更新日:2011年4月06日



世界最大のオーガニック・スーパーは……おいしかった

カテゴリ:ロンドンカテゴリ:地球温暖化  2008年1月24日

  みなさま、COOL!カテゴリは楽しんでいただけてますでしょうか。スタートしたはいいものの、今度は記事の更新で大わらわの日々です(>_<)

  さて、今回は去年ロンドンにオープンしたWhole Foods Market(WFM)を遅まきながらやっと覗いてきたのでご報告です。

  WFMは、アメリカとカナダに270店舗を持つ世界最大のオーガニックスーパー。N.Y.などではすでに有名だったこのWFMがロンドンで選んだのは、ノッティング・ヒルなどの高級住宅街にも近いケンジントン・ハイストリート。しばらく前まで、冴えなーい感じのデパートが入っていた大きなビルの地上地下3階にドカンと入っていました。


スーパーというよりは高級デパートの趣のWhole Foods Market。もともとはアメリカテキサス州オースチンで25年前にスタート、現在は年商4700億円!

  その広さや品揃えのすごさはWikipediaAllAboutにおまかせするとして、私が最も「すごー!」と感心したのは、サラダコーナーでした。緑色の、どんぶりのように大きなプラスティックのボウルを抱え、合計50メートルくらいありそうなアイランド型の冷蔵ディスプレイを巡って好きな葉っぱ、ナッツ、豆、もやし、キノコ、フルーツ、パスタ、チーズ……などなどをボウルに放り込んでいき、最後にドレッシングをかけ、レジで計量してお勘定。


私が選んだのは、ほうれん草(生)、ズッキーニ(生)、レンズ豆のモヤシ(生)、ブロッコリー(生)、地中海風豆のマリネ、豆腐のマリネ、紫芋、モロッコ風クスクス、ポテトウェッジ(これだけ体に悪い感じだけど、どうしても一口ガツンとした炭水化物が欲しかったのです)。見るだけで血液サラサラになりそう。でも、計量してショック。これで2000円弱でした……。でも、驚くほどおいしかったのも事実。

  おそらく50種くらいあるお総菜(というか洗った葉っぱ?)のうち、3分の1くらいはローフード、リビングフードでした。ブロッコリーやズッキーニ、トウモロコシ、豆もやしなども当然のごとく生。チーズ以外の動物性タンパク質はなし。やっぱり野菜中心のローフードは西洋の食・コンシャスの間ではもう定番になっているだなぁと痛感しました。そうそう、渡辺葉さんがニャニャム嬢たち(猫)にローフードをあげてましたね。山祥ショウコさんも実践されてます。

  歩き疲れるほどのお店の広さ、売れ残ったらどうなるんだろうと心配になるほどたっぷりと気前のいい生鮮食料品ディスプレイ、イギリス発で人気を博していたナチュラルデリ「Fresh & Wild」の買収と、アメリカ式(?)なスケールの大きいビジネスっぷりに少し抵抗感を覚えつつあったのだけれど、先日のWFMのCEOジョン・マッケイさんの講演記事にはにはとても共感しました。

  長い記事なので要点だけかいつまむと、
“近代的な「工業化された農業」のおかげで食料生産は効率化され、家庭のエンゲル係数も下がった。でも、工業化農業は大量の化石燃料を消費しているし、動物の虐待もひどい。消費者も、食卓に登っている動物がどんな目に遭っているか、また食品業界の嘘にも喜んで気づかないふりをしている。たとえば、スーパーで食品ラベルに「ナチュラル」と書いてあったら、まず怪しむべきなほどだ。でも、近年のオーガニックやローカルな食材などサステイナブルな食に対する人気の高まりは、人々が長らくかかっていた催眠から目覚め始めている証拠。工業化農業の次の「エコロジカルな時代」の夜明けが始まっているのだ”
といったところです。

  大きな会社なので、いろいろな批判もありそうだけれど、とりあえずこの記事を読む限りでは、しっかりしているのかなと思います。WFMの店頭に並んでいた商品の値段はどれも驚くほど高くて首をすくめてしまったけれど、本当に正しく生産された食べ物は今の私たちの感覚よりだいぶ高くて当然だろうし、そういう食べ物を丁寧にきちんと噛んで食べきることがこれからは必要なのだろうなと、緑のボウルを抱えて思った一日でした。


