思い切り笑えて、じんわり感動 『僕らのミライへ逆回転』 [2008年10月05日(日)]
ミシェル・ゴンドリー監督の新作『僕らのミライへ逆回転』。
ゴンドリー監督といえば、8月にオムニバス映画『TOKYO!』が公開されましたが、発表する作品はどれも発想がユニーク。『エターナル・サンシャイン』では「記憶除去手術」が存在する世界が描かれるし、『恋愛睡眠のすすめ』では妄想と現実の境がなくなっていく。そういう映像にしにくそうな世界を、とびきりキュートにまとめてしまうところがまた、いいんですよねー。
『エターナル・サンシャイン』で、消されていく記憶の中で、それに抗うように2人で手を取って逃げるシーンとか、脳内をこんな風に描くなんて!と観ていてすごくワクワクしました。未見の方、おすすめです!
で、『僕らのミライへ逆回転』ですが、これも発想がユニーク&手作り感溢れる映像に心和みます。
ストーリーは、つぶれそうなレンタルビデオ店で、ある日店のビデオから映像が消えてしまう事件が発生。店員のマイクの幼なじみ、ジェリーが発電所で感電して超強力な電磁波を帯びてしまったのが原因だとわかり、慌てたふたりは、自作自演で『ゴーストバスターズ』『ライオン・キング』など消えた名作・旧作映画を作りなおす、というもの。
ありあわせの材料で、名作をリメイク。楽しそう!
アルミホイルをカラダに巻きつけて、キラキラのモールを飾った掃除機のホースらしきものを手に持って、近所の図書館で『ゴーストバスターズ』をリメイク。車の部品をカラダにつけて『ロボコップ』の撮影。その場にあるものを使って、名作が次々にリメイクされるんですが、どれも手作り感いっぱい。ヘンだけど見ていると和む。このノリはもしかして、欽ちゃんの仮装大賞!?。
これは『キングコング』のリメイク
監督は、あえて元の映画のシーンをきっちり再現するのではなく、観ていない人がイメージだけで頑張ってリメイクするとこんな感じ、というものにしたのだそう。だから、元の作品を観ている人はもちろんですが、観ていない人も問題なし。元の作品と比較できなくても、イメージだけで十分楽しめます。
幼なじみ2人を演じるのはジャック・ブラックとモス・デフ。特にジャック・ブラックはコメディの本領発揮、という感じで、ちょっとした表情から動きまで、ひとつひとつが本当におかしい。
ジャック・ブラック、いいですよねー。今年は『テネイシャスD』『カンフーパンダ』と出演作が次々に公開されてます。11月には『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』も待機。こちらも期待できそう!
思わず笑っちゃうシーンが満載ですが、この作品のベースになっているのは「映画愛」。終盤、ジーンと感動できるシーンも用意されていて、その感覚はちょっと『ニュー・シネマ・パラダイス』を思わせるような展開でした。
この映画と中でリメイクされた作品をネタにすれば話がいくらでも膨らみそうなので、デート向きともいえそう。公開は来週末です。
『僕らのミライへ逆回転』
監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローヴァー、ミア・ファロー
10月11日よりシネマライズ、シャンテ シネ、新宿バルト9ほかにて全国ロードショー
(C)Newline Productions/Junkyard Productions
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古いアパートにはドラマがいっぱい 『東南角部屋二階の女』 [2008年09月17日(水)]
この間、近所を散歩していたら、貸本屋さんが休業の貼り紙を出していました。以前からそこにあるのは知っていたんですが、お店の中は見えないし、どういう人が利用するのかも想像つかなかったので、本当に営業していていたんだ!ってことにまず驚きましたが、「健康上の理由で休業します」といった内容だったので、妙に寂しい気持ちになりました。
その店がある界隈は古い昭和の雰囲気そのまんまで、軒先に植木鉢がずらーっと並んでいて季節感もあるし、通るたびに和みます。でも、そこからちょっと歩いただけで、ピカピカの中規模マンションがずらーっと並ぶエリアにつながるので、ここも時間の問題なのかもしれません。散歩好きとしては古くて味のある建物がなくなるのは残念ですが、住んでいる皆さんにはいろんな事情があるんでしょうねー。
