更新日:2011年4月06日



本当のおしゃれとは

カテゴリ:地球温暖化  2006年5月29日

   昨日新しく始まった「環境とか未来とか大切にしたいね通信」はもうご覧いただけたでしょうか? これから、主に環境や自然関連のニュース、イベントのお知らせ、プロダクト……などなどをご紹介していく予定です。

   で、昨日掲載になった記事でご紹介した、ロンドンで開かれているエコファッション展。各デザイナーやブランドからの提案の間に、訪れた人からの意見や感想が掲げられているコーナーがありました。


コーナーの左側には、「あなたが今日履いている靴を作ったのは誰?」「着なくなった服はどう処分してる?」「洗濯機の設定は何度?(英国の洗濯機は水温の温度設定ができる)」「あなたか今日身につけている化学物質は?」「ご自由にコメントを」と質問項目。

   七夕の短冊のような紙に書き付けられたコメントの中から印象的だったのを2つご紹介します。

   ひとつめは、「(今日身につけているのは)コットンとポリエステル。私はアイロンかけはしない主義。だから必然的に、アイロン不要の素材しか選びません」というもの。これは私もすでに長いこと実践中です。もっとも、アイロンの手間が面倒というのもありますが。

   パリッとアイロンの効いたシャツやリネンは本当に素敵だなと思うけれど、もはや分厚い豪華本や燃費の悪い高級車にも似た贅沢品で、対価が払える・払えないにかかわらず、たまのぜいたくにしておくものなのだろうなぁと思っています。漂白が必要な白い洋服も同様だし、ドライクリーニングも、大量に出すのは次第に「かっこ悪いこと」という認識になっていくのではないでしょうか。自分のことしか考えてない状態がおしゃれとはとても言えないわけで。


<写真左>原文は「Both cotton & polyester. I don't iron my clothes. I don't iron anything so drip dry fabrics are my choice.」<右>「I think I _AM_ A chemical. I wear hair spray, make up, mascara, deodorant, Topshop clothes etc....」

   もうひとつも、今日身につけている化学物質は?に対する返事で、「(身につけているとかじゃなくて)もう私自身がケミカル。ヘアスプレー、メイク、マスカラ、デオドラント、そしてトップショップ(イギリスの大手お手頃アパレル)……」というもの。もちろん自虐ジョークなわけだけれど、そういえばとハッとさせられます。

   とはいっても、「あれをやらない」「これをあきらめる」といったマイナスばかりではあんまり楽しくない。この展覧会はマイナスしつつのプラス提案だったのが肝なのです。ただしそのプラスは発想の妙や手仕事の再評価といった、アイディアとしてのプラス。アイディアはいくらプラスしても二酸化炭素は出ませんからね。罪悪感なしで楽しい。

   帰りしな、そういえば日本の一昔前までの暮らしは本当にエコだったんだなぁと思いながら歩きました。幸田文さんのエッセイにあるような暮らし。着物として洗い張りをしながら何十年か着たら、ほどいて座布団にしたり、半纏にしたり、ついには雑巾になって、ご苦労様でしたと。この展覧会に出したらさぞや評判になったのでは、とちょっと思ったのでした。

●「環境とか未来とか大切にしたいね通信」>


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目下すさまじい勢いで開発が進んでいるドバイに住んでいます。環境問題の意識については日本もまだまだだと感じていましたが、ここはまさに無法地帯。ゴミは一切分別しない・砂漠にしょっちゅう行くとは思えないのにガンガン4WDが走っている・どこに行っても必要以上に冷房が効いているなどなど驚くばかりです。これから街づくりをしていく、お金に余裕のある国だからこそ、他国のお手本になるようなアイディアを形にしてほしいと思います。

投稿者 nat : 2006年05月31日 07:02

はじめまして、

へぇー、ふーん、そうそう!なんて
いつもラップトップに向かって話しかけつつ、
楽しく拝見させていただいています。

行きました。このエキシビション!

今通っている大学University of The Arts London (UAL)の講師(環境とか未来とか大切にしたいね通信でも紹介のあったRebeccaさんです。)がキュレーターしていることもあり、大学のもつ、いくつかのカレッジ、コースでは、このエコにテーマにプロジェクトを進めています。
じつは、わたしもそんなひとりで、この展示には2回も行ってしまいました!


今UALの各カレッジでは卒展が始まっています。
アート、ファションとエコのついて考えた作品も紹介されています。もうみなさんご存知かもしれませんね。

もしご興味があれば、こちらもチェックしてみてください。→ http://www.arts.ac.uk/

投稿者 k : 2006年05月31日 21:26

>natさま ドバイですか! 最近すごく観光に力を入れていますよね。やはり「石油後」を睨んでの政策なのでしょうか。ザ・パームとかあの世界地図型の人工島(たしかに一度上陸してみたいけど)とかを見る限りでも、無法地帯ぶり、なんとなく想像できるような気がします。
お金持ちだからお手本にというのは、日本にもそのまま当てはめたいですよね。太陽エネルギー発電をするための先端技術をたくさん持っているのだし。世界に尊敬される国になりたいものです、と海外にいると、愛国心芽生えますよね……(^_^;) 法律なんかで強制されなくとも、愛国心っていうのはいい国なら自然に芽生えるものだなぁと、ちょっとズレましたが。

