| ジョークを言う時は、全力で |
「何を?確か、歯ブラシはなかったよ。」
「バスタオルは?」
「あれは、僕が愛用している。」
「半券とか・・・」
「あれは、捨てていいでしょ?」
「写真は?」
「携帯に入っている。」
「前に、プリントして渡したことあったよ。」
「確か、実家にあるかな?」
過去のメールを見てたら、草男くんがお母さんに二人で行った
沖縄旅行の写真を見せた時、一枚だけ私の写真が残っていて、
これ誰?って、お母さんに聞かれて店員さん、って言った、
と言う事を書いてあった。
草男くんは、沖縄の写真を他のフォルダーにいれてたけど、
みらのが、カバに食べられてる(風な)写真だけが残ってたのだ。
「草男くん、ごまかすのうまいよね。」
「ジョーク言う時は全力でやらなければいけない、って
教えてもらったんだ。」
普段明るいのに、そういう時さめた顔で
さらっとできる人なのだ。
草男くんは。
「みらのさん、今日はどうしてたの?」
「昨日、今日と家にいようと思って。
家で、ほとんどインターネットしてた。
ご飯作って、インターネットして。」
「ひきこもりだね。セールに行ったら?」
「今、そんな気になれないわ。
少しやせたみたい。草男くん、私が重いと思ってない?」
たわいない事を1時間話していたけど、
草男くんは寒いようで、時々切りたそうだった。
それをつなげて話し続けたのは、みらのの方で、
今までと、まるっきり反対だった。 |
2012年5月25日(金) 00:58 [ 草男 ]
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| 私のもの、すぐに捨てないでね |
電話は、当分かかってこないかと思ってた。
その気持ちをそのまま伝えた。
「そう思ってたけど。
今時間あるし、かけようかなと思って。
次は、来週かな。」
「そんな事言わないでよ。
可哀そうだと思ってもいいから、時々かけてよ。」
言ってしまった。
「え?なんだかこわいなぁ。
みらのさんからかけて。」
「じゃあ、声を聞きたい時、電話するわ。」
「あさって、大掃除するんだ」
唐突に草男くんが言った。
「私のもの、すぐ捨てないでね。」 |
2012年5月21日(月) 21:10 [ 草男 ]
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| 今だから言える話 |
草男くんからは、その二日後電話があった。
「元気?」
「うん。元気。」
嘘ばっかり・・・
あれから、家にこもってずっと泣いていたのに。
「1日、家に着いてからすぐお参りにいったんだ。
小吉だった。
それからお好み焼き作った。うまくできたよ。」
「プレゼントしたおはし見た?」
「うん。
電車の中で開けて、おっ、って言ったら
隣の人もおっ、って感じだった(笑)」
「あれ、ペアじゃないから。」
「なんで?」
その方がいいかな、と思って。それを言っておきたかった。
草男くんはこうだった、私はこうだった、と
二人の会話はすべて過去形で話された。
「みらのさんとつきあい始めた時、働いてたでしょ?
