藤谷文子さんと加瀬亮さん起用のワケは? 『TOKYO!』 [2008年07月31日(木)]
今日は(というか昨日になりますが)、ミシェル・ゴンドリー監督の記者会見に行ってきました!
左がゴンドリー監督、右が原作者のガブリエル・ベル。共同脚本ということでしたが、写真撮影ではこの仲睦まじさ。あれ、そういうことなのね……
この会見は、まもなく公開される映画『TOKYO!』のプロモーションのため。東京を舞台にした三部作のオムニバス映画で、監督は『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』のミシェル・ゴンドリー、『ポンヌフの恋人』『ポーラ X』のレオス・カラックス、『殺人の追憶』『グエムル−漢江の怪物−』のポン・ジュノという、オリジナルな映像世界を持つ3人。名前を聞いただけでも、内容が気になりますよね?
ミシェル・ゴンドリーの作品『TOKYO!<インテリア・デザイン>』は、映画監督という夢をかなえるべく上京したアキラと、恋人のヒロコの話。やりたいことがはっきりしているアキラに比べて、それをサポートしているヒロコは、思い通りにいかない東京の生活に息苦しさを感じたり、自分の居場所がないように感じて落ち込んだり……。
後半の展開には驚きましたが、心温まる結末。ミシェル・ゴンドリーらしい、ファンタジックでかわいらしいおとぎ話に仕上がっています。
アキラとヒロコを演じる藤谷文子さんと加瀬亮さんが、本当に魅力的。特に藤谷さんの表情に引き込まれます!
原作になったのは、NYを舞台にしたコミック。このストーリーをゴンドリー監督が東京舞台にして撮った、ということなのだそう。ということで、今日の会見には原作者(で恋人?)のガブリエル・ベルさんも出席していました。
では、記者会見のコメントから。
まず、藤谷文子さんと加瀬亮さんのキャスティングの理由について。
キャスティングは2人で決めたということで「藤谷さんは会ってすぐにヒロコだと確信した。加瀬さんは、シリアスな資質のあるすばらしい俳優だと思った。彼がいいかなと思ったあとは他の候補が色あせて見えたほど。2人が並んだときの相性もよかったし」と2人とも絶賛。
藤谷さんがアメリカ人のハーフなので、英語でのコミュニケーションがスムーズだったとコメントしながらも、それが起用の理由ではないときっぱり。「キャスティングは感覚に頼るところが大きいので説明しにくいのですが、人種や性別を越えてピンとくるもの。家族の一員のような感覚なんです」(ゴンドリー監督)
NYが舞台のストーリーを東京に置き換えたのには、共通点があるから? という質問には「このストーリーに出てくるのは『やりたいことがはっきりしているキャラクター』と、『いまひとつやりたいことをはっきり言葉にできないキャラクター』。NYも東京も、野心がある人のほうが機能しやすい街。NYが『何かを成し遂げるために出てくる街』という印象が強いように、東京もきっと同じところがあるのではないかと思います」(ゴンドリー監督)「NYのアパートは小さいけれど、東京はもっと小さい。だから、ヒロコとアキラが上京して、狭くて居場所がないという感じがよく出たと思います」(ガブリエル)
逆にNYと東京で違うところについては、「東京の街で面白いのは建物と建物の間にあるちいさな隙間だね」と監督。映画の中にも隙間を上手につかったシーンが出てきますのでご注目を。
ポスターをはさんで
では、ほかの2作品についても簡単に紹介を。
恐いのに、どこか美しかったりかわいらしかったりもする「メルド」。とにかく、ドゥニ・ラヴァンの演技力に圧倒されます
レオス・カラックスの『TOKYO!<メルド>』は、現代版ゴジラとも言うべき謎の生物「メルド」が東京の街に出没するという話。カラックス作品でおなじみの俳優ドゥニ・ラヴァンが演じるメルドが衝撃的! マンホールからヌーッと出てくるところとか、ほんとうに人間とは思えない動きで。意味不明なメルド語の話し方もすごくリアルでコワいんです。
公開中の『百万円と苦虫女』に引き続き、蒼井優さんのキャラクターがドキドキするほど魅力的
ポン・ジュノの『TOKYO!<シェイキング東京>』は、香川照之さんが演じる引きこもりの主人公が、蒼井優さんが演じるピザの配達スタッフに恋をするというラブストーリー。アニメのキャラクターのような蒼井優さんがほんとうにキュートで。ボソボソっとしゃべる声とか、うまいなあ。