ハイストリート・ケンジントン駅からハイドパーク側(東)に向かって徒歩30秒ほどの大きなビルにWFMは入っている。ちなみにこのビルは、1920年代のイギリス式アールデコとして名高いThe Barkers Building。タワーのガラス窓や、その1〜2階部分にほどこされたレリーフがとてもきれいなので、建築好きさんも満足のはず。


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2008年01月24日 16:24


オーガニックも、エコな生活も、なんでも高いのがロンドンです。シンプルライフ、余計なエネルギーを使わない、無用な肥料を使わない、など、「減らす」方向にしていくのがエコな生活なはずなのに、イギリスのオーガニックは、お金持ちのもの、または、エコやオーガニックに興味があるということはポッシュなことだったりして、お金持ちではない人は「やらなくてもいい」くらいに思っているような傾向が強いです。

このWFMもオーガニックフードでとてもおいしいし、体にも環境にもやさしそうだけど、お財布にはまったくやさしくないです。それに、特別な食品を買いに行く場所、という感じで、お客さんもエコを意識している人よりは、観光客と付近の小金持ち層の方ばかりです。正直、もっと庶民的に、普通の生活の一部として実行できないと、続かないし、普通の庶民にはエコな生活はできないです。

投稿者 London NK : 2008年01月26日 00:12

『本当に正しく生産された食べ物は今の私たちの感覚よりだいぶ高くて当然だろう』というのには、残念ながら納得です。今のような飽食時代(少なくとも先進国では)をオーガニック方式の農業でまかなえるわけがない。

世界の増え続ける人口を飢えさせないための農業の「工業化」「効率化」が、今の大量な「薬品づけ農業」「遺伝子組み換え」農業にある意味でつながっているのだから。

値段は高いけれど、「そういう食べ物を丁寧にきちんと噛んで食べきること」、内容的な粗食をすることが、結果的には体にも環境にも優しい生活ができる気がします。


投稿者 sae : 2008年02月02日 12:16

おや、近所にいらしたのね。
声かけてくれれば行ったのにー!(笑)

私もここが大好きで、
時間があれば1人でもオイスターバーにフラッと行ったり、
夜遅くまでやっているので
仕事帰りにご飯作るのが面倒くさいと
ご飯食べに寄ったりしています。

たしかにあっという間にすごい金額になってビックリしちゃうけど
品質はたしかだからねー。
IELTSの試験でも、
エコと化学の狭間で
いかに効率良く農業生産を上げるか、
みたいな論文があったから、
まさにタイムリーな話題だなーと思います。

投稿者 yotta@u know who :) : 2008年02月02日 20:00

青木さんと、福岡さんの対談を思い出しました。
大きな企業としてのWFM。
ロンドンでどのくらい浸透され、市民の方に利用されるか興味が出てきました。

投稿者 satomi : 2008年02月06日 11:48

London NKさま
ご意見、本当にそうだと思います。たとえ自分が近くに住んでいても、ときどき贅沢をしに行く場所……ということになるだろうなぁと思いました。
野菜やお肉、食べ物に限らず「環境とか」コラムでご紹介しましたがコットンなども、もっとオーガニックであることが普通になって、お金のあまりない人も普通に買える値段に早くしないとですよね。
広がっているファーマーズ・マーケットもまだまだ高いですしね。野菜は比較的リーズナブルですが。
WFMがTESCOのような庶民スーパーになる日が早く来るように。あるいはTESCOがWFMになれればいいのか。

Saeさま
そう、ふだんは粗食ですよねー。野菜とあまり精白していない穀類にお味噌とかの発酵食品を少々。餃子じゃないけど、加工食品はなるべく使わない。週末とか誰かと食事をするハレの日にお肉をいただいたり、輸入食材なんかも食べる……そのくらいが体にも地球にもよくて、無理しすぎないバランスなのかなーと思ってます。あと、よく噛むと満腹感が出るだけじゃなくて、消化吸収率も上がるはずだから、同じ量を食べてもエネルギーはたくさんとれるのかもしれません。

u know who:)さま
もちろんi no u;)
お小遣いを貯めておくので、こんどアイリッシュ・オイスターを食べにいきましょう。

satomiさま
> 青木さんと、福岡さんの対談を思い出しました。
ありがとうございます。どんなところでそう思われましたか??

