントラル・ターミナル

グランド・セントラル・ターミナルから自宅に向かう途中、2nd Avenueで「Nelson & Winnie Mandela Corner」という、ネルソン・マンデラと彼の前妻の名を冠したアヴェニューの表示を見つけました。この表示は、オバマが大統領に決まる前(Before Obama)にはありませんでした。これもオバマ効果の一端なのでしょうか。


今まで見たことがなかった道路表示

大きなバッグを持ってバスに乗り込む、様々な国から帰ってきた人々。
仕事と割り切るも、めんどくさそうに荷物を出し入れするバスの運転手。
かすんだ空の向こうに見えてきたツインタワーなき摩天楼。
地下から蒸気による白い煙が沸き立ち、サイレンが鳴り続けるマンハッタン…

どれもバスの車窓から眺めた光景です。見た目では、あまり変化はありませんでしたが、オバマが大統領当確後(After Obama)のN.Y.は、心なしか、落ち着いた風が漂っていました。

また、金融不安の影響で失業者の増加し、犯罪率も高まっていると日本でも報道されていましたが、早速つけたテレビでも、オバマの名前でののしられながら、黒人の少年が襲われたことがニュースになっていました。

オバマの光と、金融不安の影がおりなすコントラストを感じた到着初日のNYです。


青空とのコントラストが美しいアメリカン・フラッグ

実は、今まで、日本やいろいろな国からN.Y.に帰ってきて、マンハッタンに向かう途中、クライスラー・ビルディングやエンパイア・ステイト・ビルディングが見えてくると「ああ、帰ってきたんだ〜」と思ったものですが、今回、バスでマンハッタンに向かいながら、同じ景色を目にしたとき、不思議なことにあまり感慨深くなかったのです。

日本での約2ヶ月の病気療養で里心がついたのか、精彩を欠いているN.Y.の空気を瞬時に感じ取ったのかはわかりません。
次回は12月下旬に日本に戻る予定ですが、NYの輝きと復活を信じる私は、それまで、元気なN.Y.の一面を探してみます。


部屋から見たイースト・リバー

時差で変な時間に目覚めてしまいました。外気は氷点下。セントラル・ヒーティングが効いた部屋でも隙間風を感じ、手動のヒーターをつけました。
明日も0度前後で雪になるようです。

[ NYの風に乗って ]
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病気によって再認識、人生で本当に大切なこと

2008年11月17日(月) 08:00
今週、新たな気持ちでN.Y.へ戻る予定です。



以前より、体中の痛みが軽減し、おかげさまで体調は、だいぶ回復しました。しかし、正直なところ、パーフェクトではありません。雨の日や曇っている日には、頭が痛くなって、なかなか起きれないし、PCを見ているとすぐに目がかすんできます。症状の中でも目のかすみが一番厄介らしく、すぐには治らないこと。この症状が治まったときが、“完治”なのかなと自分で思ったりしています。


PCのキーボードの上に乗るミケ。私の目を心配して…と言いたいところですが、肉球の写真を無理やり撮ろうとしたら怒り、こうすることで彼女なりの抵抗を表したかったようです

さらに、ちょっとしたことに傷つきやすく、精神的な圧迫やダメージがあると、頭や首、肩が痛み出し、目のかすみがひどくなります。しかし、お医者様に、渡米することへの承諾を得ることができました。「基本的に、何をしてはいけないというのはないし、薬さえあれば、どこででも過ごすことができる」のだとか。念のため、NYで緊急事態が起こった場合の、線維筋痛症の専門医も紹介していただいたので安心です。

10月初旬に病名が発覚し、治療が始まって以来、1ヶ月半の日々…、痛みで何もできずに暇をもてあますか、精神的に落ち込むか、どちらかだと思っていたのですが、今思うと、人生で、かけがえのない時間を過ごすことができたように思います。

今までは、仕事と自分のことで精一杯で、いろいろな人のことを気にかけつつも、何もできませんでした。しかし、こうして、ゆったりとした時を過ごすことができる今、心から、その人たちの幸せや健康を心から祈ることができるようになりました。