3作品とも監督以外キャストもスタッフもほとんど日本人で作ったということなのですが、それぞれに監督らしさが出ているし、日本人キャストがすごく魅力的に撮られているなあという印象。まったくテイストが違う3作ですが、どれもよかった。
公開は8月16日からです。
『TOKYO!』
『TOKYO!<インテリア・デザイン>』
監督:ミシェル・ゴンドリー
脚本:ミシェル・ゴンドリー、ガブリエル・ベル
出演者:藤谷文子、加瀬亮、伊藤歩、大森南朋、妻夫木聡、でんでん
『TOKYO!<メルド>』
監督・脚本:レオス・カラックス
出演者:ドゥニ・ラヴァン、ジャン=フランソワ・バルメール、石橋蓮司、北見敏行、嶋田久作
『TOKYO!<シェイキング東京>』
監督・脚本:ポン・ジュノ
出演者:香川照之、蒼井優、竹中直人、荒川良々、山本浩司、松重豊
8月16日より シネマライズ、シネ・リーブル池袋ほか世界先行ロードショー
(c) 2008『TOKYO!』
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「中国たたきの映画ではない」とコメント 『いま ここにある風景』記者会見 [2008年06月22日(日)]
ちょっと時間が経ってしまいましたが、前回の『いま ここにある風景』の続き。この作品は、産業の発展とともに変化していく風景を世界中で撮り続けている写真家のエドワード・バーティンスキー氏が、中国で撮影した様子を追ったドキュメンタリー。
先日行われた、バーティンスキー氏の来日会見に行ってきました。
カナダを代表する写真家、エドワード・バーティンスキー氏は地球上の産業の風景をテーマに撮り続けている。今回の映画ではなかでも中国の作品に特化しているということ
カナダでの作品。これも映画に登場します
(c)EDWARD BURTYNSKY
冒頭の挨拶で「人間というものが、環境にどんな影響を与えてきたのか、今最も成長している中国の変化を通じて描いたものです」とコメントした氏は、3年間の間に中国を5回訪問、それぞれ約1ヶ月滞在したのだそう。
「3年間の間に、水や空気などさらに環境が破壊されていったことを目にしてショックを受けました。中国に進出している先進国の企業が、自国内では守っている基準を中国では守っていないといういケースもある。そのことにも驚きと悲しみを覚えました」。
巨大ダムに廃棄物の山、といった映像は衝撃的だけれど「この作品は中国を指差して批判するものでも責任を求めるものでもなく、この規模での経済成長が続いたらどうなるかということを、多面的に捉える作品だと考えています」と、中国だけの問題ではないことを強調。「人類の問題として捉えるべき。空気や水や土地を破壊せずに暮らしていくにはどうしたらいいかを考えるきっかけにしてもらいたい」と語りました。
中国たたきの映画ではない。先進国がやってきたこと、われわれの負の部分の映画だと思っている、とバーティンスキー氏
お気に入りのシーンとしては、冒頭にある8分間にわたって工場の内部をノーカットで延々と映し出すシーンを挙げ「私がこの工場を写真に収めたのは、産業がここまで大きく成長してしまったということを見せるためですが、映画のオープニングでこれだけ長いシーンを見せたのは、監督と撮影監督の素晴らしいアイディアによるもの。最近の映画はカット割が多く、スピードも速いので、観ているうちに『いつまで続くのかな…』と落ち着かない気持ちになってしまうでしょう。この映画の世界に入るための瞑想の時間にしてもらえればと思う」とコメント。
ちなみにこちらの工場の製品は、実際に日本でも売られているものだそう。「物事はみな、どこからか来てどこかに行くもの。たとえば人は、欲しいと思ってモノを買い、いらなくなって捨てるけれど、その先にまだモノが行く先がある。それをきちんとつなげて考えられるような作品が撮りたいと思っています」。
うーん。安いから買い、新しいから買い、とサイフを開いている限り、あの風景はなくならないんだと思うと、ちょっと考えてしまう。それくらいにに説得力のある映像でした。
こういうドキュメンタリー、たとえば環境問題を扱った『不都合な真実』とか医療問題を扱った『シッコ』とか、最近公開されたものでは『おいしいコーヒーの真実』なんかもそうですが、いま生きている社会を考えるうえで刺激になる作品は、エンタメ映画と比べるとちょっと地味ですが、チェックしておきたいもの。あえてデートに使って、語ってみるのもいいかもしれません。
公開は来月12日から。