投稿者 アオキヨウコ : 2008年02月07日 06:33

WFMはその名前そのもの=ブランドが、広告の役割を担っていると思います。アメリカでも、WFMであれば安心。という概念があるのではと思います。
なので、ロンドンでも、値段が高くてもWFMだからと消費者の思いはあるのではと思います。
青木さんがおっしゃっていた最終的に判断するのは人間らしさを持った思考というのと、野菜はまだ、緊迫感はないのかもしれませんが、穀物の需給バランスが大きく変わってしまうと→食物の値段も食費が倍くらい?!
今の日本では特に、「ちょっとおなかすいたな」と思うとすぐコンビにはあるし、
「我慢」する人って少ないと思います。
深く考えずに買ってしまうと思うんです。
すいません、だらだらになってしまいましたが、全てが全部リンクしてるなあとその動きに思いをはせてしまいました。

投稿者 satomi : 2008年02月07日 15:06

satomiさま

なるほど!
そうですね、本当に全部リンクしていると思います。
聞くところによると、日本は面積の4倍の食料を消費しているのだそうです。今の私たちの食生活を保つためには日本列島が4つ必要……。

将来、今よりももっと食べ物の奪い合いのような国際市場の時代が来たらと思うと、背筋が本当に寒いです。でも、そうなったときにも、日本より経済力のない国のほうが多いことも忘れないようにいたいですね(日本が没落していなければの話ですが……汗)。

投稿者 アオキヨウコ : 2008年02月09日 00:10

自分はこのオーガニック・スーパーに比較的近くに住んでいて、よく利用しています。
確かに、イギリス最大のオーガニック・スーパーなので、品物は豊富、ものによっては他のオーガニックの食料品店より安く手に入ります。
またテイクアウェイの種類もたくさんあって、結構おいしいです。
ただLondon NKさんがおっしゃられる様に、イギリスではこういったお店に買い物に行く人達はPoshなイメージがあり、主人はこの様な店で買い物をする事自体、はじめは非常に嫌がりました。
イギリスの前はスウェーデンに住んでいたのですが、スウェーデンも食品、特にオーガニック製品は高いのですが、食品の品質が全体的に高く、イギリスで言うTescoのようなスーパーで取り扱われている普通の食品も、イギリスで言うとオーガニックとオーガニックではない食品の中間くらいの感じです。
ですから、初めのうちは、非常にイギリスは食品でも階級差別(お金がなかったら悪い食品を食べなさいというような)をする印象を受けました。

これは残念な事ですが、以前Fresh&Wildだったときは、売れ残った食品はホームレスの人等にあげていたそうです。実際、そのFresh&Wildが家の近くだったので、夜遅く店の前を通ると、高齢の女性がわざわざその売りのこった商品をもらうために、出かけてきたと言っていました。
イギリスは日本より社会福祉が進んではいますが、お金に困っている高齢者も多くいるそうです。
売れ残った商品を廃棄するというのは、また理由があるのだと思いますが、オーガニックと言うビジネス・・・と言う印象が。
といいつつも、まだWholefoodsで買い物をしている自分です。

投稿者 テラ : 2009年04月05日 09:19

テラさん

こんにちは。コメントをいくつもありがとうございます。どれも、頷きながら拝見しました。

そうですね、Fresh & Wildのときのほうが評判はよかったようですね。このWholeFoodsMarketに限りませんが、ビジネスや企業って、資本を受けて大きくより強く(利益を上げるという意味で)なると、どうしてもそういった社会や人にやさしい面を切り捨てざるをえなくなるような傾向がありますよね。

私は資本主義は肯定派のつもりですが、苛烈な資本主義というか、資本至上主義のような今の突っ走り具合はどうにも無理があると思っています。去年からの金融破綻も結局はその無理が祟っただけだと思いますし。

資本主義で民主主義で、でもその両方にある弱い面をどう人々の意志と人間の善意で補っていくか、考えさせられます。でもきっとできると思うし、思いたいし、思って行かなければですね!

投稿者 青木陽子 : 2009年04月06日 12:30







青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
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