MOVIE HUNETER

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今年の東京国際映画際で「東京サクラグランプリ」を受賞! 『迷子の警察音楽隊』 [2007年12月13日(木)]
 
今日ご紹介するのは『迷子の警察音楽隊』。10月の東京国際映画際で最優秀賞の「東京サクラグランプリ」に輝いた作品です。



文化交流の演奏旅行のために、イスラエルを訪れたエジプトの警察音楽隊が、何かの手違いで出迎えがなく、空港にポツンと残されることに。大使館に援助を求めようという声があるなか、音楽隊の隊長は自力で会場に行くと言い張る。部下に行き方を探させて、たどりついた場所は、目的地と一文字違いの別の町。ホテルすらない小さな町で途方に暮れていると、食堂の女主人の好意で、メンバーたちは地元民の家に泊まらせてもらうことになる。言葉も通じない彼らだが、一夜の不思議な交流が始まる、という話。

海外に行って、予定外のアクシデントにあったときって焦りますよね。現地の相手に説明したくても、カタコトの英語を話して通じないときの悲しさ。電話をかけて相手に早口でまくしたてられたときの敗北感…。

エジプトのおじさんたちがイスラエルにいっても状況は同じ、ってことにまず深く共感してしまいました。目的地と違う町に着いて途方に暮れる、という状況も、すごくありそうな設定。

音楽隊のメンバーのおじさんたちは、真面目そうな人たちですが、中でも隊長のトゥフィークは堅苦しいほど真面目で、礼儀正しい人。何を勧められても「いえ、私はけっこう」という態度を通す不器用な感じが、昭和の日本のガンコおやじっぽくて、なんだか自分の父親でも観ているようなちょっと懐かしい感じがしました。

言葉が通じなくても、女と見ると音楽の話をして口説く積極的な若手団員のカーレドが、地元のオクテの青年にさりげなく女の子の口説き方を実践して教えるところは、ちょっといい話

劇的な事件が起こるようなものではないけれど、言葉がわからなくてぎこちない空気が流れる中、「サマータイム」のメロディーをきっかけに、ちょっと気持ちが通じたりする。家庭や仕事のことで深刻な悩みを抱えていても、相手と一瞬でも通じ合えたって思えるのはなんかうれしい。そういう小さな交流をていねいに描いています。

アキ・カウリスマキの映画を彷彿とさせるような静かで暗めの画面に、赤や青の服が浮き立つような映像もキレイでした。

『迷子の警察音楽隊』
監督:エラン・コリリン
出演:サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカベッツ、サーレフ・バクリ
12月22日よりシネカノン有楽町2丁目ほか全国順次ロードショー
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プロフィール
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ミヤモトヒロミ。ライター。映画やカルチャー関連の記事をウェブサイトや女性誌などで執筆。
号泣モノから爆笑ストーリー、胸キュン恋愛ものまで、忙しくても絶対劇場で観たい!と思える映画を厳選してご紹介します!
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