MOVIE HUNETER

2007年10月
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登場人物すべてがダメ人間だけど、憎めない。センスバツグンのコメディ『ナルコ』 [2007年10月15日(月)]
 
今日ご紹介するのは『ナルコ』。タイトルの「ナルコ」というのは1000人に1人の発症率と言われる病気「ナルコレプシー」の略。どこにいても発作的に眠ってしまうというという病気のことで、主人公のギュスがこのナルコレプシーにかかっているという設定。

(C)2004 LES PRODUCTIONS DU TRÉSOR / STUDIOCANAL / TF1 FILMS PRODUCTION / M6 FILMS

どこでも眠れる病気なんて、うらやましい〜って思いますよね? でも、ギュスの眠りっぷりはハンパじゃない。仕事でドライブスルーの注文をとりながらバタッ、ディスコで踊りながらバタッ、女の子を口説きながらバタッ、と肝心なときに何の前触れもなく倒れこんで熟睡。悪いけど笑ってしまいます。深刻な病気のはずなのに、症状が眠ることだから同情するのが難しい。そのことが、映画の中でも問題になっていくんですけどね。

前半は、ギュスの生い立ちがメイン。ギュスがナルコレプシーにかかっていることだけでも特殊なのに、彼の家庭もかなり特殊。うんと年の離れた父親と2人暮らしなのですが、その父親というのが、フランク・シナトラと怠惰な生活とB級映画が好き、という超自由人。病気が発覚しても悲惨なムードになることなく、ギュスがすくすくとサブカル好きに育っていく、という設定が面白いのです。

中盤からは、ギュスが事件に巻き込まれ、一気にサスペンスのテイストに。キャラの濃い、悪い人たちがたくさん出てくるのですが、みんなどこか抜けている。その最たる人がギュスの親友で、世界一のカラテ家を目指し、ジャン=クロード・ヴァン・ダムを心の師と仰ぐレニー。何をやっても暑苦しく空回りをして、そしてだらしがない。でもどこか愛すべきキャラクターです。

ギュスを演じているギョーム・カネは、フランスの演技派俳優で精悍なイメージがあったのですが、ぽっちゃりしてキュートなギュス役が意外にもぴったりでした。役のために10キロ体重増やしたそうですけど、このくらいぽっちゃり系のほうがイケてると個人的には思ってます。こういう癒し系のキャラをもっと演じてほしいなあ。

画面がカラフルでインテリアや音楽がポップで、話の展開も早い。えー、この先どうなっちゃうの? とドキドキする話なのに、サッと終わるところもよかった。いろんな要素を詰めこんで105分。この短さがセンスあり、と見ました。
デートにもぴったり。こういう、ちょっとばかばかしくてキュートな話って、観終わってから話が弾みそうでいいですね。

『ナルコ』
監督:トリスタン・オリエ、ジル・ルルーシュ
出演:ギョーム・カネ、ザブー・ブライトマン、ブノワ・ポールヴールド
10月20日(土)より、ユーロスペース、吉祥寺バウスシアター他にてロードショー


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プロフィール
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ミヤモトヒロミ。ライター。映画やカルチャー関連の記事をウェブサイトや女性誌などで執筆。
号泣モノから爆笑ストーリー、胸キュン恋愛ものまで、忙しくても絶対劇場で観たい!と思える映画を厳選してご紹介します!
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