cafeglobeでの連載「マイ・スイート・リトル・バイク」でロードバイクに乗り始めて以来、以前からの自転車好きに拍車がかかっている今日この頃です。先日ロンドン都心に出かけた際も、折りたたみ自転車ブロンプトンを電車に載せ、都心は自転車で走り回りました。
よく、パリが女ならロンドンは男と言われるように、重厚でいかめしい雰囲気の街並みが多いロンドン。その雰囲気も私は好きですが、好景気が続いたこの10年ちょっとで、古い建物が美術館としてよみがえったり、新しい橋がかかったり、観光地としての魅力もまたぐっと高まったと思います。都市デザインって、なぜか無条件に心をワクワクさせてくれますよね。

ウォータールー橋から見える、イギリス国会であるウェストミンスターと今やロンドン屈指の観光スポットのロンドン・アイ(観覧車)。ビッグベンも見えます。テムズ河沿いはきれいな街灯も増えて、なかなかロマンチック。
自転車で走っていると、「あ、あのビルも再開発しているんだ」というところによく遭遇します。大英帝国の絶頂期、ビクトリア時代(19世紀末)の建物のファサードだけをレンガ数枚分だけ残し、あとをそっくり近代的に立て替える工事もよく見かけます。たしか大手町でもこの手法を部分的に取り入れたビルがありました。
イギリスでよく感心させられるのが、この古いデザインとコンテンポラリーな意匠の組み合わせです。上の写真のロンドン・アイのほとんど輪っかが浮いているように見えるデザインもビッグベンなどといい調和を見せているし、歴史的なお屋敷の中庭に入って遊びたくなる噴水が作られたり。有名なテート・モダン美術館も使われなくなった発電所をリノベーションして世間をあっと言わせました。

美術館が入っている18世紀の建物、サマセット・ハウスの中庭には、噴水が。パーティがはねたのか、ほろ酔い気分の人たちが裸足で入って遊んでいた。ちなみに冬はここにアイスリンクができて、これまたきれい。その様子はcafeglobeのバックナンバーで。

サマセット・ハウスの出入り口、ロマネスク風アーチにほどこされた石膏模様。この建物は当時流行ったネオクラシック様式。ローマ時代のコラムなど装飾たっぷりで瀟酒な雰囲気。

第二次大戦後建てられた火力発電所を見事に生き返らせたテート・モダン美術館。入り口から入ったそこは巨大なタービン室で、あまりの空間の広がりに圧倒される。最上階にはガラス張りのペントハウスをつけ、夜はそこだけが浮いたように光って幻想的。テムズ対岸にはセントポール寺院のドームが暗闇に浮かび上がってそれはもうドラマチック。
2012年に向けて、ロンドンはオリンピックの準備に入っています。豪華な北京オリンピックを見て、「ロンドンはあれに対抗することはできない」という不安な声も聞かれますが、たぶんイギリスはやや質素に、でもセンスのよさで勝負に来るでしょう。そこはかなり期待できる気がします(閉会式でベッカムがボールを蹴ったアレはちょっとイマイチでしたが)。
東京も立候補していますが、豪華東洋趣味の北京、モダンデザインのロンドンの後に東京は何を押し出すのか。そのビジョンがないと、たとえ招致できても難しそうな気が。いっそ完全カーボンニュートラルのグリーンオリンピックなんかだったら面白いかも? スタジアムの照明から選手村から人びとの移動から、みんな自然エネルギー。技術の日本の最高のプロモーションになりそうですよね。そのくらい目標を高く持ってやってみるのはどうか。
そう思って東京都の基本方針を見てみたら、なんと、オリンピックで出るCO2を計算し、それ以上のCO2を他で削減する計画があるのだとか! カーボンニュートラルどころかカーボンマイナスだそうです。輸送なども相当考えると。これがホントにできたら立派、世界に誇れます(排出権を買ってマイナスとかのまやかしでないことを祈りつつ)。でもあんまり話題になっていないのはなぜ? 期待している人が少ないから? 国外にいると愛国心が盛り上がるというのは本当ですね、そんなことを考えました。