そんな「事情」を抱えているのが、この映画『東南角部屋二階の女』の主人公、野上。死んだ父親の借金を背負い、古いアパートが建つ祖父の土地を売ろうとするのです。まだおじいさんも健在なんだしと、周囲からいろいろ言われても、野上にとっては切実なわけで。彼自身もその古アパートに住んで日々祖父を説得するけれど、イエスともノーとも言わず、そもそも聞こえているのかもよくわからない。
で、ひょんなことからそのアパートに、突発的に会社を辞めた野上の後輩と、アパートの更新料が払えずに住むところがなくなったという、野上が以前見合いをした相手の涼子が転がり込んでくる。2人とも自分の現状が嫌で逃げ出したくてしかたがないし、ちょっと被害妄想気味。そういう、人生に行き詰まった3人がアパート暮らしを始めるのです。
イエスともノーとも言わない祖父のところには、毎日近所の居酒屋の女将、ふみさんがやってきては身の回りのことを世話している。でも、二人の関係は不明。マイナス思考の若者3人は、彼らのすぐ近くで淡々と暮らす2人を見ているうちに、少しずつ変わっていく、という話。
西島秀行さんと加瀬亮さんという、実力派の二人の存在感だけでもぐいぐい引き込まれますが、ふみさん役の香川京子さんがとても美しかったです。祖父役の高橋昌也さんとのやり取りが、歳を重ねても常に緊張感のある、古き時代の男女という感じで、とても素敵なのです。
古い建物にはいろんなドラマがあるものだなーと。しみじみとするラストです。
『東南角部屋二階の女』
監督:池田千尋
出演:西島秀俊、加瀬亮、竹花梓、塩見三省、高橋昌也、香川京子
9月20日より渋谷ユーロスペース、シネマックス千葉ほか全国順次公開
(c)2008 Transformer, Inc.
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こんな夫婦に憧れる!? 『アキレスと亀』 [2008年09月10日(水)]
北野武監督の最新作。ベネチア映画祭でも、受賞は逃しましたが大きな話題になっていました。レッドカーペットに着物姿で登場した樋口可南子さん、美しかったですねー。
裕福な家庭に生まれ、周囲に勧められて絵を描き始めた少年、真知寿(まちす)は、両親の死をきっかけに貧しい生活を強いられることになるが、それでも絵を描き続ける。青年になった真知寿の前に現れた幸子は、彼を理解し支える存在に。絵はいっこうに売れず、貧しい暮らしからは抜けられないが、真知寿の夢を叶えるべく2人は創作活動に没頭していく、という話。
映画の構成は、真知寿の成長に合わせて3つに分けられているのですが、北野映画の中ではとても分かりやすい作品だと思いました。メインに描いているのが夫婦愛ということもあって、観終わって優しい気持ちになる。
でも、いっぽうではかなりシニカル。夢を持ち続けるって本当に厳しいことなのだなあと。
自分の絵が売れないからと、画商にあれこれ言われるままに画風を変えていく真知寿は哀し過ぎて喜劇、という感じ。周囲に認められなくてもわが道を行く、というほど破天荒でもなく、見切りをつけて違う道に進むわけでもない。それでも諦めずにやっていけたのは、夫婦(というより妻)が支えていたからなんだろうなあと思います。
ある意味、幸子は理想の妻なのかも。夫の理解者であり同志。社会から浮きまくろうとも、夫のやりたいことを叶えようとするし、そのためにがんばれる。
青年時代を演じた麻生久美子さんと柳憂怜(柳ユーレイさんが改名したんだそう)の夫婦も味があってよかったんですが、樋口可南子さんとたけしさんの夫婦が本当に素敵でした。
シーンによっては、真知寿が妻にやらせようとしていることが、たけしがかつてバラエティ番組でたけし軍団に対して出していたムチャな態度に重なったりして。で、妻の反応も軍団と同じように「殿に言われたら仕方ない」という愛情で動いているように見えました。樋口さんが「はいはい」って言いながら、ムチャをさせられる。このやり取りは傍から見ると、ちょっとハラハラします。でも2人の世界ではちゃんと成り立っているんですよね。嫌々やらされてるわけではないってところが、夫婦愛、なのかな。
なんだかふと、林家ペーさんとパー子さんを思ってしまった。こちらの2人はきちんと成功も収めていますけどね。