あの時、本当にきつかった。
合わなかったんだ。あの仕事が。
でも、簡単に辞めちゃだめだ、って思ってたから、我慢していたけど・・
今だから言うけれど、あの時、夜バイトしてたんだ。」
初めて聞く話。
「それから就活もやってた。
会社で働いて、バイトして、就活して、みらのさんと会って、って毎日だった」
そうだったんだ・・・
なのに、私は自分の事しか考えてなくて、疲れたとか忙しい、
毎週会えないとか言ってたんだ。
「私、自分の事が恥ずかしいわ。」
「そんな事ないよ。楽しかったし。
好きになってもらおうと、必死だった。
だんだん、好きになってもらうために。
最初は冷たかったね。」
そう、のめりこまないように、という気持ちをセーブしてたのだ。
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2012年5月20日(日) 22:08 [ 草男 ]
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| 長い間ありがとうございました |
読者の皆様へ
「彼は20歳年下!?アラフォーOLのレンアイ事情」を
長い間応援してくださって、ありがとうございました。
途中、中断した事もありましたが、
変わらず購読を続けて頂いて、心から感謝しています。
年下彼氏と現在進行中の方、気になる人が年下彼氏の方、
年下彼氏と恋愛したい方、など本当に沢山の方から、
コメント以外にも直接メールを頂き、私も勇気づけられました。
草男くんとお別れした直後は、何も言わずこのブログを
閉鎖してしまおう、と思いましたが、ある人の言葉で
続けていくことを決意しました。
本当は、2011年の12月までに終了するつもりでいましたが
遅筆の為、今まで延びてしまいました。
継続していく中で、「励みになります」とメールを頂いた方々に
何と返信したら・・・、と悩みましたが、このブログで
最後に、お別れした事を書こう、と決めていたので、
その事については、触れる事が出来ませんでした。
メールを頂いた皆さん、ごめんなさい。
最後に・・・
草男くんとお別れした時は、しばらくの間毎日涙が止まらないくらい
悲しく、もはや生きていく意味も見いだせないくらいの私でしたが、
お付き合いしていた時は、毎日が楽しかったですし
私だけをあんなに好きになってくれて、沢山の思い出をくれた
草男くんに、とってもとっても感謝しています。
20代の頃のような恋愛を、まさかこの年齢でする事が出来るとは、
想像もしていなかったので、神様がくれたビッグプレゼントのような気がします。
なので、みらのさん可哀想、や草男くんが悪い、などと思わないでくださいね。
たまたま私達はうまくいかなくなりましたが、困難を乗り越えて超年下彼氏と
結婚された方は、沢山いらっしゃいます。
なので、恋愛中の皆様は諦めず、彼を信じて突き進んでいってください。
ありがとうございました。
(あと、もう少し続きます)
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2012年5月6日(日) 23:01 [ 草男 ]
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| 最後のキスをホームで |
新幹線に乗り込み、一度席に荷物を置いて草男くんがデッキに立った。
出発のアナウンスが聞こえ、みらのは白線の後ろに下がった。
以前、いつまでもここに立っていて、アナウンスで注意された事が
あったからだ。
ドアが閉まり、新幹線が動き出す時、草男くんに投げキッスを送ったら
それをキャッチしてくれた。
そして、電車の窓に顔をのぞき込ませて、
真剣な顔でみらのの事をじっと見ていた。
電車が遠ざかるにつれ、首を伸ばし。
その覗き込んだ顔が、今でも忘れられない。
それは、2011年の事だった。 |
2012年4月30日(月) 23:32 [ 草男 ]
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| 恋人未満でいさせて |
みらのは、またメモを出して、
昨日お母さんの病院に行ってきたの、と言った。
「お母さんのお墓?」
「お母さん、まだ死んでないけど・・・」
「あ、あれおばあちゃんか。」
「草男くん、前にお母さんの病院にも来てくれたな、と思って。
ありがとう。
メールにも書いたけど、いきなり格下げはきついから、
しばらく恋人未満でいさせて。スタメンに・・」
「8番くらいかな?」
「8番!?ひどい。」
「じゃあ5番?」
「えー?5番?」
「野球じゃ、5番は結構いいんだけどね。」
「それから、もしipodが届いたら、草男くんが買ったカバーを
外しておいたから、私がまたカバーを送るわ。
買わないでね。
それから・・・」
「だから、俺死なないって。」
これ、6回目かしら? |
2012年4月23日(月) 22:48 [ 草男 ]
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| 私のこと、まだ好き? |
電車のアナウンスが聞こえた。
列に並ぼうとする草男くんと、ハグしようとしたら
ほっぺにキスしてくれた。
もう一度せがむと、唇にも軽くキスしてくれた。
「草男くん、当分彼女作らないでね。」
「そんなすぐ、出来ないだろうなぁ。
彼女が出来たら、言った方がいい?」
「言わないで。」
「わかった。
じゃあ察して。」
「うん・・・
みらのの事、まだ好き?」
「うん、好き。」
「ありがとう。」
誰もいないと思っていたけれど、後ろにいた小さな子供を連れた
若い夫婦は、私たちの会話をすべて聞いていたようだ。
しつこい女だと思っただろう・・・ |
2012年4月23日(月) 22:42 [ 草男 ]
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| 泣かせないからね |
「ちょっと、中身をチェックするよ」
と言うので、袋の中身を一つずつ説明し始めた。
「これは、草男くんがいつもお歳暮とかお土産とか
送ってくれてるから、ケーニヒスクローネで買った
お菓子の詰め合わせ。
ほら、これ、エコバックにも使えるでしょ?
