忘れてはいけない『ヒロシマナガサキ』のこと [2007年08月08日(水)]
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今日ご紹介するのは『ヒロシマナガサキ』。
![]() 今週はテレビでも、特集番組が組まれていたり 週末は『はだしのゲン』のドラマが放映されるなど、 戦争や原爆について考える機会が多い時期。 とはいえ、終戦からすでに62年が経過していて、身の回りには体験者がほとんどいない、ということも事実ですよね。 この映画は、渋谷にいる10代の女の子たちに、1945年8月6日に日本で何があったかを聞いても誰も答えられない、というエピソードから始まります。 日本人であれば当然知っている話ではなく、ほうっておくと、どんどん風化してしまう。そのことが、まずショックでした。 「ヒロシマ・ナガサキの事実を伝え、核の脅威を世界に知らしめる」ために、25年という歳月をかけ、500人以上の被爆者に取材をして、この作品を作ったのは、スティーヴン・オカザキ監督。日系三世のドキュメンタリー作家です。 14人の被爆者の証言と、爆撃に関与した4人のアメリカ人の証言を中心に構成されていますが、特徴的なのは、原爆の威力とか、政治的な背景、といった説明はほとんどなく、それぞれの個人的な体験を、淡々と紹介していること。 原爆のすさまじい威力を目撃してしまったこと。 戦後も、被爆者に対するひどい差別に苦しんできたこと。 アメリカから医師や研究者がやってきても、まったく治療をしてもらえずに、研究対象として扱われたこと。 ひとつひとつの体験から見えてくるのは、被爆によって経験した、肉体的にも精神的にも想像を絶する苦痛。 広島、長崎で何が起きて、それからの人生がどうなったのか。 音楽や再現シーンなどによる過度な演出はありませんが 被爆者の方々の静かな語り口が、忘れられません。 ヒロシマ・ナガサキを知らない世代がいることもショックでしたが ヒロシマ・ナガサキについて、自分が知っているつもりでいたことが、実は、表層的な部分だけだったのかもしれない、ということもショック。 風化させてはいけないテーマだとあらためて思いました。 『ヒロシマナガサキ』 監督:スティーヴン・オカザキ 岩波ホールにて公開中 |