公開は来週末です。
『アキレスと亀』
監督・脚本・編集・挿入画:北野武
出演:ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜、麻生久美子、中尾彬
9月20日よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
(c) 2008『アキレスと亀』製作委員会
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アラスカで見つけたものは…… 『イントゥ・ザ・ワイルド』 [2008年09月05日(金)]
明日公開の『イントゥ・ザ・ワイルド』。全米で大ベストセラーとなった原作ノンフィクション小説に惚れ込んだショーン・ペンが10年かけて映画化したもので、これはいろんな意味で圧倒される作品です。
裕福な家庭に育ち、大学では優秀な成績を収め、将来を有望されていた青年・クリスが卒業と同時に家族に黙ってアラスカに旅立つ、という話で、優等生の自分探し? なんて意地悪な見方もできるんですが、車も捨て、IDも捨て、お金も燃やして、まっさらな自分になって出発するという彼の決意はかなり本気。
で、旅先でヒッピーの夫婦や、1人暮らしの老人など、おそらく彼がこれまで出会ってこなかったタイプの人たちとの交流があり、それだけでもいい話だなあと思えるんですけど、クリスはストイックに旅を続けることに。
自分のいる環境とか価値観とまったく違う世界に飛び込むことって、人に深みを与えると思うし大切な経験だと思うけれど、たいていはどこかで引き返したり、両者の間で折り合いをつけたりすると思うんですよね。そのまま突っ走るクリスは、観ていて危なっかしいけど、すがすがしくもある。
クリス役のエミール・ハーシュがこの役にぴったり。育ちがよくて人好きのする感じがするけど、頑固。彼と知り合う人たちが、放っておけないけど、送り出したくなる気持ちがよくわかりました。
しかし、アラスカでひとりきり、はキツイなあと。山でキャンプして自然はいい、なんて言っているのとはワケが違いますね。特に、肉を調達するにはどれだけ苦労があるのかのエピソード、これはけっこうショックでした。
それにしても、アメリカは広くて大きいなあとあらためて思います。グランドキャニオンとか、荒野とか、激流とか、当たり前ですが日本とは規模が違いすぎる! そういう大自然の中にひとりで入っていくのは相当覚悟がいると思いますが、観ているほうは単純にワクワクできました☆
『イントゥ・ザ・ワイルド』
明日より、シャンテシネ、テアトルタイムズスクエアほか全国拡大ロードショー
原作 ジョン・クラカワー
監督・脚本:ショーン・ペン
出演:エミール・ハーシュ、キャスリン・キーナー、ヴィンス・ボーン
(c)2006 Into the Wild LLC.
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ピクサーの新作『WALL・E/ウォーリー』、観て来ました☆ [2008年08月27日(水)]
公開はまだずっと先、12月なんですが、ちょっとお先に観て来ました。
映画館ではけっこう前から予告編がかかっているので、観たことがある人も多いのでは? 私もずっと、気になってました。
人類が宇宙に向けて旅立ってから700年後の地球で、たったひとり黙々とゴミを片付けるウォーリーは、キャタピラの足でガラガラと進む、かなり旧式のロボット。ある日、空から宇宙船が現れ、ピカピカで流線的なデザインが美しい、未来型ロボットのイヴが降り立つ。で、ウィーリーはイヴに夢中になるというわけ。
ウォーリーもイヴも顔のパーツは目だけで、表情のバリエーションも少ないはず……、なのに「なんで?」って思うくらい感情豊かなキャラクターに見えました。セリフも「ウォーリー」「イーヴォ」(←ウォーリーは「イヴ」とちゃんと発音できないんですね)とお互いの名前を呼び合うくらいなのですが、それだけで気持ちがちゃんとこちら側にも伝わるから不思議。どちらにも感情移入できました。
途中から地球を飛び出すので、宇宙の中でロマンティックなシーンもたくさん出てきます。SFっぽい展開もありつつ可愛いラブストーリーで、心温まりました。
イヴは思わず触りたくなるようなツルツルの質感。彼女が触れると電球も光るんです!