>kさま レベッカさんに教わっていらっしゃるのですね。それは面白そうです。私はロンドンで学んだことはないので、学生生活、ちょっと憧れです。いろんな国の学生がいるそうですよね、さぞかし刺激的なのでは。ぜひ日本の着物システムを回りの人に教えてあげてください(とまた愛国的)。

投稿者 アオキ : 2006年05月31日 23:39

はい、芽生えます!私もいっぱしのナショナリスト?とまではいかずとも、海外に暮らすとどうしても日本について日本人について考えずにはいられません。以前暮らしたバンコクとは打って変わって、ドバイでは日本の存在感薄いです。やはりこれが世界の本音なのでしょうね。

青木さんもおっしゃるように、太陽や風力を使ったエネルギーを活用するなど、自然に助けられながら自然を守る方法を何としても確立しなくては。武力に使うお金があるなら、そこに注力する。誰に何と言われようとそれを貫けたら、私たちも日本人であることを誇りに思えるのではないでしょうか?


「石油後」の為のはずが、どう見てもオイルマネーざくざく調から抜け出せていない乱開発ぶり。正直うんざりしますが、しっかり見届けたいと思います。

投稿者 nat : 2006年06月01日 06:35

レベッカさんの講義を直接受けたことは、じつはまだ一度しかないんです。(同じUALの中でも、レベッカさんはChelsea College of Art and Design, わたしはLondon College of Fashion... 残念です。)でも、ときたま開かれるこの手のイベントには参加して行くつもりです。
わたしも幸田文さん、好きです!
日本の素敵なところをひとりでも多くの人に知ってもらって、それが逆に日本の素敵なところの発展の役にたつとしたら、もっと素敵ですもんね!
(愛国心、すくすく育ってるみたいです^^)

投稿者 : 2006年06月01日 08:08

不勉強でごめんなさい。

「パリッとアイロンの効いたシャツやリネンは本当に素敵だなと思うけれど、もはや分厚い豪華本や・・・」というのは、コットン100%だと、アイロンがけにかかる時間と電気代が贅沢品ということでしょうか?

私はポリエステルなどが入った化学繊維は環境に悪いと思っていましたので、「はっ!」とさせられているところです。何か情報がありましたら、教えて下さい。

それとも、アイロンのいらない素材とは、シルクのシャツのことをおっしゃっているのでしょうか?

私も、環境や未来がとても気になります。海外で育ったこともあり、「日本」は小さい頃から強く意識しています。傲慢ではありたくないですが、誇りの持てる生き方はしたいなと考えています。


投稿者 不勉強でごめんなさい。 : 2006年09月15日 15:59

不勉強でごめんなさい。さんへ
(呼びかけにくいお名前ですね(^_^;))

お返事が遅くなってすみませんでした。

>コットン100%だと、アイロンがけにかかる時間と電気代が贅沢品ということでしょうか?

そうですね、そんなつもりで書きました。とはいえ、コットンとポリエステルどちらがいいのか? 答えは出ないのではないかと思います。基本的にはコットンがいいと思いますが、綿花はもっとも農薬を使う作物のひとつと言われています。綿花のプランテーションのために森林が切り開かれている可能性もある。それを考えると、ひどい育てられ方をしたコットンよりポリエステルのほうがもしかしたら環境負荷は低いかもしれない。

オーガニックのコットンを使った、天然染料のアイロンの要らないざっくりとした生地の服を大切に長年着るのがいちばんいいのだろうと思います。あるいは、この展覧会の提案のように誰かが手放したものをリメイク・リユーズしたり。
型にはまったおしゃれや礼儀を見直すことも必要なのだろうと思います。

投稿者 Aoki Yoko : 2006年10月08日 20:15

名前、改めてみました。
お返事、ありがとうございました。

「アイロンがけにかかる時間と電気代が贅沢品」という発想。とてもおもしろいと思いました。

ナイロン製の開発も、元はこれが発端かも知れないですね。

私は、アレルギーもあるので、化学繊維がだめなのと、アイロンがけの時間が好き(それこそ、優雅・贅沢な時間な気がするから)なので、コットンを選びますが、青木さんのような考え方を知って、色々な考え方があるんだなぁと改めて思いました。

「型にはまったおしゃれや礼儀を見直すことも必要」。
伝統や独自の文化を壊してはならないでしょうけれども、無意味だな~と思うこと、多いですものね。温故知新。大きなテーマですね。

その前に私の場合はもっと日本のこと知らないといけないですが・・・。

投稿者 改め、興味津々 : 2006年10月11日 19:58







青木陽子
Cafeglobe
ファウンダー・取締役
女性誌編集者時代、自分を含めまわりの女性たちが本当に読みたい媒体がないことに気づき、1999年に現社長の矢野とともにCafeglobeを立ち上げ、6年間編集長をつとめる。現在、パートナーの暮らすロンドンと東京の二重生活を実践中。
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