最後までドッキドキの展開 『フィクサー』 [2008年04月08日(火)]
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今年のアカデミー賞の作品賞ほかにノミネートされた作品。監督は『ボーン・アイデンティティー』シリーズのトニー・ギルロイ。ボーンシリーズも、息をつかせぬ展開にドキドキでしたが、『フィクサー』もそう。最初は何が起きているのかわからず緊張の連続ですが、ラストに向かってクリアになっていく。時間をさかのぼったり、相手側の立場からのシーンを入れたりして、だんだん全体像がつかめていく過程はかなり快感です。
![]() ただし、扱っているテーマは「ボーン」よりリアル。巨額な薬害訴訟を抱えている巨大製薬会社がNY最大の法律事務所と契約して訴訟を有利に進め、いよいよ解決という段階になって、担当の弁護士が良心の呵責から、ある事実の暴露を決意する。その動きを察知した事務所側が社内のフィクサー(もみけし屋)に事態を収拾させる、というストーリー。 製薬会社の法務部長(ティルダ・スウィントン)、事実の暴露を決意した弁護士(トム・ウィルキンソン)、フィクサー(ジョージ・クルーニー)の3人の駆け引きがメインになるのですが、それぞれに精神状態がギリギリ。 なかでも印象的だったのが、ティルダ・スウィントンが演じる企業の法務部長。訴訟に負けたら3000億円の損出という立場に立たされ、最近部長になったばかりの彼女としては、絶対に失敗できないし、女がどこまでできるか的な意地悪な視線も感じたりして、そのプレッシャーたるや、常に脇汗びっしょり、なのです。 ![]() 役柄的には悪い人なんですけど、ストレスとプレッシャーでおかしくなりそうな彼女を観ているとつい感情移入してしまう。この演技で、彼女はアカデミー賞の助演女優賞を受賞したのですが、それも納得です。 ジョージ・クルーニーが演じるフィクサー役も、社内では日陰の存在で出世できないうえに、従兄弟の莫大な借金を肩代わりしてイライラしているし、この映画の登場人物はみなどこか病んでます。で、実際にこういう世界って普通にありそうなところが恐ろしい。 大企業が腐敗しきっていたり、登場人物がストレスでどんどん病んでいく姿に批判的なメッセージがこめられつつも、ギリギリの状態にいる人たちだからこそ、とんでもない駆け引きになって、サスペンスとしても面白い。最後の最後まで、目が離せません! 『フィクサー』 監督・脚本:トニー・ギルロイ 出演:ジョージ・クルーニー、ティルダ・スウィントン、トム・ウィルキンソン、シドニー・ポラック 4月12日より、日比谷・みゆき座ほかTOHO系で全国ロードショー (c)2007 Clayton Productions, LLC |