昨年の11月16日に亡くなった甲斐犬のブルータスと父。父の最愛の犬であり、パートナーであり、常に物静かで、頼もしく、一家を護ってくれていた忠犬でした

中でも、今まで、親不孝を重ねていた私は、忙しくしていたときから、何かに追われることなく、両親とゆっくり過ごしたいと思っていました。それが私にできる、せめてもの親孝行だと思ったからです。そして、今回、念願かなって、両親と、彼らの生活のリズムを尊重しながら、のんびり過ごすことができたことは、私の病気にとって、一番の特効薬だったように思います。
犬や猫たちと普段以上に“蜜月”を過ごせたこともかけがえの無いとても幸せな時間でした。


暖かい日差しの中で日向ぼっこして幸せそうなカイ(左)とポテ(右)

彼らと過ごした時間は、寒いN.Y.で、がむしゃらに働いていたら、きっと味わえなかったことでしょう。
変な話ですが、病気になったのも、神様が与えてくださった人生を見つめなおすための特別な時間のように思えました。


「C」の字の上で、白いポロシャツを着て両手を振っている人たちが見えますか?すぐに再会できるとわかっていても、毎回、帰国時には成田まで送ってくれ、私がタラップを通って機内に入って見えなくなるまで手を振り続けてくれていた父と母の小さき姿です

そして遅ればせながら、自分にとって、本当に大切にすべきことや人がやっと明確になってきました。さらに、こんな状態でも、夢をあきらめないでいようという不屈の精神が身についたことも、優柔不断な私にとっては、むしろ、良かったのではないかと思います。

“すべては益になる”―これは、私の座右の銘なのです。「どんな辛いことが起こっても、それは何か良いことにつながるきっかけであって、人生に無駄なことは何も無い」と言う、このメッセージの意味を、病気を通じて改めて実感するに至りました。

ところで、皆さんにとっての人生でかけがえの無いことって、何ですか?
[ NYの風に乗って ]
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オバマ次期大統領誕生後のN.Y.

2008年11月13日(木) 16:28
ニューヨークの知人たちから、オバマ次期大統領誕生後のニューヨーカーの声、街の様子が日々、伝わってきています。


オバマ氏がArugula(ルッコラ)が大好きというわけでもないと思うのですが、こんなところにまでオバマ氏の写真を入れてしまうニューヨーカー。なんだかかわいらしいと思いませんか?photo by Akiko Omori

これは、ユニオン・スクエアに軒を連ねるグリーン・マーケットのワン・シーンですが、こんな小さなところにも、彼らの喜びが表されています。

一方で、レストランがガラガラだったり、倹約モードが漂っているという声も聞きます。金融不安の煽りが、依然として爪痕を残しているようです。

オバマ次期大統領はchange.govというサイトを立ち上げ、新政権での職員募集をしています。それ自体、とても素敵な試みですが、雇用数は、決して多くはありません(志願者は、FBIに、徹底的に素性を調べられるようです)。

草の根的運動で堅実に名を上げたオバマ次期大統領なので、ドラスティックに、そしてすぐにアメリカを変えることはできないかもしれません。


N.Y.は、今、紅葉が一番綺麗な時期。枯葉が晩秋の物悲しさをそそります。Photo by Takashi Matsuzaki

個人的には、なにごとも“変革”には痛みがつき物だと思っています。せっかちなニューヨーカーが、しびれを切らさず、オバマ次期大統領の変革を待つことができればいいなと思っています。



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オバマ家に子犬がやってくる!

2008年11月8日(土) 22:50
オバマが当選した直後から現在まで、NYの知人たちから、ニューヨーカーの様子や街の変化を伝えるメールが続々と届きます。中でも印象的だったのは、5日の朝、10時までに、ニューヨーク・タイムズが完売したこと。同紙を買うために数件の店を探してもどこにも見つからなかったという声も聞きました。


通常100万部の発行部数のニューヨーク・タイムズは、この日、さらに40万部増刷するも、完売。普段、ネットでしか記事を読まない人が、“記念に”とミッドタウンの本社に並んでまで買い求めていたそうです。同時多発テロ以来の異例の事態だとか。Photo by Reiko Kato