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本日公開。トム・ケイリン監督のコメントも! 『美しすぎる母』 [2008年06月07日(土)]
今日から公開中のこちらの作品。
舞台は1946年のニューヨーク。貧しい家の出身ながら、その美貌で大富豪のベークランド家に嫁いだ女優のバーバラが、夫に捨てられ、行き場をなくして最愛の息子と住居を転々としながら、最後にはその息子に殺されてしまうというショッキングなストーリー。実際にあった事件をもとに作られたということが、さらに内容を衝撃的に見せています。
上流階級独特の雰囲気の中で起こる悲劇。怠惰で美しい生活や、同性愛や、母親殺し、といったキーワードがちりばめられたこの作品からは、ちょっとヴィスコンティの映画のような耽美的な雰囲気も感じられて、悲劇なのですが美しい。萩尾望都や竹宮恵子が描くマンガの世界に通じる世界、ともいえそう。
ニューヨークから、ロンドン、パリ、マジョルカ島と滞在先を転々と変えるのですが、どの邸宅も美しいし、ファッションも素敵。息子のアントニーが、イケメンという感じではないけれど、両親に振り回されて育てられたせいで、主体性のないお人形のような青年になっていく様子もちょっとゾクゾクします。演じているエディ・レッドメインの青白いソバカス顔が、役にぴったりでした。
でも、なんといってもこの作品で一番の魅力はジュリアン・ムーアの演技。
激しい気性と美貌で周囲を振り回しながら、結局、夫に捨てられ、上流階級の雰囲気にもなじめずに、孤立していく。そんな強さと狂気を持ったバーバラを熱演しています。ストーリーを読むと、結末にかけてはただショッキングですが、彼女の変遷を観ているとそれが自然なものに思えてくる。本当にすごい女優さんだなあと思います。
うーん、母と息子の関係って難しい……なんてことを考えさせられてしまうのですが、ここで監督のトム・ケイリンが4月に来日した時のインタビューの様子をちょっとご紹介。
この映画で一番描きたかったテーマについては、ひとこと「リミッツ・オブ・ラブ」と答えた監督。
「つまり、家族のうちにある愛の限界や、人間関係においての愛の限界を撮りたかった。バーバラは、貧しい家庭で育ち裕福な結婚をしたけれど、最終的には全てを失った。それは、自分をちゃんとつかんでおけなかったからだと思うんです」。
バーバラという女性については「ナルシストで怒りを内に持っていて、落ち着きがない人」と評する監督、ジュリアン・ムーアを起用した理由については「彼女なら役に必要な人間臭さや感情的な深みを伝えられると感じたから」と。
ジュリアン・ムーアは台本を渡すと1週間で引き受けてくれると連絡があったそう。
「ジュリアンは、物静かな役を演じることが多いので、バーバラ役はチャレンジだったと思うが、彼女は勇敢に挑んでくれた。空港のテイクなどは自分からいろいろ提案してくれたよ」。
たしかに、空港のシーンでのジュリアンには怨念のようなコワさが……。
デートで観るにはちょっとヘビーかもしれませんが、上流階級、美少年好き、耽美派好きのかたはぜひ!
『美しすぎる母』
監督:トム・ケイリン
出演:ジュリアン・ムーア、スティーヴン・ディレイン、エディ・レッドメイン
Bunkamura ル・シネマほか全国公開中
(c) Lace Curtain, Monfort Producciones and Celluloid Dreams Production
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イケメン王子登場! ベン・バーンズにインタビュー 『ナルニア国物語/第2章 カスピアン王子の角笛』 [2008年05月22日(木)]
こちらがカスピアン王子役のベン・バーンズ。顔立ち全部整ってますが、特に笑ったときの口元、白い歯がすばらしくキレイ☆
昨日から公開の『ナルニア国物語/第2章 カスピアン王子の角笛』。タイトルにもあるとおり、本作の見どころは、ずばり「カスピアン王子」。今日はカスピアン王子役で現在大注目のベン・バーンズのインタビューをご紹介します。
イギリス出身のベン・バーンズは、これまでは主に舞台俳優としての活躍が中心。昨年公開された映画『スターダスト』に出演していたということですが、映画で大役を演じるのはこれが初。
今回の来日では2日間で200本近くという驚異的な取材スケジュールを抱えながら、終始さわやかな笑顔で答えてくれました♪ さすが、王子!