これは、黒豆とかおせち料理。
これは、電車の中で食べるお菓子。
ポテトチップス。
それからこれは、草男くん、コーヒーがなくなりかけてる、って
言ってたから。
フランスで買ってたもの。
これは、昨日言ってたデパートで買ったもの。
後で開けてね。
これは、プラネタリウムのチケット。
草男くん持っていかなかったでしょ?
思い出に・・・
これは、イオンの割引チケット。
草男くんの町でも、使えるから・・・」
草男くんは、その様子を見ていて
「まるで出征前の、親みたいや・・・」
と笑いだしそうな顔で、
いや、すでに笑っていた。
「この袋は?」
「このピンクのぬいぐるみ、草男くん欲しいって言ってたでしょ?
家にあったやつ。」
「言ったっけ?」
「うん。アロマとかお腹に入れるの」
そして、この袋はいらんわ、と、包装紙をはがして、
コンパクトにし始めた。
こんなに荷物が増えてしまって・・・、と笑っているから、
笑わないでよ、悲しいんだから、と
みらのが言うと
「なんだか、おかしくなってきた。
泣かせないよ。」
と、ふざけだした。
時々、草男くんは真面目なシーンでも笑いだして
みらのはむっと来ることが、今までもあった。
それが今、でてきたようだ。 |
2012年4月2日(月) 02:00 [ 草男 ]
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| 俺、死なないよ |
「新幹線、5分くらい遅れているみたい。」
そして草男くんを、柱の陰に呼んで、
「ここで一緒に、写真を撮りたいの。」
「遺影?俺、死なないよ。」
これで5度目くらいに、草男くんが言った。
二人で何枚か撮って、最後の写真は笑顔のいい写真になった。
「切符を買おう」
と、草男くんは券売機の前に立ち、ボタンを押した。
「私も買おうかなあ。実は、買ってるんだ」
、とみらのが切符を出すと、草男くんは一瞬ぎょっとした顔になった。
そして、入場券か、とほっとした表情に戻った。
「14:32のに乗るよ。」
「あと、20分しかないから、もう一本後にしたら?」
「いや、これで帰る」
なんで???
草男くんが困った顔になった。
「これ言ったら、みらのさん怒るだろうけど。
向こうに迎えに来てくれてるんだ。」
厭な予感がした。
「誰が?」
「あ、Rさんって言って飲み友達。
お参りに行ってから飲みに行こうって。」
少しほっとしたけれど、それを優先する、って事に少し傷ついた。
そして自由席だからと、先に改札に入る事にした。
「あのね、これ、お土産だから持って帰って。」
「え?これ全部?」
草男くんは、みらのの差し出した荷物を見て
笑いだしそうな顔になった。 |
2012年3月30日(金) 02:08 [ 草男 ]
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| また、手をつないでくれる? |
冷えた体を温めたかったが、
カフェに入る時間もなさそう・・・
コンビニでゆず茶を買って、少し飲んだ。
みらのも、すっかり草男くんのスタイルが身についてきた。
14:07に到着するバスの、正しい降り場を駅の人達は誰も知らなかった。
乗るところは間違えたくなくても、到着するところはそう重要でもないのだろう。
でもみらのは、バスから降りてくる草男くんをどうしても出迎えたかった。
そこで標識と標識の真ん中で待つことにして、もしバスが通りすぎれば、
走っておいかけることにした。
そして予定の3分前くらいに、大きなバスが手前の標識の前に到着し、
一番前に草男くんの顔が見えた。
お、とみらのを見つけたようだ。
「明けましておめでとう」
「おめでとう」
紙袋を持ち、キャリーケースを引いているので
両手が塞がっているから、持つよ、と言ったけれど、一度断られた。
そこで、手をつなぎたいから、と言って荷物を持たせてもらった。
「次、5月に会った時も、こんな風に自然に何もなかったように、
手をつないでくれる?」
「うん、みらのさんがいいならね。」 |
2012年3月26日(月) 00:46 [ 草男 ]
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