さらに、「We did it!!」と大きな文字でメールしてくる人や、「4日の夜は興奮して眠れなかった」というニューヨーカーもいました。5日の朝は、いつも忙しないニューヨーカーがすがすがしく見えたとも聞きました。

普段クールなニューヨーカーも、オバマの勝利によって歓喜と興奮に包まれたわけですが、オバマ次期大統領の手腕が現実的に問われるのはこれから。私が帰るころ(11月末を予定)は、N.Y.の街や人々がどう変わっているのかを、再びお伝えしますね。

ところで、オバマ政権が徐々に確立されつつある中、初めての記者会見が行われ、すぐに解決すべき重要課題が発表されましたよね。その中で印象的だったのは、「オバマ家では、どんな犬を飼うのか」と言う記者の質問に、オバマ次期大統領は「重要な問題です」と応えていたことです。

先日、ブッシュ現大統領の愛犬バーニーが、報道陣の一人に噛み付いてニュースになったのには笑えましたが、オバマ次期大統領が犬のことを“重要な問題”と言ったのは、それを揶揄したものなのです。そんな話題が記者会見に上ることにアメリカらしいユーモアと余裕を感じました。


犬までも、ダメな話題を振りまくブッシュ政権も、あと2ヶ月強でおしまいに。このTシャツ、民主党支持者の多いNYでもさすがに着て行き場に困ってました

オバマ次期大統領は、マリアちゃん(10歳)とサーシャちゃん(7歳)という二人の娘さんに、犬を飼っても良いと約束していて、勝利演説でも「ホワイトハウスに子犬を連れて行こう」と言っていました。可愛い子供たちがホワイトハウスに入ることだけでも、雰囲気が和むと思いますが、オバマ家に子犬が着たら、もっと、微笑ましい話題が増えそうで楽しみです。

11月5日付けのニューヨーク・タイムズでも、「The Search for the First Puppy」と題して、オバマ家にやってくる犬の話題を取り上げています。

会見でオバマ次期大統領は、「自分と同じくいろいろな血が混ざっている“雑種”を動物愛護センターから引き取ることになるだろう」と言っていました。

我が家も、年頭に動物愛護センターから雑種のポテト(2歳)を引き取りましたが、彼は、引き取られたことに対して、とても恩義に感じているのか、聞き分けが良く、人懐っこくて、いまや、すっかり我が家の犬らしくなり、家族にも道で会う人々にも愛嬌を振りまいています。


家族の忠誠心をアピールするために、夜になるまで、小屋に入らず、雨の日でも寒い日でもこの位置にいて、セキュリティ・システムのごとく訪問者に対して吠えるポテ。母に“セコム犬”と呼ばれています

オバマ次期大統領が、血統書つきの高級犬ではなく、忠誠心を発揮しそうなワンちゃんを選ぼうとしているところも、彼らしくて、とても好感を持ちました。
果たして、オバマ家に選ばれ、ホワイトハウスにやってくるのは、どんなワンちゃんなのでしょうね。そして、犬の到来はもちろん、彼がどんな政治を実現していくのか、今から楽しみです
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オバマの夢、私の夢:捲土重来を期す!

2008年11月5日(水) 13:20
「将来はアメリカの大統領になりたい」―
ハワイで生まれ、インドネシアで少年期を過ごしたオバマは、小学生にして、こう語っていたのだそうです。そして、彼は不可能と思われる夢を実現し、まさにアメリカンドリームを体現しました。初の黒人大統領の誕生です! 夢は、あきらめず、希望の灯火を絶やさなければ、叶うものだということを見せてもらった気がします。


オバマ関連のグッズのデザインはクールなものが多いです

オバマを立候補時から見てきて、本日、投票中継にかじりついていた私は感無量です。約二年にも及ぶ彼の長い長いマラソンを手に汗握って観戦していた感があるからです。

以前にもお伝えしましたが、当初、私はキャリア・ウーマンの代表のようなヒラリーを彼女が立候補する前から支持していました。しかし、実際に4年ほど前にヒラリーに会ったとき、彼女は笑顔でしたが、目が笑っていなかったのです。

