皿を味わうことも、料理人の言葉に耳を傾けることもせず、
「絶品」だの「究極」だのと、無邪気な言葉で飾り立てる。
昨今、そんな「中身のない番組」の、なんと多いことか。
ツブ貝のソテーは、みずみずしい沖縄野菜と合わせた。
本来は作品なり人なりに心底惚れ込み、「これを、このまま、
世に埋もれさせるわけにはいけない!」というモチベーションが
あり、その魅力を最大限に伝える努力をすべきはずなのに。
口の中がサプライズ。トリュフのアイスに涙が止まらない。
メディアに携わる者の端くれとして、そこは絶対に譲れない。
そして僕が、「1人でも多くの人に知って欲しい」と思って
やまぬ料理人こそ、このブログで何度も何度も紹介してきた、
西麻布の鉄板フレンチレストラン「a hill」の石塚雄二シェフである。
幾多の修羅場を潜り抜けてきた、人呼んで「鉄板の猛者」。
その骨太な人生は、料理の最高のスパイスになっている。
これはズルイ。何にかけても旨い自家製のトリュフ塩。
市販のものより粒が大きいのが、ちょいワルたる所以。
旧知の編集者、加門姉さんから「おもてなしが★★★の店」
というお題で執筆を依頼されたとき、真っ先に浮かんだのが、
石塚シェフの、まるで少年のようなキラキラした笑顔だった。
このフィレ肉の火の入り方の見事なことと言ったら!
当たり前だが、ハンバーグだけが「a hill」ではない。
「メトロミニッツ」最新号の記事は、僕が何度も店に足を運び、
そこで得た実感そのものであり、嘘も偽りも誇張も虚飾もない。
足を運ばれたことのない方は、ぜひ、足を運んでいただきたい。
僕の言わんとすることが、手に取るように、わかるはずだから。