ちなみにイヴは「i podがロボットになったような美しさ」ということでデザインされたんだそうです。たしかにアップルがロボットを作るとしたらイヴみたいになりそう。
で、ウォーリーのほうも、ソーラーパネルで充電が完了するとマックの起動音が「ポーン」とするのがちょっとご愛嬌。ってことは、ウォーリーもアップル社製という設定なのかな。
クリスマスシーズン(って気が早すぎですけど)のデートムービーに、今からオススメしておきます☆
『WALL・E/ウォーリー』
12月より日比谷スカラ座他全国ロードショー
(c)WALT DISNEY PICTURES/PIXAR ANIMATION STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
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『コレラの時代の愛』と『アクロス・ザ・ユニバース』 [2008年08月10日(日)]
オリンピック、盛り上がってますね〜。
今日散歩をしていたら、どこかの家から「よし、袈裟固め!」と聞こえてきて。「ケサガタメ?」と気になっていたのですが、柔道用語らしいですね。
日頃スポーツはほとんど観ないし、やらないし、なのですが、こういう機会ににわかファンになって観戦するのは楽しいし、ちょっと知識が増えるのがうれしいです。
さて、週末公開された作品をもうちょっとご紹介します。まずは『コレラの時代の愛』という、ガルシア=マルケスの小説を映画化した作品。
19世紀後半から20世紀にかけて、内戦とコレラの蔓延に揺れるコロンビアを舞台に、半世紀にわたりひとりの女性を思い続けた男の、愛と人生を描く物語です。
51年9ヶ月と4日、じっと待ち続けた男をハビエル・バルデムが熱演!
50年以上ひとりの人を思い続けて、求婚の機会を待つ。それだけ聞くと重たすぎて、ストーカー的な気味悪さも感じてしまいますが、その一途さがほかの女たちには魅力的に映り、彼のところには常に女性たちの姿が絶えない……。そんなところはちょっとラテンな感じで面白いなあと思いました。
ストイックな主人公を演じるのはハビエル・バルデム。今年『ノーカントリー』でオスカーを受賞したときの役は、ひたすらターゲットを追い続ける殺人鬼でしたけど、今回の役もひたすら待つ、という役。こういう執着心の強いキャラクターが、すごく合ってるのかも。
思われ続ける女性、フェルミナ。一度は結ばれたかに見えたのに、彼女は医者と結婚してしまうんです。ある意味、現実的
後半ではかなりの老けメイクになっていて、それが話題になっていましたが、特に違和感はなかったです。たしか何年か前の映画『海を飛ぶ夢』のときも、まったく別人かと思うくらい違和感のない老けメイクでした。むしろ私は青年時代のほうが、若くしてこんなに色気とカンロクがあっちゃまずいんじゃないの? とちょっと気になっちゃいましたね……。
『コレラの時代の愛』
監督:マイク・ニューウェル
出演:ハビエル・バルデム、ジョヴァンナ・メッツォジョルノ、ベンジャミン・ブラット
シャンテ シネ、Bunkamura ル・シネマほか全国公開中
(C)Copyright 2007 Cholera Love Productions,LLC ALL RIGHTS RESERVED.