本能的に何か信頼できないものを感じ、以来、ボランティアの人々と共に有権者に電話をしたり、$15〜の政治献金を募るなど地道な活動をしているオバマに共感を覚えるようになりました。さらに、さまざまな人種の血が流れ、差別や苦労を多大に受けたオバマのバックグラウンドを知って、人種や国境を越えた人間らしさを感じるようになりました。


オバマ効果で、「歴史をも変えるような候補者に投票しないと!」と、今まで投票したこともない若者も多く投票につめかけ、今年の選挙の投票者数は歴史的数字になるようです

余談ですが、いまさらながら嵌っている『24』に出てくる、真実を好む正義感の強い黒人大統領に、私はオバマを重ねて見ていました(現在、シーズン3の2巻目)。なので、私にとって、黒人大統領が誕生することは、まったく違和感がありませんし、オバマが『24』の大統領のように勇敢で国のため、世界のために無益な戦争をやめて、真実のみを語る大統領であってほしいと願っています。

ところで、2000年は、マドンナが投票を呼びかけていましたが、今年は、クリスティーナ・アギレラがさかんに投票を呼びかけていたとか。NYの街には、このポスターがはりめぐらされ、クリスティーナが投票を呼びかけるCMが盛んに流れていたそうです。

さらに、ジョージ・クルーニー、スティービー・ワンダー、レオナルド・ディカプリオなど多くのセレブリティがオバマを支持しています。衛星放送でABCを見ていたら、オバマの出身地、シカゴでは、オプラ・ウィンフリーが登場し、「同時多発テロ以来の、アメリカ国民の団結になった」と、熱を入れてコメントしていました。

ちなみに、アメリカの大統領になるための条件は、下記のようなことが満たされていることとされるってご存知でしたか?

・アメリカ生まれであること
・アメリカ国籍を保有していること
・14年以上アメリカに住んでいること
・35歳以上であること

しかし、すごいことですよね。いくらオバマがアメリカで生まれたとはいえ、ケニア生まれでイスラム教徒のお父さんと、カンザス州生まれの白人のお母さんの血も混ざっているわけです。移民の子供が国の元首になるなんて、日本では考えられませんよね。


オバマのN.Y.での勝利は確実視されていたので、オバマ支持者の若者は、ボランティアでほかの州に行って、マケイン支持者を説得したり、オバマに偏見を持っているお年寄りに本を贈ったりと地道な努力をしたようです。まさに、オバマのカリスマ性が求心力となった、一人ひとりの努力の勝利と言えますね

ところで、今回の大統領選を例年に無く楽しみにしていた私は、NYの街の空気感を体験するために4日に、NYに戻ることを前日までぎりぎりまで悩みました。そして、ご存知のように、病気のために、歴史に残るすばらしい瞬間にアメリカにいられなかったことが、本当に悔やまれてなりませんでした。タイムズ・スクエアで年末のカウントダウン状態に盛り上がる人々を見ていて、現地で、人々に交じって、彼らの肉声を聞き、熱狂を共有にしたかったと思いました(あ〜、まだ口惜しい!!←往生際がかなり悪い私です)。

しかし、私の夢は、すでに4年後に向かっています。日本の報道とアメリカの報道を比較しながら見ていましたが、日本の報道は論客の解説が多く、アメリカ国民の肉声が少ないように思いました。選ぶのは彼らなので、その理由などを聞いてみたいと思うのは私だけでしょうか。4年後には、ぜひ、私なりの視点で取材し、報道したいです。

さらに言うと、いつか生まれてくる自分の子供が、アメリカ大統領になる可能性があるかもしれないなんて、壮大なことも考えたりして…(皆さんも、アメリカで出産すれば、可能性があるわけです!)。オバマのように、最後まであきらめず、夢の実現に向けて希望を捨てずにがんばっていきます。この悔しさをバネに捲土重来を期したいと思います!!