★今回、主役に決まったときの感想は?
決まったという連絡が来たのが深夜3時ごろ。もう嬉しくて、叫びながら家中を走り回ったね(笑)。『ナルニア国物語』の原作本は、8歳のころから大好きだったから、自分が魔法の世界を創る一部となって、次世代の若い人たちのために作品を提供できるということには特別な思いがあります。
★カスピアン王子を演じるうえで気をつけたことは?
いわゆる典型的なハリウッドの王子像を演じたくはなかった。カスピアン王子は、不安を抱えているところに特徴があるからね。自分はまだ指導者になる準備ができていないし、その責任も持ちたくない。自分は王にはふさわしくない、と考えているところが、この役を面白くしているんだと思う。だから、たまに間違いも犯すし。リアルな青年、というところが、従来の王子様と違うところだと思うんだ。
★カスピアン王子との自分自身との共通点を挙げると
カスピアン王子がたどる変遷は、僕自身と共通する部分があると思う。映画の冒頭で、王子は自分に起きた状況に対して非常に驚き、恐がっているところがあるんだけど、僕自身も最初にこの役が決まったときは非常に驚いて緊張していたからね。作品の最後のところでも王子は、まだ与えられた役を務める準備が自分にはできていない、と言うけれど、僕自身も、映画がきっかけでここまで注目されているという状況に対して、完全には準備ができていないと思うので、そんなところも共通しているんじゃないかな。
★カスピアン王子が心惹かれた女性は、か弱いお姫さまではなく勇敢なタイプでしたが、実際には賢くて勇敢な女の子をどう思う?
女性が自立して社会的にも勇敢であることは大切だと思う。とはいってもときには自分がリードするような立場もいいなと思うので……。男としてはどちらの部分も持っていたいかな。
★取材をしていても気品を感じますが……、王子らしく演じるために普段から心がけたことはありましたか?
僕に気品がある? 紅茶を飲んでるからじゃない(笑)?〈取材中、紅茶を飲んでいたので〉
いや、自分としては特に何もすることはなかったんです。すばらしい馬にも乗せてもらったし、剣術も習い、鎧や武器もすばらしいものを与えられて、髪もエクステをして、日焼けをして、スペイン語なまりの方言も教えられて……。すべて周囲が状況を整えてくれたので、自分は現場に入ってセリフを言うだけ。本当にそれだけでした。
★日本の印象はどうですか?
東京しか知らないけれど、みなさんの姿勢や態度が礼儀正しくて、お互いに敬意を表しているように感じます。前回来日したときに、神社でヒット祈願をしたんですが、時間があれば伝統的なものをもっと見てみたい。ニューヨークのように近代的でモダンなところもありながら、街中で着物の女性を見かけたりすることも面白い。
★今回滞在中に行きたいところは?
残念ながら今回は2日間の滞在で200本くらいの取材があって、ジャパンプレミアもあるから、無理かな。また次回絶対来ます。
★この作品の見どころと次回作への意気込みを
見どころは、作品中盤の夜襲のシーン。アクションがたっぷりでスリルがあるし、それぞれのキャラクターの感情の動きも見どころだと思います。あとは、ミラース王(セルジオ・カステリット)のシーンがどれもいいですね。
本作の終わりでは、カスピアンはまだ王になる準備ができていないと言うけれど、次回作では王という立場をどう受け止めて、どう成長するのか。同じ役を続けて演じた経験もないから、そういう意味でも楽しみです。
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本人も語っていましたが、「王子の弱さ」はたしかにこの作品の魅力。ペベンシー四兄妹と王子との関係がちょっとぎこちなかったりするし、途中でも「王子、しっかり!」と言いたくなるようなシーンがいくつもあったりして、王子にうっとりする、というよりは応援しなきゃという気にさせられるんです。で、このフェイスですからね。王子を見守る目線で観ても面白いと思います。
がんばれ、カスピアン王子!
『ナルニア国物語/第2章 カスピアン王子の角笛』
監督:アンドリュー・アダムソン
出演:ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、ベン・バーンズ
全国公開中
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