ちょっと前、「地球を感じる」ことをしてみて、とこの欄で書いたことがありました(>)。今回はその続きです。
■具体的に何をしたらいいか?
2007年は、温暖化の問題と深刻さが一般に広く知られることになった年になりました。長く環境問題に携わってきている識者といわれる知人たちも、ずっともどかしい思いをしてきただけに、ここまで急激に広まるとは!と嬉しい驚きをみな口にしています。
でも、まだ人々の気づきと社会の転換はやっとスタート地点についたというところです。ここからが大変です。深刻だということはわかったけれど、じゃあ何をどうすればいいの? となったとき、やるべきこと変えるべきことは私たちの生活のすべての側面にあるので、「これをすればOK」という簡単な解決方法としては提示できないからです。
そのとき、私たちひとりひとりが地球の全体像についてなんとなくでも感覚的につかめれば、ひとりひとりで必要なことを見つけて判断し変えていくことができるのではないかと思うのです。
■まずは地球の規模感をつかんで
私は、地球の全体像をつかむための最初のひとつが「規模感」だと思います。私たちはつい「世界は広い、地球は大きい!」と思ってしまいがちですが、じつはそんなには大きくないんです、残念ながら。
たとえば、年末年始に九州に帰省するとか、東北にスキーに行くとか。数時間で、ちょっと大きめの地球儀ならじゅうぶん目で見えるくらいの距離を移動できますよね。その移動中の風景を思い出してみて。地球の直径は、その数十倍からせいぜい百倍程度だったりします。案外リアルに、そんなに大きくないことを実感できませんか? そこに人間だけでも65億人が暮らしています。
温暖化の舞台になっている、地球の表面を覆っている空気(大気)の少なさといったらさらにドキッとするほどです。見上げる空は宇宙までどこまでも続いているように思えますが、その厚さは10kmから数十km。それも、9km弱の高さのエベレストの無酸素登頂が難しいことからわかるように、10km上空の空気は、すでに私たちがふだん親しんでいるような濃い、頼りになる空気ではないのです。

高度1万m(つまり10km)のボーイング747からの景色。遠くに、別の旅客機らしき機影と長い飛行機雲が見える。高度10kmだとまだ旅客機が飛べるくらいの空気の濃度があるけれど、ここより空気が薄くなる上は戦闘機などでないと昇れない。
10kmと言えば、なんとか歩ける距離。誰でもだいたい距離感をイメージすることはできますよね。それを縦にしてみてください。空気は、たったそんな程度の厚さしかないのです。映画『不都合な真実』でゴア氏は大きな地球儀の前で、「大気はこの地球儀に塗ったニスくらいの厚さしかない」と言っていました(>)が、まさにそんな感じです。そんな薄い層に、発電だクルマだ飛行機だと好きなように二酸化炭素を出せば、けっこうあっという間に空気中の二酸化炭素が濃くなってしまうのもイメージできるのではないでしょうか。
■私たちの政府は、数値目標設定に反対中……
今、バリ島で開かれている会議では、京都議定書(2008〜2012年)の次の期間の目標として、2020年までに先進国の二酸化炭素排出量を1990年比25〜40%削減しようという方向でEUなどが提案をしていますが、日本政府はアメリカと一緒になって、数値目標を設定すること自体に反対しています(>)。政府は、国内向きには「日本は温暖化防止で世界のリーダーシップをとります」とよく発表していますが、その実世界の舞台では、日本は削減に消極的な国のひとつです。
温暖化対策は、個人が生活の中で省エネをしたりすることもすごく大切ですが、より二酸化炭素排出量の多い産業で規制を作ったり、風力や太陽エネルギー発電を本格的に利用するなど、政治や行政の大きな動きがもうどうにもこうにも重要です。でも政治家や官僚の中には、目の前のお金に気をとられて地球全体をイメージすることができない魂のレベルが低い人が大勢いるようです。彼らを目覚めさせたり、もっと手っ取り早くは選挙で落選させて違う人にしたり(役人はそれができないのが難ですが)するのは、私たちしかいないわけです。
長々と、小難しいことですみません、でも、私が日々考えたりしているのはまさにこんなことです。地球の全体像をつかむためのアイディア、次は「地球は、宇宙に浮かぶ閉じたカプセル」です。

同じく、北極圏を飛んでいるときの夕焼け。普通に地上なら天頂のほうまで真っ赤に染まるけれど、ここ上空では上のほうにはもうあまり空気の分子がないので夕焼けの光が反射しないから宇宙の色になっている。そんなことを考えつつ、自分が乗っている旅客機が出している二酸化炭素のことを考えて重い気持ちに……。
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