ところで、オバマ大統領は、一安心した今日、どんな夢を見るんでしょうね。

★追記:11月7日(金)7:00AM- TOKYO FM「クロノス」にて、リサ・ステッグマイヤーさんと「大統領選、ニューヨーカーのリアル・ヴォイス」についてお話します。
併せて、日経BP TRENDY NET「WORLD TREND WATCH」でも、上記のテーマで緊急執筆しましたので、ご笑覧ください。

[ Political Activities in NYC ]
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母と銀座とH&Mと

2008年10月31日(金) 13:21
ある日突然、母(60代後半)が、銀座にできた「H&M」に行きたいと言い出しました。「最近、あなたはどこにも出かけてないから、気晴らしがしたいんじゃないかと思ってね」と。


寒かったけれど、快晴の銀座。混んでいるけれど、東京の中でも好きな街です

私は、この病気の一因ゆえか、人混みにいると気持ち悪くなってしまいます。しかも、ショッピングにはほとんど興味が無いので、よりによって入場までに3時間待ちと言われる「H&Mなんて勘弁して!」と言うのが本音でした。

しかし、今までの帰国時は、あまりの忙しさに、母と出かける時間どころか、実家で食事をする時間も取れず、「あなたと一緒にショッピングやお食事に行きたかったわ」と、NYに戻る前日に、きまって淋しそうにつぶやく母に申し訳ないなあという気持ちでいっぱいでした。

寒くて頭が痛かったのですが、母のたっての希望に応えようと人混みのメッカである銀座に行くことにしました。内心、人混みで気持ち悪くなってさらに頭がいたくなったりしたらどうしよう…と不安を抱えながら。

H&Mに並んでまで行くつもりがまったくなかった私は、行く前に、お店に電話して、「3時間待ちの噂」を事前取材しました。すると、「平日の午後なら、比較的空いていて、待っても30分ぐらい」とのこと。そして、母とランチをした後、お昼休みが終わるころ(1時過ぎ)を狙って、いざ、H&Mの前に到着。


セキュリティの人が入場制限をするエントランス。N.Y.のH&Mでは、マドンナなど広告キャラクターになった人が訪れるときだけ、こんな状態になります

確かに、並んでいましたが、幸運にも10分も並ばずに、するするっと入ることができました。しかし、入った瞬間に「ねえ、もう帰ろうよ〜」と母に言ってしまったほど、店内は、人人人!まるで混んでいるクラブ状態です。一方で年齢層の幅広さには驚きました。10代、20代の若いお嬢さんはもちろん、母ぐらいの年齢の洒落た女性が多く見受けられました。

この店のエントランスが、購買意欲に溢れた人々を吸い込みます。お店に入れた瞬間、みな、お目当てのアイテムを見つけようと、わき目も振らず、ぶつかっても何も言わず、夢中でショッピングをはじめます。そんな人々のショッピングに対するエネルギーに気圧され、私はクラクラしました。

そして、あっという間に母を見失いました。やっと見つけた母はのんびりと自分のペースで服を探しています。私は居場所がないので、目の前にあったコートを着てみたところ、重いのにびっくりしました。これでは着ているだけで肩が凝ってしまいます。周りの人も同じ感想をつぶやいていました。クオリティは、値段並みというところですね。

ふと見ると七部袖の黒いワンピースがあり、さっそくゲット(私は無類のワンピース好き!)。なんと、3200円なり。そのほか、ソックス5足1290円、ポンチョ風ニット9900円、髪留め290円が本日の戦利品でした。母が、うれしそうに買ってくれました。独立してからは、私がプレゼントするほうが多かったので、子供に戻ったような気分でした。


移動が多い私は、しわになりにくいい服が好きです

このお店の人気の秘密を私なりに分析してみました。
さまざまな有名デザイナーとコラボレーションし、着こなしを自在に楽しめるシンプルなアイテムのほとんどの商品が1万円以下で買えるという、ファッション性と値ごろ感を兼ね備えている点ではないでしょうか。そして、2週間ごとに、すべてのアイテムを変えて、希少価値性をもたらしているところも、うまい戦略ですね。


右上:並んでいる人に配るカードのよう。携帯で見ることができる特典や、サイズ表、返品や商品交換の情報など「H&Mで賢くお買い物するためのコツ」が記されています。特にサイズ表は事前に見ておいて参考になりました。小さなことですが、カスタマーサービスも工夫してます