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もう1本は『アクロス・ザ・ユニバース』。ビートルズの代表曲33曲で構成した、ミュージカル映画です。
中盤の、仲間たちと過ごすピースフルなひととき。かかっているのは「Because」のアカペラバージョン。気持ちのいいシーンです♪
舞台は1960年代。イギリス・リバプールの造船所で働く若者ジュードは、父を捜すため渡米。そこで、大学生のマックスと出会い意気投合。2人はニューヨークで音楽家仲間とともに新生活を始める。ジュードは兄を追ってニューヨークにやってきたマックスの妹ルーシーと恋に落ちるが、ベトナム戦争が彼らの運命を大きく変えていく……。
セリフもありますが、基本はミュージカルのように歌でストーリーが展開していきます。ビートルズのおなじみの曲なのですが、たとえば、『Strawberry Fields Forever』の歌詞を戦争に関連させて使っていたり、『Across The Universe』を暴動シーンに使ったりして、この曲をこういうシーンに使うんだ、という発見がたくさんあります。で、歌詞とシーンがちゃんとマッチしているところが、さすが!なのです。
ストロベリーの赤さで血を連想させたりして。描き方がシュールで独特です
映像もカラフルで色使いがキレイ。曲のPVを観ているような凝ったシーンがところどころにはさまれるのもまた楽しいのです。
で、ビートルズの曲を歌うのは各出演者。ジュード役のジム・スタージェスは、最近『ラスベガスをぶっつぶせ』に出演していましたが、歌うと声が渋くって。今回の役のほうが魅力的に感じましたね。
映像と音楽が魅力、とはいえ、ストーリーとしても十分に見ごたえあり。60年代のストーリーを語るのに、ビートルズの曲ってぴったりなんだなあと再発見。あらためて、ビートルズをちゃんと聴き直したくなる、そんな作品です。
『アクロス・ザ・ユニバース』
監督:ジュリー・テイモア
出演:エヴァン・レイチェル・ウッド、ジム・スタージェス、ジョー・アンダーソン、ボノ、サルマ・ハエック
渋谷アミューズCQN、シネカノン有楽町、新宿バルト9他にて全国公開中
(C)2007 Revolution Studios Distribution Company,LLC. All Rights Reserved.
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ヒース・レジャーのジョーカー 『ダークナイト』 [2008年08月08日(金)]
北京オリンピック、開幕しましたねー。
開会式の総合プロデュースはチャン・イーモウ監督ということでしたが、ステージに出てくる人の多さときらびやかな衣装はまさに『HERO』『LOVERS』のチャン・イーモウの世界! しかも、CGなしでライブなのに一糸乱れずに動いているし……。すごいことです。
途中の印刷技術の紹介のところで、上下に動く活版印刷の印字の中に人が入っていたのには、ちょっと意表を突かれて笑ってしまいましたが、さすがの大掛かりな仕掛けと規模に、オリンピックパワーを感じました。
さて。明日から公開される『ダークナイト』、バットマンシリーズの最新作です。
見どころはなんといっても、ヒース・レジャーが演じるジョーカー。
サイトには、ジョーカーのスペシャルサイトもあり。事前にチェックしてみて!
特に何の特殊な武器も持っていないのに、とにかく得体の知れないコワさなのです。
善に対する悪ではなく、存在が悪、という感じ。
もう、画面にジョーカーが登場するたびに、コワすぎて落ち着かなくなります。
ヒース・レジャー、本当に鬼気迫る演技です。
今年1月に薬物の過剰摂取で急逝したヒースにとって、この作品が遺作となってしまったのが、本当に悔やまれます。もっといろんな役を観てみたかった……。
バットマンとジョーカー、そこに今回、正義の男として検事のハービー・デントも登場して、ふつうのアクションヒーローものとはちょっと違う、複雑なストーリーになっています。ハービー・デント役のアーロン・エッカートも熱演。で、後半には、ちょっと目を背けたくなる驚きの展開もあります。
これまでのバットマンシリーズを観ている人は、まったくイメージを覆されますし、観ていない人もスムーズに入っていけるはず。
これは観ておいてソンなし!の1本です。
『ダークナイト』
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、ヒース・レジャー、アーロン・エッカート、マギー・ギレンホール
明日より丸の内プラゼール他 全国ロードショー
TM &(c)DC Comics(c)2008 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
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これがリアル高校野球! 『ひゃくはち』 [2008年08月05日(火)]
今週末公開の映画で、忘れてはいけないのが『ひゃくはち』。
高校野球の舞台裏のドラマを描いた作品です。
超さわやか! でも、この写真、映画を観終わった後に見るとちょっと涙が……
この夏は、『ぼくの友だち』に引き続き、青春ものに泣かされっぱなし。
この『ひゃくはち』は一見すると、テーマもキャストも、カフェグローブの読者層にはちょっとアピール力が弱いかもしれないのですが、スルーするのはもったいない!
