今日は
BS朝日「FooDictionary」の収録でした。
毎回、1つの食材をテーマに1時間喋り倒すという、
シンプル、かつストイックなグルメ番組。料理評論家の
山本益博さんと、料理のレシピ本も出版されている
キャスターの望月理恵さんのお2人が、その食材に
ゆかりの深い料理人を迎え、地上波ではある意味
不可能な、ディープな食の話題に花を咲かせています。
今回収録分のテーマは、これからまさに旬を迎える鮎。
そして、益博さんからご紹介いただいた、鮎とゆかりの
深い料理人の方がスゴかった。食通の方は名前ぐらい
ご存知かも。「開化亭」のご主人、古田等さんであります。
まず、何がスゴイって古田さんは何と四川の料理人。
なのに、どんな和食の料理人よりも鮎を知り尽くしている。
(しかも大きな店での修行経験がなく、ほぼ独学!)
そして、古田さんが腕を振るう「開化亭」というお店が、
これまたユニークで、一見すると街の中華料理屋さん。
しかし、一歩暖簾をくぐると、地元の人が、1000円も
しないラーメンや炒飯を食べているかと思えば、その横で、
益博さんのようなグルメな人たちが、3万円もするコースを
食べていたりする、立派な高級中華料理店なのです。
そしてわずか8席のカウンターは日本中の料理関係者で
連日大盛況。ミシュランの三ツ星に輝くあの有名外国人
シェフも、わざわざ新幹線に乗り、食べに出かけたのだとか。
そう、「開化亭」、実は岐阜県にあるのです。(岐阜市役所の裏手)
そんな古田さんが、シンプルに塩焼きにするのが一番美味い
鮎に、いったいどんな魔法をかけるのか、興味津々の我々の
前に、堂々姿を現したのは、「鮎の春巻き」に「鮎ラーメン」。
「究極の鮎の塩焼き」をイメージした「鮎の春巻き」は、
まず、3枚に卸し、アタマと骨、尻尾を素揚げに。そして、
内臓はすり潰してゼラチンで固めます。それをまな板の上で
もう1度、鮎の形に再構築。それを春巻きの皮で包んで
揚げるのです。すると、頭はカリカリと香ばしく、身は生の状態から、
程よく火が入りホクホクに、そして、固めたゼラチンが揚げている
うちにジワジワ溶け出し、全体に染み渡る。「究極の鮎の塩焼き」
とは、まさにこのことでした。失礼ながら、岐阜の中華料理屋の
仕事とは思えない、手の込みよう。聞けば、そのイメージは、
かの天才料理人、ポール・ボキューズのスペシャリテ「スズキの
パイ包み焼き」にヒントを得たものだというから、またビックリ!
一方「鮎ラーメン」も、タダ者ではありませんでした。にしんそばの
ように、ただ煮付けた魚が乗っているだけかと思いきや、スープは
鮎のダシをしっかり利かせた、品のいい上湯スープ。それに細麺を
絡ませ、その上に、鮎の素焼きと、内臓を包んだワンタンを乗せて
いただく。これまた作るのに1時間と、恐ろしく手間のかかる一品。
縁あって、料理の番組をいくつも担当させていただいているのですが、
何よりシアワセなのは、古田さんのような、才能と、イマジネーション
溢れる料理人の方たちと出逢えること。これにまさるものはありません。
いや〜あんな素晴らしい料理に負けない原稿を書けるのか、オレ?!
ちなみに放送は、毎週水曜日、22時からです。見てね(*^ー^*)