虫。昆虫。脚が6本かもっとたくさん。複眼。
胴体がしましま。羽。リンプン。にょろにょろ。
(ここまで↑の文字を見ただけで鳥肌が立った方は、下の写真はご覧にならないほうがいいかもしれません。)
私は小さい頃は虫大好き少女でした。
ダンゴムシでもカマドウマでも手づかみで遊んでいました。
でも、大人になるって何なんでしょうね。
最近はダンゴムシでさえ直接触るのはやっとこさです。
でもでも、もうここ15年ほど、これからは「虫食」なのではないかということがずーっと頭にありました。
気候変動やピークオイルなどの問題で、食肉や卵・乳製品の値段はこれからじりじりと上がり続けるでしょう。
そもそも2050年には90億人に達する人類を食べさせるには、たくさんの穀物と時間を与えないと育たない牛や豚はぜいたくすぎる可能性が高いのです。
そ・こ・で、虫なのです!
多くの虫は、少しの植物の葉や穀物で簡単に飼育することができます。
しかも、虫は高タンパク低脂肪でからだにいい。
動物の肉には少ないカルシウムもいっぱいです。
実際、これからやってくるだろう食糧難の時代をにらみ、学問の世界では虫食に関する研究はたくさん行われているとか。
と、こんなことをエラソーに言うならまず自分が食べなければと、長いことそれで頭がいっぱいでした。
虫食の体験が最高に楽しく描かれている「ほそいあや」さんの記事をなんども読み返して、イメトレを重ねてきました。
●ほそいさんの虫食な記事1(@nifty デイリーポータルZ)
●ほそいさんの虫食な記事2(@nifty デイリーポータルZ)
先日、そんなほそいさんが登壇される「虫食いフェスティバル」というものがあるとほそいさんのツイートで知り、予約をして行ってきましたのです。中心人物は、虫食では日本の第一人者の内山昭一さん。
会場は、すでに100人以上の参加者で人いきれがするほどでした。

中野駅そばの、公民館のような不思議な空間が虫食いフェスの会場でした。参加者は30〜40代が多く、多くが虫食初心者とか。でも壇上の内山さんの「この虫食べてみたい人!?」という声にハイハイハーイ!とたくさん手が上がる熱心さ。

さっそくいただいたのは、蛾のおにぎりと、蚕の糞茶。
どちらも30分位眺めて勇気をチャージしてからいただきました。
蛾は羽をむしって甘辛く煮つけてあるので、ちょっと食感がコソコソするものの、何かの佃煮風。
糞茶はこれが意外とおいしくて、おかわり行けそうでした。
蚕は桑の葉しか食べないから、桑の葉の紅茶のようなものなのかも。
どうやら漢方としても使われてきたもののようです。
これらをいただいて勇気の再チャージ速度が早くなってきたところで、乾燥させた蚕のサナギ(繭の中身)を1ついただいてポリポリ。
これがスナックのようで、タンパク質らしいいい風味もあってなかなかおいしかったのです。齧ったサナギの断面は凝視できなかったですけど……。
そして次は、キイロスズメバチを漬け込んだ米酢のソーダ割りへ。

★モザイクにカーソルをあてると鮮明になります★米酢のソーダ割りに、コクと香ばしさが加わった感じで、なかなかおいしい。焼酎に合いそう。
スズメバチに含まれる体脂肪を分解させるアミノ酸は、スポーツドリンクの「ヴァーム」に採用されているほど。飲んだらなんだか元気が出てきそうな気分です。
隣に座っていた女性たちも、勢いがついてきて、虫入りのケーキをパクパク行き始めました。

ミールワーム入りのパウンドケーキをパクッ。
こうなってくると、もっと虫らしいものに挑戦してみたい!という気持ちが高まってきます。

★モザイクにカーソルをあてると鮮明になります★ミールワームという、鳥や爬虫類の餌にも使われる虫です。姿揚げにして軽く塩を振ってあって、脂っぽさがたまらなくスナック風で、これは本気でおいしかった。

内山さんは途中からこのような出で立ちに。
この日はほんの数種類の虫をいただいただけだし、まだ結論めいたことを言うには早いと思いますが、「虫はおいしい」は本当、でした。
別にこの姿のまま食べなくてもいいわけだし、加工食品にしてしまい、多くの人がそのアイディアにさえ慣れてしまえば、全然オッケーな食材になるだろうなとも。
茹でただけのカニを分解して食べるなんてそもそもかなり虫食的に高度なことなんだし。
慣れだけですね、要は。
もうひとつ面白かったのは、このフェスティバルに来ていた人たちがとても話しやすくて、楽しかったことです。
さきほどのケーキを食べる女性も、同じテーブルに座った、その日お会いした方なのです。
虫を食べてみようなんて思う人は、日本人的「こうあるべき」にとらわれない、「すでに乗り越えてきている人たち」なのかも?
憧れのほそいさんともご挨拶できて、とても充実した秋の夕べでした。
定期的に開かれている虫の試食会にもお誘いいただいたのですが、次回はかなり身の厚い(だからおいしいのでしょうけど)マダガスカルゴキブリが素材という噂で、ちょっと躊躇しているところです。
どうしようかな……。