10日の土曜日、世界一斉にイスラエルによるパレスチナのガザ地区への攻撃に反対するデモが行われました。東京の様子は編集部のコバヤシが「デジログ日誌」で報告してくれていますが、私は今ロンドンにいますので、ロンドンのデモに参加してきました。

大寒波に見舞われているイギリス。この日も最高気温が1℃という中、集合場所のハイドパークに主催者発表で10万人、警察発表で2万人、BBCによれば「自分たちが見るところでは5万人」の人が集まりました。

集まった人たちは、やはりムスリムの人たちが多かったけれど、ごく普通のおしゃれ女子&男子もたくさんいました。
パレスチナ問題は日本ではあまり知られていませんが、第2のアパルトヘイトと言っても差し支えないほどの状況がもう何十年も続いている人権問題です。場所は地中海のいちばん東の端。領土紛争なのですが、過去の中東戦争の結果イスラエルがパレスチナを占領し、東京よりも人口密度の高いガザ地区を封鎖して、経済的にも人権的にもひどい状態に追い込んでいます。
ニュースで映るガザ地区がスラム街のようなのは、各国からの資金援助があっても、イスラエルがガザ地区への物資の持ち込みを極端に制限しているために、建物が建てられないからだそうです。イスラエルはしばしば食糧や医療品でさえガザ地区に入ることを止めています。一般市民がガザ地区から出ることも許していません。今回のような攻撃となれば、市民は文字通り逃げ場もなく、建て増しを重ねた脆い建物の中でじっと耐えるしかないのです。
それでも、先進国政府はお金持ちでアメリカの中枢に食い込んでいるイスラエル寄りなので、形式上は「爆撃停止を」など言いますが、基本的にはイスラエル政府に強いことは言いません。日本政府ももちろん、しれっとしています。

ハイドパークを出て、イスラエル大使館前へ。「Free, free, Palesitine!」「パレスチナの土地を川から海まで(復活させて)!」といったシュプレヒコールが飛び交います。

行進の中には、「Jews Against the War on Gaza(ガザ攻撃に反対するユダヤ人)」というプラカードを掲げた人たちも。えらいっ!

あの「ブッシュ靴投げ」事件以来、靴は米英の武力攻撃に反対する意思表示の方法として人気に。今回はイスラエル大使館の前に靴がたくさん投げ込まれていました。写真はムスリム系の男の子たちに撮らせてもらったけれど、白髪の上品なおばさんも自分のヒール靴を棒の先に載せて歩いていて、カッコよかったです。
ロンドンのデモは、攻撃停止を呼びかけるアニー・レノックス、ブライアン・イーノ、ビアンカ・ジャガーなどのセレブのスピーチの後に、イスラエル大使館に向かって行進を開始。来ている人たちの1/3くらいがムスリムかなぁという顔ぶれでした。それでも過半数は確実にノン・ムスリムの人々。年代も10代から70代くらいまで幅広く集まっていました。東洋人はやや少なかったかもしれません。
残念だったのは、ごく一部の若い人たちが、イスラエルの保守政権に献金しているとして知られているスターバックスの窓を割ったり、イスラエル大使館前で警官隊と小競り合いになって怪我人が出たこと。しかし、暴力に暴力で返せば、世界中の「暴力の絶対量」が増えて行くだけということを目の当たりにした気がします。

大使館のそばでは、イスラエルの旗に火がつけられる場面も。ドラマチックだけれど、イスラエルの人々やユダヤ系の人の気持ちになれば、たとえ自分たちはやりすぎかもしれないと思いかけていたとしても、その気持ちにフタをしてしまうきっかけを提供してしまうような気もする。
この件で、知人からいいWebサイトを教えてもらいました。「もしも東京がパレスチナだったら…」という例えです。パレスチナで起こっていることが、かなりリアルにわかりますし、パレスチナ=東京、イラク=栃木、レバノン=千葉、ヨルダン=神奈川……となっていて、興味深く読めます。ぜひご覧ください。
●もし東京がパレスチナだったら…(media debugger)
http://d.hatena.ne.jp/m_debugger/20090109/
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