本日公開。トム・ケイリン監督のコメントも! 『美しすぎる母』 [2008年06月07日(土)]
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今日から公開中のこちらの作品。
![]() 舞台は1946年のニューヨーク。貧しい家の出身ながら、その美貌で大富豪のベークランド家に嫁いだ女優のバーバラが、夫に捨てられ、行き場をなくして最愛の息子と住居を転々としながら、最後にはその息子に殺されてしまうというショッキングなストーリー。実際にあった事件をもとに作られたということが、さらに内容を衝撃的に見せています。 上流階級独特の雰囲気の中で起こる悲劇。怠惰で美しい生活や、同性愛や、母親殺し、といったキーワードがちりばめられたこの作品からは、ちょっとヴィスコンティの映画のような耽美的な雰囲気も感じられて、悲劇なのですが美しい。萩尾望都や竹宮恵子が描くマンガの世界に通じる世界、ともいえそう。 ニューヨークから、ロンドン、パリ、マジョルカ島と滞在先を転々と変えるのですが、どの邸宅も美しいし、ファッションも素敵。息子のアントニーが、イケメンという感じではないけれど、両親に振り回されて育てられたせいで、主体性のないお人形のような青年になっていく様子もちょっとゾクゾクします。演じているエディ・レッドメインの青白いソバカス顔が、役にぴったりでした。 ![]() でも、なんといってもこの作品で一番の魅力はジュリアン・ムーアの演技。 激しい気性と美貌で周囲を振り回しながら、結局、夫に捨てられ、上流階級の雰囲気にもなじめずに、孤立していく。そんな強さと狂気を持ったバーバラを熱演しています。ストーリーを読むと、結末にかけてはただショッキングですが、彼女の変遷を観ているとそれが自然なものに思えてくる。本当にすごい女優さんだなあと思います。 うーん、母と息子の関係って難しい……なんてことを考えさせられてしまうのですが、ここで監督のトム・ケイリンが4月に来日した時のインタビューの様子をちょっとご紹介。 この映画で一番描きたかったテーマについては、ひとこと「リミッツ・オブ・ラブ」と答えた監督。「つまり、家族のうちにある愛の限界や、人間関係においての愛の限界を撮りたかった。バーバラは、貧しい家庭で育ち裕福な結婚をしたけれど、最終的には全てを失った。それは、自分をちゃんとつかんでおけなかったからだと思うんです」。 バーバラという女性については「ナルシストで怒りを内に持っていて、落ち着きがない人」と評する監督、ジュリアン・ムーアを起用した理由については「彼女なら役に必要な人間臭さや感情的な深みを伝えられると感じたから」と。 ジュリアン・ムーアは台本を渡すと1週間で引き受けてくれると連絡があったそう。 「ジュリアンは、物静かな役を演じることが多いので、バーバラ役はチャレンジだったと思うが、彼女は勇敢に挑んでくれた。空港のテイクなどは自分からいろいろ提案してくれたよ」。 たしかに、空港のシーンでのジュリアンには怨念のようなコワさが……。 デートで観るにはちょっとヘビーかもしれませんが、上流階級、美少年好き、耽美派好きのかたはぜひ! 『美しすぎる母』 監督:トム・ケイリン 出演:ジュリアン・ムーア、スティーヴン・ディレイン、エディ・レッドメイン Bunkamura ル・シネマほか全国公開中 (c) Lace Curtain, Monfort Producciones and Celluloid Dreams Production |



この映画で一番描きたかったテーマについては、ひとこと「リミッツ・オブ・ラブ」と答えた監督。

