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☆大切なお友達☆ (28)

愛の幻滅(上)(下) 田辺聖子

2008-04-05 21:35:54
田辺聖子の小説の復刻版「私的生活」三部作が
大変好評だったようで、この本も新しく復刊されてます。

昭和53年のOL小説です。

愛の幻滅 田辺聖子 


【あらすじ】

主人公の眉子は、ただいま28歳。
未婚のハイミスである。
(昭和53年では、28歳で未婚は立派なハイミスなんである

そんな彼女は、妻子ある中年男「東野」41歳との恋の真最中。
東野は、関西らしいチャランポラン男で、
「目の前の草だけ抜いてたらいいねん。」
(=難しいこと考えんと、今を楽しんだらいいねん)と言いつつも、
鼻ぺちゃの眉子のことを
「僕のペチャメンタイン」と褒め上げる、
なかなか可愛げのある大人の男であります。

そんな東野と、心はずむ恋をしながらも、
やっぱり1人暮らしのアパートで、風邪で寝込んだりすると、
さみしくてたまらなくて、東野に
「奥さんが寝込んでも、こんなに優しくしてあげるの?」
と八つ当たりしてしまう眉子。

複雑な女ごころが揺れるうち、
会社の同期の稔から、「僕と結婚せえへん?」と
アプローチされるものの、やっぱり東野が好きで、
本気に出来ない。

そうこうしているうちに、東野の奥さんが
重い病気をわずらい、
眉子は東野になかなか会えなくて、
さらに心は揺れ動く・・・・。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

田辺聖子の小説の中の、
「妻子持ちの男とつきあう」ジャンルです。
(田辺聖子の小説は、結構このジャンルが多いのです。)

東野のことが大好きで、できるだけ一緒に居たい。
だけど、奥さんを押しのけて、結婚したい訳でもない。

といいつつ、1人で、ハイミスの友(ストーブ)と
過ごすアパートの夜は長くて、淋しい。

ドロドロした不倫は嫌いで、
「笑い恋」にしたい思いつつも、
なかなか割り切れない眉子の心情が切ないんだなあ。

タイトルのとおり、「愛の幻滅」に向かう眉子が、
1人でこっそりと恋を終わらせる決心をするくだりが
まるで祭りの終わりみたいな虚しさがあって、
恋の終わりは切ないものやなあ・・・というおハナシでございました。


【おまけ】

この中の、昭和の風俗が色々面白いです。

昭和53年だと、携帯電話もないし
デートの約束は、「会社の電話」にかけたり、
アパートの共同電話でしたりするんですよね。
デートの日時を決めるのも、大変ですな。

そして、普通のOLが、なぜか冬になると、
コートの代わりに、毛皮を着て出勤するという
くだりがあって、びっくり。
そういえば、あの頃は、OLさんがお金をためて
一生もののつもりで、毛皮を買うのが流行っていましたよね。

そんなこんなの、懐かしい昭和の風俗史も感じられるホンでした。
嬉しいコメント★
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