道中、「疲れた」「人混みで気分が悪い」と、何かにつけ文句ばかり言っていた私に、母が「今日はありがとうね。楽しかったわ」と、つぶやきました。私は、思わず、「えっ」と思って立ち止まりそうになりました。病気になって親に迷惑ばかりかけてしまい、申し訳ないと思っていた上に、こうして連れ出してくれて洋服まで買ってもらってお礼をいうべきは、私のほうだからです。

そうでなくても、私は、普段、恩を忘れて反抗ばかりしているので(同性の親との関係って、そうではないですか?)、傍にいるときは、できる限り大切にしてあげようと思いました。


Not For Sale。ブーツでもありません。ミケの手ですが、こんな靴下があったら暖かそうですよね
[ わたしのこと ]
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日米癒し猫ちゃんのお話

2008年10月27日(月) 19:02
N.Y.では、ねずみを捕ってもらうことを目的として、猫を放し飼いにしているお店をよく見かけます。


オーガニック・スーパーの看板猫のカンジーちゃんは、ねずみを捕るどころか、一番下の棚のお米の上で眠ることが日課

以前に、お伝えしたオーガニック・スーパーのデブ猫カンジーちゃんもそうですし、ほかにも、ワイン・ショップにも猫がいます。どういうわけか、みな一様に太っていて、レジに寝そべっていたり、床にごろんと寝転がっている姿を見ているだけで和んだりします。

まるで、この猫ちゃんたち、生きる招き猫であるかのように、存在するだけで、人を呼び込み、癒す、すごい能力を生まれながらに備えているんですねえ。


担当編集者の小松さんのお気に入りの猫の手。うちのミケは、よく手を出して寝るのでシャッターチャンスを逃しませんでした!

さらに、アメリカではお店はもちろん、図書館にも、名物の癒し猫ちゃんがいるのです。
特に有名な猫ちゃんは、アイオワの図書館の返却ボックスに捨てられて凍死寸前だったデューイ。子猫だったデューイは、図書館に保護され、18年に渡って大事に育てられました。その恩返しか、毎朝、来館者のお出迎えをしたり、訪れる人々を歓待して、図書館の知名度を上げ、小さな田舎町に活気を与えました。

2006年の冬、育ての親である館長さんの腕の中で息を引き取ったデューイの訃報は、全米を駆け巡りました。300紙もの有力紙に死亡記事が載るほどだったのです。

その館長さんによるデューイとの18年の日々をエッセイ『Dewey, a Small Town, a library and the World's Most Beloved Cat』にまとめました。その出版権が、1億5千万円で買い取られたというニュースを日経BP社の連載コラム“WORLD TREND WATCH”で報じたのは去年のこと。

10月9日に日本でも翻訳版『図書館ねこデューイ』が早川書房から出たようです。この猫ちゃんは、図書館に訪れる、心に傷を負った人のひざの上にちょこんと乗ったりして、多くの人を癒してきたそうです。


ひざの上で寝ていても、時々心配そうに上を向くミケ。撫でてもらうとご機嫌に

うちの猫のミケも、毎日、私を癒してくれます。最近では、こうして原稿を書いているときには、必ずひざので丸くなって、冷え性の私のひざを暖めてくれますし、気落ちしているときは、それを察してか体をぴたっとくっつけて一緒に眠ってくれます。それだけで、とてもとても心が落ち着き、彼女の安らかな寝顔を見ているだけで穏やかな気持ちになれます。


この数日、私が体調が悪かったのを察したのか、ミケは毎日のように一緒に寝てくれました

私は大概の猫とお話ができるので(と、本人は思い込んでいます!)、うちのコとは一緒になってにゃーにゃー話す(?!)こともあります。私も彼女の伝えたいことがわかるし、向こうも、こちらのコンディションを理解してくれるようです。


電話をしているときに限って、ニャーニャーなくミケ。会話に参加したいのかも

何も話さなくても、傍にいてくれるだけで癒してくれる、このちっちゃい生き物に、毎日、感謝しています。動物の存在は偉大です!私が気落ちしても、こうして元気でいられるのは、うちの動物たちのおかげです。衛生上の問題もあることは承知していますが、動物と触れ合える医療施設があると、動物好きな患者さんは癒されるのではないかなと思いました。
無類の動物好きな私の動物とのふれあい話、今後もお付き合いくださいね。
[ 身近な幸せ ]
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“国連の日”をご存知ですか?