実は私もスルーしそうだったのですが……、ほんとに観てよかったんですよー。
高校野球、スポ根モノを扱った映画はいろいろあると思うんですけど、この映画のよさは表舞台に出られない部員たちの「悪あがき」の部分をしっかり描いているところ。だから、野球のことがわからなくても十分共感できました。
甲子園出場常連の強豪校の野球部員、雅人とノブの話なんですが、周りが野球エリートぞろいのなか、中堅どころの彼らはどんなに情熱を傾けても結局補欠部員。そんな2人がなんとかベンチ入りするために必死になるというストーリー。
この映画を観て、高校野球のこと、知っているようでぜんぜん想像力が足りていなかったなあと思い知りました。
たとえば、強豪校には中学で野球エリートだった少年たちが、わんさか集まるわけですから、ベンチ入りするためには、ものすごく熾烈な競争を勝ち抜かなければならない。
1年のルーキー君が甲子園のマウンドでがんばっているのをテレビで観て「キャー、かわいい〜」なんてのんきに騒いでいる裏には、1年に背番号を取られて悔し泣きをしている部員がきっと相当数いるわけで。敵は、対戦校よりむしろ部員……。うーん、なんとも厳しい世界。
野球部員といっても、試合でベンチに入れるのは一部で、あとは応援席。ベンチ入りって、険しい道なんですね
オトナになっても、打ちのめされることとか、負けを認めなきゃいけないことはたくさんありますけど、言い訳をしたり逃げたりする方法をある程度は学んでますからね。
寮生活で毎日同じように練習していても背番号もらえないっていうのは、明らかに負けなわけで。ほんとうに悔しかろうと思うのです。で、嫌ならやめちゃえばいいのに、やめないんですよね。
コーチからベンチ入りが発表される瞬間は、真剣です
そんなわけで、雅人とノブはなんとかベンチ入りするために、ずーっと悪あがき。なかにはちょっとバカバカしい作戦もありますけど、全体を通してすがすがしいのは、ベンチ入りしたいっていう気持ちがストレートに伝わってくるから。
さわやかだけじゃなくて、いまどきの高校生ってこんなことしてるの!? というシーンもあったりして、男子の部室のモワンとした臭いが漂ってくるほどリアルな青春映画ですが、ラストまでぜんぜん飽きさせません! オトナもしっかりしなきゃね、って気になりました。
はー。高校生の友情に胸キュンです
運動部出身の彼と行くのもいいかも。みんなこういう経験ってあるものなのかなー。ちょっと聞いてみたいですね。
『ひゃくはち』
監督・脚本・編集:森 義隆
出演:斎藤嘉樹、中村 蒼、市川由衣、高良健吾
8月9日より、テアトル新宿他にて全国ロードショー
(c)2008「ひゃくはち」製作委員会
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ポニョ、観てきました! 『崖の上のポニョ』 [2008年07月20日(日)]
土曜日に公開された『崖の上のポニョ』に行ってきました。
いやー、楽しかったですー。
パンフレットも購入。グッズもいっぱいありました。「いもうといっぱいセット」という、その名のとおり「いもうと」がいっぱい入ってるというグッズが気になります……。
ストーリーについてはとてもシンプルなので説明するまでもないのですが、現代版・人魚姫といったところ。
とにかくポニョが、ぽにょぽにょしててかわいいのですー。
それと、ポニョのいもうとたち! いつもどこかからワラワラと大量に出てきてくるちっちゃいサイズのポニョなんですけど、これもかわいくてツボでした。
どのシーンも絵がきれいで、観ているだけでワクワクしてくる。冒頭の海の中のシーンだけでも、いろんな生き物がいて、海の色もカラフルで幻想的で。
なんというか、子どもの頃に絵本を見るだけでワクワクしたような、想像力をかき立てられるようなシーンがすごく多かったと思います。
なかでもすごい!と思ったのは、嵐になったときの波のシーン。ひとつひとつの波が「巨大な魚」になって追いかけてくるんですけど、波が意志を持って迫ってくるというのは、コワいんだけど、わかる。
