更新日:2009年4月29日



プチ農業、その後の報告

カテゴリ:ロンドン  2009 4月29日

  以前このコーナーでアロットメント(市民農園)を始めたことを報告しました。年の半分日本にいるのでちっとも思い通りには行かないのですが、3年が経ち、次第に雑草が減り、それぞれの野菜の育ちかたや弱点もわかってきました。すこーしずつ進歩を感じています。


借りているアロットメントは、家から歩いて5分くらいのところにあります。イギリスのGrow Your Own(野菜を作って食べよう)ブームはますます高まっていて、twitterで知ったのだけれど、ついにロンドンのイズリントン地区のアロットメントは175年待ちなのだとか。おとといも、雑草を抜いていたら30代とおぼしきカップルが近づいてきて、「このアロットに申し込むにはどうしたらいい?」と質問されました。

  cafebloの人気ブログ「農家のムスメのスローライフ」のように、日本でもじわじわと農業に注目が集まってきていますが、たしかに楽しいです。病みつきになります。頭が緑色の図像でいっぱいになるほど。たとえば今の季節は、種まきや、小さなセルで育てた苗を屋外に定植する時期。何を蒔こうか、あれを今から蒔いて間に合うか、そんなことを考えてばかりです。たくさん登場している野菜作り雑誌や種カタログと首っぴきで、1つの野菜でもたくさんある品種を選びます。


あさつきの代わりに使えるチャイブはもう立派な株になり、ほとんど世話要らず。毎年ネギ坊主のような花をたっぷり咲かせて種をばらまくので、ほっておくとどんどんチャイブのエリアが広くなっていきます。


まだ遅霜が下りることもあるイギリスなので、定植するのは寒さに強いものから。これは「コブラ」という品種のサヤインゲン。周りに見える青い粒はナメクジ対策のペレット。環境に害を与えないというこのナメクジ薬が去年ようやく登場、ケミカルなものより効き目は弱いようですが、今はこれに望みを託しています。

  オーガニック堆肥作りも頭の中の重要なパートを占めています。キッチンから出る野菜の皮や卵の殻は、これも以前ご報告したミミズコンポストか、プラスティック製の巨大バケツをひっくり返したような普通のコンポストへ。ミミズコンポストは順調に4年目を迎えました。寒い冬の間はやっぱり食べる量が減りますが、これからの季節は毎日両手のひら2杯くらいの野菜くずを処理してくれます。


ブラックカラント(フランス語でカシス)には小さな実がつきはじめました。レッドカラント、ブラックベリー(キイチゴ)などとともに、今年も大量のジャムを作ることになると思います。今から空き瓶をたくさん集めておかないと!


長野で農家をやっていた祖母にもらったアスパラガスが芽を出しました。これを畑に植えられるのは来年。今年は植木鉢で苗を大きくします。後ろに見えるのはルッコラの芽。

  今年の目標は、雑草を完全にコントロール下に置くこと……と地味ですが、除草剤を使わない人にとっては、これはかなりの決意なのです! まだ先代の借り主から引き継いだときにはびこっていた多年草の雑草も多いので、かなり苦難の道なのですが、がんばります。今日もこれから、畑に行ってきます!


今年もたくさん出てきたミョウガの芽! 夏にはたくさん花芽をつけてくれるかな。楽しみ。


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「KY」と「エシカル」というふたつの言葉

カテゴリ:地球温暖化  2009 4月08日

  日本語と英語、ふたつの言葉の間を行き来していると、ときどき「日本語(英語)にもこの言葉があったらいいのに」と思う言葉にぶつかります。ほとんどはことわざだったり価値観や概念など抽象的なことを指す言葉で、そのひとつにcafeglobeを始めた頃からずーっと悩ましいと思っている「ethic / ethical」という単語があります。

ethic
名詞(特定の文化集団の)価値体系, 倫理;道徳
━━形容詞=ethical
<プログレッシブ英和中辞典より>

  日本語にもちゃんと「倫理・道徳」という言葉はあるのですが、「倫理」も「道徳」もどうもまだ中国語から輸入されたままというか、あまり肌に近い感じのしない言葉ではないでしょうか。

  英語で「エシカルな暮らし(ethical living)」と言えば、それはたとえばゴミの分別をきちんとする、エネルギーを浪費しない、大量消費に与しない、クルマになるべく乗らない……といった地球にやさしい系のライフスタイルから、フェアトレードやまっとうな企業の商品を選んで買ったり、環境や人権を守るNGOに寄付をしたりすることなどを含みます。

  「自分のことだけじゃなく、人や地球のことを考えて、自分の振る舞いを決める」というような、視野の広さや賢さを感じさせるのが、「エシカル」という言葉に含まれるニュアンスではないかと思うのです。今日本でよく言われる「地球にやさしい」や「エコ」に近いんですが、それらのほんわかしたニュアンスよりもう少し、問題の本質を正面から見極めようとする積極性のある感じ。受け身じゃなくて、能動的。

  社会の中で人々が共有する価値観や問題意識は、言語化されて初めて広く伝わります。「KY」という言葉が流行って、いっそう「KYな人」や「KYな行動」への風当たりが強くなったりするように。だから私としては、このエシカルという言葉に相当する、ほんわかエコじゃなく、人々が積極的に自分の変える力を信じて行動するスタイルを示す言葉を見つけ出したいし、広めたい。でもどうも見つからなくて苦戦が続いています。「サステイナブル」という言葉がいまいち広まっていないように、「エシカル」とカタカナにしただけじゃ、やっぱりわかりにくいですよね。

  そういえば、「空気を読む」という言葉は英語にはないみたいです。言葉がないってことは、「アイツはKY」といって揶揄されにくいということ。空気を読めという無言のプレッシャーが比較的少ない社会だということでしょう。


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青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
プチ農業、その後の報告 (4月29日)
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