2008年10月24日(金) 19:01
10月24日が「国連の日」であることをご存知でしたか?



1945年10月24日に国連憲章が発効したことを記念して設けられた国連の記念日なのです。
私は、UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)のメールマガジンによって、知ったのですが、この日のことはもちろん、世界難民の日(6月20日)や国際貧困の日(10月17日)など、国際貢献を象徴する日が存在することは、意外に知られていないのではないかと思うのです。

今日、病院の帰りに、先日、ご紹介した青山のカフェで、お薬を飲んだ後、国連の日に関するイベントを行っている国連大学に立ち寄りました。



前述のUNHCRはもちろん、UNICEF、WFPなどが、外にブースを構えて、活動の様子を訴求するパンフレットなどを置いていました。しかし、これは、あくまでも個人的な意見ですが、どうも、近寄りがたく、パンフレットを読んでも、複雑で難解なのです。

もちろん、国連関連の組織の活動は、国や文化などを越えて複雑に絡み合い、容易に表現できるものではないことも十分承知しています。

しかし、今まで、国連関連の記事を日経BP「NIKKEI BP NET」の連載コラム『国境を越える風〜等身大の国際貢献』で、何度か書いていますが、取材を終えた後でも、組織や専門用語が複雑でなかなか理解できず、苦戦した経験が多々あり…。
より多くの人に、国際貢献への意識を高めるためには、万人に理解されるわかりやすさと、身近に思えるような接点が、あと少しだけ必要なのかなと、常々思うのです。

日経BP「NIKKEI BP NET」のコラムでは、わかりやすい姿勢を体現したイベントや企画などに注目して、それを皆さんに伝えています。さる9月11日のニューヨーク・ファッション・ウィーク中に行われたデニム・ブランド「G-STAR」と国連ミレニアム・キャンペーンのコラボレーションもその一例でした。

以前、カンボジアにボランティアに行った際に空港で見つけた絵本『The Hungry Man』も、書かれたメッセージが明快でした。国際貢献をする側の立場を明確に短い言葉とおとなが共感を持つ絵で記しています。これは、国連ジュネーブ本部のスタッフが書いたものです。



こうした絵本やイベントに限らず、なにかもっともっと、一人ひとりが優しい気持ちになって、負担にならずに身の丈の国際貢献ができるさりげない方法が無いかと、スローダウンしている今だからこそ、ひとごとではなく真剣に考えています。


丸くなって考えてます

最後に付け加えておきますと、今日だって、魅力的なアイテムはありましたよ。私自身、子供のように単純明快なものを好むせいもあるのですが、この写真のように、“ミレニアム開発目標”8か条を記したブックマークや、世界人権宣言をわかりやすいイラストと短い文章および実例を記したパスポート風のミニ絵本には、とても惹かれ、つい手が伸びてしまいました。そして、書いてあることも瞬時に理解できました。



すぐにアイデアが浮かぶわけではありませんが、ヒントは自分の好きなものや身近なところにあるかもしれませんね。
[ International Contributions ]
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プロフィール
Profile
入澤依里

執筆家。NYに7年間移住し、『ELLE Japon』 『ELLE a table』などの雑誌や、ウェッブメディア『nikkei BPnet』内でコラム『国境を越える風』などに寄稿。 現在、日本を主な拠点とし、“世界の子供のために役立つこと”をライフワークにするすべを模索中。 翻訳絵本『THE KISSING HAND-キスのおまじない』(アシェット婦人画報社刊)は「全国学校図書館協議会・選定図書」「日本図書館協会・選定図書」に認定された。 翻訳書『静かに恋を見つめてみませんか?』(主婦の友社刊)、『ZAGAT TOKYO』(英訳)がある。


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