なるほどなー、そういう表現があるのかー、と感動しきりでした。
絵が動いているだけでワクワクするというアニメの原点を観た、という感じ。単純にポニョが動いているだけで、引き込まれてしまうし、背景を見ているのも楽しい。
ストーリーを難しく考える必要がないので、絵に没頭できる。こんなにシンプルで楽しい映画は久しぶりでした。
そういえば、ずっと自分のアタマの中で主題歌がリフレインしている、と先週原稿で書いていた「ポーニョポーニョポニョ、おんなのこー」は正しくは「さかなのこー」でした。
あわわ。失礼いたしましたー。
『崖の上のポニョ』
監督・原案・脚本:宮崎駿
プロデューサー:鈴木敏夫
音楽:久石譲
声:山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ
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蒼井優ちゃん&森山未來くんが演じる甘酸っぱい恋 『百万円と苦虫女』 [2008年07月19日(土)]
今日公開のおすすめの映画、まだご紹介が終わってなかったですね。
まずは蒼井優さん主演の『百万円と苦虫女』。
ストーリーは、蒼井さんが演じる不器用で地味な女の子の鈴子が、ある事件をきっかけに借金を背負うことになり、その返済のために、働いて100万円溜まったら次の土地に行くという生活を始めるというもの。海の家でカキ氷を作っていたかと思えば、山にある桃農園で桃をもいでいたりして。農家で使う花柄の日よけ帽をかぶった蒼井優ちゃん、かわいくって大満足! というコスプレ的な魅力もありますけれど、鈴子の青春ロードムービーとしても味わい深い話です。
「100万円溜まったら次の土地に行く」というシンプルなルールで旅を続ける生活って、ちょっと憧れますけど、現実はそんなにシンプルにはいかない。どこにいても目立たぬようにして、困ったような愛想笑いを浮かべるだけで人とのかかわりを避け続ける鈴子ですが、避け通せるわけでもなく……。
で、その最たるものが、恋。森山未來さん演じるバイトの先輩の中島くんに恋をしちゃうのですが、その二人の関係が切なくってイイ。この恋のエピソードだけで、この映画は観るべき!って思えるくらい、みずみずしいラブストーリーなんです。
蒼井優ちゃんと森山くん、という今をときめく2人が並んで歩いている絵だけでも、切り取って飾っておきたいくらいお似合いで可愛かったのですが、鈴子と中島くんがどちらも不器用で、恋に対してもバカで一途なところに胸を打たれました。
心を閉ざしていた鈴子がちょっとずつ変わっていく。観終わっても、この先どうするのかなーと、彼女のことをずっと見守っていたくなるような作品でした。
『百万円と苦虫女』
監督・脚本:タナダユキ
出演:蒼井優、森山未來、ピエール瀧
明日よりシネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
(c) 2008「百万円と苦虫女」製作委員会
3本目は『たみおのしあわせ』。
(C)2007 『たみおのしあわせ』フィルムパートナーズ
4月の完成披露試写会に行ったときにご紹介しているので、そちらをご覧いただきたいのですが、ヒトコトで言うと、「しあわせ」って人それぞれ、なんてことを考えてしまう映画。といっても、重たいトーンで描いているわけではなくて、むしろニヤニヤしてしまうヘンなシーンのほうが多いかも。脇を固める大竹しのぶさんと小林薫さんの役柄も強烈にクセがあって、小林さんの登場シーンはいまも思い出すだけで笑えます。
ちょうどいま、麻生久美子さんのインタビュー記事も掲載中なので、そちらもぜひご参照ください。
『たみおのしあわせ』
監督:岩松了
出演:オダギリ ジョー、原田芳雄、麻生久美子
本日よりシネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国公開
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