美しい島が沈む前にできることは? 『ビューティフル アイランズ』
2010年6月24日(木) 13:54
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南太平洋のツバル。
イタリアのベネチア。
アラスカのシシマレフ島。
この3つの島に共通するのは、気候変動によって、いまの生活が失われつつあるということ。
 まさに楽園!のようなツバルの暮らしぶりを紹介
映画『ビューティフル アイランズ』は、3つの島のいまの暮らしを追ったドキュメンタリー。
説明は文字で入るのみで、BGMもナレーションもありません。
ナマの映像という感じで波の音や風の音をそのまま生かしているので、実際に自分がそこにいるかのような臨場感のある体験ができます。
監督の海南友子さんは、元NHKディレクターの映像作家で、環境問題をライフワークとしているかた。今回、海南さんが映画のテーマにしたのは「今ここにある豊かな暮らしを撮る」ということなのだそう。
だからこの映画は、気候変動の恐ろしさを直接訴えるというわけではなくて、いまはまだそこにあって、今後、気候変動が進んだ場合に奪うことになる、美しい文化や暮らしをじっくりと見せているんですよね。
たとえば、ツバルという国が海面上昇で最初に水没するらしい、という情報だけはたくさんの人が知っていると思うんです。私もツバルと聞くと「大変な国」という知識しかなかったなあと。
この映画で紹介しているのは、ツバルの人たちの祭りのシーンや、夕食前に家族で歌を歌うシーン。
素朴だけれど、ほんとうに平和で美しい場面が続くので、こんな暮らしをしている人たちがいるんだ!と感動するんですが、それと同時に「これが失われるのかー」という実感がさらに強くなる。
しかも、海面上昇の原因には遠からず自分も関わっている。そう思うと、気持ちがざわざわしてきます。このざわつきを忘れちゃいけないんだな、とも思います。
 ベネチアのシーンでは、仮面舞踏会やゴンドラのシーンを紹介したあと、年々増えている「アクア・アルタ」と呼ばれる高潮の被害を映している。110センチを超えるものが年間80回以上もあるのだとか。淡々とPC業務をこなしながら、足元はゴム長靴を履いて膝丈くらいまで水に浸かっているホテルのフロントマンの姿が印象的。被害がすでに日常的になっているんだなあと。
 シシマレフ島では、アザラシ猟のようすなどを紹介。海面が凍らなくなったことで、シャーベット状になった波がシャリシャリと音をたてる海の映像も。
映画の最後に、ツバルの地表から海水が湧き出す映像を紹介していました。もう、あっという間に水浸し……。
ほんとうに、待ったなし!の状態が来ているようです。
この美しいけれどなんとも切ない感じ、ぜひスクリーンで体感していただきたいです。
『ビューティフル アイランズ』
監督・プロデューサー・編集:海南友子
エグゼクティブプロデューサー:是枝裕和
7月10日(土)より恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー
(c)海南友子
★青木陽子さんの「東京―ロンドン編集後記」でも、コチラの作品を紹介中♪
●ツバル、ベネツィア、シシュマレフ、美しい3つの島 |
[ ひとりでじっくり ] /
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