去年、ロンドンから少し郊外に引っ越したのをきっかけに、十年来の夢だったアロットメント(市民農園)を借りました。広さはざっと20坪くらい、年間15ポンド(約3500円)。それまで借りていた人があまり手を入れていなかったので雑草畑だったのを、1年かけてようやくそれらしい姿にまで持って来ました。

ジャガイモ、ズッキーニ、青シソ、ビーツ(赤カブ)、サヤインゲン、大豆などを育てています。完全オーガニックなので、雑草と虫との体力精神力消耗戦……といった趣の一年でした。さらに去年は30年ぶりの渇水、今年7月は記録を塗り替える大雨と、早くもお天道様に振り回されています。
イギリスでは、2003年頃からこのアロットメントや庭・ベランダ菜園のブームがじわじわと始まり、いまやガーデニングと並んで一大国民的趣味の座を占めた感じです。北ロンドンではアロットメントの空き待ちが10年!という地区もあるとか。昨日テレビを見ていたら、例のセレブシェフのジェイミー・オリバーが野菜づくりに密着するテレビ番組もスタートしていました。

ジェイミー・オリバーの新番組「ジェイミー・アット・ホーム」。毎回1種類の野菜を取り上げ、育て方のコツから料理レシピまでを紹介する。

アロットメントに人気殺到、と伝えるタイムズの記事。このタイムズのほか、BBCも大きなアロットメントサイトを運営している。「野菜を作ろう!」といった専門誌も続々創刊。これまでもガーデニング大国ではあったけれど、それは花中心。それが去年初めて野菜の種の出荷数が花の種を上回ったとか。
この「プチ農業ブーム」が突然沸き起こったのは、イギリスで起きた90年代半ばからのグルメブームで食の楽しみに人々が目覚めていたこと、オーガニック野菜人気が高まっていたこと、温暖化対策としてフードマイル(地産地消)を心がけようという意識の広まり……などなどいろいろな下地がうまいぐあいに「野菜づくり」でクロスしたから。とくに20~40代の女性やカップルがブームの先頭を切っているというのも納得。
8月は夏の盛りですが、今年は7月の大雨と低温で季節が少し遅れたので、収穫が早い葉もの野菜や、霜が下りるまで大丈夫な豆類を大急ぎで育てています。その後は秋と冬に向けてダイコン、春キャベツ、ネギなどを蒔く予定。アロットメントを始めて、常に数ヶ月~半年先を見据えて暮らすようにもなってきました。
いろいろ発見や驚きの多い土いじり生活、またレポートしたいと思います。

前の前に借りていた人が丹精していた、ブラックカラント(カシス)やレッドカラント、ラズベリーなどフルーツの低木を一緒に引き継ぎました。雑草だらけですが、こんなに鈴なり!

宝石みたいにきれいなレッドカラント。多すぎて去年は半分も収穫しきれず、それでもジャムを作ったら40瓶ほどになってしまった。じつはまだ去年のジャムが残っている……。アロットメントは食べきる闘いでもあります。
●Jamie at Home (Channel 4)
●Allotment Central (Times Online)