COP15の行方を固唾を呑んで見守っていたみなさま。開催前から厳しい予想はされていたので驚かないまでも、なんとも苦く、宙ぶらりんな結果になりましたね。
各紙サイトなどでも解説されていますので詳細はそちら(産經新聞・日経新聞など)をご覧いただくとして、私の印象に残ったことを少し書きます。

18日、COP15の合意がまとめられつつあったデンマークのコペンハーゲン空港に展示されていた地球儀。
今回、本来なら京都議定書(削減目標を達成できなければ罰則のある国際条約)の次の条約を作るところまで進めたかったものが、今回「途上国」の多くが反対を繰り返したようです。
気持ちはわかるなぁと思いました。たとえばアメリカ人は、1人あたりでインド人の20倍のCO2を出しています(日本人は9倍/05年)。産業革命から今まで人間が出したCO2の7割は先進国のものとも言われています。それで温暖化が進んだからといって、「さぁ一緒に削減しよう、君たちも目標を出して」と先進国に言われても、「はぁ?」と思うのは当然な気がします。
海水面上昇や水不足、食糧不足など温暖化の被害を真っ先に被るのは途上国です。そんなことは百も承知で、貧困や経済格差という不正義を先進国に突きつけるチャンスに賭けているという印象を受けました。少々大げさに言えば、地球を人質にとって、いざとなれば全員道連れだ、というくらいの。
先進国が強いドルや円やユーロの札ビラを切って我先に化石燃料や穀物を買い集めてしまうから、日に一度の食事の燃料にする小枝を集めるために何時間も歩き回るような少女が数百万人か数千万人いる世界の貧困。1日1ドル以下で暮らしている人が2億人、2ドル以下で暮らしている人なら12億人という格差。
なんとか捻りだしたコペンハーゲンの合意で、「先進国は10〜12年に総額300億ドルの途上国支援。20年までに年1000億ドル(9兆円)の拠出を目指す」という言葉が入りました。鳩山政権は会期中に12年までに150億ドル(1兆3500億円)を出すことを表明しました。
でも、国連やNGOの試算によると、発展途上国の温暖化対策に必要な援助は年2000億ドル(17兆7000億円)。ざっと半分。また、1000億ドルはアメリカの年間軍事費の1/6でしかないという指摘もあります。

これもコペンハーゲン空港で。2020年、白髪になったオバマ氏が目に涙をためて「あのとき、気候変動による大災害を防げたはずだったのに……申し訳ない」と言っている意見広告。200以上の国際NGOのアライアンスtcktcktctとグリーンピースの共同広告。
温暖化を2℃以内に抑えるためには、あと数年のうちに世界規模で動き出さなければならないとされているのに、先進国は自分たちの豊かさを手放すことを渋り、途上国は地球を人質に取り、お互いへの不信感を募らせ……人間の欲とは、豊かさとはなんだろうと思わされます。
そんな中、現地で取材をしていたビデオジャーナリスト神保哲生さんがツイッターで呟いていたひとことが印象的でした。
【引用】
ツバル代表が、先進国が途上国の目の前にニンジンのようにぶら下げられた資金援助の条文を指して、our future is not for saleと公然と拒絶の姿勢を見せたのが象徴的でした。もしかすると最後はツバルのこの姿勢が、この会議の性格(と成否)を決定づけるかもしれません。
【引用終わり】
海面上昇ですでに沈み始めている太平洋の小さな島国ツバル。ツバルが世界の眼前で水没して国がなくなれば、みんな気付くでしょうか。
私たち日本のひとりひとりは、鳩山政権が仮に掲げた25%削減を支持し、温暖化対策基本法か何か、それを実現するための法律が来年の通常国会で成立するように世論を盛り上げるべきだと思います。たとえばこんなアクションに参加するのも一案です(Make the Rule)。
同時に、自分たちの生活スタイルをさらに変えて行くこと。肉食を減らす(自動車や飛行機の利用を減らすのと同じだけの大きな効果があります)、自動車や飛行機の利用を減らす、ファストフードやファストファッションを控える……といったことはすべてかなり効果のあることです。仕事場でもできることがあるでしょう。
まずは来月1月末に、各国が削減目標を提示します。年末にはメキシコでCOP16が開かれ、国際条約作りの仕切り直しが行われます。大げさでもなんでもなく、今は私たちの近未来が食糧危機や大災害だらけになるかどうかの分岐点だと思います。みんなでしっかりウォッチし、声をあげていきましょう。